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告示:船員に関する青少年の雇用機会の確保及び職場への定着に関して事業主、特定地方公共団体、無料船員職業紹介事業者等その他の関係者が適切に対処するための指針

 

船員に関する青少年の雇用機会の確保及び職場への定着に関して事業主、特定地方公共団体、無料船員職業紹介事業者等その他の関係者が適切に対処するための指針

制 定 令和八年四月二十日国土交通省告示第五百七十六号

 

青少年の雇用の促進等に関する法律(昭和四十五年法律第九十八号)第三十三条の規定により読み替えて適用される同法第七条の規定に基づき、船員に関する青少年の雇用機会の確保及び職場への定着に関して事業主、無料船員職業紹介事業者等その他の関係者が適切に対処するための指針(平成二十七年国土交通省告示第千三十号)の全部を改正する告示を次のように定める。

 

船員に関する青少年の雇用機会の確保及び職場への定着に関して事業主、特定地方公共団体、無料船員職業紹介事業者等その他の関係者が適切に対処するための指針

第一 趣旨

この指針は、船員職業安定法(昭和二十三年法律第百三十号)第六条第一項に規定する船員及び同項に規定する船員になろうとする者に関して、青少年の雇用の促進等に関する法律(以下「法」という。)第三十三条の規定により読み替えて適用される法第四条及び第六条に定める事項についての必要な措置に関し、事業主、特定地方公共団体(船員職業安定法第六条第四項に規定する特定地方公共団体をいう。以下同じ。)、無料船員職業紹介事業者(同条第五項に規定する無料船員職業紹介事業者をいう。以下同じ。)、募集受託者(同法第四十四条第二項に規定する募集受託者をいう。)、労働者の募集に関する情報を提供することを業として行う者並びに青少年の職業能力の開発及び向上の支援を業として行う者(以下「無料船員職業紹介事業者等」という。)その他の関係者が適切に対処することができるよう、我が国の雇用慣行、近年における青少年の雇用失業情勢等を考慮して、これらの者が講ずべき措置について定めたものである。

なお、中学校、義務教育学校、高等学校又は中等教育学校の新規卒業予定者については、経済団体、学校及び行政機関による就職に関する申合せ等がある場合には、それに留意すること。

農業経営基盤強化促進法(昭和五十五年法律第六十五号)附則第十一項の規定に基づき、平成二十二年四月二十三日農林水産省告示第六百六十九号(農業経営基盤強化促進法附則第十一項の規定に基づき農林水産大臣が定める利率を定める件)の一部を次のように改正する。

 

第二 事業主等が青少年の募集及び採用に当たって講ずべき措置

一 労働関係法令等の遵守

事業主、青少年の募集を行う者及び求人者(二において「事業主等」という。)は、青少年が船員という職業選択を適切に行い、安定的に働くことができるようにするためには、労働条件等が的確に示されることが重要であることに鑑み、次に掲げる労働条件等の明示等に関する事項を遵守すること。

(一) 募集に当たって遵守すべき事項

イ 青少年の募集を行う者は、船員職業安定法第四十八条第一項の規定により読み替えて準用される同法第十六条第一項の規定により、募集に応じて船員になろうとする青少年に対し、従事すべき業務の内容及び賃金、労働時間その他の労働条件(以下「従事すべき業務の内容等」という。)を可能な限り速やかに明示しなければならないこと。

ロ 求人者は、青少年を対象とした求人の申込みに当たり、地方運輸局(運輸監理部を含む。以下同じ。)、特定地方公共団体又は無料船員職業紹介事業者に対し、船員職業安定法第十六条第一項の規定に基づき、従事すべき業務の内容等を明示しなければならないこと。

ハ 青少年の募集を行う者及び求人者(以下この(一)において「募集者等」という。)は、イ又はロにより従事すべき業務の内容等を明示するに当たっては、次に掲げるところによらなければならないこと。

