img1 img1 img1

◆トップページに移動 │ ★目次のページに移動 │ ※文字列検索は Ctrl+Fキー  

通達:職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律の公布について

 

職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律の公布について

平成23年5月20日省発職0520第1号・省発能0520第5号

(各都道府県労働局長あて厚生労働事務次官通知)

 

職業訓練の実施等による特定求職者の就職の支援に関する法律(以下「法」という。)については、本年2月14日に国会に提出され、審議が重ねられてきたところであるが、一部修正の上5月13日に成立し、本日平成23年法律第47号として公布されたところである。法は、一部の規定を除き、平成23年10月1日から施行される。

法の主たる内容は下記のとおりであるので、貴職におかれては、その趣旨について周知徹底に遺漏なきを期されたい。

 

第1 趣旨

非正規労働者や長期失業者が増加する中で、雇用保険の失業等給付を受給できない求職者について早期の就職を支援するため、必要な職業訓練を受講する機会を確保するとともに、当該職業訓練を受けることを容易にするための給付金の支給等を行うこととしたものである。

 

第2 概要

1 法の目的

法は、特定求職者に対し、職業訓練の実施、当該職業訓練を受けることを容易にするための給付金の支給その他の就職に関する支援措置を講ずることにより、特定求職者の就職を促進し、もって特定求職者の職業及び生活の安定に資することを目的とすることとしたこと。(第1条関係)

2 特定求職者の定義

法において「特定求職者」とは、公共職業安定所に求職の申込みをしている者(雇用保険法(昭和49年法律第116号)第4条第1項に規定する被保険者である者及び同法第15条第1項に規定する受給資格者である者を除く。)のうち、労働の意思及び能力を有しているものであって、職業訓練その他の支援措置を行う必要があるものと公共職業安定所長が認めたものをいうものとしたこと。(第2条関係)

3 特定求職者に対する職業訓練の実施

(1) 職業訓練実施計画

① 厚生労働大臣は、特定求職者について、その知識、職業経験その他の事情に応じた職業訓練を受ける機会を十分に確保するため、(2)の②による認定職業訓練その他の特定求職者に対する職業訓練の実施に関し重要な事項を定めた計画(以下「職業訓練実施計画」という。)を策定するものとしたこと。(第3条第1項関係)

② 職業訓練実施計画に定める事項は、次のとおりとするものとしたこと。(第3条第2項関係)

ア 特定求職者の数の動向に関する事項

イ 特定求職者に対する職業訓練の実施目標に関する事項

ウ 特定求職者に対する職業訓練の効果的な実施を図るために講じようとする施策の基本となるべき事項

③ 厚生労働大臣は、職業訓練実施計画を定めるに当たっては、あらかじめ、関係行政機関の長その他の関係者の意見を聴くものとしたこと。(第3条第3項関係)

④ 厚生労働大臣は、職業訓練実施計画を定めたときは、遅滞なく、これを公表しなければならないものとしたこと。(第3条第4項関係)

⑤ ③及び④は、職業訓練実施計画の変更について準用するものとしたこと。(第3条第5項関係)

(2) 厚生労働大臣による職業訓練の認定

① 厚生労働大臣は、職業訓練を行う者の申請に基づき、当該者の行う職業訓練について、次のアからウまでのいずれにも適合するものであることの認定をすることができるものとしたこと。(第4条第1項関係)

ア 職業訓練実施計画に照らして適切なものであること。

イ 就職に必要な技能及びこれに関する知識を十分に有していない者の職業能力の開発及び向上を図るために効果的なものであること。

ウ その他厚生労働省令で定める基準に適合するものであること。

② 厚生労働大臣は、①の認定に係る職業訓練(以下「認定職業訓練」という。)が①のアからウまでのいずれかに適合しないものとなったと認めるときは、当該認定を取り消すことができるものとしたこと。(第4条第2項関係)

③ 厚生労働大臣は、①による認定に関する事務を独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(以下「機構」という。)に行わせるものとしたこと。(第4条第3項関係)

(3) 認定職業訓練を行う者に対する助成

国は、認定職業訓練が円滑かつ効果的に行われることを奨励するため、認定職業訓練を行う者に対して、予算の範囲内において、必要な助成及び援助を行うことができるものとしたこと。(第5条関係)

(4) 指導及び助言

機構は、認定職業訓練を行う者に対し、当該認定職業訓練の実施に必要な指導及び助言を行うことができるものとしたこと。(第6条関係)

