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最高裁判所規則:労働審判規則

 

労働審判規則

制 定 平成十七年一月十一日最高裁規則第二号

最終改正 平成二十四年七月十七日最高裁判所規則第九号

労働審判規則を次のように定める。

 

労働審判規則

 

(趣旨)

第一条 労働審判法(平成十六年法律第四十五号。以下「法」という。)による労働審判手続については、法に定めるもののほか、この規則の定めるところによる。

 

(当事者の責務)

第二条 当事者は、早期に主張及び証拠の提出をし、労働審判手続の計画的かつ迅速な進行に努め、信義に従い誠実に労働審判手続を追行しなければならない。

 

(管轄の合意の方式・法第二条)

第三条 法第二条第一項の合意は、書面でしなければならない。

 

第四条 削除

 

(代理人の許可の申立ての方式・法第四条)

第五条 法第四条第一項ただし書の規定による許可の申立ては、代理人となるべき者の氏名、住所、職業及び本人との関係並びに当該申立ての理由を記載した書面でしなければならない。

2 前項の書面には、本人と代理人となるべき者との関係を証する文書を添付しなければならない。

 

第六条から第八条まで 削除

 

(労働審判手続の申立書の記載事項等・法第五条)

第九条 労働審判手続の申立書には、申立ての趣旨及び理由並びに第三十七条において準用する非訟事件手続規則(平成二十四年最高裁判所規則第七号)第一条第一項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を記載しなければならない。

一 予想される争点及び当該争点に関連する重要な事実

二 予想される争点ごとの証拠

三 当事者間においてされた交渉(あっせんその他の手続においてされたものを含む。)その他の申立てに至る経緯の概要

2 前項の申立書に記載する申立ての理由は、申立てを特定するのに必要な事実及び申立てを理由づける具体的な事実を含むものでなければならない。

3 予想される争点についての証拠書類があるときは、その写しを第一項の申立書に添付しなければならない。

4 第一項の申立書を提出するには、これと同時に、相手方の数に三を加えた数の当該申立書の写し及び相手方の数と同数の前項の証拠書類の写しを提出しなければならない。

 

(労働審判手続の申立書の写し等の送付・法第五条)

第十条 裁判所は、法第六条の規定により労働審判手続の申立てを却下する場合を除き、前条第四項の規定により提出された申立書の写し及び証拠書類の写し(これとともに提出された証拠説明書を含む。)を相手方に送付しなければならない。ただし、労働審判手続の期日を経ないで法第二十四条第一項の規定により労働審判事件を終了させる場合は、この限りでない。

 

第十一条 削除

 

(労働審判員の除斥及び回避・法第十一条)

第十二条 労働審判員の除斥及び回避については、非訟事件手続規則第八条から第十条までの規定(忌避に関する部分を除く。)を準用する。

 

(労働審判手続の第一回の期日の指定・法第十四条)

第十三条 労働審判官は、特別の事由がある場合を除き、労働審判手続の申立てがされた日から四十日以内の日に労働審判手続の第一回の期日を指定しなければならない。

 

(答弁書の提出期限)

第十四条 労働審判官は、答弁書の提出をすべき期限を定めなければならない。

2 前項の期限は、答弁書に記載された事項について申立人が前条の期日(以下「第一回期日」という。)までに準備をするのに必要な期間をおいたものでなければならない。

 

(呼出状の記載事項)

第十五条 当事者に対する第一回期日の呼出状には、第一回期日の前にあらかじめ主張、証拠の申出及び証拠調べに必要な準備をすべき旨を記載しなければならない。

2 相手方に対する前項の呼出状には、同項に規定する事項のほか、前条第一項の期限までに答弁書を提出すべき旨を記載しなければならない。

 

(答弁書の提出等)

第十六条 相手方は、第十四条第一項の期限までに、第三十七条において準用する非訟事件手続規則第一条第一項各号に掲げる事項のほか、次に掲げる事項を記載した答弁書を提出しなければならない。

一 申立ての趣旨に対する答弁

二 第九条第一項の申立書に記載された事実に対する認否

三 答弁を理由づける具体的な事実

四 予想される争点及び当該争点に関連する重要な事実

五 予想される争点ごとの証拠

六 当事者間においてされた交渉(あっせんその他の手続においてされたものを含む。)その他の申立てに至る経緯の概要

2 予想される争点についての証拠書類があるときは、その写しを答弁書に添付しなければならない。

3 答弁書を提出するには、これと同時に、その写し三通を提出しなければならない。

 

(答弁に対する反論)

第十七条 相手方の答弁に対する反論(これに対する再反論等を含む。以下この項において同じ。)を要する場合には、労働審判手続の期日において口頭でするものとする。この場合において、反論をする者は、口頭での主張を補充する書面(以下「補充書面」という。)を提出することができる。

