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通達:中小企業人材確保援助事業の実施について

 

中小企業人材確保援助事業の実施について

平成15年5月30日職発第0530010号

(各都道府県労働局長あて厚生労働省職業安定局長通知)

 

標記については、「中小企業人材確保援助事業の実施について」(平成12年4月3日付け職発第283号。以下「平成12年通達」という。)により貴職あて通知し、実施しているところであるが、平成15年6月1日より中小企業労働力確保法に基づく中小企業人材確保推進事業助成金について、現行の第1種及び第2種事業を統合する等の見直しを実施することに伴い、下記のとおり取り扱うこととするので、その円滑な運営について万全を期されたい。

なお、これに伴い、平成12年通達は廃止する。

 

1 援助事業の目的

援助事業は、記4の中小企業人材確保推進事業を行う認定組合等(中小企業労働力確保法第5条第1項に規定する認定組合等をいう。以下同じ。)に対して、助成金の支給その他の援助を行うことにより、雇用機会の質的な改善を図り、もって労働力の確保に資するものとする。

2 援助対象認定組合等の指定

(1) 職業安定部職業安定主務課長(以下「安定主務課長」という。)は、援助事業の対象となることを希望する認定組合等には、様式第1号「中小企業人材確保援助事業対象認定組合等指定申請書」を提出させるものとする。

(2) 安定主務課長は、(1)の指定申請書を提出した認定組合等が、3の要件に該当するときは、「援助対象認定組合等」として指定するものとする。

(3) 安定主務課長は、(2)の援助対象認定組合等の指定をしたときは、遅滞なく、様式第2号「中小企業人材確保援助事業対象認定組合等指定通知書」により、当該指定に係る認定組合等に対してその旨通知するとともに、雇用・能力開発機構都道府県センター(以下「機構センター」という。)に助成金(記6参照)の受給資格認定の申請手続きをさせるものとする。なお、この場合、安定主務課長は、事前に援助対象認定組合等の指定をした旨機構センターに通知するものとする。

3 援助対象認定組合等の要件

援助対象認定組合等は、以下の①から④までのいずれの要件にも該当する認定組合等とする。

① 当該認定組合等の運営が公正かっ適切に行われていること。

② 雇用管理の改善及びその結果として改善された雇用管理制度の周知を図ることにより、労働力確保が容易になることが期待される認定組合等であること。

③ 当該認定組合等及びその構成中小企業者が、雇用管理の改善への意欲を持っていること。

④ 組織、人員、財政能力、構成中小企業者の数及び構成中小企業者が雇用する常用労働者の数等からみて、中小企業人材確保推進事業の適正かつ効果的な実施が可能であると認められること。

4 中小企業人材確保推進事業の内容

中小企業人材確保推進事業は、以下の①から⑧の事業で構成されるものとする。なお、そのうち、①、⑦及び⑧の事業については必ず実施し、併せて、②及び③の事業のうち少なくとも一つについても必ず実施するものとする。

① 年次計画策定・調査事業

認定計画に従って実施する中小企業人材確保推進事業のために必要な調査研究を行い、その結果を踏まえて②から⑧の事業の各年度の実施計画を策定する事業

② 雇用環境改善事業

構成中小企業者の職場としての魅力を高めるために、労働条件、職場環境、福利厚生、職業能力開発等の雇用環境に係る諸問題の改善を図る事業

③ 採用活動改善事業

構成中小企業者における人材確保を推進するために、募集及び採用に係る諸問題の改善を図る事業

④ 新技術活用普及事業

構成中小企業者の労働条件の向上及び職場環境の改善のために、新技術の導入による省力化のための検討を行い、新技術の活用及び普及を図る事業

⑤ 退職金制度整備充実事業

構成中小企業者の中小企業退職金共済制度への加入促進、その他の退職金制度の整備・充実を図る事業

⑥ 職場定着事業

構成中小企業者が雇用する労働者の利用に供する職業相談者を配置し、又は、職業相談室を運営することにより、労働者の職場への定着を図る事業

⑦ 事業定着調査事業

援助対象認定組合等の実施した中小企業人材確保推進事業の成果の調査及び分析を行うとともに、構成中小企業者の事業所における中小企業人材確保推進事業の定着状況を調査し、雇用管理の改善に継続的に取り組む上での課題を把握する事業

⑧ モデル事業普及活動事業

援助対象認定組合等の構成中小企業者の事業所において、中小企業人材確保推進事業の効果についての実情把握を行い、中小企業人材確保推進事業の実施に関する成果、ノウハウ等の他の事業所への普及、活用等を図る事業

