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労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律の施行に伴う関係政省令等の制定について
平成24年8月10日職発0810第1号
(各都道府県労働局長あて厚生労働省職業安定局長通知)
「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律」(平成24年法律第27号。以下「改正法」という。)については、平成24年4月6日付け厚生労働省基発0406第1号・職発0406第7号によりその概要を通達したところであるが、この施行に関し、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令(平成24年政令第210号)」等の関係政省令・告示が本日公布されたところである。その主な内容についてはそれぞれ下記第1から第11までのとおりであるので、これに十分留意の上、その円滑な施行について万全を期されたく、通達する。
なお、本日公布された主な関係政省令等は次のとおりである。
・ 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律の施行期日を定める政令(平成24年政令第210号)
・ 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律施行令及び行政手続法施行令の一部を改正する政令(平成24年政令第211号)
・ 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備等に関する省令(平成24年厚生労働省令第114号)
・ 派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針の一部を改正する件(平成24年厚生労働省告示第474号)
・ 派遣先が講ずべき措置に関する指針の一部を改正する件(平成24年厚生労働省告示第475号)
・ 日雇派遣労働者の雇用の安定等を図るために派遣元事業主及び派遣先が講ずべき措置に関する指針の一部を改正する件(平成24年厚生労働省告示第476号)
記
第1 日雇派遣の原則禁止について
① 改正法による改正後の労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60年法律第88号。以下「法」という。)第35条の3第1項の政令で定める業務(日雇派遣の原則禁止の例外となる業務)は、次に掲げる業務(いわゆる「17.5業務」)とすること。
ソフトウェア開発 機械設計 事務用機器操作 通訳、翻訳、速記 秘書 ファイリング 調査 財務処理 取引文書作成 デモンストレーション 添乗 受付・案内 研究開発 事業の実施体制の企画、立案 書籍等の制作・編集 広告デザイン OAインストラクション セールスエンジニアの営業、金融商品の営業 |
【改正後の法施行令(以下「政令」)第4条関係】
② 法第35条の3第1項の政令で定める場合(日雇派遣の原則禁止の例外として認められる場合)は、次のとおりとすること。
ア 日雇労働者が60歳以上である場合
イ 日雇労働者が学校教育法の学校(専修学校・各種学校を含む。)の学生又は生徒(定時制の課程に在学する者等を除く。)である場合
ウ 日雇労働者の収入(生業収入)の額が500万円以上である場合
エ 日雇労働者が生計を一にする配偶者等の収入により生計を維持する者であって、世帯収入の額が500万円以上である場合
【政令第4条、改正後の法施行規則(以下「省令」)第28条の2及び第28条の3関係】
③ 派遣元事業主は、労働者を日雇派遣労働者として雇い入れようとするときは、当該労働者が従事する業務が①に該当し、又は当該労働者が②に該当しているかどうかを確認すること。
【改正後の日雇派遣労働者の雇用の安定等を図るために派遣元事業主及び派遣先が講ずべき措置に関する指針(以下「日雇指針」)第2の3関係】
④ 派遣元事業主は、日雇派遣労働者に対して労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第59条第1項に規定する雇入時の安全衛生教育を行う際には、日雇派遣労働者が従事する具体的な業務内容について、派遣先から確実に聴取した上で、当該業務内容に即した安全衛生教育を行うこと。
また、日雇派遣労働者が労働安全衛生法第59条第3項に規定する危険有害業務に従事する場合には、派遣先が危険有害業務就業時の安全衛生教育を確実に行ったかどうか確認すること。
