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建設労働者の雇用の改善等に関する法律の施行等について
平成17年9月30日職発第0930019号
(各都道府県労働局長あて厚生労働省職業安定局長通知)
建設労働者の雇用の改善等に関する法律の一部を改正する法律(平成17年法律第84号。以下「改正法」という。)の公布については、「建設労働者の雇用の改善等に関する法律の一部を改正する法律について」(平成17年7月15日付厚生労働省発職第0715002号厚生労働省職業安定局長通達)により通達したところであるが、本日、建設労働者の雇用の改善等に関する法律の一部を改正する法律の施行期日を定める政令(平成17年政令第313号)、建設労働者の雇用の改善等に関する法律施行令(平成17年政令第314号。以下「令」という。))及び建設労働者の雇用の改善等に関する法律施行規則等の一部を改正する省令(平成17年厚生労働省令第154号)が公布され、上記各法令は本年10月1日から施行されることとなった。
これらの法令の施行後における建設労働者の雇用の改善等に関する法律(昭和51年法律第33号。以下「法」という。)等の内容及び施行に係る業務の詳細については下記によることとしたので、その実施に遺漏なきようご配意願いたい。
なお、改正法、令等の附則において、職業安定法(昭和22年法律第141号)、職業安定法施行令(昭和28年政令第242号)、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律施行令(昭和61年政令第95号)並びに港湾労働法施行令(昭和63年政令第335号)等の一部改正が行われていることに留意されたい。
記
第1 法の施行に関する留意事項
1 法の目的(第1条関係)
法は、建設労働者の雇用の改善、能力の開発及び向上並びに福祉の増進を図るための措置と建設業務有料職業紹介事業(以下「有料職業紹介事業」という。)及び建設業務労働者就業機会確保事業(以下「就業機会確保事業」という。)の適正な運営の確保を図るための措置を講ずることにより、建設業務に必要な労働力の確保に資するとともに、建設労働者の雇用の安定を図ることを目的とすること。
2 定義(法第2条関係)
(1) 建設業務(法第2条第1項関係)
「建設業務」とは、土木、建築その他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊若しくは解体の作業又はこれらの作業の準備の作業に係る業務をいうこと。
つまり、建設工事現場での工作物の建設、改造等の作業又はこれらの準備の作業等、いわば建設工事現場での業務をいうこと(職業安定法第32条の11における「建設業務」の定義と同じ。)。
(2) 建設業務労働者(法第2条第2項関係)
「建設業務労働者」とは、建設業務に主として従事する労働者をいうものとすること。
つまり、左官、大工、鉄筋工、とび工、配管工等建設工事現場での現場作業に従事する労働者をいうこと。
また、建設業務に「主として従事する」労働者に限定されることから、建設会社の労働者であっても、経理事務、営業等に主として従事している労働者は含まれないこと。
(3) 建設事業(法第2条第3項関係)
「建設事業」とは、建設業務を行う事業(国又は地方公共団体の直営事業を除く。)をいうこと。
つまり、同条第1項の「建設業務」に加え、経理事務、営業等も含むものであること。
【参考】「建設業務」、「建設業務労働者」、「建設事業」及び「建設労働者」の範囲
※
建設事業……建設会社の業務全体を指す。
建設業務……工事部門の業務のみを指す。(間接部門の業務は含まれない。)
建設労働者……間接部門の労働者も含む。
建設業務労働者……工事部門の労働者のみを指す。
(4) 事業主団体(法第2条第6項関係)
「事業主団体」とは、事業主を直接又は間接の構成員(以下「構成員」という。)とする団体又はその連合団体(法人でない団体にあっては、代表者又は管理人の定めのあるものに限る。)であって、次に該当するものをいうこと。
すなわち、次のいずれかに該当するものであって、構成員((6)に規定する構成員をいう。以下同じ。)の数が30以上であり、かつ、その8割以上が建設業法第3条第1項の許可(以下「建設業の許可」という。)を受けている建設事業を主たる事業とする事業主であること(建設労働者の雇用の改善等に関する法律施行規則(昭和51年労働省令第29号。以下「則」という。)第1条)。
イ 民法(明治29年法律第89号)第34条の規定により設立された法人(以下この条において「公益法人」という。)
ロ 中小企業等協同組合法(昭和24年法律第181号)に基づく事業協同組合又は協同組合連合会(以下「事業協同組合等」という。)であって、次のいずれにも該当するもの
(イ) 建設事業に関する事業(建設労働者の雇用の改善、能力の開発及び向上並びに福祉の増進に関するものに限る。)を行っていること。
(ロ) 専任の職員を置く等適当な事務組織を設けていること。
(ハ) 当該団体が建設業法(昭和24年法律第100号)第27条の37に規定する建設業者団体(公益法人に限る。以下単に「建設業者団体」という。)の構成員であること又は当該団体の構成員の3分の3以上が一の建設業者団体の構成員であること。
(ニ) 設立の日以後の期間が5年以上であること。
ハ 法人でない団体で構成員の数が30以上であり、かつ、その8割以上が建設業の許可を受けている建設事業を主たる事業とする事業主である公益法人の支部であるもの
なお、以上の要件には、
・ (社)○○県建設業協会(社団法人)
・ ○○県左官事業協同組合(事業協同組合)
・ ○○郡建設協会(社団法人である都道府県建設業協会の支部となっている任意団体)
等が該当するものと想定されること。
(5) 建設業務職業紹介(法第2条第7項関係)
「建設業務職業紹介」とは、事業主団体が、当該事業主団体の構成員を求人者とし、又は当該事業主団体の構成員若しくは構成員に常時雇用されている者を求職者とし、求人及び求職の申込みを受け、求人者と求職者との間における建設業務に就く職業に係る雇用関係(期間の定めのない労働契約に係るものに限る。)の成立をあっせんすることをいうものであること。
なお、構成事業主が求職者になることを想定しているのは、構成事業主が建設事業を廃業して雇用労働者となる場合もあるためであること。
また、建設業務(現場作業)と建設業務以外の業務(経理事務、営業等の業務)を併せて行う職業に係る職業紹介も含まれるものであること。
さらに、期間の定めのない労働契約に係るものに限られることから、日雇い等に係る求人についての職業紹介は、建設業務職業紹介に該当せず、建設有料紹介事業は、実施できないこと。
(6) 建設有料紹介事業(法第2条第8項関係)
「建設有料紹介事業」とは、有料の建設業務職業紹介(建設業務職業紹介に関し、いかなる名義でもその手数料又は報酬を受けないで行う建設業務職業紹介以外の建設業務職業紹介をいう。)を業として行うことをいうこと。
(7) 建設業務労働者の就業機会確保(法第2条第9項関係)
「建設業務労働者の就業機会確保」とは、事業主が、自己の常時雇用する建設業務労働者を、当該雇用関係の下に、かつ、他の事業主の指揮命令を受けて、当該他の事業主のために建設業務に従事させることをいい、当該他の事業主に対し当該建設業務労働者を当該他の事業主に雇用させることを約してするものを含まないこと。
なお、「建設業務労働者の就業機会確保」は、労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(昭和60年法律第88号。以下「労働者派遣法」という。)第2条第1号に規定する「労働者派遣」とは、
・ 「労働者派遣」が労働力の需給調整を直接的な目的とする一方、「建設業務労働者の就業機会確保」は建設業務労働者の雇用の安定を直接的な目的とすること
・ 「労働者派遣」については対象事業主、労働者に限定はない(日雇い労働者も対象)が、「建設業務労働者の就業機会の確保」は上記の目的から、対象事業主が建設労働者を現に雇用している建設事業主に、対象労働者が常用の建設業務労働者に限定されること
という相違があることに留意すること。
(8) 就業機会確保事業(法第2条第10条関係)
「就業機会確保事業」とは、建設業務労働者の就業機会確保を業として行うことをいうこと。
(9) 送出労働者(法第2条第11条関係)
「送出労働者」とは、事業主が常時雇用する建設業務労働者であって、建設業務労働者の就業機会確保の対象となるものをいうものとすること。
なお、就業機会確保事業は、建設労働者の雇用の維持を通じて雇用の安定を図るための事業であることから、その対象となる送出労働者は、事業主及び労働者がともに雇用の安定を図ることを必要としている常用労働者に限定していること。
3 建設雇用改善計画(法第3条関係)
改正法により、建設有料紹介事業及び就業機会確保事業の適正な運営の確保を図るために講じようとする施策の基本となるべき事項を建設雇用改善計画に定める事項に加えたこと。