5 中小企業人材確保推進事業の推進体制

援助対象認定組合等は、各々、その構成中小企業者等によって構成され、中小企業人材確保推進事業の企画及び立案等を行うための委員会(以下「人材確保検討委員会」という。)を設置するとともに、事業の実施に関して中心的役割を担う者(以下「人材確保推進員」という。)を設置するものとする。

6 助成金の支給

(1) 援助対象認定組合等に支給する助成金を「中小企業人材確保推進事業助成金」とし、各助成金の受給資格認定、支給決定及び支給は、機構センターが行うものとする。

(2) 一の援助対象認定組合等に対する助成金の支給期間は継続する3事業年度とし、一事業年度当たりの助成金の支給額は、以下の①及び②の合計額とする。

① 雇用・能力開発機構が「中小企業人材確保推進事業標準額表」に定める事業の認定組合等規模別標準額に応じて算定した額の合計額(以下「助成算定額」という。)に3分の2を乗じて得た額

ただし、当該事業の実施に要した費用の合計額が助成算定額を下回る場合には、当該事業の実施に要した費用の合計額に3分の2を乗じて得た額とする。

② 人材確保推進員の設置に要した費用の額(その額が、中小企業人材確保推進事業に係る助成算定額又は当該事業の実施に要した費用の合計額のいずれか低い方の額を上回るときは、助成算定額又は当該事業の実施に要した費用の合計額のいずれか低い方の額に相当する額)に3分の2を乗じて得た額(その額が400万円を超えるときは、400万円)

(3) 一事業年度当たりの助成金の支給額は、(2)により算定した額とする額が、下表に掲げる援助対象認定組合等の区分に応じた助成金の支給限度額を超える場合には、当該支給限度額に相当する額とする。

援助対象認定組合等の区分

助成金の支給限度額

4の事業の実施及び5の人材確保推進員の設置に係る支給限度額

大規模認定組合等(構成中小企業者数500以上)

1,000万円

中規模認定組合等(同100以上500未満)

800万円

小規模認定組合等(同100未満)

600万円

(4) 援助対象認定組合等が、雇用保険法施行規則第121条第1号の中小企業人材育成事業助成金、同規則第140条第11号ロの短時間労働者雇用管理改善等助成金、雇用・能力開発機構一般業務方法書第38条の第1種又は第2種の雇用改善推進事業助成金を同一年度に受ける場合には、当該組合等には中小企業人材確保推進事業助成金は支給しないものとする。

7 中小企業人材確保援助事業連絡会議の設置

援助事業の適正かつ円滑な実施を図るため、機構センターに設置される「中小企業人材確保援助事業連絡会議」において、機構センターに提出している中小企業人材確保推進事業実施計画書の内容及び当該計画書に基づく中小企業人材確保推進事業の実施状況等について、職業安定部職業安定主務課(以下「安定主務課」という。)と機構センターとの間で意見交換を行うものとする。この場合、必要に応じて、中小企業人材確保推進事業実施計画書の修正又は変更について、安定主務課は、機構センターを通じて当該計画書に係る援助対象認定組合等に対して指導するものとする。

8 援助対象認定組合等に対する指導及び助言

(1) 安定主務課及び援助対象認定組合等の主たる事務所の所在地を管轄する公共職業安定所は、中小企業人材確保推進事業が円滑に実施されるよう、機構センターと十分に連携をとって、援助対象認定組合等に対して必要な指導及び助言を行うものとする。

(2) 安定主務課及び公共職業安定所は、(1)のほか、援助対象認定組合等の構成中小企業者に対しても、求人受理、事業所訪問等の機会を捉えて、当該中小企業者が属する認定組合等が実施している中小企業人材確保推進事業と関連づけて、雇用管理改善のための指導及び援助を行うものとする。なお、機構センターにおいても、構成中小企業者に対して専門的・技術的助言及び援助を行うこととなっていることから、その実施に当たっては同センターと十分に連携をとるものとする。

(3) 中小企業人材確保推進事業の実施による人材確保をより確実なものとするためには、当該事業による雇用管理改善への取組状況を求職者にアピールすることが効果的であることから、援助対象認定組合等及びその構成中小企業者に対して、合同求人選考会、一日ハローワーク等への参加を積極的に勧奨するものとする。

9 経過措置

平成15年6月1日前の日に改善計画の提出を行った中小企業人材確保推進事業を行う認定組合等に対する援助事業の実施については、平成15年6月1日以降もなお、平成12年通達によるものとする。