(イ) 明示する従事すべき業務の内容等は、虚偽の又は誇大な内容としないこと。

(ロ) 船員職業安定法第十六条第三項の規定により、次に掲げる事項については、書面の交付等により行わなければならないこと。

(ⅰ) 賃金(船員法(昭和二十二年法律第百号)第五十三条第二項に規定する報酬に限る。)の額に関する事項

(ⅱ) 基準労働期間、労働時間、休息時間及び休日に関する事項

(ⅲ) 青少年が従事すべき業務の内容に関する事項

(ⅳ) 雇用期間に関する事項

(ⅴ) 青少年が乗り組むべき船舶に関する事項

(ⅵ) 健康保険法(大正十一年法律第七十号)による健康保険、厚生年金保険法(昭和二十九年法律第百十五号)による厚生年金、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)による労働者災害補償保険、雇用保険法(昭和四十九年法律第百十六号)による雇用保険及び船員保険法(昭和十四年法律第七十三号)による船員保険の適用に関する事項

ニ 募集者等は、イ又はロにより従事すべき業務の内容等を明示するに当たっては、次に掲げるところによるべきであること。

(イ) 原則として、求職者又は募集に応じて船員になろうとする青少年(以下この(一)において「求職者等」という。)と最初に接触する時点までに従事すべき業務の内容等を明示すること。

(ロ) 従事すべき業務の内容等の一部をやむを得ず別途明示することとするときは、その旨を併せて明示すること。

ホ 募集者等は、イ又はロにより従事すべき業務の内容等を明示するに当たっては、次に掲げる事項に配慮すること。

(イ) 求職者等に具体的に理解されるものとなるよう、従事すべき業務の内容等の水準、範囲等を可能な限り限定すること。

(ロ) 従事すべき業務の内容に関しては、職場環境を含め、可能な限り具体的かつ詳細に明示すること。

(ハ) 明示する従事すべき業務の内容等が雇入契約(予備船員については、雇用契約。以下同じ。)締結時の従事すべき業務の内容等と異なることとなる可能性がある場合は、その旨を併せて明示するとともに、従事すべき業務の内容等が既に明示した内容と異なることとなった場合には、当該明示をした求職者等に速やかに知らせること。

ヘ 求人者及び青少年の募集を行う者(以下この(一)において「求人者等」という。)は、船員職業安定法第十六条第二項(同法第四十八条の規定により読み替えて準用する場合を含む。)の規定に基づき、それぞれ、紹介された求職者又は募集に応じて労働者になろうとする青少年(以下この(一)において「紹介求職者等」という。)と雇入契約を締結しようとする場合であって、これらの者に対して同条第一項(同法第四十八条の規定により読み替えて準用する場合を含む。)の規定により明示された従事すべき業務の内容等(以下この(一)において「第一項明示」という。)を変更し、特定し、若しくは削除し、又は第一項明示に含まれない従事すべき業務の内容等を追加するときは、当該契約の相手方となろうとする青少年に対し、当該変更し、特定し、若しくは削除し、又は追加する従事すべき業務の内容等(トにおいて「変更内容等」という。)を明示しなければならないこと。

ト 求人者等は、紹介求職者等への明示を行うに当たっては、紹介求職者等が変更内容等を十分に理解することができるよう、適切な明示方法をとらなければならないこと。その際、(イ)の方法によることが望ましいものであるが、(ロ)等の方法によることも可能であること。

(イ) 第一項明示と変更内容等とを対照することができる書面を交付すること。

(ロ) 船員法第三十二条第一項の規定に基づき交付される書面において、変更内容等に下線を引き、若しくは着色し、又は変更内容等を注記すること。なお、第一項明示の一部を削除する場合にあっては、削除する前の従事すべき業務の内容等も併せて記載すること。

チ 求人者等は、締結しようとする雇入契約に係る従事すべき業務の内容等の調整が終了した後、紹介求職者等が当該雇入契約を締結するかどうか考える時間が確保されるよう、可能な限り速やかに紹介求職者等への明示を行うこと。また、紹介求職者等への明示を受けた紹介求職者等から、第一項明示を変更し、特定し、若しくは削除し、又は第一項明示に含まれない従事すべき業務の内容等を追加する理由等について質問された場合には、適切に説明すること。

リ 第一項明示は、そのまま雇入契約の内容となることが期待されているものであること。また、安易に第一項明示を変更し、若しくは削除し、又は第一項明示に含まれない従事すべき業務の内容等を追加してはならないこと。

