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通達:雇用機会増大促進地域、雇用環境整備地域及び高度技能活用雇用安定地域における地域雇用開発の促進に関する指針

 

雇用機会増大促進地域、雇用環境整備地域及び高度技能活用雇用安定地域における地域雇用開発の促進に関する指針

平成9年6月27日公示

 

地域雇用開発等促進法(昭和六二年法律第二三号)第六条第一項の規定に基づき、雇用機会増大促進地域、雇用環境整備地域及び高度技能活用雇用安定地域における地域雇用開発の促進に関する指針を次のように策定したので、同条第四項の規定に基づき公表する。

 

雇用機会増大促進地域、雇用環境整備地域及び高度技能活用雇用安定地域における地域雇用開発の促進に関する指針

近年、我が国内外の経済環境が急速に変化する中で、我が国の雇用情勢の現状を見ると、完全失業率は依然高い水準にあるなど厳しい状況が続いているものの、我が国経済の回復の動きを反映して、雇用者数の増加等改善の動きも見られる。しかしながら、雇用機会の格差等雇用状況に関しては地域間において依然として大きな違いがあり、国土の均衡ある発展を妨げるような様々な問題が生じており、勤労者の雇用の安全や豊かでゆとりある勤労者生活の実現が阻害されている。

このような状況の下で、地方圏における雇用情勢をみると、まず、産業の集積が不足している地域や産業構造の転換又は国際経済環境の変化等により大きな影響を受けている構造不況業種への依存度が高い地域など、雇用基盤が脆弱な地域においては、依然として総量としての雇用機会の不足が見られ、求職者等の滞留が見られている。

一方、地方圏の中には、総量としての雇用機会は不足していないものの、自己の適性、能力等にふさわしい魅力ある雇用機会が不足していることから、地域社会の発展を支える若年者等の人材が他地域へ流出するなどの問題を抱える地域が存在している。また、近年、大都市圏勤労者を中心として、豊かな居住環境や豊かでゆとりある勤労者生活の実現を求めて地方定住志向が高まりをみせているが、そうした人材の適性、能力等にふさわしい魅力ある雇用機会や高次都市機能が不足していることから、地方定住が円滑に進展していないという実態が見られるところである。

さらに、生産拠点の海外移転、製品輸入の増大等に伴い、特に製造業関係の事業所が集積している地域によっては、こうした経済の国際化等の影響を強く受けている事業主が増加しており、必ずしも現に雇用機会が不足していないものの、雇用状況の悪化又は悪化のおそれが見られ、産業・雇用の空洞化が問題となっている。また、こうした地域においては、我が国の「ものづくり」を支える高度な熟練技能者が多数就業しており、我が国の生産能力、国際競争力の基盤となる技能が集積していることから、当該地域における雇用状況の悪化により、地域における雇用の安定が阻害され、我が国の国際競争力の基盤が揺るがされることが懸念される。

本指針は、勤労者一人一人がその持てる能力を自由かつ最高度に発揮できるような社会を実現することが労働政策の目標であることにかんがみ、以上のような課題に対応して、雇用機会増大促進地域、雇用環境整備地域及び高度技能活用雇用安定地域について、当該地域内に居住する労働者等に関し地域雇用開発のための措置を講じ、もってこれらの者の職業及び生活の安定に資することを目的として、地域雇用開発等促進法(以下「法」という。)に基づき、国の雇用機会増大促進地域、雇用環境整備地域及び高度技能活用雇用安定地域における地域雇用開発の促進に関する基本方針その他都道府県が策定する地域雇用機会増大計画、地域雇用環境整備計画及び地域高度技能活用雇用安定計画の指針となるべき事項を定めるものである。

第一 雇用機会増大促進地域における地域雇用開発の促進に関する指針

我が国の雇用情勢は、我が国経済の回復の動きを反映して改善の動きも見られるが、一部の地域においてはなお厳しい雇用問題に直面していることから、雇用機会の地域間格差は依然として大きい状況にある。すなわち、産業が集積していない地域においては、引き続き雇用機会が不足し、求人数に比し求職者が超過する状態が相当期間続いており、また、構造的不況により事業規模の縮小等を余儀なくされている産業への依存度の高い地域においても、依然として離職者の発生、求職者の残留が見られている。これら雇用基盤が脆弱な地域においては、全国的に雇用情勢の改善の動きもみられるにもかかわらず、総量としての雇用機会が不足していることから、勤労者の雇用の安定が阻害されている。

