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通達:高年齢者雇用確保措置の推進等に係る指導について

 

高年齢者雇用確保措置の推進等に係る指導について

平成12年9月29日職発第583号

(各都道府県労働局長あて労働省職業安定局長通知)

最終改正 平成23年4月1日職発0401第16号

 

高年齢者等の雇用の安定等に関する法律を改正する法律の施行については、平成12年5月12日付け労働省発職第105号をもって労働事務次官より貴職あて通達するとともに、平成12年9月29日付け職発第574号により指示し、また、高年齢者等職業安定対策基本方針については、平成21年4月1日付け職高発第0401011号により指示したところであるが、これらに基づく定年の引上げ及び継続雇用制度の導入等の措置に係る指導については、下記のとおり示すので、これらに留意の上、業務の運営に遺漏なきよう特段の御配意をお願いする。

 

第1 60歳未満の定年の定めをしている企業に対する指導

1 60歳を下回る定年の定めの禁止に関する基本的な考え方

(1) 規定の意義

平成10年4月1日から、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(以下「法」という。)第8条施行に伴い、60歳を下回る定年の定めをすることが禁じられているところであり、同日以降も60歳を下回る定年を採用している企業に対しては、定年引上げの取組を図るよう強力な指導を実施してきているところである。

「定年」とは、労働者が所定の年齢に達したことを理由として自動的に又は解雇の意思表示によってその地位を失わせる制度であって就業規則、労働協約又は労働契約に定められたものにおける当該年齢をいうものである。

当該制度の内容は労働基準法(昭和22年法律第49号)第89条第1項第3号にいう「退職に関する事項」として、就業規則の絶対的必要記載事項(就業規則に必ず定めをしなければならない事項)に該当するため、当該制度が就業規則又は労働協約ではなく労働契約に定められることは、労働基準法上就業規則の作成が義務付けられていない、常時使用する労働者が10人未満の事業所においてしかあり得ないことであるので留意すること。

なお、単なる慣行として一定年齢における退職が定着している場合等は定年に含まれないものであり、また、いわゆる選択定年制のように早期の退職を優遇する制度における当該早期の退職年齢はここでいう定年ではないこと。

(2) 法的効果

法第8条の内容は、事業主が定年の定めをする場合には、当該定年は60歳を下回ることができないこととするものであり、これは新たに定年の定めをする場合に限らず、既に定年の定めをしている場合も含むものであること。

法第8条に反して定められた60歳を下回る定年は民事上無効であり、事業主は、当該年齢を根拠に労働者を退職させることはできないと解されるものであること。また、この場合、当該定年は60歳と定めたものとみなされるのではなく、定年の定めがないものとみなされると解されるものであること。

なお、定年の定めをしていない事業主は、法第8条との関係で何ら問題となるものではないこと。

(3) 適用除外

イ 法第8条においては、高年齢者が従事することが困難な業務として労働省令で定める業務に従事する労働者については60歳定年の義務化の適用除外としており、この業務は、具体的には,鉱業における坑内作業の実態に鑑み、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律施行規則(昭和46年労働省令第24号。以下「則」という。)第4条の2において、鉱業法(昭和25年法律第289号)第4条に規定する事業における坑内作業の業務とされていること。

なお、「鉱業法第4条に規定する事業」とは、鉱物の試掘、採掘及びこれに付属する選鉱、精錬その他の事業をいうものであること。

ロ 事業主は、法第8条の規定にかかわらず、鉱業法第4条に規定する事業における坑内作業の業務に従事する労働者については60歳を下回る定年を定めることができるものであること。

ただし、「鉱業法第4条に規定する事業における坑内作業の業務に従事する」とは、当該業務に常時従事することをいうものであり、事業主は、臨時的に当該業務に従事することがあるだけの者について60歳を下回る定年を定めることはできないものであること。

2 60歳未満の定年の定めをしている企業に対する指導の方法

60歳を下回る定年を定める企業であって鉱業法第4条に規定する事業における坑内作業以外のものがあった場合には、引き続き、下記により強力な指導を実施することとする。

(1) 定年の状況把握

企業における定年の採用状況については、高年齢者雇用状況報告によるほか、求人窓口、雇用保険適用窓口、労働基準監督署等、あらゆる機会を通じて情報提供を受けながら、十分な把握をすること。