ヌ 学校卒業見込者等(法第三十三条の規定により読み替えて適用される法第十三条第一項に規定する学校卒業見込者等をいう。以下同じ。)については、特に配慮が必要であることから、第一項明示を変更し、若しくは削除し、又は第一項明示に含まれない従事すべき業務の内容等を追加すること(ニ(ロ)により、従事すべき業務の内容等の一部をやむを得ず別途明示することとした場合において、当該別途明示することとされた事項を追加することを除く。)は不適切であること。また、原則として、学校卒業見込者等を労働させ、賃金を支払う旨を約し、又は通知するまでに、船員職業安定法第十六条第一項(同法第三十二条の五、第四十二条、第四十八条第一項又は第五十二条の規定により読み替えて準用される場合を含む。ルにおいて同じ。)及び紹介求職者等への明示が書面により行われるべきであること

ル 船員職業安定法第十六条第一項の規定に基づく明示が同法の規定に抵触するものであった場合、紹介求職者等への明示を行ったとしても、同項の規定に基づく明示が適切であったとみなされるものではないこと。

ヲ 求人者等は、第一項明示を変更し、若しくは削除し、又は第一項明示に含まれない従事すべき業務の内容等を追加した場合は、求人票等の内容を検証するとともに、修正等を行うべきであること。

ワ 求人者等は、求職者等に対する第一項明示に関する記録を、当該明示に係る職業紹介又は青少年の募集が終了する日(当該明示に係る職業紹介又は青少年の募集が終了する日以降に当該明示に係る雇入契約を締結しようとする者にあっては、当該明示に係る雇入契約を締結する日)までの間保存しなければならないこと。

カ 青少年の募集を行う者は、新聞、雑誌その他の刊行物に掲載する広告、文書の掲出若しくは頒布又は船員職業安定法施行規則(昭和二十三年運輸省令第三十二号)第五条第一項に定める方法(ヨにおいて「広告等」という。)により青少年の募集に関する情報又は同条第二項に定める情報(ヨにおいて「青少年の募集等に関する情報」という。)を提供するに当たっては、同令第四条第三項各号に掲げる事項及びハ(ロ)により明示することとされた事項を可能な限り当該情報に含めることが望ましいこと。

ヨ 青少年の募集を行う者は、広告等により青少年の募集等に関する情報を提供するに当たっては、船員になろうとする青少年に誤解を生じさせることのないよう、次に掲げる事項に留意すること。

(イ) 関係会社を有する者が青少年の募集を行う場合、青少年を雇用する予定の者を明確にし、当該関係会社と混同されることのないよう表示しなければならないこと。

(ロ) 青少年の募集と、請負契約による受注者の募集が混同されることのないよう表示しなければならないこと。

(ハ) 賃金等(基本給、定額的に支払われる手当、昇給、固定残業代等に関する事項をいう。以下この(ハ)において同じ。)について、実際の賃金等よりも高額であるかのように表示してはならないこと。

(ニ) 職務について、実際の業務の内容と著しく乖離する名称を用いてはならないこと。

タ 青少年の募集を行う者は、法第四十八条により読み替えて準用する法第十八条第二項の規定により青少年の募集に関する情報を提供するに際し、当該情報を正確かつ最新の内容に保つに当たっては、次に掲げる措置を講ずる等適切に対応しなければならないこと。

(イ) 青少年の募集を終了したとき又は青少年の募集の内容を変更したときは、速やかに当該情報の提供の中止又は内容の訂正をするとともに、当該情報の提供を依頼した船員募集情報提供事業(船員職業安定法第六条第九項に規定する船員募集情報提供事業をいう。)を業として行う者(以下「船員募集情報提供事業者」という。)に対して当該情報の提供の中止又は内容の訂正を依頼すること。

(ロ) 青少年の募集に関する情報を提供するに当たっては、当該情報の時点を明らかにすること。

(ハ) 船員募集情報提供事業者から、船員職業安定法施行規則第五条第三項に基づき、当該青少年の募集に関する情報の訂正又は変更を依頼された場合には、速やかに対応すること。