こうした構造的な雇用問題が生じている地域において雇用の安定を確保することは、地域社会の活力ある発展の基盤となるものであり、適切かつ機動的な対応を怠れば、地域の雇用問題は更に深刻化するとともに、地域間の雇用機会の不均衡は拡大していくおそれがある。

こうした課題を抱える雇用機会増大促進地域については、地域の主体的な努力や創意の発揮により、雇用機会の開発を中心として、地域において安定的な雇用機会の増大を促進し、地域内における労働力需給の改善と地域間の雇用機会の不均衡の縮小を図ることにより、勤労者の雇用の安定を実現していくことを目標とする。

一 雇用機会増大促進地域の特性に関する事項

法第二条第一項第二号に定める雇用機会増大促進地域(以下「促進地域」という。)の特性については、以下の点に留意してその概要を明らかにすること。

(一) 地域の概況 促進地域における自然的経済的社会的条件を明らかにすること。また、当該地域における産業集積、生産活動等産業活動の動向等を明らかにすること。

(二) 労働力の需給状況その他雇用の動向 促進地域における求人数・求職者数、求人倍率、離職者の動向、年齢別等の雇用動向、労働力人口の動態、就業構造等を示すことにより、当該地域の労働市場の特徴を明らかにすること。

二 地域雇用開発の目標に関する事項

促進地域における労働力の需給状況その他雇用の動向等当該地域の特性を踏まえ、以下の点に留意しつつ、地域雇用開発の促進の方向を明らかにすること。

(一) 地域雇用開発の促進に当たっては、産業の集積状況、環境条件、産業活動の動向等地域特性を十分に配慮しつつ、これを踏まえること。

(二) 地域において進められる産業基盤整備、新規事業展開、地場産業の育成等当該地域の産業政策及び地域振興政策に基づく取組との有機的連携を図ること。

三 地域雇用開発を促進するための方策に関する事項

(一) 新たな雇用機会の開発の促進に関する事項 地域の特性、民間部門の活力をいかしつつ地域雇用開発の促進を図ること。この場合、事業所の設置・整備に伴い地域内に居住する求職者等を雇用する事業主に対して賃金等の費用負担に応じた助成措置を講ずるなど地域の雇用機会の増大を促進するよう努めること。また、雇用開発の必要性が特に高い地域については、雇用開発のためのノウハウの提供を行うなどソフトの面の援助にも配慮すること。

(二) 雇用情勢への機動的対応に関する事項 雇用情勢が急速に悪化し大量の離職者が発生している地域又はそのおそれがある地域においては、失業の予防を図るとともに離職者の再就職の促進を図ること。この場合、事業活動の縮小を余儀なくされた事業主による休業、教育訓練、出向に対して助成措置を講ずるとともに、雇用情勢の一層の悪化を防止するため事業主に対して必要な助言、指導に努めること。

(三) 労働力需給の円滑な結合の促進に関する事項 地域の労働市場の状況、労働の状況等雇用職業に関する情報の積極的な提供を行うとともに、求職者に対する職業指導・相談をきめ細かに行い、また、労働力の供給構造に応じた雇入れや安定的な雇用の継続が行われるよう事業主に対する指導・援助を行うよう努めること。

(四) 職業能力開発の推進に関する事項 地域の職業能力開発に対するニーズを踏まえつつ、企業進出、地元企業の事業転換等に際して必要となる労働力の確保・育成に努めること。この場合、適切な企業内教育訓練の促進を図るとともに、公共職業能力開発施設においても地域の訓練ニーズの把握に努め、それに応じた効果的な職業能力開発を実施すること。特に、雇用基盤が脆弱な地域においては、円滑な労働移動を図るため、在職労働者や離職者に対する職業相談、特別の訓練コースの設定や事業主団体等への委託訓練の活用等による効果的な職業訓練の実施等総合的な対応を進めること。

(五) 情報の周知徹底に関する事項 地域雇用開発を促進するために講じられる各種支援措置について周知徹底を図り、当該措置の積極的な活用が図られるよう努めること。

(六) 地域雇用開発の効果的推進に関する事項 地域雇用開発の方向についてコンセンサスを形成し地域雇用開発を効果的に推進していくため、地方職業安定審議会、雇用安定・創出対策協議会等の活用等に努め、関係市町村、労使団体等地域関係者との意思疎通を図り、その意向が反映されるよう配慮すること。

