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通達:雇用情勢の変化に対応した雇用対策の推進について

 

雇用情勢の変化に対応した雇用対策の推進について

平成4年12月1日職発第812号

(各都道府県知事あて労働省職業安定局長通達)

 

現下の我が国の雇用失業情勢をみると、景気の減速が続くなかで、有効求人倍率は低下を続けており、平成四年一〇月には昭和六三年五月以来四年五か月ぶりに一倍を下回った。雇用調整の動きについては、先般の地域雇用動向緊急ブロック会議における全国各地域からの報告において、今後の景気動向によっては一層厳しい雇用調整の広がる可能性が指摘されるなど、労働力需給における緩和の動きが進んでいる。特に、求人数の減少及び雇用保険受給資格者(以下「受給資格者」という。)を含む求職者数の増加はほとんどの都道府県で続いており、なかでも関東、中部、近畿など大都市圏でその動きが顕著となっている。また、電気機械、一般機械など業況が悪化している業種の比重の高い地域で、下請等を中心に臨時工、パートタイム労働者の再契約停止、さらに一部で人員整理の動きがみられる。

こうした状況の下、機動的な雇用対策の推進については、平成四年八月二八日にとりまとめられた「総合経済対策」を踏まえた平成四年九月一六日付け職発第六二四号「機動的な雇用対策の推進について」(以下「平成四年九月一六日付け通達」という。)に基づき指示したところであるが、今般の雇用情勢の変化に対応して一層機動的かつきめ細かな雇用対策の推進を図る必要がある。特に、失業の予防については、雇用調整助成金制度の機動的な活用を図るとともに、高年齢者、障害者、パートタイム労働者、日系人等に対する雇用調整の動きには十分注意し、さらに求職者については、その増大がみられる大都市圏を中心に再就職促進のための措置を講ずる必要がある。

ついては、左記の事項に留意の上、地域の実情を踏まえ、その実施方遺漏なきよう格段の御配意をお願いする。

 

1 産業・地域にわたる雇用動向の迅速かつ適確な把握

産業・地域にわたる雇用動向の把握については、平成四年九月一六日付け通達により実施していただいているところであるが、今後の雇用情勢、なかでも雇用調整の動向については職種別、雇用形態別、年齢別及び個々の地域別等の状況に十分配慮するとともに、関連企業への影響についても注視しつつ、継続的に情勢の把握に努め、本省に適宜情報提供を行うこと。

2 失業予防対策の推進

(1) 雇用調整助成金の活用

イ 総合経済対策の一環として、雇用調整助成金の業種指定基準の緩和に係る暫定措置を本年一〇月一日から一年間実施することとし、新規に一〇月に一〇業種、一一月に一二業種、一二月に二七業種を雇用調整助成金の支給対象業種として指定したところである。

今回の暫定措置の趣旨に沿った形で、生産活動が悪化し雇用維持努力に懸命な業種を指定し、指定業種の範囲も金属、機械、電機、サービス業と徐々に広がりをみせているところであるが、景気の低迷が依然として継続し今後予断を許さない状況であるため、雇用調整助成金の業種指定について、下請、中小企業性の強い業種、製造業以外の業種を含め、より一層機動的に行うことが肝要となっている。

このため、各都道府県においては、地場産業の生産・雇用動向、事業主団体や事業主等の要望等を十分把握し、本省に適宜情報提供を行うこと。

ロ 雇用調整助成金については、既にパンフレット等により周知を図っているところであるが、中小企業事業主や過去に活用の経験のない業種の事業主等においては理解が十分でない状況が見受けられるところである。

このため、製造業に限らず真に助成金を必要とする事業主が幅広く有効に活用できるよう、各都道府県において、改めて制度の概要、業種指定申請の手続、公共職業安定所への申請手続きについて、地域事業主及び事業主団体等に周知徹底を図ること。

(2) 事業主指導の実施等

イ 地域の雇用動向の迅速かつ適確な把握に努め、雇用契約の更新の停止、希望退職者の募集、解雇等により雇用調整を行おうとする事業主については、その事由を十分に把握、確認するとともに、雇用調整助成金の積極的な活用等により安易な解雇等を行わないよう必要な助言、指導を行うこと。

特に、高年齢者、障害者、パートタイム労働者、期間工、日系人等に雇用調整の影響が集中しないよう、これらの者に対する安易な解雇等の防止のための指導を重点的に実施すること。

また、やむを得ず離職者が発生する場合には、離職前の段階から十分な職業相談を行い、早期の再就職が図られるよう努めること。

さらに、事業主に対し、雇用対策法第二一条に規定する大量の雇用変動がある場合には管轄公共職業安定所(以下「安定所」という。)へ届出を行わなければならないこと、特に、大量離職届については、当該離職の生ずる日の少なくとも一か月前に安定所長に提出しなければならないことについて周知徹底を図ること。