なお、本社が他の公共職業安定所の管轄である事業所の定年が60歳未満であることが判明した場合には、当該本社を管轄する公共職業安定所に連絡すること。

(2) 個別指導の実施

指導の対象となる企業の事業主に対しては、法第8条により定年を定める場合は60歳を下回る定年は民事上無効であり、事業主は当該定年を根拠に労働者を退職させることはできないと解されるものであることを内容とする文書(様式第1号)を必要に応じて発出するとともに、企業を訪問する等により、早急に定年引上げの取組みを図るよう強力な指導をすること。なお、改善が図られるまでは、状況を確実に把握し、継続して指導を実施すること。

(3) 法第8条に係る周知

法を知らないことにより、雇用者が不利益を被ることがないようにすることが重要である。このため、関係機関とも連携を図りつつ、法の周知、啓発等の広報活動を十分に行うこと。

 

第2 高年齢者雇用確保措置の実施に係る指導

1 高年齢者の雇用確保に関する基本的考え方

(1) 高年齢者の雇用確保に関する目標

高年齢者等職業安定対策基本方針(平成21年厚生労働省告示第252号。以下「基本方針」という。)の第2においては、高年齢者の雇用の機会の増大の目標に関する事項が掲げられている。

具体的には、公的年金の支給開始年齢が、平成25年度には定額部分が65歳に引き上げられ、報酬比例部分の引上げが始まることも踏まえ、高年齢者の生活の安定のために、60代前半における働く場の確保が重要な課題となることから、平成25年3月までに、すべての企業において確実に65歳までの高年齢者雇用確保措置が講じられるようにするとともに、知識・経験を活かして雇用の継続を希望する高年齢者のニーズに応えるため、希望者全員が65歳まで働ける企業(65歳以上定年企業等)の割合を平成22年度末を目途に50%とし、平成25年3月までにさらなる普及に努めることとしている。

また、65歳までの雇用の確保を基盤としつつ、団塊の世代が平成24年には65歳に到達し始めることを見据えて、65歳を超えて、「70歳まで働ける企業」の割合を平成22年度末を目途に20%とするなど、年齢にかかわりなく働き続けることができる雇用の場の拡大に努めることとされている。

また、こうした取組とともに、高年齢者の再就職促進対策の強化及び高年齢者の多様なニーズに対応した雇用・就業機会の確保を図ることにより、平成24年には、60~64歳の就業率を56~57%、65~69歳の就業率を37%とすることを目指すこととしている。

なお、「新成長戦略」(平成22年6月18日閣議決定)において、平成32年までに60~64歳までの就業率を63%とすることが目標に掲げられている。

(2) 事業主が行うべき諸条件の整備に関する指針の基本的考え方

基本方針の第3の1において、事業主が行うべき諸条件の整備に関する指針が示されたところであるが、これは、法第4条第1項において、事業主の責務として、職業能力の開発及び向上並びに作業施設の改善その他の諸条件の整備を行うことにより、その雇用する高年齢者についてその意欲及び能力に応じてその者のための雇用機会の確保等が図られるよう努める旨が規定されていることを踏まえ、事業主がこれら諸条件の整備等を実施する際に、当該取組が円滑に行われるようにするためにガイドラインを示したものである。

事業主は、当該指針の内容を参考に、労働者の年齢構成の高齢化や年金制度の状況等も踏まえ、労使間で十分な協議を行いつつ、当該企業における高年齢者の意欲及び能力に応じた雇用機会の確保のために必要な諸条件の整備を行うことが求められるものである。

(3) 高年齢者雇用確保措置に関する指針の基本的考え方

基本方針の第3の2において、高年齢者雇用確保措置に関する指針が示されたところであるが、これは、65歳未満の定年の定めをしている事業主が、労使間で十分な協議を行いつつ、高年齢者雇用確保措置の適切かつ有効な実施を図るためにガイドラインを示したものである。

特に事業主は、継続雇用制度を導入する場合には、可能な限り希望者全員を対象とする制度とすることを検討することとし、対象となる労働者に係る基準を定める場合には、具体的かつ客観的な基準を労使協定で定めるとともに、基準を定めた場合には、随時、労使で、対象となる労働者の拡大、希望者全員を対象とする制度への転換について検討することとしている。