 

第二 雇用環境整備地域における地域雇用開発の促進に関する指針

最近の雇用情勢の改善の動きも見られる中にあって、地方圏においては、総量としての雇用機会が充足され量的には雇用情勢が改善されたと見られる地域が存在している。しかしながら、こうした地域においても、近年の豊かでゆとりある生活を求めるようになった国民の価値観やライフスタイルの多様化、長男長女社会の進展等の経済的社会的諸条件の変化を背景として、地元就職を希望する新規学卒者等地元定住を希望する若年者が増加しているが、自己の適性、能力、経験、技能の程度等にふさわしくその有する能力を十分に発揮することができる職業であり良質な労働条件を備えた魅力ある雇用機会が不足していることから、こうした地域社会の発展を支える人材がやむを得ず他の地域に流出していくという問題が生じている。

一方、多くの勤労者が集中している大都市圏、とりわけ東京圏においては、土地・住宅問題、長時間通勤問題等勤労者生活を取り巻く環境が厳しく、地方定住志向が高まりを見せているが、地方圏においては、同じく、こうした人材を受け入れるに足る魅力ある雇用機会、文化・教養・スポーツ・レクリエーション施設や医療・教育施設等の整備を含めた定住条件、自己実現のための能力開発機会等が充分でないことから、地方定住が円滑に進展していないといった問題が生じている。

また、このため、新たな企業立地や新規事業展開が進展せず、このことがまた地域における魅力ある雇用機会の不足を招き人材を流出させるという悪循環を起こしている。

勤労者の就職したい地域、就業したい職業についてその希望を満たすことは勤労者福祉の基本的課題であり、こうした課題を抱える雇用環境整備地域については、地域の主体的な努力や創意の発揮により魅力ある雇用機会の開発や地方の人材の確保・育成・定住の促進を中心として、地域における雇用環境を整備し勤労者にとって魅力ある地域づくりを支援することにより、豊かでゆとりある勤労者生活の実現を図っていくことを目標にする。

一 特定雇用機会不足地域の特性に関する事項

法第二条第一項第三号の二に定める特定雇用機会不足地域(以下「特定地域」という。)の特性については、以下の点に留意してその概要を明らかにすること。

(一) 地域の概況 特定地域における自然的経済的社会的条件を明らかにすること。また、当該地域における産業集積、生産活動等産業活動の動向等を明らかにするとともに、併せて、雇用環境整備地域は職住近接を基本とする労働市場圏(いわゆる通勤圏)であることにかんがみ、人材の居住に当たって必要となる住宅、医療、教育、商業等の各種施設の整備の状況を明らかにすること。

(二) 労働力の需給状況その他雇用の動向及び法第二条第一項第三号の二に規定する求職者に係る雇用に関する状況 特定地域における求人数・求職者数、求人倍率の動向、人口動態等労働力の流出・流入状況、新規学卒者の就職状況、職業構造等を示すとともに、賃金、労働時間、福利厚生、教育訓練等の労働条件の状況を示すことにより、当該地域の労働市場の特徴を明らかにすること。また、特定地域においてその適性、能力、経験、技能の程度等にふさわしい職業に就くことを促進する必要があると認められる求職者に関し、求人数・求職者数、求人倍率の動向等を明らかにすること。

二 計画期間に関する事項

計画期間は、当該地域に係る法第二条第四項の「政令で定める期間」の範囲内で設定すること。

三 地域雇用開発の目標に関する事項

(一) 地域雇用開発の促進の方向 特定地域においては、魅力ある雇用機会の開発を促進していくことが重要であるが、魅力ある雇用機会とは、基本的には次の二つの属性を備えた雇用機会である。

Ⅰ 労働者がその有する能力を十分に発揮することができる職業(その適性、能力、経験、技能の程度等にふさわしい職業)であること。

Ⅱ 賃金、労働時間、福利厚生、教育訓練等の労働条件が良質であること。

したがって、こうした二つの点について、特定地域内に所在する高等学校、高等専門学校、専修・各種学校、短期学校、大学の新規学卒者等又は当該地域以外の地域に流出した者の就業ニーズを踏まえ、以下の点に留意しつつ、地域雇用開発の促進の方向を明らかにすること。

