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通達:パートバンクの設置について

 

パートバンクの設置について

昭和56年9月24日職発第492号

(各都道府県知事あて労働省職業安定局長通達)

 

近年、第三次産業を中心とした就業形態の多様化と家事負担の軽減等に伴う家庭婦人の労働市場への参入等とが相まつて、パートタイム雇用は大都市を中心に著しく増大する傾向にある。

また、人口の高齢化の急速な進展に伴い、今後高年齢層のパートタイム就労希望者の増加が見込まれる。

こうした状況のなかにあつて、職業安定行政に対してもこのような増大するパートタイム労働市場について、パートタイム就労希望者に対する情報の提供・職業相談・職業紹介、求人者に対する雇用管理指導等パートタイム雇用に関して総合的な職業紹介サービスを提供するなど、より積極的な役割を果たすことが社会的に強く要請されているところである。

このため、今般、パートタイム雇用の需給が集中している大都市のパートタイム就労希望者の利用が便利なターミナル等の場所にパートタイムの職業相談・職業紹介を専門に取り扱う「パートバンク」を左記により設置することとしたので、別添「パートバンク設置運営要領」に定めるところにより、その運営に格段の御配慮をお願いする。

 

1 パートバンクは、昭和五六年度においては東京、横浜、大阪の各都市に設置するものであること。

なお、横浜については、既存のターミナル職業相談室において、パートタイムの職業紹介が相当部分担われている実情に鑑み、横浜ターミナル職業相談室の切換えにより設置するものであること。

2 パートバンクの管理は、当該パートバンクの所在地を管轄する公共職業安定所が行うものとするが、パートバンクはパートタイマーに係る同一通勤労働市場圏を考慮して設定するサービス地域内の求人・求職者に対し広く職業紹介サービスを提供するものとすること。

なお、都道府県域を越えてサービス地域を設定する場合には必要に応じて本省が調整を行うこと。

3 パートバンクには、所在地を管轄する公共職業安定所より職業指導官を派遣するほか、職業紹介に実務的経験を有する等パートタイム求職者等の相談業務に適格な者を相談員として配置することとしたので、この委嘱に当たつては、当該業務遂行に最も適格な者を選任するものとすること。

 

別添

パートバンク設置運営要領

1 趣旨

近年、第三次産業を中心とした就業形態の多様化と家事負担の軽減等に伴う家庭婦人の労働市場への参入等とが相まつてパートタイム雇用は大都市を中心に著しく増大する傾向にあり、また人口高齢化の急速な進展に伴い、今後高年齢層のパートタイム就労希望者の増加が見込まれる。

こうした状況のなかにあつて、職業安定行政に対してもこのような増大するパートタイム労働市場について、パートタイム就労希望者に対する情報の提供・職業相談・職業紹介、求人者に対する雇用管理指導等パートタイム雇用に関して総合的なサービスを提供するなどにより積極的な役割を果たすことが、社会的に強く要請されている。

このため、パートタイム求人及び求職が集中している大都市にパートタイム就労に関する雇用サービスを総合的に行う「パートバンク」を設置することとする。

2 設置の場所及び名称

(1) パートバンクは、大都市圏をはじめとしてパートタイム求人・求職者が相当数見込まれる地域においてパートタイム求職者等が利用するのに便利な場所に設置するものとする。