レ 一定時間分の時間外労働及び休日労働に対する割増手当を定額で支払うこととする雇入契約を締結する場合は、当該契約の名称のいかんにかかわらず、一定時間分の時間外労働及び休日労働に対して定額で支払われる割増手当(以下このレにおいて「固定残業代」という。)に係る計算方法(固定残業代の算定の基礎として設定する労働時間数(以下このレにおいて「固定残業時間」という。)及び金額を明らかにするものに限る。)、固定残業代を除外した基本給の額、固定残業時間を超える時間外労働及び休日労働についての割増手当を追加で支払うこと等を明示すること。

ソ ミスマッチ防止の観点から、募集者等は、青少年の募集又は求人の申込みに当たり、企業の求める人材像、採用選考に当たって重視する点、職場で求められる能力・資質、キャリア形成等についての情報を青少年又は地方運輸局、特定地方公共団体、無料船員職業紹介事業者若しくは船員募集情報提供事業者に対し明示するよう努めること。

ツ 募集者等は、無料船員職業紹介事業者等が均等待遇等に関して適切に対処するための指針(令和八年国土交通省告示第五百五十五号)第五を踏まえ、求職者等の個人情報を適切に取り扱うこと。

ネ 青少年の募集を行う者は、地方運輸局、特定地方公共団体等と連携を図りつつ、当該事業に係る募集に応じて船員になろうとする青少年からの苦情を迅速かつ適切に処理するための体制の整備及び改善向上に努めること。

ナ 虚偽の広告をなし、若しくは虚偽の条件を提示して青少年の募集を行った場合又は虚偽の条件を提示して、地方運輸局又は無料船員職業紹介事業を行う者に求人の申込みを行った場合は、船員職業安定法第百十三条第八号又は第九号の規定により、罰則の対象となることに留意すること。

ラ 第三の一の雇用管理上の措置を講ずることに関連して、事業主は、就職活動中の学生等(以下このラにおいて「就活生等」という。)に対する言動に関し、次に掲げる取組を行うことが望ましいこと。

(イ) 事業主が雇用する船員の就活生等に対する言動について必要な注意を払うよう配慮すること。

(ロ) 事業主(その者が法人である場合にあっては、その役員)自らの就活生等に対する言動について必要な注意を払うよう努めること。

(ハ) 第三の一の雇用管理上の措置として、職場におけるパワーハラスメント、セクシュアルハラスメント及び妊娠、出産等に関するハラスメント((ニ)において「職場におけるパワーハラスメント等」という。)を行ってはならない旨の方針の明確化等を行う際に、就活生等に対する言動についても、同様の方針を併せて示すこと。

(ニ) 就活生等から職場におけるパワーハラスメント等に類すると考えられる相談があった場合には、その内容を踏まえて、第三の一の雇用管理上の措置も参考にしつつ、必要に応じて適切な対応を行うように努めること。

(二) 採用内定・雇入契約締結に当たって遵守すべき事項等

イ 事業主は、採用内定を行うに当たっては、採否の結果を明確に伝えるとともに、確実な採用の見通しに基づいて行うよう努めること。採用内定者に対しては、書面により、採用の時期、採用条件、採用内定の取消事由等を明示するとともに、採用内定者が学校等(船員職業安定法第四十条第一項各号に規定するものをいう。)を卒業することを採用の条件としている場合についても、内定時にその旨を明示するよう留意すること。

ロ 事業主は、採用内定者について雇入契約が成立したと認められる場合には、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない採用内定の取消しは無効とされることについて十分に留意し、採用内定の取消しを防止するため、最大限の経営努力を行う等あらゆる手段を講ずること。

また、やむを得ない事情により採用内定の取消し又は入職時期の繰下げを行う場合には、当該取消しの対象となった学校等の新規卒業予定者の就職先の確保について最大限の努力を行うとともに、当該取消し又は繰下げの対象となった者からの補償等の要求には誠意を持って対応すること。

ハ 採用内定者について、雇入契約が成立したと認められる場合には、当該採用内定者に対して、自由な意思決定を妨げるような内定辞退の勧奨は、違法な権利侵害に当たるおそれがあることから行わないこと。