イ その適性、能力、経験、技能の程度等にふさわしい職業に就くことを促進する必要があると認められる求職者を特定し、当該特定された求職者(以下「特定求職者」という。)に係る雇用機会の開発の促進を図ること。

ロ 地域内の労働条件の状況等地域特性を十分に配慮しつつ、各々の労働条件の向上に関する基本的方向を明らかにすること。

ハ 地域雇用開発の促進に当たっては、産業の集積状況、環境条件、産業活動の動向等地域特性を十分に配慮しつつ、これを踏まえること。

ニ 地域において進められる産業基盤整備、新規事業展開、地場産業の育成等当該地域の産業政策及び地域振興政策に基づく取組との有機的連携を図ること。

ホ 地域における労働時間の短縮の促進、福利厚生水準、多様な能力開発の機会の提供、雇用職業情報等各種生活関連情報の提供機能の向上、人材の地域間移動の円滑化のための支援、各種居住環境の整備など、人材の確保・育成・定住のための環境の整備を図ること。

(二) 地域雇用開発の目標水準 計画期間の末日を含む年度を目標年次として設定するとともに、当該目標年次における地域雇用開発の目標水準に対応した職種別労働力人口の規模と構成を明らかにすること。

イ 職種別の労働力の需給状況を表す指標(職種別有効求人倍率)

ロ 労働力の移動状況を表す指標(新規学卒者(高卒)の域内就職率)

四 地域雇用開発を促進するための方策に関する事項

(一) 特定求職者に係る雇用機会の開発の促進に関する事項 地域雇用開発を促進するため、事業主が事業所を設置・整備して特定求職者に係る良質な労働条件を備えた雇用機会を開発することを積極的に支援するなど魅力ある雇用機会の開発を促進すること。

(二) 労働時間の短縮の促進に関する事項 完全週休二日制の推進等労働時間の短縮の推進に当たっては、労使はもとより、地域住民全体の労働時間短縮に向けてのコンセンサスの形成を図ることが重要であり、都道府県の労働基準局の行う諸施策との連携を図りつつ、地域特性をふまえた労働時間短縮の進め方についてのコンセンサス形成、広報啓発活動等の積極的な展開に努めること。

(三) 福利厚生水準の向上に関する事項 社内福利厚生制度の充実・強化は、人材の定着にとって重要であり、積極的に推進していくことが必要である。その場合、勤労者の多様のニーズにこたえうる者にしていくことに配慮しつつ、個別企業の自助努力を支援するとともに複数の地域企業による共同化の促進の在り方を検討すること。また、テニスコートとスポーツ施設や保養所等の従業員用福利厚生施設については、他企業の従業員や地域住民の福祉を図るため、一般開放を推進し、その効率的な活用の促進に努めること。

(四) 多様な能力開発機会の提供に関する事項 多様な能力開発機会を提供するに当たっては、公共職業能力開発施設、大学、短期大学、専修・各種学校等教育機関、民間研修訓練施設の連携に努めること。また、民間教育訓練に対する援助に努めること。さらに、有給教育訓練休暇制度、長期教育訓練休暇制度その他自己啓発のための教育訓練受講に関する休暇、休職の制度化の促進に努めることとし、その場合、勤労者の主体性を尊重するように配慮すること。

(五) 人材の確保に関する事項 地域雇用開発の促進に当たっては、新規学卒者等若年者の域内定着及び他地域へ流出した人材の域内への還流を促進し、労働力需給の円滑な結合の促進を図ることが重要であるとの観点から、雇用職業情報等各種生活関連情報を積極的に提供するよう努めることとし、その事業の概要を明らかにすること。また地域における人材の確保を促進するため、特定地域以外の地域に居住する人材の地域間移動の円滑化のための各種支援措置を積極的に講じるよう努めること。

(六) 居住環境の整備に関する事項 地域雇用開発の促進に当たっては、人材の確保・定住に当たって必要になる住宅、医療、教育、文化・教養・スポーツ・レクリエーション、交通、商業等の各種施設の整備状況に配慮しつつ展開すること。

(七) 啓発指導に関する事項 地域企業に対する地域雇用開発に係る指導、啓発、相談活動の強化等ソフト面に考慮しつつ、職種構成の改善や労働条件の向上に関する技術移転の促進を図ること。また、地域企業間の交流等の円滑化のための仲介、助言等のコーディネート機能の強化に努めること。

