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通達:中小企業雇用管理改善事業の実施について

 

中小企業雇用管理改善事業の実施について

昭和57年12月21日職発第552号

(各都道府県知事あて労働省職業安定局長通達)

 

中小企業の雇用管理の近代化については、昭和四六年五月二一日付け職発第一八二号通達及び同五二年三月一七日付け職発第一〇三号通達「中小企業雇用管理近代化対策の推進について」に基づき、鋭意御尽力願つてきたところである。

中小企業雇用管理近代化対策事業(以下「近代化対策事業」という。)は、昭和四〇年代後半の労働力不足を基調とする雇用情勢を背景に、中小企業に対し、労働力がその能力を有効に発揮するための条件を整えることにより、生産性を高め、近代的企業へ脱皮することを促すため、製造業、卸・小売業サービス業に属する企業の雇用管理の改善を指導し、一応の成果をおさめてきた。

しかしながら、近年、サービス経済化や知識集約化等の産業構造の変化や労働力の高齢化、高学歴化等による雇用における構造的変化は著しく、これらの変化に対応した雇用管理の改善は中小企業にとつても緊急に取り組むべき課題となつている。また、この面での職業安定機関による指導援助の充実は、地域において中小企業が果たす雇用機会の拡大という観点からも重要性を増しているところである。

このため、近代化対策事業の成果を踏まえつつ、より効果的な雇用管理改善指導を行うためこれを中小企業雇用管理改善事業として改め、昭和五八年度から左記のとおり実施することとしたのでこれが推進に遺憾のないようお願いする。

なお、昭和五七年度においては、昭和五八年度からの実施が円滑に進むよう関係方面に対する事業内容の周知方よろしくお願いする。

 

一 目的

職業安定機関が雇用管理改善指導援助を行うことにより中小企業における募集・採用、適正配置、退職、教育訓練、労働条件等に係る雇用管理の改善を促進し、労働者の職場定着及び労働力の有効活用を図り、もつて労働者の雇用の安定に資するものとする。

二 事業の内容

(1) 職業安定局長は雇用管理の改善を団体の事業として行おうとする中小企業団体を「中小企業雇用管理改善モデル団体」(以下「モデル団体」という。)として指定し、職業安定機関はそのモデル団体が行う組織的な改善活動に対して指導援助を行うこととする。

(2) モデル団体に対する指導援助の内容は次のとおりとし、その実施については別添「中小企業雇用管理改善事業実施要綱」に基づいて行うこととする。

① モデル団体の雇用管理改善活動計画の策定指導

② 雇用管理の改善のためモデル団体が行う講習会の開催指導及び援助

③雇用促進事業団による共同福祉施設の設置、雇用促進融資の優先貸付

④ その他モデル団体の雇用管理改善活動に有効な情報の提供、雇用管理の技法指導等

三 モデル団体に指定する団体の把握

都道府県は、次の方法等により、モデル団体として指定する団体を把握する。

(一) 都道府県中小企業団体中央会、都道府県商工会連合会等都道府県単位の中小企業団体の指導機関又は中小企業の指導機関(以下「団体の都道府県組織」という。)に対し、モデル団体指定対象団体の推薦及び紹介について依頼する。

(二) 都道府県及び公共職業安定所(以下「安定所」という。)が行う種々の業界、事業所に対する指導等の過程で、随時把握する。

四 中小企業雇用管理改善事業についての周知・啓発等

モデル団体として指定する団体を把握するに当たつては、中小企業団体及び中小企業の自主的な雇用管理改善の気運を醸成する必要があるため、都道府県は次の活動を行い、中小企業雇用管理改善事業について十分周知・啓発を行う。

(一) 団体の都道府県組織の協力により、同組織が行う会議、広報活動等を通して中小企業雇用管理改善事業の周知を図る。

(二) 団体の都道府県組織が開催する会合、都道府県及び安定所が開催する会議等の機会を活用し、適宜、以下に掲げるような啓発活動を行う。

① 中小企業における雇用管理の実態、雇用管理改善事例等雇用管理の改善に有効な情報の提供

② 国、都道府県その他の機関が行う雇用管理改善に有効な各種援護制度の紹介

③ 雇用に関する基本的な労働関係法規の解説

五 雇用管理改善指導援助に対するニーズの把握

雇用管理改善指導援助を適切に行うためには、雇用管理改善指導援助についての企業のニーズを把握しておく必要があるため、都道府県は、団体の都道府県組織が開催する会合、都道府県及び安定所が開催する会議等の機会を通じて以下の点について把握しておく。

① 企業が有している雇用管理上の問題点

② 行政機関による雇用管理改善指導援助に対する企業のニーズ

③ 行政機関による雇用管理関係情報の提供に対する企業のニーズ

なお、企業ニーズの調査に当たつては、別添様式<編注:略>を参考とすること。

六 その他

(一) 昭和四六年五月二一日付け職発第一八二号通達、同五二年三月一七日付け職発第一○三号通達「中小企業雇用管理近代化対策の推進について」は五八年三月三一日をもつて廃止する。

(二) 昭和四六年五月二一日付け職発第一八二号及び同五二年三月一七日付け職発第一○三号に基づき、すでに中小企業雇用管理近代化対策モデル集団(以下「モデル集団」という。)に指定されている団体については、指定期間の満了時まで当該モデル集団が雇用管理近代化を推進するために行う事業及び国、都道府県の援助措置を同通達に基づいて行うこととする。

(三) 昭和五九年度にモデル団体として指定される団体に関する共同福祉施設の設置の要望の取扱いについては別途定めるものとする。

別添様式<編注:略>


別紙様式第1号~別紙様式5号<略>