4 建設労働者の福祉等に関する事業について(法第9条関係)
改正法により、建設労働者の福祉等に関する事業に、認定団体に対して、送出労働者の就業の作業環境に適応させるための訓練の促進並びに建設業務労働者の就職及び送出労働者の就業の円滑化を図るために必要な助成を行うことを追加したこと。
5 事業主団体の作成する実施計画の認定
(1) 実施計画の認定(法第12条関係)
① 事業主団体は、建設業務労働者の雇用の改善、能力の開発及び向上並びに福祉の増進に関する措置並びに建設有料紹介事業又は当該事業主団体の構成員である事業主(以下「構成事業主」という。)が行う就業機会確保事業に関する措置(以下「改善措置」という。)を一体的に実施するための計画(以下「実施計画」という。)を作成し、実施計画認定申請書(則様式第三号)を厚生労働大臣に提出して、その実施計画が適当である旨の認定を受けることができること(法第12条第1項、則第9条第1項)。
なお、実施計画認定申請書には、次に掲げる書類を添付しなければならないこと(則第9条第2項)。
イ 定款又は寄附行為及び登記事項証明書(法人でない事業主団体にあっては、これらに準ずるもの)
ロ 構成員の氏名又は名称を記載した名簿
ハ 最近3期間の事業報告書(当該書類がない場合にあっては、最近2年間の事業状況を記載した書類)
ニ 最近の事業年度における貸借対照表及び損益計算書(これらの書類がない場合にあっては、事業用資産の概要を記載した書類)
ホ 申請者が事業協同組合等であるときは、建設業者団体の構成員であること又は当該申請者の構成員の3分の2以上が一の建設業者団体の構成員であることを証する書面
ヘ 構成事業主が就業機会確保事業を行おうとする場合にあっては、当該就業機会確保事業を行おうとする事業主に係る建設事業の実施計画の認定の申請の日の属する月の前月末を末日とする1年間の実績報告書及び当該事業主が建設業の許可を受けていることを証する書面。なお、実績報告書は、建設事業実績報告書(則様式第4号)のとおりとすること(則第9条第3項)。
ト 役員(法人でない事業主団体にあっては、その代表者又は管理人)の住民票(外国人にあっては、外国人登録証明書。以下同じ。)の写し及び履歴書
チ 役員が未成年の場合にあっては、その法定代理人の住民票の写し及び履歴書
リ その他参考となる事項を記載した書類
② 実施計画には、次の事項を記載しなければならないこと(法第12条第2項関係)。
イ 改善措置の目標
ロ 次に掲げる改善措置の内容
(イ) 雇用の改善、能力の開発及び向上並びに福祉の増進に関する措置
(ロ) 建設有料紹介事業又は就業機会確保事業に関する措置
ハ 改善措置の実施時期
ニ 事業主団体が建設有料紹介事業を行おうとする場合にあっては、当該事業主団体に求人を申し込む構成員並びに求職を申し込む構成員及び構成員に常時雇用されている者の見込数並びに事業主団体の構成員における常時雇用する労働者の雇入れ及び離職の状況(則第9条第4項)
ホ 構成事業主が就業機会確保事業を行おうとする場合にあっては、当該構成事業主及び当該構成事業主から建設業務労働者の就業機会確保の役務の提供を受けようとする構成事業主の氏名又は名称並びに送出事業主(法第36条第1項に規定する送出事業主をいう。以下同じ。)及び受入事業主(法第43条第3号に規定する受入事業主をいう。以下同じ。)の組合せごとの送出労働者の見込数(則第9条第5項)
③ 厚生労働大臣は、(1)の認定の申請があった場合において、次のいずれにも適合するものであると認めるときは、その認定をするものとすること(法第12条第3項関係)。
イ ②に掲げる事項が建設雇用改善計画に照らして適切なものであること。
ロ ②ロ及びハに掲げる事項が②イに掲げる改善措置の目標を確実に達成するために適切なものであること。
ハ ②ニの場合にあっては、事業主団体が法人格を有するものであること。
ニ ②ホの場合にあっては、就業機会確保事業を行おうとする構成事業主が建設業の許可を受けているものであって、主たる事業が建設事業であり、かつ、次のいずれかに該当するものとすること(則第9条第6項)。
(イ) 実施計画の認定の申請の日の属する月の前月末を末日とする1年間において毎月建設事業の実績を有するもの
(ロ) (イ)に掲げる者以外の者であって、実施計画の認定の日以後において毎月建設事業を行うことが確実と見込まれるもの
ホ 法第5条第3項の雇用管理責任者(同条第1項に規定する雇用管理責任者をいう。以下同じ。)の知識の習得及び向上並びに法第8条第2項の元方事業主(同条第1項に規定する元方事業主をいう。)による関係請負人(同項に規定する関係請負人をいう。)に対する援助の実施に寄与するものであること(則第9条第7項第1号)。
ヘ 構成事業主が就業機会確保事業を行おうとする場合にあっては、就業機会確保事業を行おうとする構成事業主が他の法認定計画において就業機会確保事業を行おうとする構成事業主として記載されていないこと(則第9条第7項第2号)。
(2) 欠格事由(法第13条関係)
(1)③にかかわらず、次のいずれかに該当する事業主団体は、(1)①の認定を受けることができないこと。
イ 法若しくは法第30条第1項の規定により読み替えて適用する職業安定法(以下「読替え後の職業安定法」という。)の規定その他労働に関する法律の規定であって以下のものにより、又は出入国管理及び難民認定法(昭和26年政令第319号)第73条の2第1項の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者
(イ) 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第百二十一条第一項(同法第百十七条及び第百十八条第一項(同法第六条及び第五十六条に係る部分に限る。)に係る部分に限る。)の規定(これらの規定が労働者派遣法第四十四条(第四項を除く。)の規定により適用される場合を含む。)
(ロ) 職業安定法第六十七条(同法第六十五条第一号に係る部分を除く。)の規定
(ハ) 労働者派遣法第六十二条の規定
(ニ) 港湾労働法(昭和六十三年法律第四十号)第五十二条(同法第四十八条、第四十九条(第一号を除く。)及び第五十一条(第二号及び第三号に係る部分に限る。)に係る部分に限る。)の規定
(ホ) 中小企業における労働力の確保及び良好な雇用の機会の創出のための雇用管理の改善の促進に関する法律(平成三年法律第五十七号。以下「中小企業労働力確保法」という。)第二十二条(中小企業労働力確保法第二十一条第二号に係る部分を除く。)の規定
(ヘ) 育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成三年法律第七十六号。以下「育児・介護休業法」という。)第六十六条(育児・介護休業法第六十四条に係る部分を除く。)の規定
(ト) 林業労働力の確保の促進に関する法律(平成8年法律第45号)第35条、(同法第34条第2号に係る部分を除く。)の規定
ロ 実施計画の認定を取り消され、当該取消しの日から5年を経過しない者
ハ 建設有料紹介事業の許可を取り消され、当該取消しの日から起算して5年を経過しない者
ニ 役員(法人でない事業主団体にあっては、その代表者又は管理人)のうちに次のいずれかに該当する者があるもの
(イ) 禁錮こ以上の刑に処せられ、又はこの法律若しくは読替え後の職業安定法の規定その他労働に関する法律の規定であって以下のもの若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)の規定(同法第49条の規定を除く。)により、若しくは刑法(明治40年法律第45号)第204条、第206条、第208条、第208条の3、第222条若しくは第247条の罪、暴力行為等処罰に関する法律(大正15年法律第60号)の罪若しくは出入国管理及び難民認定法第73条の2第1項の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者
(i) 労働基準法第百十七条及び第百十八条第一項(同法第六条及び第五十六条に係る部分に限る。)の規定並びにこれらの規定に係る同法第百二十一条の規定(これらの規定が労働者派遣法第四十四条(第四項を除く。)の規定により適用される場合を含む。)
(ii) 職業安定法第六十三条、第六十四条、第六十五条(第一号を除く。)及び第六十六条の規定並びにこれらの規定に係る同法第六十七条の規定
(iii) 労働者派遣法第五十八条から第六十二条までの規定
(iv) 港湾労働法第四十八条、第四十九条(第一号を除く。)及び第五十一条(第二号及び第三号に係る部分に限る。)の規定並びにこれらの規定に係る同法第五十二条の規定
(v) 中小企業労働力確保法第十九条、第二十条及び第二十一条(第二号を除く。)の規定並びにこれらの規定に係る中小企業労働力確保法第二十二条の規定
(vi) 育児・介護休業法第六十二条、第六十三条及び第六十五条の規定並びにこれらの規定に係る育児・介護休業法第六十六条の規定
(vii) 林業労働力の確保の促進に関する法律第三十二条、第三十三条及び第三十四条(第二号を除く。)の規定並びにこれらの規定に係る同法第三十五条の規定