4 職業訓練受講給付金

(1) 職業訓練受講給付金の支給

① 国は、5の(2)の①により公共職業安定所長が指示した認定職業訓練又は公共職業訓練(雇用保険法第15条第3項に規定する公共職業訓練等をいう。5の(1)のイにおいて同じ。)を特定求職者が受けることを容易にするため、当該特定求職者に対して、職業訓練受講給付金を支給することができるものとしたこと。(第7条第1項関係)

② 職業訓練受講給付金の支給に関し必要な基準は、厚生労働省令で定めるものとしたこと。(第7条第2項関係)

(2) 返還命令等

① 偽りその他不正の行為により職業訓練受講給付金の支給を受けた者がある場合には、政府は、その者に対して、支給した職業訓練受講給付金の全部又は一部を返還することを命ずることができ、また、厚生労働大臣の定める基準により、当該偽りその他不正の行為により支給を受けた職業訓練受講給付金の額の二倍に相当する額以下の金額を納付することを命ずることができるものとしたこと。(第8条第1項関係)

② ①の場合において、認定職業訓練を行う者が偽りの届出、報告又は証明をしたことによりその職業訓練受講給付金が支給されたものであるときは、政府は、当該認定職業訓練を行う者に対し、その職業訓練受講給付金の支給を受けた者と連帯して、①による職業訓練受講給付金の返還又は納付を命ぜられた金額の納付をすることを命ずることができるものとしたこと。(第8条第2項関係)

③ 労働保険の保険料の徴収等に関する法律(昭和44年法律第84号)第27条及び第41条第2項の規定は、①及び②により返還又は納付を命ぜられた金額の納付を怠った場合に準用するものとしたこと。(第8条第3項関係)

(3) 譲渡等の禁止

職業訓練受講給付金の支給を受けることとなった者の当該支給を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができないものとしたこと。(第9条関係)

(4) 公課の禁止

租税その他の公課は、職業訓練受講給付金として支給を受けた金銭を標準として課することができないものとしたこと。(第10条関係)

5 就職支援計画の作成等

(1) 就職支援計画の作成

公共職業安定所長は、特定求職者の就職を容易にするため、当該特定求職者に関し、次のアからウまでに掲げる措置が効果的に関連して実施されるための計画(以下「就職支援計画」という。)を作成するものとしたこと。(第11条関係)

ア 職業指導及び職業紹介

イ 認定職業訓練又は公共職業訓練等

ウ ア及びイに掲げるもののほか、厚生労働省令で定めるもの

(2) 公共職業安定所長の指示

① 公共職業安定所長は、特定求職者に対して、就職支援計画に基づき(1)のアからウまでに掲げる措置(②及び(3)において「就職支援措置」という。)を受けることを指示するものとしたこと。(第12条第1項関係)

② 公共職業安定所長は、①による指示を受けた特定求職者の就職支援措置の効果を高めるために必要があると認めたときは、その者に対する指示を変更することができるものとしたこと。(第12条第2項関係)

③ 公共職業安定所長は、①による指示を受けた特定求職者の就職の支援を行う必要がなくなったと認めるときは、遅滞なく、当該特定求職者に係る指示を取り消すものとしたこと。(第12条第3項関係)

(3) 関係機関等の責務

① 職業安定機関、認定職業訓練を行う者、公共職業能力開発施設の長その他関係者は、(2)の①による指示を受けた特定求職者の就職支援措置の円滑な実施を図るため、相互に密接に連絡し、及び協力するように努めなければならないものとしたこと。(第13条第1項関係)

② (2)の①による指示を受けた特定求職者は、その就職支援措置の実施に当たる職員の指導又は指示に従うとともに、自ら進んで、速やかに職業に就くように努めなければならないものとしたこと。(第13条第2項関係)

6 雑則

(1) 時効

職業訓練受講給付金の支給を受け、又はその返還を受ける権利及び4の(2)の①又は②により納付をすべきことを命ぜられた金額を徴収する権利は、二年を経過したときは、時効によって消滅するものとしたこと。(第14条関係)

(2) 報告

① 厚生労働大臣は、この法律の施行のため必要があると認めるときは、認定職業訓練を行う者又は認定職業訓練を行っていた者(以下「認定職業訓練を行う者等」という。)に対して、報告を求めることができるものとしたこと。(第15条第1項関係)