【日雇指針第8の1関係】
⑤ 派遣先は、派遣元事業主が日雇派遣労働者に対する雇入時の安全衛生教育を適切に行えるよう、日雇派遣労働者が従事する具体的な業務内容を派遣元事業主に対し積極的に提供すること。
また、派遣元事業主が日雇派遣労働者に対する雇入時の安全衛生教育を確実に行ったかどうか確認すること。
【日雇指針第8の2関係】
第2 グループ企業内派遣の8割規制について
① 法第23条の2の厚生労働省令で定める者(関係派遣先に含まれる者)は、次のとおりとすること。
ア 派遣元事業主が連結子会社である場合
1) 派遣元事業主の親会社
2) 派遣元事業主の親会社の連結子会社
※ 親子関係は、連結決算の範囲により判断する。
イ 派遣元事業主が連結子会社でない場合
1) 派遣元事業主の親会社等
※ 「派遣元事業主の議決権の過半数を所有している者」「派遣元事業主の資本金の過半数を出資している者」「派遣元事業主に対し、これらと同等以上の支配力を有している者」とする。
2) 派遣元事業主の親会社等の子会社等
※ 「派遣元事業主の親会社等が議決権の過半数を所有している者」「派遣元事業主の親会社等が資本金の過半数を出資している者」「派遣元事業主の親会社等がこれらと同等以上の支配力を有している者」とする。
【省令第18条の3関係】
② 法第23条の2の厚生労働省令で定めるところにより算定した割合(関係派遣先への派遣割合)は、一の事業年度における派遣元事業主が雇用する派遣労働者(60歳以上の定年退職者を除く。)の関係派遣先に係る派遣就業に係る総労働時間を、その事業年度における当該派遣元事業主が雇用する派遣労働者の全ての派遣就業に係る総労働時間で除して得た割合(小数点以下一位未満の端数があるときは、これを切り捨てる。)とすること。
【省令第18条の3関係】
③ 派遣元事業主は、法第23条第3項の規定による報告(関係派遣先への派遣割合の報告)をしようとするときは、毎事業年度終了後3ヶ月が経過する日までの間に厚生労働大臣に報告すること。
【省令第17条の2関係】
第3 離職した労働者を離職後1年以内に派遣労働者として受け入れることの禁止について
① 法第40条の6第1項の厚生労働省令で定める者(派遣労働者としての受入禁止の例外となる者)は、60歳以上の定年退職者とすること。
【省令第33条の5関係】
② 法第40条の6第2項の規定による通知(労働者派遣の役務の提供を受けた場合に法第40条の6第1項の規定に抵触する場合の派遣元事業主への通知)は、書面の交付、ファクシミリを利用してする送信又は電子メールの送信により行うこと。
【省令第33条の5関係】
第4 一定の有期雇用派遣労働者の無期雇用への転換推進措置について
① 法第30条の厚生労働省令で定める者(無期雇用への転換推進措置の対象者)は、次のとおりとすること。
ア 派遣元事業主に雇用された期間が通算して1年以上である期間を定めて雇用する派遣労働者
イ 派遣元事業主に雇用された期間が通算して1年以上である派遣労働者として期間を定めて雇用しようとする労働者
【省令第25条関係】
② 派遣元事業主は、法第30条の規定による措置(無期雇用への転換推進措置)を講ずるに当たっては、①ア又はイに該当する労働者(以下「派遣労働者等」という。)に対し、労働契約の締結、更新等の機会を利用し、又は電子メールを活用する等により、同措置を受けるかどうか等についての派遣労働者等の希望を把握するよう努めること。
【改正後の派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針(以下「派遣元指針」)第2の8関係】
第5 均衡待遇の確保について
① 派遣元事業主は、派遣労働者の賃金の決定に当たっては、法第30条の2第1項の規定の趣旨を踏まえ、派遣労働者と同種の業務に従事する派遣先の労働者の賃金水準との均衡を考慮しつつ、派遣労働者と同種の業務に従事する一般の労働者の賃金水準や派遣労働者の職務の内容等を勘案するよう努めること。
また、派遣労働者の職務の成果等に応じた適切な賃金を決定するよう努めること。
なお、派遣労働者と同種の業務に従事する派遣先の労働者の賃金水準との均衡を考慮した結果のみをもって、当該派遣労働者の賃金を従前より引き下げるような取扱いは、法第30条の2第1項の趣旨を踏まえた対応とはいえないこと。
【派遣元指針第2の8関係】
② 派遣先は、法第40条第3項の規定に基づき、派遣元事業主の求めに応じ、派遣労働者と同種の業務に従事する派遣先の労働者の賃金水準、教育訓練等に関する情報を提供するよう努めること。