2 補充書面を提出するには、これと同時に、その写し三通を提出しなければならない。

 

(労働審判手続の申立書等の記載の方法)

第十八条 第九条第一項の申立書、答弁書又は補充書面は、できる限り、申立て又は答弁を理由づける事実についての主張とそれ以外の事実についての主張とを区別して、簡潔に記載しなければならない。

 

(補充書面の提出等の期限)

第十九条 労働審判官は、補充書面の提出又は証拠の申出をすべき期限を定めることができる。

 

(書類の送付)

第二十条 直送(当事者の相手方に対する直接の送付をいう。以下同じ。)その他の送付は、送付すべき書類の写しの交付又はその書類のファクシミリを利用しての送信によってする。

2 裁判所が当事者その他の関係人に対し送付すべき書類の送付に関する事務は、裁判所書記官が取り扱う。

3 当事者が次に掲げる書面を提出するときは、これについて直送をしなければならない。

一 答弁書

二 補充書面

三 申立ての趣旨又は理由の変更を記載した書面

四 証拠書類の写し(第九条第四項の規定により提出されたものを除く。)

五 証拠説明書(第九条第四項の証拠書類の写しとともに提出されたものを除く。)

六 第三十五条第一項の書面

4 当事者が直送をしなければならない書類について、直送を困難とする事由その他相当とする事由があるときは、当該当事者は、裁判所に対し、当該書類の相手方への送付を裁判所書記官に行わせるよう申し出ることができる。

5 当事者から前項の書類の直送を受けた相手方は、当該書類を受領した旨を記載した書面について直送をするとともに、当該書面を裁判所に提出しなければならない。ただし、同項の書類の直送をした当事者が、受領した旨を相手方が記載した当該書類を裁判所に提出したときは、この限りでない。

 

(労働審判手続の期日における手続等・法第十五条)

第二十一条 労働審判委員会は、第一回期日において、当事者の陳述を聴いて争点及び証拠の整理をし、第一回期日において行うことが可能な証拠調べを実施する。

2 労働審判官は、第一回期日において審理を終結できる場合又は第一回期日において法第二十四条第一項の規定により労働審判事件を終了させる場合を除き、次回期日を指定し、当該期日に行う手続及び当該期日までに準備すべきことを当事者との間で確認するものとする。

 

(調停)

第二十二条 労働審判委員会は、審理の終結に至るまで、労働審判手続の期日において調停を行うことができる。

2 裁判所書記官は、前項の調停において当事者間に合意が成立したときは、当該合意の内容並びに当事者の氏名又は名称及び住所並びに代理人の氏名を、調書に記載しなければならない。

 

(手続の併合についての意見聴取)

第二十三条 労働審判委員会は、手続の併合を命ずるときは、あらかじめ当事者の意見を聴かなければならない。

 

(利害関係人の参加についての意見聴取)

第二十四条 労働審判委員会は、労働審判手続の結果について利害関係を有する者が労働審判手続に参加することを許可し、又は当該者を労働審判手続に参加させる場合には、あらかじめ当事者の意見を聴かなければならない。

 

(調書の記載事項・法第十四条)

第二十五条 労働審判手続の調書には、次に掲げる事項を記載し、裁判所書記官が記名押印し、労働審判官が認印しなければならない。労働審判官に支障があるときは、裁判所書記官がその旨を記載すれば足りる。

一 事件の表示

二 労働審判官、労働審判員及び裁判所書記官の氏名

三 出頭した当事者及び代理人の氏名

四 期日の日時及び場所

五 申立ての趣旨又は理由の変更及び申立ての取下げ

六 証拠調べの概要

七 審理の終結

八 労働審判官が記載を命じた事項

 

(申立ての趣旨又は理由の変更)

第二十六条 申立ての趣旨又は理由の変更を記載した書面を提出するには、これと同時に、その写し三通を提出しなければならない。

2 労働審判委員会は、申立ての趣旨又は理由を変更することにより三回以内の期日において審理を終結することが困難になると認めるときは、その変更を許さないことができる。

3 労働審判手続の期日において申立人が口頭で申立ての趣旨又は理由の変更をした場合(相手方が出頭した労働審判手続の期日においてした場合を除く。)は、労働審判委員会がその変更を許さないときを除き、裁判所は、その期日の調書の謄本を相手方に送付しなければならない。

 

(主張及び証拠の提出の時期)

第二十七条 当事者は、やむを得ない事由がある場合を除き、労働審判手続の第二回の期日が終了するまでに、主張及び証拠書類の提出を終えなければならない。

 

(審判書・法第二十条)

第二十八条 法第二十条第三項の審判書には、主文及び理由の要旨を記載するほか、次に掲げる事項を記載し、労働審判委員会を構成する労働審判官及び労働審判員が記名押印しなければならない。