② 厚生労働大臣は、この法律の施行のため必要があると認めるときは、特定求職者又は特定求職者であった者(以下「特定求職者等」という。)に対して、報告を求めることができるものとしたこと。(第15条第2項関係)

③ 機構は、3の(2)の①による認定に関する事務に関し必要があると認めるときは、認定職業訓練を行う者等に対し、報告を求めることができるものとしたこと。(第15条第3項関係)

(3) 立入検査

① 厚生労働大臣は、この法律の施行のため必要があると認めるときは、当該職員に、認定職業訓練を行う者等の事務所に立ち入り、関係者に対して質問させ、又は帳簿書類(その作成又は保存に代えて電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録であって、電子計算機による情報処理の用に供されるものをいう。)の作成又は保存がされている場合における当該電磁的記録を含む。)の検査をさせることができるものとしたこと。(第16条第1項関係)

② ①により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者に提示しなければならないものとしたこと。(第16条第2項関係)

③ 厚生労働大臣は、機構に、①の質問又は立入検査(認定職業訓練が3の(2)の①のアからウまでに掲げる要件に適合して行われていることを調査するために行うものに限る。)を行わせることができるものとしたこと。(第16条第3項関係)

④ 機構は、③により③の質問又は立入検査をしたときは、厚生労働省令で定めるところにより、当該質問又は立入検査の結果を厚生労働大臣に通知しなければならないものとしたこと。(第16条第4項関係)

⑤ ②は、③の立入検査について準用するものとしたこと。(第16条第5項関係)

⑥ ①の規定による立入検査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解釈してはならないものとしたこと。(第16条第6項関係)

(4) 船員となろうとする者に関する特例

船員職業安定法(昭和23年法律第130号)第6条第1項に規定する船員となろうとする者に関して必要な特例を設けるものとしたこと。(第17条関係)

(5) 権限の委任

① この法律に定める厚生労働大臣の権限は、厚生労働省令で定めるところにより、その一部を都道府県労働局長に委任することができるものとしたこと。(第18条第1項関係)

② ①により都道府県労働局長に委任された権限は、厚生労働省令で定めるところにより、公共職業安定所長に委任することができるものとしたこと。(第18条第2項関係)

(6) 厚生労働省令への委任

この法律に規定するもののほか、この法律の実施のため必要な手続その他の事項は、厚生労働省令で定めるものとしたこと。(第19条関係)

7 罰則

6の(2)の①による報告をせず、又は虚偽の報告をした認定職業訓練を行う者等に対し、所要の罰則を科すものとしたこと。(第20条から第22条関係)

8 附則

(1) 施行期日

この法律は、平成二十三年十月一日から施行するものとしたこと。ただし、(2)及び(5)の一部については、公布の日から施行するものとしたこと。(附則第1条関係)

(2) 施行前の準備

厚生労働大臣は、この法律の施行前においても、3の(2)の①の認定に相当する認定等必要な施行前の準備を行うことができるものとしたこと。(附則第2条及び第3条関係)

(3) 雇用保険法の一部改正

① 就職支援法事業

政府は、被保険者であった者及び被保険者になろうとする者の就職に必要な能力を開発し、及び向上させるため、能力開発事業として、認定職業訓練を行う者に対して、3の(3)による助成を行うこと及び2の特定求職者に対して、4の(1)の職業訓練受講給付金を支給することができるものとしたこと。(附則第4条関係)

② 国庫負担(附則第4条関係)

ア 国庫は、①の就職支援法事業のうち、職業訓練受講給付金に要する費用については二分の一を負担するものとしたこと。

(注) 雇用保険法附則第13条により、国庫負担については、暫定措置(当分の間、国庫が負担すべきこととされている額の百分の五十五に相当する額を負担)が適用される。

イ 国庫は、アのほか、予算の範囲内において、就職支援法事業に要する費用(職業訓練受講給付金に要する費用を除く。)を負担するものとしたこと。

(4) 検討

① 政府は、この法律の施行後三年を目途として、この法律の施行の状況等を勘案し、特定求職者の就職に関する支援施策の在り方について総合的に検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとしたこと。(附則第13条第1項関係)

② ①の特定求職者の就職に関する支援施策の在り方についての検討を行うに当たっては、その支援施策に要する費用の負担の在り方について速やかに検討し、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとしたこと。(附則第13条第2項関係)

(5) その他

この法律の施行に関し必要な経過措置を定めるとともに、所要の規定の整備を行うこととしたこと。(附則第6条から第12条及び第14条関係)