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通達:雇用保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係省令及び関係告示の施行について

 

雇用保険法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係省令及び関係告示の施行について

平成21年3月31日基発第0331004号・職発第0331008号

(各都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長・厚生労働省職業安定局長通知)

 

今般の第171回通常国会において成立した「雇用保険法等の一部を改正する法律」(平成21年法律第5号。以下「改正法」という。)の施行については、平成21年3月30日付け厚生労働省発職第0330003号「雇用保険法等の一部を改正する法律等の施行について」により厚生労働事務次官から通達されたところであるが、この施行に関し、「雇用保険法施行規則等の一部を改正する省令」(平成21年厚生労働省令第77号。以下「改正省令」という。)及び関係告示が本日公布されたところである。その主な内容はそれぞれ下記のとおりであるので、その趣旨を十分にご理解の上、円滑な施行について万全を期されたく、通達する。

 

第1 雇用保険法施行規則等の一部改正

1 雇用保険法施行規則の一部改正

(1) 基本手当の受給資格等

イ 法第13条第3項の厚生労働省令で定める者(以下「特定理由離職者」という。)(改正後の雇用保険法施行規則(以下「新雇保則」という。)第19条の2関係)

基本手当の受給資格に係る法第13条第3項の厚生労働省令で定める者は、次の①又は②のいずれかの理由により離職した者としたこと。

① 期間の定めのある労働契約の期間が満了し、かつ、当該労働契約の更新がないこと(その者が当該更新を希望したにもかかわらず、当該更新についての合意が成立するに至らなかった場合に限る。)

② 法第33条第1項の正当な理由

ロ 特定受給資格者の範囲の改正(新雇保則第35条関係)

基本手当の特定受給資格者に係る法第23条第2項第2号の厚生労働省令で定める理由とされている、期間の定めのある労働契約の締結に際し当該労働契約が更新されることが明示されたにもかかわらず、当該労働契約が更新されないこととなったことについて、当該労働契約の期間が一年以上のものである場合及び一年以上同一の事業主の適用事業に雇用されるに至った場合も対象としたこと。

(2) 技能習得手当

○ 受講手当の額に関する暫定措置(新雇保則附則第2条関係)

受給資格者が平成21年3月31日から平成24年3月31日までの間に公共職業訓練等を受けた場合における当該期間内の受講手当の日額を、500円から700円に増額することとしたこと。

(3) 就職促進給付

イ 移転費について、鉄道賃、船賃、車賃、移転料及び着後手当の他に、航空賃を新たに追加したこと。(新雇保則第87条関係)

ロ 航空賃の支給額は、受給資格者等が現に支払った旅客運賃の額とすることとしたこと。(新雇保則第88条関係)

ハ 広域求職活動費について、移転費同様、航空賃を新たに追加したこと。(新雇保則第97条関係)

ニ 常用就職支度手当に関する暫定措置(新雇保則附則第3条関係)

平成21年3月31日から平成24年3月31日までの間に職業に就いた者に係る常用就職支度手当について、安定した職業に就くことが著しく困難と認められる者であって、安定した職業に就いた日において40歳未満であるものを新たに対象にするとともに、常用就職支度手当の給付率を10分の3から10分の4に引き上げることとしたこと。

(4) 基本手当の支給に関する暫定措置

○ 法附則第4条の厚生労働省令で定める者(新雇保則附則第4条関係)

基本手当の支給に関する暫定措置に係る法附則第4条の厚生労働省令で定める者を、(1)イ①の理由により離職した者及び(1)イ②の理由により離職した者(法第13条第2項の規定により読み替えて適用される同条第1項の規定により基本手当の支給を受けることができる資格を有することとなる者に限る。)とすることとしたこと。

(5) 給付日数の延長に関する暫定措置

イ 法附則第5条第1項の厚生労働省令で定める者(新雇保則附則第19条関係)

給付日数の延長に係る法附則第5条第1項の厚生労働省令で定める者を、(1)イ①の理由により離職した者とすること。

ロ 法附則第5条第1項第1号の厚生労働省令で定める基準(新雇保則附則第20条関係)

公共職業安定所長が就職が困難な者であると認める場合の法附則第5条第1項1号の厚生労働省令で定める基準は、次のとおりとしたこと。

① 特に誠実かつ熱心に求職活動を行っているにもかかわらず、所定給付日数に相当する日数分の基本手当の支給を受け終わる日までに職業に就くことができる見込みがなく、特に職業指導その他再就職の援助を行う必要があると認められること。

② 受給資格者が正当な理由なく、公共職業安定所の紹介する職業に就くこと又は公共職業安定所の指示した公共職業訓練等を受けること又は公共職業安定所が行う再就職を指導するために必要な職業指導を受けることを拒んだことがないこと。

ハ 法附則第5条第1項第1号ロの厚生労働省令で定める基準(新雇保則附則第21条関係)

雇用機会が不足していると認められる地域として法附則第5条第1項第1号ロの厚生労働省令で定める基準は、次の①、②及び③のいずれにも該当することとしたこと。

① 四半期ごとに公表される労働力調査の直近の結果によるその地域に係る労働力人口に対する最近1箇月における当該地域内に居住する求職者の数の割合が、当該期間における全国の労働力人口に対する求職者の数の割合以上であること。