ニ 採用内定又は採用内々定を行うことと引換えに、他の事業主に対する就職活動を取りやめるよう強要すること等青少年の職業選択の自由を妨げる行為又は青少年の意思に反して就職活動の終了を強要する行為については、青少年に対する公平かつ公正な就職機会の提供の観点から行わないこと。

ホ 雇入契約の締結に当たっては、船員法第三十二条の規定により、船舶所有者は、青少年に対して、船員法施行規則(昭和二十二年運輸省令第二十三号)第十六条各号に掲げる事項として次に掲げる事項を書面の交付により説明しなければならないこと。なお、これらの明示された労働条件が事実と著しく相違する場合においては、同法第四十一条第一項第二号の規定等により、青少年は、雇入契約を解除することができることに留意すること。

(イ) 雇入契約の期間に関する事項

(ロ) 乗り組むべき船舶の名称、総トン数、用途(漁船にあっては、従事する漁業の種類を含む。)及び就航航路又は操業海域に関する事項

(ハ) 職務に関する事項

(ニ) 給料その他の報酬の決定方法及び支払いに関する事項

(ホ) 報酬が歩合によって支払われる場合の船員法第五十八条第一項の一定額及び同条第三項の額

(ヘ) 基準労働期間、労働時間、休息時間、休日及び休暇に関する事項並びに交代乗船制等特殊の乗船制をとる場合における当該乗船制に関する事項

(ト) 災害補償に関する事項

(チ) 退職、解雇、休職及び制裁に関する事項

(リ) 海賊行為の処罰及び海賊行為への対処に関する法律(平成二十一年法律第五十五号)第二条に規定する海賊行為による被害を受けた場合における措置に関する事項

(ヌ) 送還に関する事項

(ル) 予備船員制度があるときは、その概要

ヘ 労働条件の明示に関し、船員法第三十二条第一項の規定に違反した場合は、同法第百三十一条第二号の規定により、罰則の対象となることに留意すること。

ト 締結された雇入契約の内容である労働条件の変更に当たっては、労働契約法(平成十九年法律第百二十八号)第八条の規定により、原則として、青少年及び事業主の合意が必要であること。なお、就業規則を変更することにより、青少年の不利益に雇入契約の内容である労働条件を変更する場合においては、同法第九条及び第十条の規定を遵守すること。

二 青少年雇用情報の提供

マッチングの向上のためには、労働条件等に加えて、職場における就労実態に係る情報の提供が重要であることに鑑み、事業主等は、法第三十三条の規定により読み替えて適用される法第十三条及び第十四条に規定する青少年雇用情報の提供に当たっては、次に掲げる事項に留意すること。

(一) ホームページ等での公表、会社説明会での提供又は求人票への記載等により、船員に関する青少年の雇用の促進等に関する法律施行規則(平成二十八年国土交通省令第十一号。第四の四において「施行規則」という。)第三条第一項各号に掲げる事項の全てについて情報提供することが望ましいこと。

(二) 学校卒業見込者等が具体的な項目の情報提供を求めた場合には、特段の事情がない限り、当該項目の情報提供をすることが望ましいこと。

(三) 情報提供の求めを行った学校卒業見込者等に対して、当該求めを行ったことを理由として不利益な取扱いをしないこと。

(四) 情報提供の求めに備え、あらかじめ提供する情報を整備しておくことが望ましいこと。また、その求めがあった場合には、速やかな情報提供に努めること。

三 意欲・能力に応じた就職機会の提供等

事業主は、青少年の募集及び採用に当たり、就業等を通じて培われた能力や経験について、過去の就業形態や離職状況、学校等の卒業時期等にとらわれることなく、人物本位による正当な評価を行うべく、次に掲げる措置を講ずるように努めること。

(一) 学校等の卒業者の取扱い

意欲や能力を有する青少年に応募の機会を広く提供する観点から、学校等の卒業者についても、学校等の新規卒業予定者の採用枠に応募できるような募集条件を設定すること。当該条件の設定に当たっては、学校等の卒業者が卒業後少なくとも三年間は応募できるものとすること。また、学校等の新規卒業予定者を募集するに当たっては、できる限り年齢の上限を設けないようにするとともに、上限を設ける場合には、青少年が広く応募することができるよう検討すること。