(4) 高年齢者の雇用確保に関する指導に関する方針

基本方針においては、事業主が行うべき諸条件の整備及び高年齢者雇用確保措置について(2)及び(3)で述べた指針を定め、65歳までの高年齢者雇用確保措置の速やかな実施、希望者全員の65歳までの安定した雇用の確保に関する自主的かつ計画的な取組が促進されるよう、(3)で述べた指針の内容について周知徹底を図るとともに、都道府県労働局及び公共職業安定所において、すべての企業において高年齢者雇用確保措置が講じられるよう、周知の徹底や企業の実情に応じた指導等の積極的な取組とあわせて、企業が賃金・人事処遇制度の見直し等を行う場合において高年齢者雇用アドバイザーが専門的・技術的支援を有効に行えるよう、公共職業安定所は、適切な役割分担の下、独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構(以下「機構」という。)と密接な連携を図ることとしており、こうした方針に基づき、高年齢者雇用確保措置に係る指導等を行うことととする。

(2)及び(3)で述べた指針については、各事業主における諸条件の整備、65歳までの高年齢者雇用確保措置の速やかな実施、希望者全員の65歳までの安定した雇用の確保及び「70歳まで働ける企業」の自主的かつ計画的な取組を促進するため、それぞれの指針の考え方及び内容について積極的な啓発を行うこと。

(2)及び(3)で述べた指針に基づく具体的な取組を促進するに当たっては、専門的な助言・援助が特に重要なものとなるため、機構の地域障害者職業センター雇用支援課等(以下「都道府県高齢・障害者雇用支援センター」という。)との十分な連携を図り、必要な援助を機動的に実施すること。

2 企業における定年及び継続雇用の実情の把握

高年齢者雇用状況報告、指導時における確認及び関係機関からの連絡等により企業における定年及び継続雇用の実情を把握した場合は、当該高年齢者雇用確保措置の現状及び今後の予定について、次の分類により企業を区分すること。

① 64歳までの高年齢者雇用確保措置を講じておらず、平成23年度において法の規定に違反している企業

② 希望者全員が65歳まで働ける制度の導入に向けた啓発指導・援助の対象とする企業

③ ①には該当しないが、平成23年度中に65歳までの高年齢者雇用確保措置を講ずる予定がない企業

④ 継続雇用制度に係る対象者基準等についての指導・助言等を要する可能性のある企業

⑤ 「70歳まで働ける企業」に向けた啓発指導・援助の対象とする企業

3 高年齢者雇用確保措置の実施のための個別指導等

(1) 指導の対象

上記2の①の分類に該当する企業については、個別指導を行うことを原則とする。高年齢者雇用確保措置が未実施となっている31人以上規模企業に対しては、これまでの指導等の状況も踏まえつつ、勧告を行うことも含め、個別指導を実施すること。なお、30人以下規模の小規模企業に対する指導は、下記(4)及び5のとおりとする。

①に該当する企業で複数の事業所を有する企業にあっては、本社を管轄する公共職業安定所において指導を実施すること。ただし、労務管理の権限の一部が各事業所に分散されており本社のみを対象としたのでは指導の効果を上げることができない場合には、公共職業安定所間、都道府県労働局間で連携を図り、本社以外の事業所を管轄する公共職業安定所においても指導を実施すること。

なお、企業グループ内で統一的な制度を設けている場合で、当該グループ内に中心的企業が有る場合には、各グループ企業を管轄する公共職業安定所間、都道府県労働局間で連携を図り、当該中心的企業に対して重点的指導を行うこと。ただし、当該グループ内に中心的企業がない場合には、当該グループ内の各企業を指導の対象とし、必要に応じ、公共職業安定所間、都道府県労働局間で連携を図ること。

(2) 個別指導の実施

上記(1)の企業に対する個別指導は、基本的に、以下に留意の上、公共職業安定所の職員の企業訪問等により実施するものとする。また、必要に応じ、都道府県高齢・障害者雇用支援センターとの連携の下に、高年齢者雇用アドバイザーを活用し、高年齢者雇用確保措置の実施に当たっての技術的な事項に関する専門的な相談・援助を行い、指導の効果を高めること。

