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通達:高年齢者雇用就業対策の総合的推進等について

 

高年齢者雇用就業対策の総合的推進等について

平成22年4月1日職発0401第30号

(各都道府県労働局長あて厚生労働省職業安定局長通知)

 

平成25年度から、公的年金(定額部分)の支給開始年齢が65歳となり、報酬比例部分の段階的引上げが始まる中で、高年齢者雇用確保措置の定着、希望者全員が65歳まで働ける制度の一層の普及が喫緊の課題となっている。併せて、少子高齢化の進行に伴う労働力人口の減少が見込まれる中で、高齢者が社会の支え手として活躍することが重要であり、このため、65歳を超えても働ける社会の実現に向けた取組が求められている。

こうした課題の解決のためには、地域の関係者や企業等に対し高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(昭和46年法律第68号)の趣旨・内容の周知を徹底し、高年齢者雇用確保措置の定着、希望者全員が65歳まで働ける制度の導入、継続雇用制度の対象者の拡大について、企業の取組を促すことが必要である。

また、65歳を超えて働く場合には、就業ニーズも多様化することから、企業の実情に応じた継続雇用の仕組みの導入や、任意的就業や起業・創業など多様な就業機会を創出することが不可欠である。

このため、地域の関係者で構成する高年齢者雇用推進委員会を下記1により設置・運営し、地域の関係者の連携を促進し、高年齢者の雇用・就業機会の創出に対する気運の醸成と各種事業の取組の促進を図ることとする。

また、下記2により公共職業安定所等に高年齢者雇用基盤確保専門員を配置し、高年齢者雇用確保措置の定着・充実等、高年齢者の雇用基盤の確保を図ることとするので、業務の運営に遺漏なきを期されたい。

なお、本通達をもって、平成21年4月1日付け職高発第0401020号「高年齢者雇用就業対策の総合的推進等について」は廃止する。

 

1 高年齢者雇用推進委員会の設置・運営について

別添1の高年齢者雇用推進委員会要綱に基づき、高年齢者雇用推進委員会を設置・運営し、次の取組を通し、高年齢者雇用対策に係る地域関係者との連携を促進するとともに、高年齢者雇用に対する気運の醸成と取組の促進を図る。

(1) 高年齢者雇用制度に係る地域の気運の醸成と事業主の取組の促進に関すること

(2) 求職活動支援書制度等に関すること

(3) シニアワークプログラム地域事業に関すること

(4) シニア就業支援プログラム事業に関すること

(5) その他

2 高年齢者雇用基盤確保専門員の配置について

別添2の高年齢者雇用基盤確保専門員要綱に基づき、都道府県労働局及び公共職業安定所において高年齢者雇用基盤確保専門員を配置し、高年齢者雇用確保措置の定着・充実、求職活動支援書の作成・交付にかかる事業主指導等、高年齢者の雇用基盤の確保を図る。具体的には次の活動を行うこと。

(1) 雇用確保措置指導等関係

(2) 再就職援助関係

(3) 求人開拓関係

(4) 委託事業等関係

(5) その他

 

別添1

高年齢者雇用推進委員会要綱

第1 目的

平成25年度から、公的年金(定額部分)の支給開始年齢が65歳となり、報酬比例部分の段階的引上げが始まる中で、高年齢者雇用確保措置の定着、希望者全員が65歳まで働ける制度の一層の普及が喫緊の課題となっている。併せて、少子高齢化の進行に伴う労働力人口の減少が見込まれる中で、高齢者が社会の支え手として活躍することが重要であり、このため、65歳を超えても働ける社会の実現に向けた取組が求められている。

こうした課題の解決のためには、地域の関係者や企業等に対し高年齢者の雇用の安定等に関する法律(昭和46年法律第68号。以下、「高齢法」という。)の趣旨・内容の周知を徹底し、高年齢者雇用確保措置の定着、希望者全員が65歳まで働ける制度の導入、継続雇用制度の対象者の拡大について、企業の取組を促すことが必要である。また、65歳を超えて働く場合には、就業ニーズも多様化することから、企業の実情に応じた継続雇用の仕組みの導入や、任意的就業や起業・創業など多様な就業機会を創出することが不可欠である。

このため、地域の関係者で構成する高年齢者雇用推進委員会を設置し、地域の関係者の連携を促進し、高年齢者雇用及び就業機会の創出に対する気運の醸成と各種事業の取組の促進を図ることとする。

第2 高年齢者雇用推進委員会の活動

1 所掌事務

(1) 高年齢者雇用制度に係る地域の気運の醸成と事業主の取組の促進に関すること

高齢法及び高年齢者等職業安定対策基本方針(平成21年厚生労働省告示第252号)に沿った高年齢者雇用確保措置の定着の方策並びに希望者全員が65歳まで働ける制度及び70歳まで働ける制度の普及方策について、意見交換を行うこと。意見交換に当たっては、希望者全員が65歳まで働ける制度等の導入を行った先進企業の事例の紹介や「70歳まで働ける企業」創出事業の成果の紹介等を行うことにより、地域の関係者の制度導入への取組に対する気運の醸成を図る等確実な成果が得られるよう工夫すること。

(2) 求職活動支援書制度等に関すること

求職活動支援書制度の周知・啓発に関する事業主団体への協力要請の他、再就職援助措置の努力義務に基づく有効な再就職支援方法及び募集・採用に係る年齢制限等に関する意見交換を行うこと。