(二) 学校等の新規卒業予定者に係る採用方法

イ 通年採用の積極的な導入

学校等の新規卒業予定者の採用時期については、春季及び秋季の採用が雇用慣行として定着しているところであるが、何らかの理由により当該時期を逸した青少年に対しても応募の機会を提供する観点から、通年採用の導入等の個々の事情に配慮した柔軟な対応を積極的に検討すること。

ロ 青少年が希望する地域における就職機会の提供

青少年が希望する地域において就職し、安定的に働き続けることができるよう、国や地方公共団体等の施策を活用しながら、いわゆるUIJターン就職等による就職機会の提供に積極的に取り組むことが望ましいこと。

(三) 船員経験が少ない青少年等に対する就職機会の提供

船員経験が少ないこと等により、青少年を雇入れの当初から正社員として採用することが困難な場合には、トライアル雇用等の積極的な活用により、当該青少年の適性、能力等についての理解を深めることを通じて、青少年に船員以外も含めた安定した職業に就く機会を提供すること。

(四) 選考に当たってのいわゆるフリーター等に対する評価基準

いわゆるフリーター等についても、その選考に当たっては、その有する適性、能力等を正当に評価するとともに、応募時点における職業経験のみならず、留学経験やボランティア活動の実績等を考慮するなど、その将来性も含めて長期的な視点に立って判断することが望ましいこと。

(五) インターンシップ・職場体験の機会の提供

青少年の職業意識の形成支援のため、事業主においても、学校や地方運輸局と連携して、インターンシップや職場体験の受入れを行うなど、積極的に協力することが望ましいこと。

なお、インターンシップに関しては、「インターンシップを始めとする学生のキャリア形成支援に係る取組の推進に当たっての基本的考え方」(平成九年九月十八日文部科学省・厚生労働省・経済産業省策定)を踏まえた実施が求められること及びインターンシップや職場体験であっても、労働関係法令が適用される場合もあることに留意が必要であること。

四 学校卒業見込者等が希望する地域等で働ける環境の整備

青少年が、希望する働き方を選択し、自ら主体的・継続的なキャリア形成を図ることを可能とするためには、より柔軟かつ多様な就業機会の選択肢が必要である。特に、仕事と生活の調和等の観点から、学校卒業段階で希望する地域で就職機会を得、その地域において中長期的にキャリア形成ができる環境整備が求められる。

(一) 地域を限定した勤務制度の導入

地域を限定して働ける勤務制度の積極的な導入学校卒業見込者等が一定の地域において働き続けることができるよう、広域的な事業拠点を有する企業は、一定の地域に限定して働ける勤務制度の導入を積極的に検討すること。

(二) キャリア展望に係る情報開示

学校卒業見込者等が適職を選択し、安定的に働き続けることができるよう、採用後の就業場所や職務内容等を限定した採用区分については、それぞれの選択肢ごとのキャリア形成の見通しなど、将来のキャリア展望に係る情報開示を積極的に行うこと。

 

第三 事業主が青少年の職場への定着促進のために講ずべき措置

一 雇用管理の改善に係る措置

事業主は、賃金不払い等の労働関係法令違反が行われないよう適切な雇用管理を行うこと。また、事業主は、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(昭和四十一年法律第百三十二号)第三十条の二第一項、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律(昭和四十七年法律第百十三号)第十一条第一項及び同法第三十一条の規定により読み替えて適用する同法第十一条の三第一項並びに育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(平成三年法律第七十六号)第六十条第二項の規定により読み替えて適用する同法第二十五条第一項の規定並びに船員に関し事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和二年国土交通省告示第六百八号)、船員に関し事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針(平成十九年国土交通省告示第二百七十八号)、船員に関し事業主が職場における妊娠、出産等に関する言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(平成二十八年国土交通省告示第千四百二十二号)及び子の養育又は家族の介護を行い、又は行うこととなる船員の職業生活と家庭生活との両立が図られるようにするために事業主が講ずべき措置等に関する指針(平成二十二年国土交通省告示第七百三号)に基づき、職場におけるパワーハラスメント、セクシュアルハラスメント及び妊娠、出産、育児休業等に関するハラスメントの防止のため、雇用管理上の措置を講ずること。

