現在、労働政策審議会の各分科会で、多くの課題が審議されていますが、ほとんどが経済界・使用者団体の要望をもとに閣議決定された方針に沿ったものになっています。
その中身は、産業構造転換を見据えた労働法制の規制緩和です。私たち労働組合がたたかわないと、審議会で労働者保護法制が骨抜きにされてしまいます。
その中で特に注意すべき3つの規制緩和について掲載します。
●「多様な正社員」で賃金切り下げ、解雇促進
「多様性」の名のもと、職務/勤務地限定の「解雇しやすい正社員」作り。職務(ジョブ)遂行の評価が低ければ降格・減給、事業所閉鎖/ジョブがなくなれば解雇等、リストラに合理的理由ができます。更に、労働契約締結時や人事異動の前に、限定社員の「雇用・労働条件明示を義務化」して労働者の合意を取り付けることで、訴訟をおこされても解雇有効となる仕組みを整備。
●金さえ払えば解雇ができる金銭解決制度
金さえ払えば解雇ができる金銭解決制度で不当解雇も撤回しにくくなります。
違法な解雇をしても、金銭を支払えば労働契約が解消される制度化。いくら払えば違法解雇ができるか算定式も整備されるので、乱暴な解雇が横行する社会に。
●長時間労働の自己責任化
「労働時間にとらわれない働き方」で長時間労働を自己責任にしようとしています。裁量労働制(企画業務型)の適用業務拡大と要件緩和を目論む。業務量が増えても割増賃金は不要にしようとしています。
(全労連・労働法制闘争ニュース25号より抜粋)