(ロ) 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
(ハ) 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者であって、その法定代理人が(イ)又は(ロ)に該当するもの
(3) 実施計画の変更等(法第14条関係)
① (1)①による実施計画の認定を受けた事業主団体(以下「認定団体」という。)は、当該認定に係る実施計画を変更しようとするときは、実施計画変更認定申請書(則様式第3号)を厚生労働大臣に提出し、認定を受けなければならないこと(則第10条第1項)。
ただし、軽微な変更である下記の事項については、この限りではないこと(法第14条第1項及び則第10条第2項)。
イ 少数の受入事業主の追加
ロ 送出事業主又は受入事業主の氏名若しくは名称又は住所等の変更
ハ 5(1)①の改善措置の実施時期の6月以内の変更
② 認定団体は、①で掲げる軽微な変更をしようとするときは、あらかじめ、実施計画変更認定申請書(則様式第3号)を厚生労働大臣に提出しなければならないこと(法第14条第2項及び則第10条第3項)。
③ 厚生労働大臣は、次のいずれかに該当するときは、(1)①の認定を取り消すことができること(法第14条第3項)。
イ 認定団体が事業主団体でなくなったとき。
ロ 認定団体が(2)のいずれか(ロを除く。)に該当しているとき。
ハ (1)①の認定に係る実施計画(①による認定又は②による届出に係る変更があったときは、その変更後のもの。以下「認定計画」という。)が(1)③イからホまでに掲げる要件に適合しなくなったと認めるとき。
ニ 認定団体又はその構成員が認定計画に従って改善措置を実施していないと認めるとき。
④ (1)③は、①の認定について準用すること(法第14条第4項)。
(4) 職業安定法等の特例(法第15条関係)
① 職業安定法の特例
認定団体が、厚生労働大臣の許可を受けて認定計画に従って行う建設有料紹介事業に関しては、職業安定法の有料職業紹介事業の許可の規定(職業安定法第30条第1項及び建設業務に係る取扱職業の範囲の規定(職業安定法第32条の11第1項)は適用しないこと(法第15条第1項)。
② 労働者派遣法の特例
認定団体が厚生労働大臣の許可を受けて認定計画に従って行う就業機会確保事業に関しては、労働者派遣法の建設業務に係る労働者派遣事業の禁止の規定は適用しないこと(法第15条第2項)。
(5) 指導及び助言(第16条関係)
厚生労働大臣は、認定団体及びその構成事業主に対し、認定計画に係る改善措置の的確な実施に必要な指導及び助言を行うこと。
(6) 報告の徴収(第17条関係)
① 厚生労働大臣は、認定団体に対し、認定計画の実施状況について報告を求めることができること(法第17条第1項)。
また、認定団体は、毎事業年度経過後3月以内に、認定計画実施状況報告書(則様式第5号)を作成し、厚生労働大臣に提出しなければならないこと(則第11条)。
② 認定団体が①による報告をせず、又は虚偽の報告をしたときは、厚生労働大臣は、認定計画の認定を取り消すことができること(法第17条第2項)。
(7) 認定団体に係る変更の届出
認定団体は、5(1)①ロ、ホ、ト又はチの書類の内容に変更があったときは、速やかにその変更に係る書類を添付して、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならないこと(則第12条)。
6 建設有料紹介事業
(1) 建設有料紹介事業の許可(法第18条関係)
① 建設有料紹介事業を行おうとする認定団体は、厚生労働大臣の許可を受けなければならないこと(法第18条第1項)。
② 許可を受けようとする認定団体は、次の事項を記載した建設有料紹介事業許可申請書(則様式第6号)を厚生労働大臣に提出しなければならないこと(法第18条第2項及び則第13条第1項)。
イ 名称及び住所並びに代表者の氏名
ロ 役員の氏名及び住所
ハ 建設有料紹介事業を行う事業所の名称及び所在地
ニ 読替え後の職業安定法第32条の14の規定により選任する職業紹介責任者(以下「職業紹介責任者」という。)の氏名及び住所
ホ 他に事業を行っている場合(建設事業を除く。)における当該事業の種類及び内容(則第13条第2項)
③ ②の申請書には、建設有料紹介事業を行う事業所ごとの当該事業に係る建設有料紹介事業計画書(様式第7号)、当該事業に係る実施計画について5(1)①の認定があったことを証する書面及び次の書類を添付しなければならないこと(法第18条第3項、則第13条第3項及び第4項)。
イ 建設有料紹介事業に関する資産の内容及びその権利関係を証する書類
ロ 建設有料紹介事業を行う事業所ごと(以下、ハからホまでにおいて、単に「事業所ごと」という。)の個人情報の適正管理及び秘密の保持に関する規程
ハ 事業所ごとの業務の運営に関する規程
ニ 事業所ごとに選任する職業紹介責任者の住民票の写し及び履歴書
ホ 事業所ごとの施設の概要を記載した書面
④ ②の事業計画書には、厚生労働省令で定めるところにより、建設有料紹介事業を行う事業所ごとの当該事業に係る求職者の見込数その他建設業務職業紹介に関する事項を記載しなければならないこと(法第18条第4項)。
⑤ 厚生労働大臣は、①の許可をしようとするときは、あらかじめ、労働政策審議会の意見を聴かなければならないこと(法第18条第5項)。
(2) 許可の基準等(法第19条関係)
① 厚生労働大臣は、(1)①の許可の申請が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、許可をしてはならないこと(法第19条第1項)。
イ 申請者が、認定計画に従って建設有料紹介事業を行うものであること。
ロ 申請者が、当該建設有料紹介事業を健全に遂行するに足りる財産的基礎を有すること。
ハ 個人情報(個人に関する情報であって、特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)をいう。以下同じ。)を適正に管理し、及び求人者、求職者等の秘密を守るために必要な措置が講じられていること。
ニ ロ及びハのほか、申請者が、当該建設有料紹介事業を適正に遂行することができる能力を有すること。
② 厚生労働大臣は、(1)①の許可をしないときは、遅滞なく、理由を示してその旨を当該申請者に通知しなければならないこと(法第19条第2項)。
(3) 手数料(法第20条関係)
① (1)①の許可を受けた認定団体(以下「建設有料紹介事業者」という。)は、次の場合を除き、建設業務職業紹介に関し、いかなる名義でも、実費その他の手数料又は報酬を受けてはならないこと(法第20条第1項)。
イ 建設業務職業紹介に通常必要となる経費等を勘案して則別表第2(別添1)で定める種類及び額の手数料を徴収する場合(則第14条第1項)。
ロ あらかじめ厚生労働大臣に届け出た手数料表(手数料の種類、額その他手数料に関する事項を定めた表をいう。)に基づき手数料を徴収する場合。
なお、ロにより手数料表を届け出ようとする者は、届出制手数料届出書(則様式第8号)により厚生労働大臣に届け出なければならないこと(則第14条第3項)。
また、届け出た手数料表を変更しようとする者は、届出制手数料変更届出書(則様式第8号)により厚生労働大臣に届け出なければならないこと(則第14条第4項)。
② 建設有料紹介事業者は、①にかかわらず、求職者からは手数料を徴収してはならないこと。ただし、手数料を求職者から徴収することが当該求職者の利益のために必要であると認められるときとして厚生労働省令で定めるときは、①のイ及びロの場合に限り、手数料を徴収することができること(法第20条第2項)。
なお、上記手数料を求職者から徴収することが当該求職者の利益のために必要であると認められるときとして厚生労働省令の定めは、現在、定めていないこと。このため、いかなる場合でも求職者からは手数料を徴収してはならないこと。
③ ①ロの手数料表は、職業紹介に関する役務の種類ごとに、当該役務に対する手数料の額及び当該手数料を負担すべき者が明らかとなる方法により作成しなければならないこと(法第20条第3項及び則第14条第2項)。
④ 厚生労働大臣は、①ロの手数料表に基づく手数料が次のいずれかに該当すると認めるときは、当該建設有料紹介事業者に対し、期限を定めて、その手数料表を変更すべきことを命ずることができること(法第20条第4項)。
イ 特定の者に対し不当な差別的取扱いをするものであるとき。
ロ 手数料の種類、額その他手数料に関する事項が明確に定められていないことにより、当該手数料が著しく不当であると認められるとき。
なお、厚生労働大臣は、建設有料紹介事業者になろうとする者又は建設有料紹介事業者に対し手数料表の変更を命令しようとするときは、届出制手数料変更命令通知書(則様式第9号)により通知するものとすること(則第14条第5号)。
(4) 許可証(法第21条関係)
① 厚生労働大臣は、(1)①の許可をしたときは、建設有料紹介事業を行う事業所の数に応じ、許可証を交付しなければならないこと(法第21条第1項関係)。
