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通達:看護婦等の人材確保の促進に関する法律の施行について

 

看護婦等の人材確保の促進に関する法律の施行について

平成4年10月21日健政発第676号・職発第714号・文高医第299号

(各都道府県知事あて厚生省健康政策局長、労働省職業安定局長、文部省高等教育局長通達)

 

看護婦等の人材確保の促進に関する法律(平成四年法律第八六号。以下「法」という。)については、本年六月二六日付け厚生省発健政第八一号、労働省発職第一五一号、文高医第二九九号をもって厚生事務次官、労働事務次官及び文部事務次官連名通知(以下「事務次官連名通知」という。)により貴職宛に通知されたところであるが、本年一〇月二一日政令第三四四号をもって「看護婦等の人材確保の促進に関する法律の施行期日を定める政令」が公布され、法が本年一一月一日から施行することとされたところである。また、これに伴い、同じく本年一〇月二一日に「看護婦等の人材確保の促進に関する法律施行令(平成四年政令第三四五号。以下「施行令」という。)」、「看護婦等の人材確保の促進に関する法律施行規則(平成四年一〇月二一日厚生省令第六一号。以下「施行規則」という。)」、「看護婦等の人材確保の促進に関する法律に基づく都道府県ナースセンター及び中央ナースセンターに関する省令(平成四年一〇月二一日厚生省令・労働省令第六号。以下「共同省令」という。)」及び「看護婦等の人材確保の促進に関する法律の施行に伴う関係労働省令の整備に関する省令(平成四年一〇月二一日労働省令第三三号。以下「整備省令」という。)が公布され、同じく本年一一月一日から施行することとされたところである。

法の施行にあたっては、事務次官連名通知のほか、左記事項に留意の上、遺憾なきようご配意願いたい。

 

第一 看護婦等の確保を進めるための基本的な指針について

法第三条第一項に規定する看護婦等の確保を進めるための基本的な指針については、法の施行の後に定めることとなるが、その際、法第三条第四項の規定に基づき、貴職の意見を求めることとなるものである。

 

第二 看護婦等雇用管理研修助成金について

病院等の開設者等であって、当該病院等の開設者等の事業所において病院等に勤務する看護婦等の処遇の改善その他の措置(以下「改善措置」という。)に関する事項を管理する者(以下「雇用管理者」という。)を選任し、かつ、その者に改善措置の実施に関し必要な知識を習得させるためのものとして労働大臣が指定する研修を受講させたものに対して、雇用管理者一人につき五万円を限度に、研修の受講に要した経費を助成するものである。(法第九条及び整備省令第三条)

 

第三 公共職業安定所の職業紹介等について

看護婦等の確保を進めるため、公共職業安定所(以下「安定所」という。)のうち看護婦等の確保の拠点となる安定所を都道府県に一カ所「福祉重点公共職業安定所」として指定し、看護婦等を対象とした職業紹介機能を強化することにより、就業の援助や事業主に対する雇用管理改善のための指導等を実施することとするものである。(法第一〇条)

 

第四 看護婦等就業協力員について

地域に密着した看護婦等の就業促進対策や看護に関する啓発を進めるために、都道府県の看護婦確保に関する施策への協力等の活動を行うものとして看護婦等就業協力員制度が導入されたものであり、こうした制度も積極的に活用しながら地域の実情に応じた看護婦確保対策を進めて行くことが望まれる。

看護婦等就業協力員の具体的な活用方法、活動内容等は地域の実情を踏まえ工夫していくことが求められるものであるが、看護婦等就業協力員に期待される役割としては、都道府県ナースセンター、安定所等の活動とも連携を図りながら、再就業の希望を持つ看護婦等に対する就業相談や就業している看護婦等に対する仕事に関する相談を行うことや、看護の日における行事への協力など看護に関する住民の理解と関心を深めるための事業への協力などが考えられる。

看護婦等就業協力員としては、看護団体関係者、医療機関等における看護業務に理解の深い者、看護婦等養成所関係者、看護関係行政経験者などが考えられるが、その地域の実情、活動内容等を考慮しながら委託することが適当である。(法第一一条)

 

第五 看護婦等確保推進者について

看護婦等が著しく不足している病院については、看護婦等確保対策を進めるために看護婦等確保推進者を置くこととされている。

この看護婦等確保推進者を置かなければならない病院については、病院自身の看護婦等の確保についての積極的取組みが必要であるが、これと合わせて、都道府県ナースセンターがその支援を行うことも重要である。