一 事件の表示

二 当事者の氏名又は名称及び住所並びに代理人の氏名

三 審判の年月日

四 裁判所の表示

2 前項の労働審判員が審判書に記名押印することに支障があるときは、労働審判官が審判書にその事由を付記して記名押印しなければならない。

 

(審判書の送達・法第二十条)

第二十九条 法第二十条第四項の規定による審判書の送達は、審判書の正本によってする。

2 民事訴訟規則(平成八年最高裁判所規則第五号)第一編第五章第四節の規定(第四十一条、第四十二条、第四十六条及び第四十七条の規定を除く。)は、法第二十条第四項の規定による送達について準用する。

 

(審判書に代わる調書の記載事項・法第二十条)

第三十条 法第二十条第七項の調書には、次に掲げる事項を記載しなければならない。

一 主文及び理由の要旨

二 当事者の氏名又は名称及び住所並びに代理人の氏名

三 第二十五条各号に掲げる事項

 

第三十一条 法第二十一条第一項の異議の申立ては、書面でしなければならない。

2 法第二十一条第三項の規定により労働審判が効力を失ったときは、裁判所書記官は、異議の申立てをしていない当事者に対し、遅滞なく、その旨を通知しなければならない。

 

(訴状とみなす書面・法第二十二条)

第三十二条 法第二十二条第一項(法第二十三条第二項及び第二十四条第二項において準用する場合を含む。)の規定により訴えの提起があったものとみなされたときは、民事訴訟規則第五十六条から第五十八条までの規定の適用については、第九条第一項の申立書、第二十六条第一項の書面及び労働審判手続の期日において口頭で申立ての趣旨又は理由の変更がされた場合におけるその期日の調書を訴状とみなす。

 

(労働審判事件の終了の場合の処置・法第二十四条)

第三十三条 法第二十四条第一項の規定により労働審判事件が終了したときは、裁判所書記官は、その旨及び終了の年月日を記録上明らかにしなければならない。

2 前項に規定する場合においては、裁判所書記官は、当事者に対し、遅滞なく、その旨を通知しなければならない。ただし、労働審判手続の期日において労働審判事件を終了した場合に、その期日に出頭していた当事者については、この限りでない。

 

(申立ての取下げがあった場合の取扱い・法第二十四条の二等)

第三十四条 労働審判手続の申立てが取り下げられた場合(相手方が出頭した労働審判手続の期日においてされた場合を除く。)は、裁判所書記官は、第九条第四項の申立書の写しの送付を受けた相手方に対し、その旨を通知しなければならない。

 

(費用の負担等の申立ての方式等・法第二十五条等)

第三十五条 法第二十五条の申立ては、書面でしなければならない。

2 民事訴訟規則第一編第四章第一節の規定は、労働審判事件に関する手続の費用の負担について準用する。この場合において、同規則第二十四条第二項中「第四十七条(書類の送付)第一項」とあるのは、「労働審判規則(平成十七年最高裁判所規則第二号)第二十条第一項」と読み替えるものとする。

 

(閲覧等の制限の申立ての方式等・法第二十六条)

第三十六条 民事訴訟規則第三十四条の規定は、法第二十六条第二項において準用する民事訴訟法(平成八年法律第百九号)第九十二条の規定による秘密記載部分の閲覧等について準用する。

 

(非訟事件手続規則の準用)

第三十七条 特別の定めがある場合を除いて、労働審判事件に関しては、非訟事件手続規則の規定(同規則第八条から第十一条までの規定中忌避に関する部分並びに同規則第十五条、第二十一条(民事訴訟規則第七十七条を準用する部分を除く。)、第四十四条、第四十五条及び第五十条の規定を除く。)を準用する。

 

附 則

(施行期日)

第一条 この規則は、法の施行の日から施行する。

(施行の日=平成一八年四月一日)

(民事訴訟費用等に関する規則の一部改正)

第二条 民事訴訟費用等に関する規則(昭和四十六年最高裁判所規則第五号)の一部を次のように改正する。

第二条の二第二項第二号を次のように改める。

二 別表第二の一の項に掲げる申立てに係る事件のうち労働審判法(平成十六年法律第四十五号)第二十二条第一項(同法第二十三条第二項及び第二十四条第二項において準用する場合を含む。)の規定により労働審判手続の申立ての時に訴えの提起があつたものとみなされた事件及び同表の四の項イに掲げる申立てに係る事件 千円

 

附 則(平成二四年七月一七日最高裁判所規則第九号)抄

(施行期日)

第一条 この規則は、非訟事件手続法(平成二十三年法律第五十一号)の施行の日から施行する。

(施行の日=平成二五年一月一日)