また、許可証は、建設有料紹介事業許可証(則様式第10号)のとおりとすること(則第15条第1項)。
② 許可証の交付を受けた認定団体は、当該許可証を、建設有料紹介事業を行う事業所ごとに備え付けるとともに、関係者から請求があったときは提示しなければならないこと(法第21条第2項)。
③ 許可証の交付を受けた認定団体は、当該許可証を亡失し、又は当該許可証が滅失したときは、速やかにその旨を厚生労働大臣に届け出て、許可証の再交付を受けなければならないこと(法第21条第3項)。
建設紹介許可証の再交付を受けようとする者は、建設有料紹介事業許可証再交付申請書(則様式第11号)を、厚生労働大臣に提出しなければならないこと(則第15条第2項)。
④ 建設紹介許可証の交付を受けた者は、次のいずれかに該当することとなったときは、当該事実のあった日の翌日から起算して10日以内に、イからハまでの場合にあっては建設有料紹介事業を行うすべての事業所に係る建設紹介許可証、ニの場合にあっては発見し又は回復した建設紹介許可証を厚生労働大臣に返納しなければならないこと(則第15条第3項)。
イ 許可が失効したとき。
ロ 許可が取り消されたとき。
ハ 許可の有効期間が満了したとき。
ニ 建設紹介許可証の再交付を受けた場合において、亡失した建設紹介許可証を発見し、又は回復したとき。
⑤ 建設紹介許可証の交付を受けた事業主団体が合併により消滅した場合は、合併後存続し、又は合併により設立された法人の代表者は、当該事実のあった日の翌日から起算して10日以内に、建設有料紹介事業を行うすべての事業所に係る建設紹介許可証を厚生労働大臣に返納しなければならないこと(第15条第4項)。
(5) 許可の条件(法第22条関係)
① (1)①の許可には、条件を付し、及びこれを変更することができること(法第22条第1項)。
② ①の条件は、(1)①の許可の趣旨に照らして、又は当該許可に係る事項の確実な実施を図るために必要な最小限度のものに限り、かつ、当該許可を受ける認定団体に不当な義務を課することとなるものであってはならないこと(法第22条第2項)。
(6) 許可の有効期限等(法第23条関係)
① (1)①の許可の有効期間(③により許可の有効期間の更新を受けた場合にあっては、当該更新を受けた許可の有効期間。以下「許可の有効期間」という。)は、当該許可の日(許可の有効期間の更新を受けた場合にあっては、更新前の許可の有効期間が満了した日の翌日。以下(6)において同じ。)から起算して3年(3年を経過する前に当該許可を受けた認定団体に係る認定計画に記載している建設有料紹介事業の実施時期(以下(6)において「実施時期」という。)の終了する日が到来する場合にあっては、実施時期の終了する日までの期間)とすること(第23条第1項関係)。
② 厚生労働大臣は、認定計画について、(3)①による認定又は(3)②による届出に係る変更がなされた場合において実施時期が変更されたとき(当該変更前の実施時期の終了する日及び当該変更後の実施時期の終了する日がいずれも許可の日から3年を経過した後に到来するときを除く。)は、許可の有効期間(当該許可の有効期間について変更を受けているときにあっては、当該変更を受けている許可の有効期間)を当該許可の日から起算して3年(3年を経過する前に当該変更後の実施時期の終了する日が到来する場合にあっては、当該変更後の実施時期の終了する日までの期間)に変更しなければならないこと(法第23条第2項関係)。
③ 許可の有効期間(当該許可の有効期間について②の規定により変更を受けた場合にあっては、当該変更を受けた許可の有効期間)の満了後引き続き当該許可に係る建設有料紹介事業を行おうとする認定団体は、当該許可の有効期間の更新を受けなければならないこと(法第23条第3項)。
また、許可の有効期間の更新を受けようとする者は、当該許可の有効期間が満了する日の30日前までに、建設有料紹介事業許可有効期間更新申請書(則様式第6号)を厚生労働大臣に提出しなければならないこと(則第16条第1項)。
なお、許可の有効期間の更新は、当該更新を受けようとする者が現に有する建設紹介許可証と引換えに新たな建設紹介許可証を交付することにより行うものとすること(則第16条第5項)。
④ 厚生労働大臣は、③に規定する許可の有効期間の更新の申請があった場合において、当該申請が(2)①に掲げる基準に適合していないと認めるときは、当該許可の有効期間の更新をしてはならないこと(法第23条第4項)。
⑤ (1)②から④まで及び(2)②は、(3)の許可の有効期間の更新について準用すること(法第23条第5項、則第16条第2項及び第4項)。
ただし、(1)③のイからホまでの書類は次の書類とすること(イ及びハの書類にあっては、当該書類の内容に変更があった場合に限る。)(則第16条第3項)。
イ 定款又は寄附行為及び登記事項証明書(法人でない事業主団体にあっては、これらに準ずるもの)
ロ 最近の事業年度における貸借対照表及び損益計算書(これらの書類がない場合にあっては、事業用資産の概要を記載した書類)
ハ 役員が未成年の場合にあっては、その法定代理人の住民票の写し及び履歴書
ニ 建設有料紹介事業に関する資産の内容及びその権利関係を証する書類
(7) 変更の届出(法第24条関係)
① 建設有料紹介事業者は、(1)②に掲げる事項に変更があったときは、遅滞なく、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならないこと。この場合において、当該変更に係る事項が建設有料紹介事業を行う事業所の新設に係るものであるときは、当該事業所に係る事業計画書その他の書類を添付しなければならないこと(法第24条第1項)。
なお、届出をしようとする者は、(1)②ニの事項の変更の届出にあっては当該変更に係る事実のあった日の翌日から起算して30日以内、(1)②ニの事項以外の事項の変更の届出にあっては当該変更に係る事実のあった日の翌日から起算して十日以内に、建設有料紹介事業変更届出書(則様式第11号)を厚生労働大臣に提出しなければならないこと(則第17条第1項)。
届出のうち、事業所の新設に係る変更の届出にあっては、建設有料紹介事業変更届出書には、当該新設する事業所に係る(1)③ロからホまでの書類を添付しなければならないこと。
ただし、当該建設有料紹介事業者が建設有料紹介事業を行っている他の事業所の職業紹介責任者を当該新設する事業所の職業紹介責任者として引き続き選任したときは、(1)③ニの書類のうち履歴書(選任した職業紹介責任者の住所に変更がないときは、住民票の写し及び履歴書。①中において同じ)を添付することを要しないこと(則第17条第2項)。
また、届出のうち、事業所の新設に係る変更の届出以外の届出にあっては、建設有料紹介事業変更届出書には、5(1)①イからリまでの書類及び6(1)③イからホの書類のうち当該変更事項に係る書類(事業所の廃止に係る変更の届出にあっては、当該廃止した事業所に係る建設紹介許可証)を添付しなければならないこと(則第17条第3項)。
ただし、(1)②ニの事項のうち職業紹介責任者の氏名に変更があった場合において、当該建設有料紹介事業者が建設有料紹介事業を行っている他の事業所の職業紹介責任者を当該変更に係る事業所の変更後の職業紹介責任者として引き続き選任したときは、(1)③ニに掲げる書類のうち履歴書を添付することを要しないこと(則第17条第4項)。
② (1)④は、①の事業計画書について準用すること(法第24条第2項)。
③ 厚生労働大臣は、①により建設有料紹介事業を行う事業所の新設に係る変更の届出があったときは、当該新設に係る事業所ごとに、当該新設に係る事業所の数に応じ、許可証を交付しなければならないこと(法第24条第3項及び則第17条第5項)。
(8) 許可証の書換え(法第25条関係)
建設有料紹介事業者は、(6)②による許可の有効期間の変更を受けたとき、(7)①による届出をする場合において当該届出に係る事項が許可証の記載事項に該当するときは、その書換えを受けなければならないこと(法第25条)。
なお、(6)②による許可の有効期間の変更を受けた者は、速やかに建設有料紹介事業許可証書換申請書(則様式第11号)を厚生労働大臣に提出しなければならないこと(則第18条第1項)。
また、(7)①による届出をしようとする者は、当該届出に係る事項が建設紹介許可証の記載事項に該当する場合にあっては、(7)①の建設有料紹介事業変更届出書のほか、建設有料紹介事業許可証書換申請書を提出しなければならないこと(則第18条第2項)。
(9) 事業の廃止(法第26条関係)
建設有料紹介事業者は、当該建設有料紹介事業を廃止したときは、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならないこと(法第26条)。
なお、届出は、当該建設有料紹介事業を廃止した日から10日以内に、建設有料紹介事業を行うすべての事業所に係る建設紹介許可証を添えて、建設有料紹介事業廃止届出書(則様式第12号)を厚生労働大臣に提出しなければならないこと(則第19条)。
