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通達:中小企業勤労者総合福祉推進事業の創設について

 

中小企業勤労者総合福祉推進事業の創設について

昭和63年5月18日発労第6号

(各都道府県知事あて労働事務次官通達)

 

中小企業は、我が国経済社会において重要な地位を占め、多くの勤労者に就業の場を提供しており、今後とも、中小企業の役割は一層大きくなつていくことが期待されている。

しかしながら、近年の産業構造の転換等社会経済環境の変化の中で、中小企業が一層の発展を期するためには優秀な人材の確保、モラールの向上を図ることが必要であり、そのためには中小企業と大企業との間に存在する雇用、労働条件等の面における様々な格差を縮小することが重要な課題である。

とりわけ労働福祉の格差は著しく、本格的な高齢者社会の到来を控え、福祉に対するニーズが極めて高まつてきている中にあつては、労働福祉の格差を縮小し、中小企業勤労者が生涯にわたり豊かで充実した生活を送ることができるようにすることが強く要請されている。

労働省では、かねてから中小企業労働対策を行政の重要課題とし、諸施策を重点的に推進してきているところであるが、以上のような情勢を踏まえ、今般、中小企業勤労者総合福祉推進事業を創設することとした。

本事業は、様々な理由により中小企業が単独では実施し難い労働福祉の諸制度、諸施策について、一定地域の中小企業の事業主と勤労者があい協力して「中小企業勤労者福祉サービスセンター」を設立し、その自助努力により、在職中の生活の安定、健康の維持増進、老後生活の安定等にわたる総合的な福祉事業を推進することを助成しようというものである。

これにより、中小企業勤労者の福祉の増進が図られることはもとより、地域経済の担い手である中小企業の振興、ひいては地域社会の活性化がもたらされることを期待するものである。

労働省としては、本事業を、今後の勤労者福祉対策の一環をなす新たな施策と位置づけており、その具体的な実施については、別添「中小企業勤労者総合福祉推進事業実施要領」によることとしたので、貴職におかれても、本事業の意義とその趣旨を十分理解され、貴都道府県の市(特別区を含む。)町村の指導等、これが円滑な運営に特段の御尽力をお願いする。また、本事業の実施に当たつては、労使団体、関係各機関との連携が重要であると考えられるので、この点についても貴職はじめ関係職員各位の特段の配慮をお願いする。

以上、命により通達する。

 

別添

中小企業勤労者総合福祉推進事業実施要領

一 目的

中小企業勤労者総合福祉推進事業は、中小企業勤労者のための総合的福祉事業を行う「中小企業勤労者福祉サービスセンター」(以下「センター」という。)を育成、援助することにより、中小企業勤労者の福祉の向上を図るとともに、中小企業の振興、地域社会の活性化に寄与することを目的とする。

二 センターの設立基準

センターは、中小企業勤労者の総合的な福祉を推進するために必要な事業を行う団体であつて、次の基準を満たすものとする。

(一) 左記三の地域の中小企業の勤労者及び事業主が運営に参加する団体であること。

(二) 民法三四条の規定により設立された法人であること。

なお、センターは、左記三の地域ごとに一の団体に限り設立するものとする。

三 センターを設立する地域

センターを設立する地域については、事業運営の効率、効果等を勘案し、一の市(特別区を含む。以下同じ。)による単独設立、複数の市町村による広域設立の二種類とする。

(一) 単独設立

センターはおおむね人口一〇万人以上の市の地域に設立できることとする。ただし、上記基準に満たない場合であつても、事業所数、勤労者数等から判断して同程度の事業を実施しうると認められる地域にも設立できることとする。

(二) 広域設立

隣接する複数の市町村の地域において広域的に事業を実施することが適当と認められる場合であつて、当該地域の状況が前記(一)の状況に該当するときは、当該地域にセンターを設立できることとする。

四 センターの事業の対象者

センターの事業の対象者は、次のいずれかに該当する者とする。

(一) 前記三の地域内に所在する中小企業に勤務する勤労者及びその事業主

(二) 前記三の地域内に居住する中小企業勤労者

五 センターの事業

センターは、中小企業の勤労者及び事業主を会員とし、その会費により、中小企業勤労者の在職中から退職後を通じた生涯にわたる総合的な福祉事業を実施することとする。

総合的な福祉事業とは、以下の分野に関する事業を包括的に行うものをいう。

(一) 在職中の生活の安定

(二) 健康の維持増進

(三) 老後生活の安定

(四) 自己啓発、余暇活動

(五) 財産形成

六 国の助成

国は、予算の範囲内において、市町村に対し、センターの管理運営等に係る経費についてその合計額の二分の一の割合で計算した額に相当する額であつて、必要と認めた額の補助金を交付するものとする。

七 その他

本事業に関し、その他必要な事項は労働省労政局長が定めるものとする。