さらに、事業主は、青少年について、早期に離職する者の割合が高いことを踏まえ、職場に定着し、就職した企業で安定的にキャリアを形成していくため、青少年の能力や経験に応じた適切な待遇を確保するよう雇用管理の改善に努めるとともに、次に掲げる措置を講ずるよう努めること。

(一) 能力・資質、キャリア形成等に係る情報明示

青少年が採用後の職場の実態と入職前の情報に格差を感じることのないよう、職場で求められる能力・資質、キャリア形成等についての情報を明示すること。

(二) 不安定な雇用状態にある青少年の正社員登用等

意欲や能力を有する青少年に安定した雇用機会を提供するため、特定の事業のためだけに雇用されていること等により不安定な雇用状態にある青少年が希望した場合に、正社員への登用が与えられるような仕組みを検討すること。

(三) 労働法制に関する基礎知識の付与

青少年の労働法制に対する理解促進は、事業主にとっても職場環境の改善やトラブルの防止等に資するものであることを踏まえ、新入社員研修の機会等を捉え、労働法制の基礎的な内容の周知を図ることが望ましいこと。

二 職業能力の開発及び向上に係る措置

事業主は、青少年の職場への定着を図り、その有する能力を有効に発揮することができるようにする観点から、職業能力の開発及び向上に関する措置を講ずることが重要であることに鑑み、次に掲げる措置を講ずるよう努めること。

(一) OJT(業務の遂行の過程内において行う職業訓練)及びOFF外において行う職業訓練)を計画的に実施すること。

(二) 青少年の希望等に応じ、青少年が自ら職業能力の開発及び向上に関する目標を定めるために、業務の遂行に必要な技能及びこれに関する知識の内容及び程度、企業内におけるキャリアパス等についての必要な情報の提供、職業生活設計及び職業能力の開発及び向上に関する相談に応じた助言及び指導の機会の確保その他の援助を行うこと。また、青少年が実務の経験を通じて自ら職業能力の開発及び向上を図ることができるようにするために、配置その他の雇用管理について配慮すること。

(三) 青少年の自発的な職業能力の開発及び向上を促進するため、必要に応じて、有給教育訓練休暇、長期教育訓練休暇その他の休暇の付与、始業及び終業時刻の変更、勤務時間の短縮の措置等の必要な援助を行うこと。

 

第四 特定地方公共団体及び無料船員職業紹介事業者等が青少年の雇用機会の確保及び職場への定着促進のために講ずべき措置

青少年の就職支援並びに職業能力の開発及び向上に携わる主な関係者として、特定地方公共団体及び無料船員職業紹介事業者等は、青少年が安定的な就業機会を得て、職場定着及びキャリアアップを実現できるよう、次に掲げる措置を講ずるように努めるとともに、第二の一(一)に掲げる事項が適切に履行されるよう、必要な措置を講ずること。

一 青少年の主体的な船員の職業選択・キャリア形成の促進

特定地方公共団体、無料船員職業紹介事業者、船員募集情報提供事業者等は、青少年自身が主体的に船員という職業選択及びキャリア形成を行えるよう、青少年の希望等を踏まえながら、個々の状況に応じた支援を行うことが望ましいこと。

二 中途退学者及び未就職卒業者への対応

学校等を中途退学した者(以下この二において「中途退学者」という。)や、卒業時までに就職先が決まらなかった者(以下この二において「未就職卒業者」という。)については、個々の事情に配慮しつつ希望に応じた就職支援が必要である。

このため、中途退学者について、特定地方公共団体及び無料船員職業紹介事業者は、学校等及び地方運輸局と協力しつつ相互に連携し、中途退学者の個々の状況に応じた自立支援を行うとともに、自らの支援内容が中途退学者に対して効果的に提供されるようにすること。また、未就職卒業者について、特定地方公共団体及び無料船員職業紹介事業者は、学校等及び地方運輸局と協力し、個別支援や面接会の開催など、卒業直後の支援を充実させること。