(10) 許可の取消し等(法第27条関係)
① 厚生労働大臣は、建設有料紹介事業者が次のいずれかに該当するときは、(1)①の許可を取り消すことができること(法第27条)。
イ 認定計画に従って建設有料紹介事業を実施していないと認めるとき。
ロ 法、法による読替え後の職業安定法、法第44条の規定により読み替えて適用する労働者派遣法(以下「読替え後の労働者派遣法」という。第3章第4節の規定を除く。)、職業安定法若しくは労働者派遣法(第3章第4節の規定を除く。)の規定又はこれらの規定に基づく命令若しくは処分に違反したとき。
ハ (5)①により付された許可の条件に違反したとき。
② 厚生労働大臣は、建設有料紹介事業者が①のイからハまでのいずれかに該当するときは、期間を定めて建設有料紹介事業の全部又は一部の停止を命ずることができること。
(11) 許可の失効(法第28条関係)
5(3)③若しくは5(6)②により建設有料紹介事業に係る認定計画の認定を取り消されたとき、又は(9)による届出があったときは、(1)①の許可は、その効力を失うこと(法第28条)。
(12) 名義貸しの禁止(法第29条関係)
建設有料紹介事業者は、自己の名義をもって、他人に建設有料紹介事業を行わせてはならないこと(法第29条)。
(13) 職業安定法の規定の読替え適用等(法第30条関係)
① 5(4)①のほか、建設有料紹介事業者が行う建設有料紹介事業に関しては、職業安定法第30条第2項から第6項まで及び第31条から第32条の10までの規定は適用しないものとし、同法の他の規定の適用については、別添2の上欄に掲げる同法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、同表の下欄に掲げる字句とすること(法第30条第1項)。
② 建設有料紹介事業者が行う建設有料紹介事業に関しては、建設有料紹介事業者を雇用対策法(昭和41年法律第132号)第2条に規定する職業紹介機関とみなして、同法第3章の規定を適用すること(法第30条第2項)。
7 就業機会確保事業
(1) 就業機会確保事業の許可(法第31条関係)
① 就業機会確保事業を行おうとする構成事業主は、厚生労働大臣の許可を受けなければならないこと(法第31条第1項)。
② ①の許可を受けようとする構成事業主は、次の事項を記載した就業機会確保事業許可申請書(則様式第13号)を厚生労働大臣に提出しなければならないこと(法第31条第2項及び則第20条第1項)。
イ 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名
ロ 法人にあっては、その役員の氏名及び住所
ハ 就業機会確保事業を行う事業所の名称及び所在地
ニ 法第5条第1項の規定により選任された雇用管理責任者の氏名及び住所
③ ②の申請書には、就業機会確保事業を行う事業所ごとの当該事業に係る就業機会確保事業計画書(則様式第14号)、当該事業に係る実施計画について5(1)①の認定があったことを証する書面その他下記の書類を添付しなければならないこと(法第31条第3項、則第20条第2項及び第3項)。
イ 申請者が法人である場合にあっては、次に掲げる書類
(イ) 定款又は寄附行為
(ロ) 登記事項証明書
(ハ) 役員の住民票の写し及び履歴書
(ニ) 役員が未成年者で就業機会確保事業に関し営業の許可を受けていない場合にあっては、その法定代理人の住民票の写し及び履歴書
(ホ) 就業機会確保事業を行う事業所ごとの個人情報の適正管理及び秘密の保持に関する規程
(ヘ) 最近の事業年度における貸借対照表及び損益計算書
(ト) 就業機会確保事業に関する資産の内容及びその権利関係を証する書類
(チ) 就業機会確保事業を行う事業所ごとに選任された雇用管理責任者の住民票の写し及び履歴書
ロ 申請者が個人である場合にあっては、次に掲げる書類
(イ) 住民票の写し及び履歴書
(ロ) 申請者が未成年者で就業機会確保事業に関し営業の許可を受けていない場合にあっては、その法定代理人の住民票の写し及び履歴書
(ハ) イの(ホ)、(ト)及び(チ)の書類
④ ③の事業計画書には、厚生労働省令で定めるところにより、就業機会確保事業を行う事業所ごとの当該事業に係る送出労働者の数、建設業務労働者の就業機会確保に関する料金の額その他建設業務労働者の就業機会確保に関する事項を記載しなければならないこと(法第31条第4項)。
⑤ 厚生労働大臣は、①の許可をしようとするときは、あらかじめ、労働政策審議会の意見を聴かなければならないこと(法第31条第5項)。
(2) 許可の欠格事由(法第32条関係)
次のいずれかに該当する構成事業主は、(1)①の許可を受けることができないこと。
① 禁錮こ以上の刑に処せられ、又は法若しくは読替え後の労働者派遣法の規定その他労働に関する法律の規定(②に規定する規定を除く。)であって以下のものもの若しくは暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定(同法第48条の規定を除く。)により、若しくは刑法第204条、第206条、第208条、第208条の3、第222条若しくは第247条の罪、暴力行為等処罰に関する法律の罪若しくは出入国管理及び難民認定法第73条の2第1項の罪を犯したことにより、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者
イ 5(2)ニ(イ)の(ii)から(vii)までの規定
ロ 労働基準法第百十七条、第百十八条第一項(同法第六条及び第五十六条に係る部分に限る。)、第百十九条(同法第十六条、第十七条、第十八条第一項及び第三十七条に係る部分に限る。)及び第百二十条(同法第十八条第七項及び第二十三条から第二十七条までに係る部分に限る。)の規定並びにこれらの規定に係る同法第百二十一条の規定(これらの規定が労働者派遣法第四十四条(第四項を除く。)の規定により適用される場合を含む。)
ハ 最低賃金法(昭和三十四年法律第百三十七号)第四十四条の規定及び同条の規定に係る同法第四十六条の規定
ニ 賃金の支払の確保等に関する法律(昭和五十一年法律第三十四号)第十八条の規定及び同条の規定に係る同法第二十条の規定
ホ 労働者派遣法第四十四条第四項の規定により適用される労働基準法第百十八条、第百十九条及び第百二十一条の規定並びに労働者派遣法第四十五条第七項の規定により適用される労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)第百十九条及び第百二十二条の規定
② 健康保険法(大正11年法律第70号)第208条、第213条の2若しくは第214条第1項、船員保険法(昭和14年法律第73号)第68条、第69条の3若しくは第70条第1項、労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)第51条前段若しくは第54条第1項(同法第51条前段の規定に係る部分に限る。)、厚生年金保険法(昭和29年法律第115号)第102条第1項、第103条の2、第104条第1項(同法第102条第1項又は第103条の2の規定に係る部分に限る。)、第182条第1項若しくは第2項若しくは第184条(同法第182条第1項又は第2項の規定に係る部分に限る。)、労働保険の保険料の徴収等に関する法律第46条前段若しくは第48条第1項(同法第46条前段の規定に係る部分に限る。)又は雇用保険法第83条若しくは第86条(同法第83条の規定に係る部分に限る。)の規定により罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者
③ 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
④ (10)①(イを除く。)により、就業機会確保事業の許可を取り消され、当該取消しの日から起算して5年を経過しない者
⑤ 営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者であって、その法定代理人が①から④までのいずれかに該当するもの
⑥ 法人であって、その役員のうちに①から⑤までのいずれかに該当する者があるもの
(3) 許可の基準等(法第33条関係)
① 厚生労働大臣は、(1)①の許可の申請が次に掲げる基準に適合していると認めるときでなければ、許可をしてはならないこと(法第33条第1項)。
イ 申請者が、認定計画に従って就業機会確保事業を行うものであること。
ロ 申請者が、当該就業機会確保事業の送出労働者に係る雇用管理を適正に行うに足りる能力を有するものであること。
ハ 個人情報を適正に管理し、及び送出労働者等の秘密を守るために必要な措置が講じられていること。
ニ ハ及びニのほか、申請者が、当該就業機会確保事業を的確に遂行するに足りる能力を有するものであること。
② 厚生労働大臣は、(1)①の許可をしないときは、遅滞なく、理由を示してその旨を当該申請者に通知しなければならないこと(法第33条第2項)。
(4) 許可証(法第34条関係)
