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通達:中小企業における労働力の確保及び良好な雇用の機会の創出のための雇用管理の改善の促進に関する法律の運用に当たっての留意事項について

 

中小企業における労働力の確保及び良好な雇用の機会の創出のための雇用管理の改善の促進に関する法律の運用に当たっての留意事項について

平成12年4月3日職発第280号・能発第98号・平成12・03・29企庁第2号

(各都道府県知事あて中小企業庁長官・労働省職業安定局長・労働省職業能力開発局長通知)

 

「中小企業における労働力の確保及び良好な雇用の機会の創出のための雇用管理の改善の促進に関する法律」(平成3年法律第57号。以下「法」という。)、「中小企業における労働力の確保及び良好な雇用の機会の創出のための雇用管理の改善の促進に関する法律施行令」(平成3年政令第244号)及び「中小企業における労働力の確保及び良好な雇用の機会の創出のための雇用管理の改善の促進に関する法律施行規則」(平成3年通商産業省・労働省令第3号。以下「施行規則」という。)の運用については、平成12年4月1日以降においては、下記に御留意の上、その円滑かつ的確な実施について特段の御配慮をお願いいたします。

なお、様式については、参考様式を添付しております。

 

1 改善計画の認定申請

(1) 法第4条の規定に基づき改善計画の認定を申請しようとする事業協同組合等(第2条第2項に規定する事業協同組合等をいう。以下「組合等」という。)又は中小企業者(法第2条第1項に規定する中小企業者をいう。)は、前者にあっては施行規則様式第1、後者にあっては施行規則様式第2(以下「改善計画認定申請書」という。)をそれぞれ作成して、当該申請書及びその写し3通を次の①及び②の書類を添付して、その主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事に提出するものであること。

① 当該事業協同組合等又は当該中小企業者の定款(ただし、定款を有しない中小企業者(個人事業主又はこれから事業を営もうとする者)を除く)

② 当該事業協同組合等又は当該中小企業者の最近3期間の事業報告書又は営業報告書、貸借対照表及び損益計算書(これらの書類がない場合には、最近2年間の事業状況又は営業状況及び事業用資産の概要を記載した書類)。ただし、法第4条第1項の規定に基づく新分野進出等(創業又は異業種進出)に係る計画のうち創業に係るものである場合には、当該中小企業者が事業を開始することを明らかにする書類。

(2) 新分野進出等に係る改善計画については、新分野進出等に係る準備行為を始めた時点(事業所開設に当たっての賃貸借契約書の締結、設備・備品等の設置、それらの資金の確保(資金の金融機関からの借り入れ)、法人登記等)から6カ月以内に提出するものであること。ここでいう創業とは、個人が新たに事業を始めること、若しくは個人・企業が新たに企業を設立することであり、異業種進出とは、企業が現在営んでいる事業とは別の業種(原則として総務庁作成の日本標準産業分類の細分類における別の細分類)に進出しようとすることである。

また、企業が新たに企業を設立する場合においては、新たに設立する企業の法人登記の前であっても、新たに設立される企業の予定される所在地・名称・代表者により提出して差し支えないものであること。

2 改善計画の認定

(1) 都道府県知事は、組合等又は中小企業者から「改善計画認定申請書」の提出を受けたときは、遅滞なく、当該計画が法令及び3の認定基準に照らして適切であるか否かを審査し、適切であると判断されるものについて認定するものであること。

(2) 都道府県知事は、改善計画を認定したときは、遅滞なく、当該認定に係る組合等(以下「認定組合等」という。)又は当該認定に係る中小企業者(以下「認定中小企業者」という。)に対して通知するものであること。

(3) 認定組合等の構成中小企業者の主たる事務所が他の都道府県に所在する場合には、当該認定を行った都道府県知事は、構成中小企業者の支援策利用の際の利便を図るため、遅滞なく、当該構成中小企業者の主たる事務所の所在地を管轄するすべての都道府県知事に通知するものであること。

3 改善計画の認定基準

組合等又は中小企業者の改善計画が、次に掲げる基準のいずれにも適合するものであること。

(1) 組合等の改善計画の認定基準

① 改善事業の目標、内容及び実施時期が基本指針に照らして適切なものであること。

② 改善事業の内容、実施時期並びに事業実施に必要な資金の額及びその調達方法が、事業の目標を確実に達成するために適切なものであること。

③ 労働時間の短縮、職場環境の改善、福利厚生の充実、募集・採用の改善、教育訓練の充実及びその他の雇用管理の改善の6項目のうち、当該組合等の実情に照らして、労働力確保のために必要かつ適切な項目に取り組むこととするものであること。

④ 構成中小企業者の概ね3分の1以上が、③の組合等が取り組むこととした項目のうち、募集・採用の改善を除くもののいずれかについて、当該組合等が掲げる目標に沿った目標を掲げて事業に取り組むこととしていること。