イ 指導は継続して実施することを原則とし、企業に対応スケジュールを示すよう求め、対応が完了するまで定期的(原則として2か月に1回以上)に電話連絡等により進捗を確認し、必要に応じて再訪問を行うこと。企業に対応スケジュールを示させる場合には、不必要に長い期間とすることのないよう徹底すること。また、指導の過程においては、適宜高年齢者雇用確保措置の実施の阻害要因の分析を行い、その結果を踏まえた上で指導方針を決定すること等により、効果的な指導が行えるよう工夫すること。

ロ 指導を行っても進展が見られない場合は、都道府県労働局長を始めとする幹部又は公共職業安定所長を始めとする幹部により、企業の経営幹部等責任を有する者に対する指導を行うこと。なお、本社のみを指導の対象とした場合やグループ内の中心的企業、地域経済界において中心的存在となっている企業等、他の企業に及ぼす影響が大きいと考えられる企業等については、必要に応じて、早い段階から都道府県労働局長を始めとする幹部や公共職業安定所長を始めとする幹部が企業を訪問し指導を実施すること。

なお、これらの個別指導の実施後においても、当該指導に係る高年齢者雇用確保措置の実施に関して何ら取組がなされない企業等については、下記4の文書による指導を適切に行うこと。

(3) 平成22年度において、企業規模が300人以下で、高年齢者雇用確保措置として継続雇用制度の対象者に係る基準を、労使協定を締結することなく就業規則等で定めていた企業について

平成22年度において、企業規模が300人以下で、法附則第5条に基づき、継続雇用制度の対象者に係る基準を、労使協定を締結することなく就業規則等で定めることにより高年齢者雇用確保措置を講じていた企業に対しては、速やかに法附則第5条に基づく経過措置の終了に係る対応状況を確認すること。対応が遅れていることにより上記2の①に該当することとなった企業については、優先的に指導を行うこと。

(4) 小規模企業における高年齢者雇用確保措置の確実な実施の推進

30人以下規模の小規模企業については、下記5の集団指導により高年齢者雇用確保措置の実施を図ることを原則とするが、労働者等から法違反の事実の申立てがなされた場合等については、必要性を判断の上、(2)により個別指導を実施すること。

4 文書による指導

個別指導の実施に当たっては、当該企業における高年齢者雇用確保措置に関する取組状況に応じ、以下の文書を発出することとし、文書発出企業に対しては、その後の取組状況、措置の改善状況を適宜、確認すること。

文書の発出後の計画作成等に関しては、都道府県高齢・障害者雇用支援センターと連携し、高年齢者雇用アドバイザーを活用するなどして、積極的に助言・援助を行い、適切な実施を促すための指導を行うこと。

(1) 高年齢者雇用確保措置の実施に関する指導文書(法第10条第1項に基づく指導)

上記2の①の分類に該当する企業のうち、下記の①から③のすべてに該当する企業については、原則として、法第10条第1項に基づき、高年齢者雇用確保措置の実施に関する指導文書(様式第2号。以下「指導文書」という。)を発出するものとする。ただし、現在、労使で協議を行っている企業であり、かつ、当分の間、高年齢者雇用確保措置が実施されないことによる離職者が発生しない企業等については、指導文書を発出しないこととしても差し支えないこと。

また、下記の①から③の全てに該当するが、効果的に指導を実施するためには指導文書を発出しないことが適当だと認められる企業があれば、本省に協議すること。

一方、下記の①から③には該当しないが、緊急性がある場合や効果が見込まれる場合などには、都道府県労働局又は公共職業安定所の判断により文書を発出して差し支えない。

なお、下記①及び②に要する期間については、不必要に長い期間とならないよう留意すること。

① 同一の事由で3回以上個別指導を実施していること

② そのうち少なくとも1回は、企業の経営幹部に対して個別指導を実施していること

③ ①及び②の指導にもかかわらず、何ら具体的な取組がなされていないことが確認されたこと

指導文書の発出に当たっては、関連するパンフレットを添付すること。また、指導文書の発出から2か月程度の期限を付し、高年齢者雇用確保措置に関する計画書(様式第3号。以下「計画書」という。)の提出を求めるとともに、計画書の計画期間の終期から1か月程度の期限を付し、高年齢者雇用確保措置に関する報告書(様式第4号。以下「報告書」という。)の提出を求めるものとすること。なお、計画書の計画期間は2か月程度とすること。提出された計画書の内容が法に違反しているなど適切なものではなかった場合、法に沿った内容となるよう指導を行い、1か月程度の期限を付し、再提出を求めること。