(1) 看護婦等確保推進者を置くべき病院

看護婦等確保推進者を置かなければならない病院は、医療法(昭和二三年法律第二〇五号)第二一条第一項第一号の規定により定められた標準配置人員の七割に満たない病院であること。また、医療法第二一条第一項ただし書きの規定により都道府県知事の許可を受けた病院等であって主として精神病、結核、らい又は老人慢性疾患の患者を収容する病室を有する病院についても、当該許可を受けた病院に置くべき看護婦等の数の七割に満たない病院であること。(施行規則第一条及び第二条)

(2) 看護婦等確保推進者の要件等

看護婦等確保推進者は、医師、歯科医師、保健婦、助産婦、看護婦、看護士、准看護婦、准看護士、又は当該病院において業務に従事する者のうち看護婦等の確保に関する知識経験を有すると都道府県知事が認めるものでなければならない。(法第一二条第三項及び施行規則第三条)

看護婦等確保推進者は、当該病院の看護婦等の配置や業務改善に関する計画を策定し、看護婦等の定着の促進を進めるとともに、ナースセンター又は安定所、都道府県との連絡事務を担当するなどの看護婦等の確保に関する事項を処理するものである。

こうしたことから、看護婦等確保推進者は当該病院の看護体制、看護業務に関する理解の深い者から選任することが適当であり、看護婦等に関する知識経験を有するとして都道府県知事が適当と認める者としては、看護業務に関する理解の深い事務担当職員が考えられる。

看護婦等確保推進者を選任したときは、病院の名称及び所在地、看護婦等確保推進者の氏名及びその資格、置いた年月日等を都道府県知事に届け出る必要がある。(法第一二条第四項及び施行規則第四条)

(3) 国の開設する病院の特例等

法第一二条の規定により看護婦等確保推進者を設置しなければならない病院が国の開設する病院であるときは、同条第四項の届出は当該病院の主務大臣が厚生大臣に行い、同条第五項の変更命令は厚生大臣が主務大臣に行い、同条第六項の規定は適用しないものであること。(施行令第一条及び第二条)

なお、当該病院が労働福祉事業団が設置及び運営を行う病院であるときは、同条第四項の届出は労働福祉事業団が厚生大臣に行い、同条第五項変更命令は厚生大臣が労働福祉事業団に行い、同条第六項の規定は適用しないものであること。(施行令附則第三条)

(4) 看護婦等確保推進者の変更命令

法第一二条第五項に規定する「看護婦等確保推進者が第二項に規定する職務を怠った場合であって、当該看護婦等確保推進者に引き続きその職務を行わせることが適切でないと認めるとき」とは、看護婦等確保推進者が、都道府県知事の指導助言にもかかわらず看護婦等の配置及び業務の改善に関する計画の策定を行わない場合、及び都道府県知事の指導助言にもかかわらずナースセンター及び安定所に協力を求めない場合であること。

 

第六 都道府県ナースセンターについて

看護婦等の就業の促進のための事業など看護婦等の確保を図るための事業を適正かつ確実に行うものとして、ナースセンターを指定法人として法定化したものである。

(1) 都道府県ナースセンターの業務

都道府県ナースセンターは、法第一五条各号に掲げる業務を行うものであるが、このナースセンターの積極的な業務の展開を通じて、地域における円滑な看護婦等の再就業の促進、離職の防止などの看護婦等確保対策が進められることが期待される。

また、都道府県ナースセンターは、職業安定法(昭和二二年法律第一四一号)に基づく許可を受けて無料職業紹介事業も行うものであるが、この業務を進めるに際しては、就業を希望する看護婦等及び看護婦等を雇用しようとする病院等の立場に立って、安定所と密接に連携しながら行う必要があることに留意する必要がある。

(2) 指定の手続き等

都道府県ナースセンターの業務を円滑に進めるに当たっては、医療機関との連携、協力を図りながら進めることが必要であるので、こうした観点からその指定に当たっては関係団体の意見にも留意して進められたい。

都道府県ナースセンターの指定のための手続きについては、法第一四条に定められているほか、共同省令第一条に定めている申請書により行うものであること。

また、事業計画書等についても、法第一七条及び共同省令第三条によるものである。

 

第七 看護に親しむ活動について

看護の重要性に関する国民の関心と理解を深め、看護業務に対する社会的評価を図るため、広報活動、普及活動等の事業が看護の日を中心として行われてきているが、こうした中で一日看護婦体験事業など看護に親しむ活動も行われている、こうした国民の参加を求めて看護に親しむ活動を進めるためには医療機関の理解と協力も求められるので、関係方面への周知等もお願いする。