① 厚生労働大臣は、(1)①の許可をしたときは、就業機会確保事業を行う事業所の数に応じ、就業機会確保事業許可証(則様式第15号。以下「確保許可証」という。)を交付しなければならないこと(法第34条第1項及び則第21条第1項)。
② 許可証の交付を受けた構成事業主は、当該許可証を、就業機会確保事業を行う事業所ごとに備え付けるとともに、関係者から請求があったときは提示しなければならないこと(法第34条第2項)。
③ 許可証の交付を受けた構成事業主は、当該許可証を亡失し、又は当該許可証が滅失したときは、速やかにその旨を就業機会確保事業許可証再交付申請書(則様式第16号)により厚生労働大臣に届け出て、許可証の再交付を受けなければならないこと(法第34条第3項及び則第21条第2項)。
④ 確保許可証の交付を受けた事業主は、次のいずれかに該当することとなったときは、当該事実のあった日の翌日から起算して10日以内に、イからハまでの場合にあっては就業機会確保事業を行うすべての事業所に係る確保許可証、ニの場合にあっては発見し又は回復した確保許可証を厚生労働大臣に返納しなければならないこと(則第21条第3項)。
イ 許可が失効したとき。
ロ 許可が取り消されたとき。
ハ 許可の有効期間が満了したとき。
ニ 確保許可証の再交付を受けた場合において、亡失した確保許可証を発見し、又は回復したとき。
⑤ 確保許可証の交付を受けた事業主がイ又はロに掲げる場合のいずれかに該当することとなったときは、イ又はロに掲げる者は、当該事実のあった日の翌日から起算して10日以内に、就業機会確保事業を行うすべての事業所に係る確保許可証を厚生労働大臣に返納しなければならないこと(則第21条第4項)。
イ 死亡した場合 同居の親族又は法定代理人
ロ 法人が合併により消滅した場合 合併後存続し、又は合併により設立された法人の代表者
(5) 許可の条件(法第35条関係)
① (1)①の許可には、条件を付し、及びこれを変更することができること(法第35条第1項)。
② ①の条件は、(1)①の許可の趣旨に照らして、又は当該許可に係る事項の確実な実施を図るために必要な最小限度のものに限り、かつ、当該許可を受ける構成事業主に不当な義務を課することとなるものであってはならないこと(法第35条第2項)。
(6) 許可の有効期間等(法第36条関係)
① (1)①の許可の有効期間(③の規定により許可の有効期間の更新を受けた場合にあっては、当該更新を受けた許可の有効期間。以下(6)において「許可の有効期間」という。)は、当該許可の日(許可の有効期間の更新を受けた場合にあっては、更新前の許可の有効期間が満了した日の翌日。以下(6)において同じ。)から起算して3年(3年を経過する前に当該許可を受けた構成事業主(以下「送出事業主」という。)に係る認定計画において当該送出事業主が行うこととされている就業機会確保事業の実施時期(以下この条において「実施時期」という。)の終了する日が到来する場合にあっては、実施時期の終了する日までの期間)とすること(法第36条第1項)。
② 厚生労働大臣は、認定計画について、5(3)①による認定又は5(3)②による届出に係る変更がなされた場合において実施時期が変更されたとき(当該変更前の実施時期の終了する日及び当該変更後の実施時期の終了する日がいずれも許可の日から三年を経過した後に到来するときを除く。)は、許可の有効期間(当該許可の有効期間についてこの項の規定により変更を受けているときにあっては、当該変更を受けている許可の有効期間)を当該許可の日から起算して3年(3年を経過する前に当該変更後の実施時期の終了する日が到来する場合にあっては、当該変更後の実施時期の終了する日までの期間)に変更しなければならないこと(法第36条第2項)。
③ 許可の有効期間(当該許可の有効期間について②により変更を受けた場合にあっては、当該変更を受けた許可の有効期間)の満了後引き続き当該許可に係る就業機会確保事業を行おうとする送出事業主は、当該許可の有効期間が満了する日の30日前までに、就業機会確保事業許可有効期間更新申請書(則様式第十三号)を厚生労働大臣に提出し、許可の有効期間の更新を受けなければならないこと(法第36条第3項及び則第22条第1項)。
なお、許可の有効期間の更新は、当該更新を受けようとする者が現に有する確保許可証と引換えに新たな確保許可証を交付することにより行うものとすること(則第22条第4項)。
④ 厚生労働大臣は、③に規定する許可の有効期間の更新の申請があった場合において、当該申請が(3)①のイからニまでに掲げる基準に適合していないと認めるときは、当該許可の有効期間の更新をしてはならないこと(法第36条第4項)。
⑤ (1)②から④まで、(2)(④を除く。)及び(3)②は、③の許可の有効期間の更新について準用すること(法第36条第5項及び則第22条第3項)。
ただし、7(1)③のうちイ及びロについては、下記の書類を添付すること(則第22条第2項)。
イ 申請者が法人である場合にあっては、下記の書類
(イ) 当該就業機会確保事業を行おうとする事業主に係る建設事業の実施計画の認定の申請の日の属する月の前月末を末日とする一年間の実績報告書(建設事業実績報告書(則様式第4号))及び当該事業主が建設業の許可を受けていることを証する書面
(ロ) 定款又は寄附行為
(ハ) 登記事項証明書
(ニ) 役員が未成年者で就業機会確保事業に関し営業の許可を受けていない場合にあっては、その法定代理人の住民票の写し及び履歴書
(ホ) 就業機会確保事業を行う事業所ごとの個人情報の適正管理及び秘密の保持に関する規程
(ヘ) 最近の事業年度における貸借対照表及び損益計算書
(ト) 就業機会確保事業に関する資産の内容及びその権利関係を証する書類
ロ 申請者が個人である場合にあっては、下記の書類
(イ) 当該就業機会確保事業を行おうとする事業主に係る建設事業の実施計画の認定の申請の日の属する月の前月末を末日とする1年間の実績報告書(建設事業実績報告書(則様式第4号))及び当該事業主が建設業の許可を受けていることを証する書面
(ロ) 就業機会確保事業を行う事業所ごとの個人情報の適正管理及び秘密の保持に関する規程
(ハ) 就業機会確保事業に関する資産の内容及びその権利関係を証する書類
(7) 変更の届出(法第37条関係)
① 送出事業主は、(1)②のイからニまでの事項に変更があったときは、遅滞なく、以下に従い、その旨を厚生労働大臣に届け出なければならないこと。この場合において、当該変更に係る事項が就業機会確保事業を行う事業所の新設に係るものであるときは、当該事業所に係る事業計画書その他書類を添付しなければならないこと(法第37条第1項)。
(1)①ニに掲げる事項の変更の届出にあっては当該変更に係る事実のあった日の翌日から起算して30日以内に、それ以外の事項の変更の届出にあっては当該変更に係る事実のあった日の翌日から起算して10日以内に、就業機会確保事業変更届出書(様式第16号)を厚生労働大臣に提出しなければならないこと(則第23条第1項)。
届出のうち、事業所の新設に係る変更の届出を行う場合には、就業機会確保事業変更届出書には、法人にあっては、当該新設する事業所に係る就業機会確保事業を行う事業所ごとの個人情報の適正管理及び秘密の保持に関する規程、就業機会確保事業に関する資産の内容及びその権利関係を証する書類並びに就業機会確保事業を行う事業所ごとに選任された雇用管理責任者の住民票の写し及び履歴書、個人にあっては、当該新設する事業所に係る個人情報の適正管理及び秘密の保持に関する規程、就業機会確保事業に関する資産の権利関係を証する書類並びに就業機会確保事業を行う事業所ごとに選任された雇用管理責任者の住民票の写し及び履歴書を添付しなければならないこと。
ただし、送出事業主が就業機会確保事業を行っている他の事業所の雇用管理責任者を当該新設する事業所の雇用管理責任者として引き続き選任したときは、法人にあっては就業機会確保事業を行う事業所ごとに選任された雇用管理責任者の住民票の写し及び履歴書のうち履歴書(選任した雇用管理責任者の住所に変更がないときは、住民票の写し及び履歴書。以下(7)において同じ。)を、個人にあっては就業機会確保事業を行う事業所ごとに選任された雇用管理責任者の住民票の写し及び履歴書に掲げる書類のうち履歴書を添付することを要しないこと(則第23条第2項)。
また、届出のうち、事業所の新設に係る変更の届出以外の届出を行う場合には、就業機会確保事業変更届出書には、7(1)③の書類のうち当該変更事項に係る書類(事業所の廃止に係る変更の届出にあっては、当該廃止した事業所に係る確保許可証)を添付しなければならないこと(則第23条第3項)。
なお、(1)②ニの事項のうち雇用管理責任者の氏名に変更があった場合において、当該送出事業主が就業機会確保事業を行っている他の事業所の雇用管理責任者を当該変更に係る事業所の変更後の雇用管理責任者として引き続き選任したときは、法人にあっては就業機会確保事業を行う事業所ごとに選任された雇用管理責任者の住民票の写し及び履歴書のうち履歴書を、個人にあっては就業機会確保事業を行う事業所ごとに選任された雇用管理責任者の住民票の写し及び履歴書のうち履歴書を添付することを要しないこと(則第23条第4項)。
