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通達:中小企業における労働力の確保のための雇用管理の改善の促進に関する法律に基づく委託募集業務の取扱いについて

 

中小企業における労働力の確保のための雇用管理の改善の促進に関する法律に基づく委託募集業務の取扱いについて

平成3年9月30日職発第581号

(各都道府県知事あて労働省職業安定局長通達)

 

標記については、「中小企業における労働力の確保のための雇用管理の改善の促進に関する法律及び中小企業における労働力の確保のための雇用管理の改善の促進に関する法律施行令の労働省単独施策に係る部分の施行について」(平成三年八月一五日付け労働省発職第一六〇号)及び「中小企業における労働力の確保のための雇用管理の改善の促進に関する法律の施行について」(平成三年八月一五日付け三企庁第一六五一号、職発第四七七号)によるほか、下記によることとするので、御了知のうえ、その円滑かつ的確な実施につき特段のご配慮をお願いする。

 

1 委託募集の届出

(1) 認定組合等(中小企業における労働力の確保のための雇用管理の改善の促進に関する法律(平成三年法律第五七号。以下「法」という。)第五条第一項の認定組合等をいう。以下同じ。)が、改善事業(法第四条第一項の改善事業をいう。以下同じ。)に取り組むその構成中小企業者(法第二条第一項の中小企業者をいう。以下同じ。)の委託を受けて労働者の募集を行う際には、認定組合等は、その主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事に対して、委託募集の届出を行うものとする。

ただし、認定組合等の主たる事務所の所在する都道府県の区域以外の地域(以下「自県外地域」という。)を募集地域とする委託募集であって、一中小企業者が自県外地域において募集しようとする労働者の数の合計が一〇〇人以上である委託募集又は一中小企業者が自県外地域において募集しようとする労働者の数の合計が一〇〇人未満であっても自県外地域のうち一の都道府県の区域において募集しようとする労働者の数の合計が三〇人以上である委託募集については、労働大臣に対して、認定組合等が委託募集の届出を行うものとする。

(2) 委託募集の届出の期間は六か月以内とし、開始日をその月の一日、終了日をその月の末日とする。

(3) 認定組合等は、改善事業に取り組むその構成中小企業者(募集・採用方法の改善のみに取り組む中小企業者を除く。)から委託を受けた募集についてのみ、委託募集の届出を行うものとする。

(4) 認定組合等は、委託募集の届出書を、都道府県知事への届出にあっては正本一通、副本二通を作成し委託募集を開始する月の一四日前までに、労働大臣への届出にあっては正本一通、副本三通を作成し委託募集を開始する月の二一日前までに、それぞれ認定組合等の主たる事務所の所在地を管轄する公共職業安定所長(以下「所在地公共職業安定所長」という。)に対して提出するものとする。

(5) 委託募集の届出書の様式は、様式第一号とする。

2 委託募集の届出の受理

(1) 所在地公共職業安定所長は委託募集の届出の受付を行い、届出の受付から三日以内に、副本一通を保管のうえ都道府県知事への届出にあっては正本一通、副本一通を、労働大臣への届出にあっては正本一通、副本二通をそれぞれ都道府県知事へ送付するものとする。うち労働大臣への届出にあっては都道府県は副本一通を保管のうえ所在地公共職業安定所から送付のあった日から三日以内に、正本一通及び副本一通を労働大臣へ送付するものとする。

(2) 届出書の送付を受けた都道府県知事(労働大臣への届出にあっては労働大臣)は、届出に係る募集の内容が、認定計画(法第五条第二項の認定計画をいう。以下同じ。)に従った募集の内容であること。募集を委託している中小企業者が認定計画において改善事業に取り組むこととしていることを確認したうえで当該届出を受理し、その副本一通に確認の印を押し、届出の送付を受けてから三日以内に、所在地公共職業安定所(労働大臣への届出にあっては都道府県及び所在地公共職業安定所)を経由して届出を行った認定組合等に交付するものとする。

(3) 所在地公共職業安定所長、就業地を管轄する公共職業安定所長(以下「就業地公共職業安定所長」という。)及びその募集地を管轄する公共職業安定所長(以下「募集地公共職業安定所長」という。)が異なる場合は、届出を受理した都道府県知事又は労働大臣は、受理した届出書の写しを、就業地公共職業安定所長及び募集地公共職業安定所長に対して、それらの公共職業安定所を管轄する都道府県を経由して送付するものとする。

3 公共職業安定所の援助

(1) 公共職業安定所は、委託募集が効果的かつ適切に行われるよう、認定組合等及び当該募集を委託する中小企業者に対して採用計画の策定、求人条件の設定、募集対象の設定、募集方法等について助言、指導を行うなど配意するものとする。