⑤ 組合等が、その構成中小企業者から委託を受けて労働者の募集を行う場合においては、その募集に係る労働条件その他の募集の内容が適切なものであり、かつ、労働者の利益に反しないものであること。

⑥ 構成中小企業者(組合等が中小企業者として行う場合を含む。)が組合等が改善計画において掲げる目標に沿った目標を掲げて設備投資を行う場合であって、課税の特例措置を期待する場合には、次のすべての要件を満たすものであること。

イ 改善計画に基づいて労働時間の短縮のための設備投資を行う場合には、次のすべての要件を満たすものであること。

(イ) 労働時間の短縮の目標が、週所定労働時間に換算して1時間以上であること。

(ロ) 労働時間の短縮の目標が適切なものであること。

(ハ) 労働時間の短縮の目標の達成が確実であると認められること。

(ニ) 新たに導入する設備の能力(生産性)が既存設備を上回るものであること。

(ホ) 新たに導入する設備が、高温、振動等の職場環境を著しく悪化させるものでないと認められること。

(ヘ) 一連の設備投資の終了後1年以内に労働時間の短縮の目標を達成するものであること。

(ト) 設備投資の内容が、目標とする労働時間の短縮を達成するために必要かつ十分なものであること。

ロ 職場環境の改善のための設備投資を行う場合には、次のすべての要件を満たすものであること。

(イ) 職場環境の改善の目標の設定が適切なものであること。

(ロ) 設備の更新を行う場合には、新たに導入する設備が職場環境の改善の点で既存設備の能力を上回るものであること。

(ハ) 補助的な設備を導入する場合には、当該設備が職場環境を改善する能力を有していること。

(2) 中小企業者の改善計画の認定基準

① 改善事業の目標、内容及び実施時期が基本指針に照らして適切なものであること。

② 改善事業の内容、実施時期並びに事業実施に必要な資金の額及びその調達方法が、事業の目標を確実に達成するために適切なものであること。

③ 労働時間の短縮、職場環境の改善、福利厚生の充実、募集・採用の改善、教育訓練の充実及びその他の雇用管理の改善の6項目のうち、当該中小企業者の実情に照らして、職業に必要な高度の技能及びこれに関する知識を有する者の確保・育成のために必要かつ適切な項目又は新分野進出等に伴う良好な雇用の機会の創出に資する項目に取り組むこととするものであること。

④ ③の取り組むこととした項目のうち、募集・採用の改善を除くいずれかの項目に取り組むこととしていること。

4 改善計画の実施期間

改善計画の実施期間は、概ね5年間(終期は5年目の日を含む事業年度の末日まで)以内であること。

5 改善計画の変更の認定

(1) 認定組合等又は認定中小企業者は、法第5条第1項の規定に基づき、当該認定に係る改善計画(以下「認定計画」という。)の変更の認定を申請しようとするときは、施行規則様式第3により、当該申請書1通及びその写し3通をその主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事に提出するものであること。

(2) 2及び3の規定は、改善計画の変更の認定を行う場合について準用する。

(3) 変更後の改善計画の実施期間は、変更前の改善計画の実施期間を含め、概ね5年間(終期は5年目の日を含む事業年度の末日まで)以内であること。

6 改善計画の認定の取消

(1) 都道府県知事は、認定計画の実施に著しい支障が生じて、当該認定計画に従って事業を実施する見込みがなくなったと認められる場合、または、当該認定計画が法令及び3の認定基準を満たさなくなったと認められる場合には、当該認定を取り消すものであること。

(2) 2の規定は、改善計画の認定を取り消す場合について準用する。

7 改善事業実施状況報告等の徴収

(1) 都道府県知事は、改善事業の的確な実施に必要な指導及び助言に資するため、認定組合等又は認定中小企業者から、各年度の改善事業の実施状況について、翌年度の4月末日までに報告を受けるものであること。

(2) (1)の他、都道府県知事は、必要があると認めるときは、法第17条の規定に基づき、認定組合等又は認定中小企業者に対し、認定計画に係る改善事業の実施状況について随時報告を求めるものであること。

8 指導及び助言

都道府県は、認定組合等及びその構成中小企業者並びに認定中小企業者に対して、認定計画に係る改善事業が的確に実施されるよう、必要な指導及び助言を行うものであること。

9 関係機関への協議等

(1) 都道府県知事は、改善計画の認定等をしようとするときは、通商産業局長(沖縄県にあっては沖縄開発庁沖縄総合事務局通商産業部長。以下同じ。)及び都道府県労働局長に協議するものであること。

(2) 都道府県知事は、7の改善事業実施状況報告等の徴収をしたときは、通商産業局長及び都道府県労働局長に通知するものであること。

10 政労使の意見交換の場の確保

労働力の確保及び良好な雇用の機会の創出のための雇用管理改善は、労使双方の理解と協力の下に進められることが不可欠であることにかんがみ、都道府県知事は、法の施行状況に関し、担当部局及び労使団体を構成員とする意見交換の場を確保することが望ましい。