② (1)④は、①の事業計画書について準用すること(法第37条第2項)。
③ 厚生労働大臣は、①により就業機会確保事業を行う事業所の新設に係る変更の届出があったときは、当該新設に係る事業所ごとに、当該新設に係る事業所の数に応じ、許可証を交付しなければならないこと(法第37条第3項及び則第23条第5項)。
(8) 許可証の書換え(法第38条関係)
送出事業主は、(6)②による許可の有効期間の変更を受けたとき、又は(7)①による届出をする場合において当該届出に係る事項が許可証の記載事項に該当するときは、その書換えを受けなければならないこと(法第38条)。
ただし、(6)②による許可の有効期間の変更を受けた者は、速やかに就業機会確保事業許可証書換申請書(則様式第16号)を厚生労働大臣に提出しなければならないこと(則第24条第1項)。
また、(7)①による届出をしようとする者は、当該届出に係る事項が確保許可証の記載事項に該当する場合にあっては、同項に規定する就業機会確保事業変更届出書のほか、就業機会確保事業許可証書換申請書を提出しなければならないこと(則第24条第2項)。
(9) 事業の廃止(法第39条関係)
送出事業主は、当該就業機会確保事業を廃止したときは、遅滞なく、当該就業機会確保事業を廃止した日の翌日から起算して10日以内に、就業機会確保事業を行うすべての事業所に係る確保許可証を添えて、就業機会確保事業廃止届出書(則様式第17号)を厚生労働大臣に届け出なければならないこと(法第39条及び則第25条)。
(10) 許可の取消し等(法第40条関係)
① 厚生労働大臣は、送出事業主が次のいずれかに該当するときは、(1)①の許可を取り消すことができること(法第40条第1項)。
イ (2)(④を除く。)のいずれかに該当しているとき。
ロ (1)③ニに規定する建設事業を営んでいるものとして厚生労働省令で定めるものでなくなったと認めるとき。
ハ 認定計画に従って就業機会確保事業を実施していないと認めるとき。
ニ 法、読替え後の職業安定法、読替え後の労働者派遣法(第3章第4節の規定を除く。)、職業安定法若しくは労働者派遣法(第3章第4節の規定を除く。)の規定又はこれらの規定に基づく命令若しくは処分に違反したとき。
ホ (5)①の規定により付された許可の条件に違反したとき。
② 厚生労働大臣は、送出事業主が①ロからホまでのいずれかに該当するときは、期間を定めて当該就業機会確保事業の全部又は一部の停止を命ずることができること(法第40条第2項)。
(11) 許可の失効(法第41条関係)
5(3)③若しくは5(6)②により当該就業機会確保事業に係る認定計画の認定を取り消されたとき、又は(9)による届出があったときは、当該就業機会確保事業に係る(1)①の許可は、その効力を失うこと(法第41条)。
(12) 名義貸しの禁止(法第42条関係)
送出事業主は、自己の名義をもって、他人に就業機会確保事業を行わせてはならないこと(法第42条)。
(13) 契約の内容(法第43条関係)
建設業務労働者就業機会確保契約(当事者の一方が相手方に対し建設業務労働者の就業機会確保をすることを約する契約をいう。以下同じ。)の当事者は、当該建設業務労働者就業機会確保契約の締結に際し、次に掲げる事項を定めるとともに、その内容の差異に応じて送出労働者の人数を定めなければならないこと(法第43条)。なお、この定めは、イからリまでの事項の内容の組合せが一であるときは当該組合せに係る送出労働者の数を、当該組合せが二以上であるときは当該それぞれの組合せの内容及び当該組合せごとの送出労働者の数を定めることにより行わなければならないこと(則第26条第1項)。
イ 送出労働者が従事する建設業務の内容
ロ 送出労働者が建設業務労働者の就業機会確保に係る労働に従事する事業所の名称及び所在地その他建設業務労働者の就業機会確保に係る送出労働者の就業(以下「送出就業」という。)の場所
ハ 送出事業主の雇用する送出労働者に係る建設業務労働者の就業機会確保の役務の提供を受ける者(以下「受入事業主」という。)のために、就業中の送出労働者を直接指揮命令する者に関する事項
ニ 建設業務労働者の就業機会確保の期間及び送出就業をする日
ホ 送出就業の開始及び終了の時刻並びに休憩時間
ヘ 安全及び衛生に関する事項
ト 送出労働者から苦情の申出を受けた場合における当該申出を受けた苦情の処理に関する事項
チ 建設業務労働者就業機会確保契約の解除に当たって講ずる送出労働者の就業の機会の確保を図るために必要な措置に関する事項
リ イからチまでのほか、下記の事項(則第26条第2項)
(イ) 雇用管理責任者及び受入責任者(労働者派遣法律第41条に規定する派遣先責任者をいう。)に関する事項
(ロ) 建設業務労働者の就業機会確保の役務の提供を受ける者がニの送出就業をする日以外の日に送出就業をさせることができ、又はホの送出就業の開始の時刻から終了の時刻までの時間を延長することができる旨の定めをした場合における当該送出就業をさせることができる日又は延長することができる時間数
(ハ) 送出事業主が、受入事業主である者又は受入事業主となろうとする者との間で、これらの者が当該送出労働者に対し、診療所、給食施設等の施設であって現に当該受入事業主である者又は受入事業主となろうとする者に雇用される労働者が通常利用しているものの利用、レクリエーション等に関する施設又は設備の利用、制服の貸与その他の送出労働者の福祉の増進のための便宜を供与する旨の定めをした場合における当該便宜供与の内容及び方法
(14) 労働者派遣法の規定の読替え適用等(法第44条関係)
① 5(4)②のほか、送出事業主が行う就業機会確保事業に関しては、労働者派遣法第2章第2節、第26条第1項、第48条第2項及び第54条の規定は適用しないものとし、労働者派遣法の他の規定の適用については、雇用管理責任者を労働者派遣法第36条に規定する派遣元責任者と、送出事業主を労働者派遣法第23条第1項に規定する派遣元事業主と、受入事業主を労働者派遣法第31条に規定する派遣先とみなす。この場合において、別添3の上欄に掲げる労働者派遣法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、同表の下欄に掲げる字句とすること。
② 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律施行規則(昭和61年労働省令第20号。以下この条において「労働者派遣法施行規則」という。)第17条第2項の規定にかかわらず、送出事業主が法第44条の規定により読み替えて適用する労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(以下この項及び第四項において「読替え後の労働者派遣法」という。)第23条第1項の規定により提出すべき事業報告書及び収支決算書は、それぞれ就業機会確保事業報告書(様式第18号)及び就業機会確保事業収支決算書(様式第19号)のとおりとし、労働者派遣法施行規則第48条の規定にかかわらず、送出事業主及び受入事業主に対する立入検査のための読替え後の労働者派遣法第51条第2項に規定する証明書は、就業機会確保事業立入検査証(様式第20号)とすること(則第27条第1項)。
③ 就業機会確保事業に関する労働者派遣法施行規則の規定の適用については、労働者派遣法施行規則第17条第1項中「法」とあるのは「建設労働者の雇用の改善等に関する法律(昭和51年法律第33号)第44条の規定により読み替えて適用される労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(昭和60年法律第88号。以下「法」という。)」と、労働者派遣法施行規則第21条第2項中「法第26条第1項第1号」とあるのは「建設労働者の雇用の改善等に関する法律第43条第1号」と、同条第3項中「法第26条第1項」とあるのは「建設労働者の雇用の改善等に関する法律第43条」と、労働者派遣法施行規則第27条第1項及び第3項中「法第26条第1項各号」とあるのは「建設労働者の雇用の改善等に関する法律第43条各号」と、労働者派遣法施行規則第28条第2号中「法第26条第1項第4号、第5号又は第10号」とあるのは「建設労働者の雇用の改善等に関する法律第43条第3号、第5号又は第9号」と、労働者派遣法施行規則第30条第1項中「派遣元管理台帳」とあるのは「送出管理台帳(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律(第34条及び第35条において「労働者派遣法」という。)第37条第1項に規定する派遣元管理台帳をいう。次項及び第32条において同じ。)」と、同条第2項及び労働者派遣法施行規則第32条中「派遣元管理台帳」とあるのは「送出管理台帳」と、労働者派遣法施行規則第34条中「による派遣先責任者」とあるのは「による受入責任者(労働者派遣法第41条に規定する派遣先責任者をいう。以下この条及び第36条第4号において同じ。)」と、同条第1号及び第3号並びに労働者派遣法施行規則第36条第4号中「派遣先責任者」とあるのは「受入責任者」と、労働者派遣法施行規則第35条第1項中「派遣先管理台帳」とあるのは「受入管理台帳(労働者派遣法第42条第1項に規定する派遣先管理台帳をいう。次項及び第37条において同じ。)」と、同条第2項及び労働者派遣法施行規則第37条中「派遣先管理台帳」とあるのは「受入管理台帳」とすること(則第27条第2項)。