(2) 公共職業安定所は、認定組合等が主催する合同求人説明会、合同求人選考会が効果的に行われるよう、説明会場に公共職業安定所の臨時窓口を開設する等により、説明会の参加求職者を委託募集を実施する中小企業者に迅速に紹介できるよう配意するものとする。

(3) 公共職業安定所は、求職者に対する職業紹介に際して、当該募集に係る求人が認定計画により雇用管理の改善に取り組む中小企業者からの求人である場合にはその旨説明するよう配意するものとする。

4 委託募集に係る証票

(1) 委託募集の届出を行った認定組合等は、その募集の業務を行う者に対し、様式第二号の委託募集従事者証及び都道府県知事又は労働大臣の確認の印を受けた届出書の写しを交付しなければならない。

(2) 募集の業務を行う者は、募集地域において委託募集を開始する前に、募集地公共職業安定所長から委託募集従事者証の認証を受けなければならない。

(3) 募集地公共職業安定所長は、募集の業務を行う者から委託募集従事者証の認証を求められたときは、当該募集の業務を行う者が募集従事者として届出られていることを確認し、様式第三号の認証台帳に記入するとともに、委託募集従事者証に押印してその認証を行うものとする。

(4) 募集の業務を行う者は、当該募集に従事する期間募集地公共職業安定所長の認証を受けた委託募集従事者証を携帯し、応募者その他の関係者の請求があったときはこれを提示しなければならない。

5 労働者委託募集月報

委託募集に従事する認定組合等は、委託募集開始の月より毎月の委託募集の状況をとりまとめ、様式第四号の労働者委託募集月報を作成して翌月五日までに募集地公共職業安定所長に報告するものとする。

6 委託募集の終了及び中止等

委託募集の終了又は中止の際は、その終了又は中止の日より五日以内に、認定組合等は様式第五号により委託募集の届出の受付を行った公共職業安定所長に報告するものとする。

なお、認定計画に定められた改善事業の実施時期の終了後及び都道府県知事が改善計画(法第四条第一項の改善計画をいう。)の認定の取消しを行った場合における当該取消しの日後には、届出による委託募集を行うことはできないものであること。

7 その他の留意事項

認定組合等は、いかなる場合も、求職者を中小企業者に就職あっせんを行うことはできないものであること。





 

(参考)委託募集の特例についての法令上の規定

1 中小企業における労働力の確保のための雇用管理の改善の促進に関する法律関係

(1) 委託募集の特例等(第一三条及び第一四条関係)

イ 認定組合等の構成中小企業者が当該認定組合等をして労働者の募集を行わせようとする場合において、当該認定組合等が認定計画に従って当該募集に従事しようとするときは、委託募集に関する職業安定法(昭和二二年法律第一四一号)第三七条第一項の規定は、当該構成中小企業者については適用しないこと。

ロ イの認定組合等は、当該募集に従事しようとするときは募集時期その他の労働省令で定める事項を労働大臣に届け出なければならないこと。

  なお、これは、

① 募集を委託される認定組合等は、特別の法律により設立された法人であり、また、構成員の雇用管理改善のための改善計画につき都道府県知事の認定を受けているものであり、募集主と労働者との間に立って利益を得ることは考えられないこと

② 認定計画に従って募集が行われることとなっており、労働者の保護の観点からも問題がないことから、職業安定法第三七条第一項に基づく一般の許可制の委託募集とは異なり、認定組合等が認定計画に従って募集に従事する場合には、認定組合等による届出制をとることとしたものである。

ハ ロの募集については、以下のように職業安定法の労働者の募集に関する関係規定を準用すること。

① 必要な指示

労働大臣又は都道府県知事は、委託募集の届出があった場合において、認定組合等に対し、募集時期、募集人員、募集地域その他募集方法に関し必要な指示をすることができること。(職業安定法第三八条第二項の準用)

② 報償受領の禁止

中小企業者又は委託募集に従事する者は、募集に応じた労働者から、その募集に関し、いかなる名義でも、財物又は利益を受けてはならないこと。(職業安定法第四〇条の準用)

③ 財物等の供与の禁止

中小企業者は委託募集に従事する者に対し、職業安定法第三七条第二項に基づく労働大臣の許可を受けた報償金又は実費弁償その他被用者に支給する賃金、給料及びこれらに準ずるものを除いては財物又は利益を与えてはならないこと。(職業安定法第四一条の準用)