(2) 高年齢者雇用確保措置の実施に関する勧告書(法第10条第2項に基づく勧告)

(1)の指導文書の発出を行った事業主のうち、高年齢者雇用確保措置に関して何ら具体的な取組を行わない者(提出期限までに(1)の計画書または報告書が提出されない場合を含む。)に対しては、指導文書の発出後少なくとも1回以上個別指導を実施すること。その際、原則として都道府県労働局長又は公共職業安定所長による指導を行うこととし、特に、当該企業が地域経済界において中心的存在になっている等、他の企業に及ぼす影響が大きいと考えられる場合等については、必ず都道府県労働局長又は公共職業安定所長による指導を実施すること。

個別指導を実施したにもかかわらず、高年齢者雇用確保措置に関して何ら具体的な取組を行わない事業主に対しては、法第10条第2項に基づき、高年齢者雇用確保措置の実施に関する勧告書(様式第5号)を発出するものとすること。

該当する事例が生じた場合には、本省に協議すること。

発出に当たっては、2か月程度の期限を付し、勧告に基づく高年齢者雇用確保措置の実施に関する報告書(様式第6号)の提出を求めるものとすること。

なお、勧告の際には、事業主に対して次の点について十分に説明を行うこととし、さらに当該勧告以後も状況に応じて、是正に向けた指導、高年齢者雇用アドバイザーによる支援、再勧告などを継続的に実施していくこと。

① 是正されない限り、継続的に指導等を実施するものであり、場合によっては再勧告もあり得ること。

② 勧告書が発出された事業主に対しては、原則として、公共職業安定所における求人の不受理・紹介保留、助成金の不支給などの措置を実施すること。

5 高年齢者雇用確保措置の実施のための集団指導等

上記2の①の分類に該当する企業のうち、30人以下規模企業については、原則として、公共職業安定所が行う各種説明会等の場を活用した集団指導や、事業主団体の実施する会合等企業が広く集まる場を捉えることによる周知等を実施するとともに、参加した企業からの疑義や要請に対して、必要な指導・援助を行うこと。

また、こうした小規模企業に対しては、求人受理時や労働基準行政と連携するとき等、様々な機会を通じて、高年齢者雇用確保措置の実施状況の把握と啓発指導を行うこと。

なお、集団指導等を行う場合には、都道府県高齢・障害者雇用支援センターに対し高年齢者雇用アドバイザーの講師派遣を要請することや、参加した企業から専門的・技術的支援を求められた場合に個別訪問を要請するなど、効果的な連携を図ること。

6 希望者全員が65歳まで働ける企業の普及のための啓発指導等

公的年金の支給開始年齢が、平成25年4月以降、定額部分が65歳に引き上げられ、報酬比例部分についても引上げが始まる状況の中で、高年齢者の生活の安定のため、法の趣旨及び基本方針を踏まえ、希望者全員が65歳まで働ける企業の普及に向けた取組を行う必要がある。

このため、基本方針に基づき、平成22年度末を目途にその比率を50%以上とした上で、平成25年3月末までに更なる普及を図るべく、強力に取組を推進する。

これを踏まえ、都道府県労働局及び公共職業安定所においては、希望者全員が65歳まで働ける制度の導入に向けた取組が見込まれる企業を上記2の②に区分し、当該企業に対し、公共職業安定所の職員による訪問等により、希望者全員が65歳まで働ける制度の導入の必要性についての啓発指導、定年引上げ等奨励金の活用の周知等を実施するとともに、必要に応じて、都道府県高齢・障害者雇用支援センターの高年齢者雇用アドバイザー等と連携を図ることで、希望者全員が65歳まで働ける制度の導入を効率的かつ効果的に推進すること。

また、上記2の①の企業に対する個別指導、上記2の③又は④の企業に対する啓発指導等においても、同様に希望者全員が65歳まで働ける制度の導入を促すこと。

なお、ここでの希望者全員が65歳まで働ける企業とは、65歳以上の定年の定めをしている企業、定年の定めを廃止した企業、希望者全員を対象とした65歳以上までの継続雇用制度を導入している企業とする。