(八) 情報の周知徹底に関する事項 地域雇用開発を促進するために講じられる各種支援措置について周知徹底を図り、当該措置の積極的な活用が図られるよう努めること。

(九) 地域雇用開発等促進法施行令第六条に定める業務に係る運営主体及び当該業務の運営に関する事項 地域雇用開発等促進法施行令(昭和六二年政令第一一三号。以下「令」という。)第六条に定める業務を行う運営主体及び当該業務の運営については、以下の点に留意しつつ、その概要を明らかにすること。

イ 令第六条に定める業務を行う運営主体については、当該業務の必要性について検討し、必要であると判断する場合には、当該運営主体を明らかにすること。この場合、当該運営主体は民法(明治二九年法律第八九号)第三四条の規定により設立された法人とすること。

ロ イの運営主体が行う令第六条に定める業務のうち当該地域において実施するものについては、当該業務の概要を明らかにすること。また、当該業務の実施に当たっては、民間資金の導入等を含めた基金の充実及びその適切な管理・運営等に努めること。

(イ) 債務保証業務(令第六条第一号) 債務保証業務の実施に当たっては、審査体制の確立、雇用促進センター等との連携の確保等に努めること。

(ロ) 福祉施設に係る助成金支給業務(令第六条第二号) 福祉施設の設置、整備に対する助成金の支給業務の実施に当たっては、地域の福祉施設の水準の向上に役立つようなものについて重点を絞って実施するように努めること。

(ハ) 移転に係る給付金支給業務(令第六条第三号) 移転に係る給付金の支給業務の実施に当たっては、基金の運用益の範囲内で健全かつ効果的な運営を図ること。

(ニ) 研修、指導及び雇用情報の提供業務(令第六条第四号) 研修及び指導業務の実施に当たっては、個人の自己啓発に対するニーズを十分踏まえるとともに、既存の教育訓練施設や豊富な実務経験を有する人材の積極的活用に努めること。また、地方の人材を海外又は国内において再教育・研修する方策等について検討するよう配慮すること。

雇用情勢の提供業務の実施に当たっては、人材の確保、定住に当たって必要となる地域の雇用職業、住宅、医療、教育等の各種情報提供機能の向上等の条件の整備を図ること。この場合、地方定住を希望する人材の把握等に当たっては、当該人材の親族関係者、教育関係者、市町村関係者等の協力の確保に努めること。また、公共職業安定機関、雇用促進センター、商工団体との有機的連携に努めること。

(ホ) 調査研究業務(令第六条第五号) 調査研究業務の実施に当たっては、職種構成の改善、雇用管理の改善、人材の確保・育成・定住のための諸環境の整備など、地域雇用開発を促進するための方策の在り方に関する調査研究を地域特性の十分な把握に努めつつ行うこと。

(一〇) 地域雇用開発の効果的推進に関する事項

地域雇用開発の方向についてコンセンサスを形成し地域雇用開発を効果的に推進していくため、地方職業安定審議会、雇用安定・創出対策協議会等の活用等に努め、関係市町村、労使団体等地域関係者との意志疎通を図り、基金の運営を含め、その動向が反映されるよう配慮すること。

 

第三 高度技能活用雇用安定地域における地域雇用開発の促進に関する指針

近年、我が国においては、企業の生産拠点の海外移転、製品輸入の増大等が進んでおり、産業・雇用の空洞化現象が懸念されている。中でも製造業関係の事業所が集積している地域においては、こうした経済の国際化等の影響を強く受けている事業主が増加しており、このため雇用状況の悪化又は悪化のおそれが見られることから、勤労者の雇用の安定がおびやかされている。

一方、このような地域は製造業関係の多数の事業所及び労働者を有しており、我が国の生産能力、国際競争力の将来の基盤となる技能が集積しているほか、立地する企業の多くが、外注・受注のしやすさをはじめとして、集積していることのメリットを挙げている。このため、こうした地域については、雇用機会の不足状況から見ると、必ずしも現に雇用機会が不足しているとはいえないものの、雇用状況の悪化は、地域社会ひいては我が国の活力ある発展の基盤を揺るがすものであり、適切な対応を怠れば、地域の産業・雇用問題は深刻化するとともに、地域間の雇用状況の不均衡はさらに拡大していくおそれがある。

こうした課題を抱える高度技能活用雇用安定地域については、地域における産業・雇用の空洞化に対応し、地域の主体的な努力や創意の発揮により、地域に集積している高度の技能等を活用した新事業展開や技能の高度化等を図り、新たな雇用機会の開発や雇用の高度化を促進することにより、勤労者の雇用の安定を実現していくことを目標とする。