④ 就業機会確保事業に係る受入事業主に関しては、労働者派遣法施行規則第34条第2号ただし書及び第35条第3項の規定は適用しないものとすること(則第27条第3項)。
⑤ 読替え後の労働者派遣法第32条第2項の規定による明示及び労働者の同意は、当該規定により明示し、及び労働者の同意を得なければならない事項について、次のいずれかの方法により明示し、及び労働者の同意を得ることにより行わなければならないこと(則第27条第4項)。
イ 書面の交付の方法
ロ 次のいずれかの方法によることを当該労働者が希望した場合における当該方法
(イ) ファクシミリを利用してする送信の方法
(ロ) 電子メールの送信の方法
(15) 労働保険の保険料の徴収等に関する法律の適用に関する特例(法第45条関係)
受入事業主がその指揮命令の下に労働させる送出労働者の当該建設業務労働者の就業機会確保に係る就業に関しては、当該送出事業主を当該受入事業主の請負人とみなして、労働保険の保険料の徴収等に関する法律の規定(同法第3条に規定する労災保険に係る労働保険の保険関係に係るものに限る。)を適用すること(法第45条)。
8 雑則
(1) 権限の委任(法第46条関係)
① 法に規定する厚生労働大臣の権限は、その一部を都道府県労働局長に委任することができること(法第46条第1項)。
都道府県労働局長に委任する権限は以下のものであり、それぞれに定める都道府県労働局長に委任すること。ただし、厚生労働大臣が自らその権限を行うことを妨げないこと(則第28条)。
イ 5(3)②による届出の受理に関する権限 当該認定団体の主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長
ロ 5(5)による指導及び助言に関する権限 当該認定団体の主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長
ハ 5(6)①による報告徴収に関する権限 当該認定団体の主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長
ニ 6(3)④による手数料表の変更命令に関する権限 当該建設有料紹介事業を行う者の主たる事務所及び当該建設有料紹介事業を行う事業所の所在地を管轄する都道府県労働局長
ホ 6(9)による届出の受理に関する権限 当該建設有料紹介事業を行う者の主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長
ヘ 6(10)②による建設有料紹介事業の全部又は一部の停止に関する権限 当該建設有料紹介事業を行う者の主たる事務所及び当該建設有料紹介事業を行う事業所の所在地を管轄する都道府県労働局長
ト 7(10)②による就業機会確保事業の全部又は一部の停止に関する権限 当該就業機会確保事業を行う者の主たる事務所及び当該就業機会確保事業を行う事業所の所在地を管轄する都道府県労働局長
② ①により都道府県労働局長に委任された権限は、厚生労働省令で定めるところにより、公共職業安定所長に委任することができること(法第46条第2項)。
ただし、現在、公共職業安定所長に委任する権限はないこと。
(2) 書類の提出の経由等(則第29条関係)
① 5(事業主団体の作成する実施計画の認定)に関し厚生労働大臣に提出する書類は、認定団体の主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長を経由して提出するものとすること(則第29条第1項)。
② 6(建設有料紹介事業)に関し厚生労働大臣に提出する書類は、建設有料紹介事業を行う認定団体の主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長を経由して提出するものとすること(則第29条第2項)。
ただし、6(4)③、6(7)①若しくは6(8)(6(7)による届出に係る部分に限る。)又は6(4)④により厚生労働大臣に提出する書類(建設紹介許可証を含む。)のうち、6(1)②イ及びロの事項以外の事項に係るものについては、当該事業所の所在地を管轄する都道府県労働局長を経由して提出することができること。
③ 7(就業機会確保事業)に関し厚生労働大臣に提出する書類は、送出事業主の主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局長を経由して提出するものとすること(則第29条第3項)。
ただし、7(4)③、7(7)①、7(8)((7)①による届出に係る部分に限る。)又は7(4)④により厚生労働大臣に提出する書類(確保許可証を含む。)のうち、7(1)②イ及びロの事項以外の事項に係るものについては、当該事業所の所在地を管轄する都道府県労働局長を経由して提出することができること。
④ ①から③までにより厚生労働大臣に提出する書類(建設紹介許可証及び確保許可証を除く。)は、正本にその写し2通(6(1)③イからホまでの書類、6(6)⑤イからニまでの書類、6(7)①の届出のうち、事業所の新設に係る変更の届出以外の届出に係る建設有料紹介事業変更届出書に係る5(1)①イからリの書類及び6(1)③イからホの書類のうち当該変更事項に係る書類(事業所の廃止に係る変更の届出にあっては、当該廃止した事業所に係る建設紹介許可証)、7(1)③イ又はロの書類、7(6)⑤イ又はロの書類並びに7(7)①の届出のうち、新設する事業所に係る就業機会確保事業を行う事業所ごとの個人情報の適正管理及び秘密の保持に関する規程、就業機会確保事業に関する資産の内容及びその権利関係を証する書類並びに就業機会確保事業を行う事業所ごとに選任された雇用管理責任者の住民票の写し及び履歴書、新設する事業所に係る個人情報の適正管理及び秘密の保持に関する規程、就業機会確保事業に関する資産の内容及びその権利関係を証する書類並びに就業機会確保事業を行う事業所ごとに選任された雇用管理責任者の住民票の写し及び履歴書(就業機会確保事業に関する資産の内容を証する書類を除く。)及び7(1)①の書類のうち当該変更事項に係る書類(事業所の廃止に係る変更の届出にあっては、当該廃止した事業所に係る確保許可証)。については、1通)を添えて提出しなければならないこと(則第29条第4項)。
(3) 船員に対する適用除外(法第48条関係)
5、6及び7の事項については、船員職業安定法第6条第1項に規定する船員については適用しないこと(法第48条)。
9 その他
(1) 用語の整理(第5条及び第7条関係)
改正法により職業紹介等に関する規定が大幅に追加されることから、建設労働法は職業安定法及び労働者派遣法の特別法と位置づけられるが、職業安定法及び労働者派遣法において「事業所」を用い、これら法律の特別法である建設労働法において「事業場」を用いていると、「事業所」と「事業場」とでは別の概念を表していると誤解されるおそれがあるため、職業紹介等に関する一般法である職業安定法及び労働者派遣法にならい、現行の建設労働法で使用している「事業場」を「事業所」に改めたこと。
なお、改正前の法における「事業場」と改正後の法における「事業所」の意義に変更はないこと。
(2) 労働者派遣法等に規定する許可の欠格事由に係る労働に関する法律の規定の追加(職業安定法施行令、労働者派遣法施行令及び港湾労働法施行令の一部改正)
職業安定法、労働者派遣法及び港湾労働法に規定する許可の欠格事由に係る労働に関する法律の規定に関し、実施計画、建設有料紹介事業及び就業機会確保事業に関する法律の規定等を追加すること(令附則第4条関係)。
これに伴い、職業紹介事業の業務運営要領、労働者派遣事業関係業務取扱要領及び港湾労働者派遣事業関係業務取扱要領をそれぞれ別添4、別添5、別添6のとおり改正する。
(3) 送出事業主が講ずべき措置に関する指針及び受入事業主が講ずべき措置に関する指針
就業機会確保事業については、法等の規定のほか、送出事業主が講ずべき措置に関する指針(平成17年厚生労働省告示第456号)及び受入事業主が講ずべき措置に関する指針(平成17年厚生労働省告示第457号)に留意し、指導・助言及び勧告等を行うこと。
第2 実施計画の認定関係業務の運営について
実施計画の認定関係業務の運営については、別添7「実施計画認定関係業務取扱要領」による。
第3 建設業務労働者有料職業紹介事業関係業務の運営について
建設業務労働者有料職業紹介事業関係業務の運営については、別添8「建設業務労働者有料職業紹介事業関係業務取扱要領」による。
第4 就業機会確保事業の運営について
就業機会確保事業関係業務の運営については、別添9「就業機会確保事業関係業務取扱要領」による。