7 高年齢者雇用確保措置の充実のための啓発指導等

(1) 高年齢者雇用確保措置の充実のための啓発指導等

上記2の③の分類に該当する企業等に対しては、リーフレット等を活用して常に周知を行うとともに、平成25年4月1日から高年齢者雇用確保措置の義務年齢が65歳に引き上げられることを踏まえ、企業の実情に応じ可能な限り65歳以上の高年齢者雇用確保措置を実施するよう啓発指導を行うこと。

(2) 継続雇用制度に係る対象者基準等についての指導等を要する可能性のある企業への対応

上記2の④の分類に該当する企業については、高年齢者雇用状況報告等を活用し、63歳以下の定年を定めている企業であって、定年到達者等に占める基準非該当となり離職する者や定年到達者のうち継続雇用を希望しない者の割合が高い企業等を抽出した上で、継続雇用制度に係る基準の内容や継続雇用後の労働条件等について確認を行い、必要に応じて、基準の内容や労働条件の変更等について指導・助言等を行うこと。

また、労働者等から、継続雇用制度に係る対象者基準の内容や継続雇用後の労働条件等について問題がある旨の情報提供があった場合についても、上記2の④の分類に該当する企業として同様に扱うこと。

(3) 高年齢者雇用確保措置に係る運用改善

基本方針において、事業主は、高年齢者雇用確保措置を適切かつ有効に実施し、高年齢者の意欲及び能力に応じた雇用を確保するために、賃金・人事処遇制度の見直しが必要な場合には、短時間勤務、隔日勤務等高年齢者の希望に応じた勤務制度の導入、継続雇用制度により雇用される場合の賃金水準や契約期間の設定、継続雇用の希望者の割合が低い場合の労働者のニーズ等を踏まえた制度の見直し等について留意することとされたことを踏まえ、高年齢者雇用アドバイザーや定年引上げ等奨励金を活用し、事業主の取組を支援すること。

8 「70歳まで働ける企業」の普及のための取組

少子高齢化が急速に進行する中、高年齢者の生きがい等の充実に資するとともに、経済社会の活力の維持を図るためには、誰もが意欲と能力のある限り年齢にかかわりなく働くことができる社会の実現に向けた取組を進めることが重要である。

このため、基本方針に基づき、「70歳まで働ける企業」の割合を平成22年度末を目途に20%以上とした上で、一層の普及を図るべく、今後も計画的に取組を実施する。

これを踏まえ、都道府県労働局及び公共職業安定所においては、「70歳まで働ける企業」に向けた取組が見込まれる企業等の事業主に対し、70歳雇用支援アドバイザーとの同行訪問及びフォローアップ訪問の実施等70歳雇用支援アドバイザーと連携を図りつつ、基本方針の趣旨や「70歳まで働ける企業」の実現の必要性について啓発指導を行うとともに、必要に応じ、定年引上げ等奨励金の活用について周知することにより、「70歳まで働ける企業」の取組を効率的かつ効果的に推進すること。

また、「70歳まで働ける企業」の事例等について、あらゆる機会を利用して周知に努め、「70歳まで働ける企業」の普及を図ること。

なお、ここでの「70歳まで働ける企業」とは、70歳以上の定年の定めをしている企業、定年の定めを廃止した企業又は70歳以上までの継続雇用制度(希望者全員又は基準に該当する者を対象とする制度)を導入している企業のほか、企業の実情に応じて何らかの仕組みで70歳以上まで働くことができる制度のある企業を含むものとする。

 

第3 高年齢者雇用状況報告書の様式

1 高年齢者雇用状況報告書の様式

則第33条に規定する報告書(様式第2号)の様式については、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律施行規則の一部を改正する省令(平成22年厚生労働省令第56号)により別添のとおり改正したところであり、平成22年4月1日からこれを適用する。

2 報告の主体

高年齢者雇用状況報告書については、原則として全ての事業主に報告を求めうるものであること。

3 報告の手続

高年齢者雇用状況報告書は、企業単位にこれを求め、管轄公共職業安定所に対し提出させるものであること。

 

第4 関係通達の整備

平成7年3月31日付け職発第223号及び平成10年4月8日付け職発第267号は廃止する。