一 高度技能活用雇用安定地域の特性に関する事項

法第二条第一項第三号の三に定める高度技能活用雇用安定地域(以下「技能活用地域」という。)の特性については、以下の点に留意してその概要を明らかにすること。

(一) 地域の概況 技能活用地域における自然的経済的社会的条件を明らかにすること。また当該地域における産業集積、生産活動等産業活動の動向等を明らかにすること。

(二) 労働力の需給状況その他雇用の動向 技能活用地域における求人数・求職者数、求人倍率、年齢別等の雇用動向、労働力人口の動態、就業構造等を示すことにより、当該地域の労働市場の特徴を明らかにすること。

(三) 高度技能労働者に係る雇用に関する状況

技能活用地域における職業に必要な高度の技能及びこれに関する知識(以下「高度の技能等」という。)を有する労働者(以下「高度技能労働者」という。)に開し、求人数・求職者数、求人倍率の動向、就職状況、就業構造等を明らかにすること。

(四) 高度の技能等の特質 技能活用地域に集積しており、製品の高付加価値化、新製品の開発、異業種への進出等新事業展開を図るための中核となる技能等の特質について明らかにすること。

二 高度の技能等を活用した地域雇用開発の目標に関する事項

技能活用地域における労働力の需給状況その他雇用の動向や高度の技能等の特質等当該地域の特性を踏まえ、以下の点に留意しつつ、地域雇用開発の促進の方向を明らかにすること。

(一) 地域雇用開発の促進に当たっては、技能の高度化とともに高度の技能等を活用した新事業展開による雇用機会の開発を図ることとし、製造業を中心とした産業の集積状況、環境条件、産業活動の動向等地域特性を十分に配慮しつつ、これを踏まえること。

(二) 地域において進められる産業基盤整備、新規事業展開、地場産業の育成等当該地域の産業政策及び地域振興政策に基づく取組との有機的連携を図ること。特に、「ものづくり」の基盤となる地域の産業集積の活性化を促進するための産業政策が講じられる地域に該当する場合には、地域雇用開発の効果的な促進に向けて、当該産業政策との連携が不可決であるので、その点に十分配慮すること。

三 地域雇用開発を促進するための方策に関する事項

(一) 新たな雇用機会の開発の促進に関する事項 雇用機会の開発を促進するため、事業主が高度の技能等を有する労働者等を受け入れ、又は労働環境を改善する施設・設備を設置・整備して地域内に居住する求職者の雇用機会を開発することを積極的に支援するなど地域の雇用機会の増大を促進するよう努めること。

(二) 労働力需給の円滑な結合の促進に関する事項 地域の労働市場の状況、労働の状況等雇用職業に関する情報の積極的な提供を行うとともに、求職者に対する職業指導・相談をきめ細かに行い、また、高度の技能等を活用した新事業展開に伴う雇入れや安定的な雇用の継続が円滑に行われるよう事業主に対する指導・援助に努めること。

(三) 職業能力開発の推進に関する事項 地域の職業能力開発に対するニーズを踏まえつつ、職業に関し新たに必要な高度の技能等を習得させるための教育訓練の実施等により、新事業展開に必要となる労働力の育成・確保に努めること。この場合、適切な企業内教育訓練の促進を図るなど民間の教育訓練に対する支援に努めるとともに、公共職業能力開発施設においても地域の訓練のニーズの把握に努め、それに応じた効果的な職業能力開発を実施すること。

また、地域の経済団体等が行う、技能人材の育成、技能啓発・継承等に係る事業に対しても積極的に支援すること。

(四) 情報の周知徹底に関する事項 地域雇用開発を促進するために講じられる各種支援措置について周知徹底を図り、当該措置の積極的な活用が図られるよう努めること。

また、地域に必要とされる産業振興、地域振興に係る各種支援措置等についても周知に努めること。

(五) 地域雇用開発の効果的推進に関する事項 地域雇用開発の方向についてコンセンサスを形成し地域雇用開発を効果的に推進していくため、地方職業安定審議会、雇用安定・創出対策協議会、高度技能活用雇用安定会議等の活用等に努め、関係市町村、労使団体等地域関係者及び関係行政機関等との意思疎通を図り、その意向が反映されるよう配慮すること。