② 最近1箇月におけるその地域内に居住する求職者の数に対するその地域内に所在する事業所に係る求人の数の比率が1を下回る地域であること。

③ 最近1箇月におけるその地域において基本手当の支給を受けた受給資格者の数を、当該受給資格者の数に当該各月の末日における被保険者数の数を加えた数で除して得た率が、全国における当該比率の平均以上であること。

ニ 法附則第5条第1項第2号の厚生労働省令で定める基準(新雇保則附則第22条関係)

公共職業安定所長が再就職のための支援を計画的に行う必要があると認めるための法附則第5条第1項第2号の厚生労働省令で定める基準は、(5)ロ②の基準を満たし、かつ、次の①、②又は③のいずれかに該当することとすること。

① 安定した職業に就いた経験が少なく、離職又は転職を繰り返していること。

② 産業構造、労働市場の状況等からみて、再就職のために、その者が従事していた職種等を転換する必要があり、職業に就くことに時間を要すると認められること。

③ ①又は②に掲げる者のほか、特に誠実かつ熱心に求職活動を行っており、かつ、公共職業安定所の職業指導を受けなければ、その者が適切な職業選択を行うことが著しく困難となること。

ホ 管轄公共職業安定所長の長は、法附則第5条第1項の規定により受給資格者に対して基本手当を支給することとしたときは、当該受給資格者に対してその旨を知らせるとともに、必要な事項を受給資格者証に記載することとすることとしたこと。(新雇保則附則第23条関係)

(6) その他

様式の整備その他所要の整備を行うこととしたこと。

2 関係省令の整備

船員保険法施行規則(昭和15年厚生省令第5号)について、1と同様の整備を行うとともに、激甚災害時における雇用保険法による求職者給付の支給の特例に関する省令(昭和39年厚生省令第18号)について所要の整備を行うこととしたこと。

3 その他

(1) 施行期日(附則第1条関係)

改正省令は、平成21年3月31日から施行することとしたこと。

(2) 経過措置(附則第2条関係)

イ 受給資格に係る離職の日が改正省令の施行日前である基本手当の受給資格については、なお従前の例によることとしたこと。

ロ 改正省令の施行日前の日に係る受講手当の日額、移転費の支給及び広域求職活動費の支給については、なお従前の例によることとしたこと。

ハ 改正省令の施行の際、現に提出されているこの省令の改正前の様式並びにこの省令の施行の際、現に交付されている様式は、それぞれ改正後の様式としてみなすこととしたこと。

ニ 改正省令の施行後の新様式は、当分の間、改正前の相当様式によることができることとしたこと。

 

第2 関係告示の内容

1 労働保険の保険料の徴収等に関する法律の規定に基づき雇用保険率を変更する件(平成21年厚生労働省告示第228号)

(1) 概要

改正法による改正後の労働保険の保険料の徴収等に関する法律(昭和44年法律第84号)に基づき、平成21年4月1日から1年間の雇用保険率について次のようにすることとしたものであること。

イ ロ及びハ以外の事業 1,000分の11

ロ 次に掲げる事業 1,000分の13

① 土地の耕作若しくは開墾又は植物の栽植、栽培、採取若しくは伐採の事業その他農林の事業(園芸サービスの事業を除く。)

② 動物の飼育又は水産動植物の採捕若しくは養殖の事業その他畜産、養蚕、又は水産の事業(牛馬育成、酪農、養鶏又は養豚の事業及び内水面養殖の事業を除く。)

③ 清酒の製造の事業

ハ 土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊若しくは解体又はその他の準備の事業 1,000分の14

(参考:平成21年度の雇用保険率)

( )内は平成20年度

 

雇用保険料率

 

 

 

失業等給付に係る保険料率

 

二事業に係る保険料率

 

 

 

労働者負担

事業主負担

 

一般の事業

11/1000

(15/1000)

8/1000

(12/1000)

4/1000

(6/1000)

4/1000

(6/1000)

3/1000

(3/1000)

農林水産・清酒製造業

13/1000

(17/1000)

10/1000

(14/1000)

5/1000

(7/1000)

5/1000

(7/1000)

3/1000

(3/1000)

建設業

14/1000

(18/1000)

10/1000

(14/1000)

5/1000

(7/1000)

5/1000

(7/1000)

4/1000

(4/1000)

(2) 適用日

平成21年4月1日

2 雇用保険法附則第5条第1項第1号ロの規定に基づき、厚生労働大臣が指定する地域を定める件(平成21年厚生労働省告示第229号)

(1) 概要

改正法による改正後の雇用保険法附則第5条第1項第1号ロの規定に基づき、厚生労働大臣が指定する地域を次のように定めることとしたこと。なお、この場合において、指定する期間は、平成21年3月31日から平成22年3月31日までとしたこと。

北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、新潟県、石川県、長野県、京都府、兵庫県、鳥取県、島根県、岡山県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県

(2) 適用日

平成21年3月31日

3 厚生労働大臣が定める賃金日額の算定の方法を定める件の一部を改正する件(平成21年厚生労働省告示第230号)

(1) 概要

○ 受給資格者が、小学校就学の始期に達するまでの子を養育するための休業等をした場合に、当該受給資格者が改正法第13条第3項に規定する特定理由離職者である場合について、休業開始前の賃金日額等を考慮することについて、特定理由離職者である場合についても追加することとしたこと。

(2) 適用日

平成21年3月31日

(3) 経過措置

雇用保険法第14条第2項第1号に規定する受給資格に係る離職の日がこの告示の適用の日前である者に係る賃金日額の算定の方法については、なお従前の例によることとしたこと。