ロ 出向等を活用した失業を伴わない形での労働力移動を図ることが重要であることにかんがみ、事業主の安定所来所時、事業主全体との懇談会、各種の事業主向きセミナーの場などの機会をとらえて、(財)産業雇用安定センターの事業の周知を図ること。特に、雇用維持等計画、大量離職届を提出した企業又は雇用調整助成金の利用を検討している企業のうち、出向により対処する意向を有する企業については、(財)産業雇用安定センターの活動について周知を図るとともに、(財)産業雇用安定センターとのより一層の連携、協力により、産業間・円滑な労働移動が図られるよう努めること。

3 職業紹介業務の推進

(1) 求職者の就職促進

イ 求職者が増加を続ける状況の中で、紹介件数、就職件数についても増加がみられるところであるが、受給資格者については、求職者数の伸びに比較して紹介件数の伸びが比較的低く、また、受給資格者以外の求職者と比較して職業率が依然として低い状態にあることから、次のような措置を適宜効果的に組み合わせ、受給資格者を中心として、早期再就職を図るための職業紹介業務の一層の推進を図ること。

(イ) 労働力需給の緩和傾向が著しい大都市圏を中心として、「ワークチャンス・キャンペーン」と銘うつなどして、合同求人選考会等を実施すること等により効率的な職業紹介を行うこと。

(ロ) 特定求職者雇用開発助成金、再就職手当、再就職促進講習給付金等の支援制度の一層の活用を図るよう努めること。

(ハ) また、既に、給付制限期間中の受給資格者を中心として求人情報をダイレクトメールで提供することにより、それらの者の再就職促進を図っているところであるが、中高年齢者等再就職に困難を伴う受給資格者を中心に、ダイレクトメールによる求人情報の提供を集中的に実施することにより安定所への来所勧奨を行い、積極的な職業紹介の推進に努めること。

ロ 特に増加が著しいパートタイム求職者については、集団指導の実施等により労働市場の状況に関する理解を深めさせるとともに、必要に応じ、希望職種の変更について助言・指導を行う等により就職の可能性を高めるよう努めること。

また、大都市圏を中心として、前記イに準じて、合同求人選考会、管理選考の実施等により、パートタイム求職者の就職促進を図ること。

ハ 高年齢者、障害者については、今後の動向によってはその雇用環境が一層厳しい状況になることも予想されることから、各種助成金制度の活用を図りつつ、きめ細かな職業相談を実施すること等により、早期就職の促進に努めること。

ニ さらに、労働力需給が一層の緩和傾向にあることから、労働市場の状況からみて過大な求職条件に固執していると考えられる求職者に対しては、産業・雇用情報の積極的な提供等により労働市場に関する理解を深めさせること等を通じて、求職条件の緩和指導を実施し、就職意欲や就職の可能性の向上に努めること。

(2) 求人の確保

求人数が引き続き減少している状況の中で、求職者の早期かつ円滑な再就職の促進を図るため、以下の点に留意して、求人の確保を図り、効果的な職業紹介に結びつけるものとすること。

イ 安定所の未利用事業所を中心に求人開拓の一層の強化を図ること。この場合、職業相談等を通じて離職者及び近く離職が予定される者(以下「離職者等」という。)の求職動向の把握に努め、これに基づく求職情報を提供し、求人申込みについての協力を求めること。

ロ 過去に求人申込みの実績のある事業所、事業所台帳等が整備されている事業所等事業所の概要が確認できるもののうちで離職者等の求職動向からそれに適合する求人が見込める事業所等を中心として、電話、FAXによる求人受理を積極的に実施することにより求人者の利便を図り、求人者の安定所利用を促進すること。

また、長期にわたり未充足となっている求人について、その理由を分折し、必要に応じて有効期間の延長、求人条件の緩和指導等の措置を積極的に講ること。

ハ 新規学卒者の就職決定状況等を踏まえ、求人条件の緩和指導等を行ったにもかかわらず、依然として新規学卒求人の充足が見込めない事業所に対しても、併せて一般求人による人材確保を図るよう求人申込みの勧奨を行うこと。

(3) その他

日雇労働者については、建設関連産業を中心として求人が減少傾向にあり、特に高齢の無技能日雇労働者の就職機会が減少している現状を踏まえ、その雇用状況の把握に努めるとともに、関係機関との連携を図りつつ、積極的な求人開拓の実施等により、高齢者向けを中心とした求人の確保に努めること。