(2) パートバンクの名称は、その所在地の都市(又は地域)名を冠するものとする。

3 パートバンクにおける業務

(1) パートタイム就労希望者に対して職業相談、求職受理及び職業紹介を行う。

(2) 求人者に対するパートタイム求人の受理とこれに関する相談及び求人の公開を行う。

(3) パートタイム求人情報、パートタイム雇用についての労働市場の状況に関する情報等必要な情報の提供、展示を行う。

(4) 公共職業安定所が行う「パートタイマー職業教室」の開催等に協力する。

(5) 公共職業安定所が行う職業紹介業務等職業安定行政全般にわたる制度、業務等について周知を行う。

(6) 事業主等に対して、主としてパートタイマーについての雇用労務管理相談を行う。

4 パートバンクの業務運営

(1) パートバンクの管理

パートバンクの管理は、当該パートバンクの所在地を管轄する公共職業安定所が行うものとする。

(2) 業務の運営

パートバンクは、同一通勤労働市場圏を考慮したサービス地域を設定し、当該地域内の求人・求職者等に対し、広く職業紹介サービス及び雇用管理援助のサービスを提供するものとする。また、サービス地域を管轄する各公共職業安定所は、受理したパートタイム求人をパートバンクに求人連絡するものとする。

(3) 求人情報の提供

イ パートバンクで受理し、又は連絡を受けた求人は、男女別、地域別、職種別等に分類し、その公開を行うこととするが、高年齢者を対象とするパートタイム求人については必要に応じて特別の展示コーナーを設ける等の措置をとるものとする。

ロ パートタイム求職者に対しては利用しやすい方法による情報提供を積極的に行う必要があるので求人の公開のほかに例えば次により情報提供サービスの充実を図るものとする。

(イ) 新規求人を中心として定期的に求人一覧表を作成し、広く地域社会一般に提供するものとする。

(ロ) 最新の求人情報についてテレフオンサービスを実施する。

(ハ) 新たにパートタイム就労を希望する者等に対してパートタイム就労についての知識、留意事項等を記載したパンフレツトの提供を行う。

(4) 取扱時間

パートバンクの業務の取扱時間は、広く利用が促進されるようパートバンクの所在する施設の開業時間及び利用者の状況に応じて弾力的に定めることとする。

(5) 業務内容の周知

パートバンクの業務内容、取扱状況等については、報道関係、関係団体等の協力を求め、広く地域社会一般に周知することとする。

5 職員の派遣

(1) パートバンクの所在地を管轄する公共職業安定所はパートバンクに職員を派遣するものとする。

(2) 公共職業安定所が派遣する職員は、職業紹介部門に所属し、職業紹介業務全般に精通し、求人・求職者に対し適切な指導、援助が可能な者をもつて充てるものとする。

(3) 職員の派遣は、公共職業安定所の執務時間の範囲内で行うものとし、日、週又は月単位の交替制として差し支えないものとする。

6 相談員の配置と職務

パートバンクには、次により職業相談員及び雇用労働相談員を配置するものとする。

(1) 職業相談員は、職業紹介業務に実務的経験を有する等パートタイム求職者等の相談業務を行うについて適当な者を、都道府県職業安定主管課(局)長が委嘱するものとし、職業相談員には謝金を支払うものとする。

(2) 職業相談員の職務は、次のとおりとする。

イ パートタイムの労働市場に関する情報等必要な情報の提供、パートタイム求職者に対する職業相談及び求人者に対するパートタイム求人に関する相談を行う。

ロ パートタイム雇用情報の収集及び整理の業務を行う。

ハ 公共職業安定所が行う職業紹介業務等職業安定行政全般にわたる制度、業務等について周知を行う。

(3) 雇用労働相談員は、雇用労務管理に識見を有し、事業主等に対する相談業務を行うことについて適格な者を次により配置する。

イ 都道府県職業安定主管課(局)長が委嘱し、雇用労働相談員には、謝金を支払うものとする。

ロ 都道府県労働基準局長が委嘱した雇用労働相談員の派遣を受入れるものとする。

(4) 雇用労働相談員の職務については、別途定める。

7 パートバンクの業務運営についての指導、調整

都道府県は、パートバンクの業務が最も効果的に運営されるよう次により必要な指導、調整を行うものとする。

(1) サービス地域の設定及び当該地域を管轄する公共職業安定所のパートタイム求人をパートバンクへ集中させることについて必要な調整を図ること。

(2) パートタイム求人・求職に関する情報等雇用に関する情報・資料の収集、作成について情報担当者をして援助せしめること。