三 船員募集情報提供事業者による就職支援サイトの運営

事業主が船員募集情報提供事業者の就職支援サイトを活用して青少年の募集を行う場合において、船員募集情報提供事業者は、当該募集に関する情報を提供するに当たって、次に掲げる事項に留意すること。

(一) 無料船員職業紹介事業者等が均等待遇等に関して適切に対処するための指針第四を踏まえ、情報の的確な表示を行うこと。

(二) 青少年が、船員という職業選択を適切に行うことができるよう、就職支援サイトで提供する情報はわかりやすいものとすること、提供する情報の量を適正なものとすること、青少年の主体性を尊重したサービスの提供を行うこと等について配慮すること。

(三) 船員になろうとする青少年、青少年の募集を行う者、無料船員職業紹介事業者、他の船員募集情報提供事業者、特定地方公共団体又は船員職業安定法第六条第十二項に規定する無料船員労務供給事業者から申出を受けた当該船員募集情報提供事業者の募集情報等提供事業に関する苦情を適切かつ迅速に処理するため、相談窓口を明確にするとともに、必要な場合には地方運輸局と連携を行うこと。

(四) 学生、生徒等を対象とした事業を行うときは、学業への影響を考慮した適正な事業運営を行うこと。

(五) 虚偽の広告をなし、又は虚偽の条件を提示して募集情報等提供を行った場合は、船員職業安定法第百十三条第八号の規定により、罰則の対象となること。

四 青少年雇用情報の提供

(一) 特定地方公共団体及び無料船員職業紹介事業者(船員職業安定法第四十条第一項の規定により学校等の長が無料船員職業紹介事業の届出を行った場合は、当該学校等も含まれることに留意すること。)は、学校卒業見込者等求人(法第三十三条の規定により読み替えて適用される法第十四条第一項に規定する学校卒業見込者等求人をいう。以下同じ。)の申込みを受理する際に、同条の趣旨に沿って、求人者に青少年雇用情報の提供を求めるとともに、施行規則第三条第一項各号に掲げる事項の全てを提供するよう働きかけ、学校卒業見込者等に対する船員職業紹介に活用することが望ましいこと。また、特定地方公共団体及び無料船員職業紹介事業者は、就職支援サイトを運営する場合は、事業主の青少年雇用情報について、可能な限り同項各号に掲げる事項の全てが掲載されるように取り組むこと。

求人の申込みを受理する段階で提供がなされていない青少年雇用情報について、学校卒業見込者等から特定地方公共団体及び無料船員職業紹介事業者に対して個別に照会があった場合は、法第三十三条の規定により読み替えて適用される法第十四条第二項の趣旨に沿って、特定地方公共団体及び無料船員職業紹介事業者から求人者に対して当該照会に係る青少年雇用情報の提供を求めることが望ましいこと。この場合において、当該照会を行った学校卒業見込者等に関する情報を求人者に明示する必要はないことに留意すること。

(二) 船員募集情報提供事業者は、自らの運営する就職支援サイトに、学校卒業見込者等募集(法第三十三条の規定により読み替えて適用される法第十三条第一項の学校卒業見込者等募集をいう。)を行う事業主の青少年雇用情報について、可能な限り施行規則第三条第一項各号に掲げる事項の全てが掲載されるように取り組むこと。

五 職業能力の開発及び向上に係る措置

船員教育訓練機関は、青少年の個性に応じ、かつ、その適性を生かすよう、効果的に船員教育訓練を実施すること。

六 青少年の希望及び状況に応じた関係機関の紹介

特定地方公共団体、無料船員職業紹介事業者及び船員教育訓練機関は、青少年の希望及び状況に応じて、支援対象の青少年を適切な機関に紹介するなど、適宜連携しながら切れ目なく必要な支援が受けられるように配慮すること。

七 その他の各関係者が講ずべき措置

一から六までに定めるもののほか、他の法令、指針等に基づく措置にも留意しながら、全ての関係者は、青少年の希望及び状況に応じ、その雇用機会の確保及び職場定着の促進のために必要な支援を適切に行うこと。

 

附 則(令和八年四月二〇日国土交通省告示第五七六号)

この告示は、令和八年五月十三日から施行する。