(3) シニアワークプログラム地域事業に関すること

就業意識が高い高年齢者を円滑に就職に結びつけるための企業のニーズに沿った技能講習の業種、職種及び地域の選定等について、事業の実施方針、実施状況等を踏まえ意見交換等を行うこと。

(4) シニア就業支援プログラム事業に関すること

事業の効率的かつ円滑な推進に資するため、高年齢者の多様な雇用就業や社会参加ニーズに対応するワークショップのメニュー及び県下の労働市場を勘案した重点強化地域の選定等について、事業の実施方針、実施状況等を踏まえ、意見交換を行うこと。

(5) その他

上記(1)~(4)のほか、関連する各種助成金の活用など高年齢者の雇用の促進に資する意見交換、周知・啓発を行うこと。

2 会議の構成員

会議の構成員は、都道府県労働局、都道府県、独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構が雇用安定事業関連業務の実施を委託した法人、(財)産業雇用安定センター都道府県事務所、経済団体、労働団体等を基本とするが、会議の議題に応じて、構成員を弾力的に運用することとして差し支えない。

第3 適用期日

平成22年4月1日から適用する。

 

別添2

高年齢者雇用基盤確保専門員要綱

第1 目的

公的年金(定額部分)の65歳までの支給開始年齢の引上げ、少子高齢化の進行に伴う労働力人口の減少が見込まれる中で、65歳までの安定した雇用の確保と高年齢者が社会の支え手として活躍する社会の実現が重要であり、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(昭和46年法律第68号)や雇用対策法(昭和41年法律第132号)を踏まえ、

① 定年の引上げ、継続雇用制度の導入等の高年齢者雇用確保措置(以下「雇用確保措置」という。)の実施及び充実のための指導・助言

② 事業主による求職活動支援書(職業キャリアが長い方向けのジョブ・カードを活用する場合を含む。以下同じ。)を活用した高年齢者等の再就職援助措置の実施等に向けた周知・啓発、相談

③ 募集・採用に係る年齢制限の禁止等に関する助言・援助

④ 公共職業安定所による積極的な求人開拓

 等の高年齢者雇用対策を強力に実施することが必要である。

このため、こうした雇用確保措置の実施、高年齢者等の再就職支援等に関する指導・助言、周知等を総合的に行う高年齢者雇用基盤確保専門員(以下「専門員」という。)を都道府県労働局職業安定部職業対策課及び公共職業安定所に配置することとする。

第2 専門員の行う業務

1 雇用確保措置指導等関係

(1) 小規模事業主(50人以下)をはじめとする事業主に対する雇用確保措置の実施に係る指導の補助

(2) 継続雇用制度の運用に対する指導の補助

(3) 65歳以上定年企業等の普及を図るための雇用確保措置の充実等に関する指導・助言及び事例の収集の補助

(4) 高年齢者雇用状況報告の集計等業務

2 再就職援助関係

(1) 求職活動支援書の作成・交付に係る事業主指導の補助

(2) 求職活動支援書の作成・交付に関する周知・啓発、相談

(3) 事業主が行う再就職援助措置の進捗状況等のフォローアップ

(4) 対象労働者の円滑な再就職に向けての事業主への助言、援助等

(5) シニアワークプログラム地域事業で行う面接会等の補助

(6) 地域情報の交換、再就職支援の普及啓発、協力要請、有効な再就職支援方法の検討等のための、都道府県労働局、公共職業安定所、独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構が雇用安定事業関連業務の実施を委託した法人、(財)産業雇用安定センター、地域の経済団体等からなる定期会議への参加等

3 求人開拓関係

(1) 募集・採用に係る年齢制限の禁止等に関する助言・援助

(2) 新規雇用創出企業、採用予定企業及び中高年齢者活用企業等に対する積極的な情報提供及びこれらの企業に関する求人情報の収集・求人開拓

(3) 高年齢者の雇用機会の開拓(求人開拓)等

4 委託事業等関係

(1) 高年齢者の雇用に関する各種委託事業に関する周知・啓発、連絡調整

(2) 中高年齢者試行雇用奨励金等の周知・啓発及び審査補助等

(3) 定年引上げ等奨励金等の周知・啓発

5 その他

上記のほか、高年齢者の雇用促進に関する事務

第3 委嘱等

1 専門員は、社会的信望があり、かつ、高年齢者の再就職、雇用管理等に関し深い知識と経験を有する者であって、上記第2の専門員としての業務を行うために必要な見識と熱意を有する者のうちから委嘱する。なお、専門員の取扱いについては職業相談員規程(平成13年厚生労働省訓第57号)に準じるものとし、報酬については、活動の実績に応じ、予算の範囲内において謝金及び旅費を支給するものとする。

2 委嘱期間は1年以内とし、予算年度を超えないこと。ただし、再委嘱することを妨げない。

3 都道府県労働局長は、本人から申し出のあったとき、又はその者に専門員にふさわしくない非行があったときは、専門員を解嘱することができるものとする。

4 都道府県労働局長は、委嘱した専門員に対して、委嘱後の早い時期に、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律、雇用対策法、職業安定法、各種委託事業等の内容及び高年齢者の雇用の状況など職務を遂行するために必要な知識等について研修を行うものとする。

第4 適用期日

平成22年4月1日から適用する。