④ 検査

国、都道府県又は公共職業安定所は、届出をして委託募集を行おうとする認定組合等に対し、業務に関する報告をさせ、当該官吏をして認定組合等に臨検し、業務の状況又は帳簿書類その他の物件を検査させることができること。(職業安定法第四九条第一項の準用)

国、都道府県又は公共職業安定所は、委託募集の実施状況を調査するため必要があると認めるときは、当該官吏をして、事業所、事務所その他の施設に臨み、帳簿又は書類の提出を求め、又は中小企業者、認定組合等若しくは労働者に対して質問させることができること。(職業安定法第四九条第二項の準用)

これらの職権を行う場合において、当該官吏は、その身分を証明する証票を携帯しなければならないこと。(職業安定法第四九条第三項の準用)

⑤ 業務の停止

委託募集の届出を受理した労働大臣又は都道府県知事は、届出をした労働者の募集を行う認定組合等が、法令若しくはこれに基づく行政庁の処分に違反し又はその業務が公益を害するおそれがあると認めるときは、その業務を停止することができること。(職業安定法第五〇条第一項の準用)

⑥ 聴聞

委託募集の届出を受理した労働大臣又は都道府県知事は、(5)の処分をしようとするときは、あらかじめ期日及び場所を指定して聴聞を行わなければならないこと。(職業安定法第五〇条第二項の準用)

この聴聞に際しては、当該処分に係る者に、意見を述べ及び証拠を提出する機会を与えなければならないこと。(職業安定法第五〇条第三項の準用)

なお、この聴聞の手続については、職業安定法施行規則第三三条によるものであること。

ニ 認定組合等が効果的に募集活動を行うためには、一般的な労働条件、労働市場の状況等を十分把握していることが必要であり、このため、公共職業安定所は、ロの募集に従事する認定組合等に対して、雇用情報を提供すること等により、当該募集の効果的かつ適切な実施の促進に努めなければならないこと。

2 中小企業における労働力の確保のための雇用管理の改善の促進に関する法律施行令関係

(1) 権限の委任(第六条関係)

法第一三条第二項並びに同条第三項において準用する職業安定法第三八条第二項並びに第五〇条第一項及び第二項に定める労働大臣の権限のうち、次に掲げる募集に係るものは、認定組合等の主たる事務所の所在地を管轄する都道府県知事に委任すること。

イ 認定組合等の主たる事務所の所在する都道府県の区域を募集地域とする募集

ロ 認定組合等の主たる事務所の所在する都道府県の区域以外の地域(当該地域における労働力の需給の状況等を勘案して労働大臣が指定する地域を除く。)を募集地域とする募集(当該業種における労働力の需給の状況等を勘案して労働大臣の指定する業種に属する事業に係るものを除く。)であって、その地域において募集しようとする労働者の数が労働省令で定める数未満のもの

3 中小企業における労働力の確保のための雇用管理の改善の促進に関する法律に基づく委託募集に関する省令関係

(1) 委託募集に係る届出の手続等(第一条から第三条まで関係)

イ 委託募集に係る労働大臣の権限が都道府県知事に委任される募集を、認定組合等の主たる事務所の所在する都道府県以外の地域における募集人数が一〇〇人未満のものとすること。

ロ 委託募集においては、労働者の募集を委託した構成中小企業者名、募集時期、募集人員、募集地域、賃金・労働時間その他の募集条件等について届け出なければならないこと。

ハ その他所要の手続を定めること。

(2) 委託募集に係る証票(第四条関係)

イ 委託募集の届出により労働者の募集に従事する認定組合等は、当該募集の業務に従事する者に身分を証明する証票を交付しなければならないこと。

ロ イの証標の交付を受けた者は、募集を開始する前に、その証票について募集地域を管轄する公共職業安定所の長の認証を受け、その募集に従事する期間これを携帯し、応募者等の請求があったときは、当該証票を提示しなければならないこと。

(3) 労働者募集月報(第五条関係)

委託募集に従事する認定組合等は、毎月、労働者募集月報を作成し、公共職業安定所の長に提出しなければならないこと。

(4) 募集の終了及び中止(第六条関係)

委託募集の届出をした認定組合等は、労働者の募集を終了し、又は中止したときは、一定の期間内に届出を受理した公共職業安定所の長に届け出なければならないこと。

(5) 中小企業者が講じるべき措置(第七条関係)

認定組合等に委託して労働者の募集を行う中小企業者は、雇用契約の内容が募集条件と相違したとき又は当該中小企業者の都合により応募者を採用しないときに応募者が帰郷する場合に帰郷に要する費用の支給その他必要な措置を講じなければならないこと。