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通達:介護労働者の労働条件の確保・改善対策の推進について

 

介護労働者の労働条件の確保・改善対策の推進について

平成21年4月1日基発第0401005号

(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長通知)

 

介護労働者の労働条件については、介護労働者の数が大きく増加している中、これまでもその確保・改善に努めてきたところであるが、依然として、労働時間、割増賃金等を始めとした労働基準関係法令上の問題が認められるところである。

ついては、今後の介護労働者の労働条件の確保・改善対策を下記により推進することとしたので、その実施に遺漏なきを期されたい。

 

1 基本的な考え方

(1) 基本的な考え方

介護保険法の施行以来、介護労働者及び介護労働者を使用する事業場の数はいずれも大きく増加しており、中には、事業開始後間もないため、労働基準関係法令や労務管理に関する理解が十分でない事業場も少なくない。

介護労働者の労働条件に関しては、これまでも平成16年8月27日付け基発第0827001号「訪問介護労働者の法定労働条件の確保について」(以下「訪問介護通達」という。)等により、その確保・改善に努めてきたところであるが、労働局における監督指導結果等をみると、依然として、労働時間、割増賃金、就業規則等に係る法違反が多く認められるほか、衛生管理体制が未整備であるなど、労働条件の基本的な枠組みが確立していない事業場が多い状況にある。

一方で、介護労働者についてはその離職率が高く、人材確保が困難であるといった実態がみられることから、介護労働者の処遇を改善し人材確保に資するものとなるよう、平成21年度介護報酬改定がなされたところである。

このような状況を踏まえ、労働基準行政においては、職業安定行政はもとより都道府県等と連携しつつ、あらゆる行政手法を通じて、介護労働者の労働条件の確保・改善対策の一層の効果的な推進を図るものとする。

(2) 対象

本対策は、老人福祉・介護事業を中心として、障害者福祉事業、児童福祉事業等も含め、介護労働者を使用する事業場を対象として推進すること。

2 対策の重点事項

介護労働者の労働条件の確保・改善については、介護労働の実態を踏まえ、特に問題が多く認められる事項等を次のとおり重点事項として取りまとめたので、事業の態様及び労働者の就業形態に応じてその徹底を図ること。

なお、対象とした事業場に使用される介護労働者以外の労働者についても、同様にその労働条件の確保・改善を図ること。

(1) 介護労働者全体に係る事項

ア 労働条件の明示

労働契約締結時の労働条件の書面交付による明示

イ 就業規則

① 全労働者に適用される就業規則の作成、届出

特に、短時間労働者を始めとするいわゆる非正規労働者(以下「非正規労働者」という。)にも適用される就業規則を作成すること。

② 記載内容の適正化

特に、就業規則の内容が就労実態からみて適正でない場合には、就業実態に合致した内容とすること。

③ 労働者に対する周知

ウ 労働時間

① 労働時間の適正な取扱い

特に、交替制勤務における引継ぎ時間、業務報告書等の作成時間、会議・打ち合わせ等の時間、使用者の指示に基づく施設行事等の時間及びその準備時間、事業場から利用者宅や利用者宅間の移動時間等の労働時間を適正に把握、管理すること。

② 「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準」(平成13年4月6日付け基発第339号)に基づく労働時間の適正な把握

③ 変形労働時間制等の適正な運用

④ 時間外労働・休日労働協定の締結・届出

⑤ 時間外労働・休日労働協定の範囲内での時間外労働・休日労働の実施

エ 休憩及び休日

① 休憩時間の確保

特に、夜間や昼食時間帯における所定の休憩時間を確実に取得させるとともに、休憩時間の自由利用を保障すること。

② 法定休日の確保

特に、夜間勤務者について、暦日(午前0時から午後12時まで)の休業を確保すること(夜勤を終了した日(夜勤明けの日)を法定休日として取り扱うことは、原則としてできないこと。)。

オ 賃金等

① 賃金の適正な支払

特に、労働時間に応じた賃金の算定を行う場合には、上記ウ①に留意し、引継ぎ時間等の労働時間を通算した時間数に応じた賃金の算定を行うこと。

② 時間外労働・休日労働及び深夜業に係る割増賃金の適正な支払

③ 最低賃金額以上の賃金の支払

④ 休業手当の適正な支払

⑤ 賃金台帳及び労働者名簿の調製及び保存

カ 年次有給休暇

① 年次有給休暇制度及びその運用の適正化

特に、非正規労働者についても法定の年次有給休暇を付与すること。

② 不利益取扱いの禁止

キ 解雇及び雇止め

① 解雇手続及び有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準を定める告示(平成15年厚生労働省告示第357号)に定める雇止め手続の適正化

② 労働契約法の遵守

ク 安全衛生

① 衛生管理者の選任等、衛生管理体制の整備

② 法定の健康診断及びその結果に基づく措置の確実な実施

特に、深夜業従事者に係る6か月に1度の定期健康診断、常時使用する短時間労働者等に係る定期健康診断及びこれらの結果に基づく措置を確実に実施すること。

③ 「過重労働による健康障害を防止するため事業者が講ずべき措置」(平成18年3月17日付け基発第0317008号)に基づく過重労働による健康障害の防止

④ 労働災害の防止

特に、「職場における腰痛予防対策指針(平成6年9月6日付け基発第547号)」、「交通労働災害防止のためのガイドライン(平成20年4月3日付け基発第0403001号)」等を踏まえた労働災害防止対策を実施すること。

(2) 訪問介護労働者に係る留意事項

訪問介護労働者については、上記(1)に掲げる事項のうち、特に、

ア 移動時間等の労働時間を適正に把握すること

イ 休業手当を適正に支払うこと

等、訪問介護通達記の2に掲げる事項が適正に取り扱われるよう留意すること。

3 具体的な手法

(1) 集団指導等

介護労働者を使用する事業場に対しては、各種のパンフレットや本省実施の「訪問介護労働者の労働条件改善事業」により作成する各種モデル様式等を活用し、上記2の重点事項を中心とした労働基準関係法令等について、関係機関との連携を図りつつ、効果的な集団指導及び自主点検を実施するとともに、あらゆる機会をとらえて周知すること。

(2) 監督指導

労働基準関係法令に係る問題があると考えられる事業場に対しては、監督指導を実施すること。

4 関係機関との連携

(1) 都道府県等との連携

介護保険事業の許可権限等を有している都道府県、政令指定都市及び中核市や、介護保険の保険者である市町村において実施される、事業者に対する説明会の機会をとらえて労働基準関係法令に係る説明を行う等、都道府県等と適切な連携に努めること。

また、本対策を効果的に推進するため、介護労働者の労働条件の確保・改善上の問題点等について、都道府県等に対して、情報提供を行うこと。

(2) 職業安定行政との連携

職業安定行政においては、介護労働者の雇用管理の改善に取り組む事業主を支援するための助成金制度、(財)介護労働安定センターにおける雇用管理責任者講習等、事業主がこれを活用することで労働条件の確保・改善に資することとなる各種の取組を実施していることから、必要に応じてこれとの連携を図ること。