また、派遣元事業主が派遣労働者の職務の成果等に応じた適切な賃金を決定できるよう、派遣元事業主からの求めに応じ、派遣労働者の職務の評価等に協力するよう努めること。
【改正後の派遣先が講ずべき措置に関する指針(以下「派遣先指針」)第2の9関係】
第6 マージン率等の情報提供について
① 法第23条第5項の厚生労働省令で定める事項(情報提供すべき事項)は、次のとおりとすること。
ア 労働者派遣に関する料金の額の平均額
イ 派遣労働者の賃金の額の平均額
ウ その他労働者派遣事業の業務に関し参考となると認められる事項
【省令第18条の2関係】
② 法第23条第5項の規定による情報提供(マージン率等の情報提供)は、事業所への書類の備付け、インターネットの利用その他の適切な方法により行うこと。
【省令第18条の2関係】
③ 法第23条第5項の規定による割合の算定(マージン率の算定)は、前事業年度に係る労働者派遣事業を行う事業所ごとの労働者派遣に関する料金の額の平均額から派遣労働者の賃金の額の平均額を控除した額を、当該労働者派遣に関する料金の額の平均額で除して得た割合(小数点以下一位未満の端数があるときは、これを四捨五入する。)とすること。ただし、当該事業所が労働者派遣事業を行う他の事業所と一体的な経営を行っている場合には、その範囲内において算定することを妨げないこと。
【省令第18条の2関係】
第7 待遇に関する事項等の説明について
① 法第31条の2の厚生労働省令で定める事項(派遣労働者として雇用しようとする労働者に対する説明事項)は、次のとおりとすること。
ア 当該労働者を派遣労働者として雇用した場合における当該労働者の賃金の額の見込みその他の待遇に関する事項
イ 事業運営に関する事項
ウ 労働者派遣に関する制度の概要
【省令第25条の2関係】
② 法第31条の2の規定による説明(待遇に関する事項等の説明)は、書面の交付、ファクシミリを利用してする送信、電子メールの送信その他の適切な方法により行うこと。ただし、①アのうち労働者の賃金の額の見込みを説明する場合には、書面の交付、ファクシミリを利用してする送信又は電子メールの送信により行うこと。
【省令第25条の2関係】
第8 派遣労働者に対する派遣料金の額の明示について
① 法第34条の2の厚生労働省令で定める額(明示すべき労働者派遣に関する料金の額)は、次のいずれかとすること。
ア 当該労働者に係る労働者派遣に関する料金の額
イ 当該労働者に係る労働者派遣を行う事業所における労働者派遣に関する料金の額の平均額
【省令第26条の2関係】
② 法第34条の2の規定による明示(労働者派遣に関する料金の額の明示)は、書面の交付、ファクシミリを利用してする送信又は電子メールの送信により行うこと。ただし、派遣元事業主が労働者派遣をしようとする場合における①ア又はイの額が、同条第1号の規定(当該労働者を派遣労働者として雇い入れようとする場合)により明示した額と同一である場合には、同条第2号の規定(派遣元事業主が労働者派遣をしようとする場合)による明示を要しないこと。
【省令第26条の2関係】
第9 派遣可能期間の制限の適用を受けない業務について
① 法第40条の2第1項第1号の政令で定める業務(派遣可能期間の制限の適用を受けない業務。いわゆる「政令26業務」)に、「水道施設、下水道、一般廃棄物処理施設の設備又は非破壊検査用の機器の運転、点検又は整備の業務」(以下「下水道関連施設等の運転・点検・整備」という。)を追加すること。
【政令第5条関係】
② 今回の改正により、派遣可能期間の制限の適用を受けない業務は、改正後の政令第4条(第1の①参照)と第5条に分かれて規定されることとなる。ただし、これはあくまでも法技術的な観点からの改正であり、「政令26業務」の考え方が変わるものではない。
※ 第5条では、派遣可能期間の制限の適用を受けない業務について、「第4条に掲げる業務及び次に掲げる業務」と規定されている。
第10 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律施行規則(昭和46年労働省令第22号)の一部改正
シルバー人材センターについて、それまで届出により無料の職業紹介事業を行うことができるとされていたものが、有料の職業紹介事業を行うことができるとされたため、所要の改正を行うこととしたこと。
【労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備等に関する省令第2条関係】
第11 その他
改正法の施行期日は、平成24年10月1日とすること。