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通達:トラック輸送における取引環境・労働時間改善協議会におけるパイロット事業の実施について

 

トラック輸送における取引環境・労働時間改善協議会におけるパイロット事業の実施について

平成28年1月13日基政発0113第1号・基監発0113第1号・国自貨第121号

(都道府県労働局労働基準部監督課長・各運輸局自動車交通部長等あて厚生労働省労働基準局労働条件政策課長・厚生労働省労働基準局監督課長・国土交通省自動車局貨物課長通知)

 

トラック輸送における取引環境・労働時間改善協議会(以下「協議会」という。)において平成28年度より実施するパイロット事業について、その具体的事項は下記のとおりであるので、了知のうえ、必要な検討・対応を進めること。

 

1 パイロット事業の目的・概要について

パイロット事業は、トラック輸送状況の実態調査結果や各地方協議会の議論等において把握した、各都道府県における具体的なトラック運転者の長時間労働等の問題点・課題を改善するために、発荷主・着荷主及び運送事業者を構成員とする集団(以下「対象集団」という。)が実施する実証実験であり、好事例を集めガイドラインを作成し、その普及・定着を図る取組の一環として、平成28年度及び平成29年度の2年間で実施するものである。

2 実施方法等について

対象集団は、各年度、各都道府県1~2集団程度とし、下記(1)ア及びイにより決定する。

なお、下記3「パイロット事業規模について」に留意すること。

(1) 対象集団の選定

ア 対象集団の候補選定

対象集団は、現在又は過去においてトラック運転者の長時間労働等の実態を有する運送事業者であって、

・ 荷主と長時間労働改善に向けた問題意識を共有し、改善の意欲があるもの

・ 改善方法で悩んでいるもの、更なる改善を求めるもの 等

を含むものとし、トラック輸送状況の実態調査結果や各地方協議会での議論等を踏まえ、各地方協議会でパイロット事業を実施するにあたって適当な発荷主・着荷主・運送事業者で構成される対象集団の候補を選定することとする。

その際、十分な数の候補が得られない場合には、協議会委員の了解を得たうえで、輸送品目、事業規模等候補選定の方向性を地方協議会で決定し、具体的な候補の選定は事務局で行うことでも差し支えない。

イ パイロット事業への参画依頼

各都道府県労働局は、地方協議会事務局内で十分な連携を行いつつ、上記アにより選定された対象集団の候補に対して、候補選定後速やかにパイロット事業への参画依頼を行うこと。

なお、対象集団の候補に対するパイロット事業の説明に当たっては、下記(2)「パイロット事業の実施方法」について留意するとともに、その取組内容を協議会において共有し、公とすることを予定していることについて対象集団の了解を得ること(事業者名については匿名でも差し支えない)。

(2) パイロット事業の実施方法

ア 進め方について

上記(1)の手順により選定された対象集団に対し、平成28年度及び平成29年度にパイロット事業を実施する。

年度ごとの進め方としては、次のようなものが想定される。

・ 異なる2集団を対象とし、(i)平成28年度1件、平成29年度1件又は(ii)平成28年度から平成29年度にかけて平行して2件を実施

・ 平成28年度に1件実施し、同じ集団を対象に平成29年度に別の角度からアプローチ(深掘り又は別の成果を期待)

イ 実施方法について

対象集団に対するパイロット事業の実施方法については、①厚生労働省が予算要求中のトラック運転者労働条件改善事業を活用するもの、及び、②国土交通省が要求中の予算等を活用して調査請負業者を利用するものを想定している。

① トラック運転者労働条件改善事業について

厚生労働省で業務委託契約した業者が、対象集団に対し、トラック運転者の長時間労働抑制等のためのコンサルティングを行うものである。具体的には、対象集団と受託業者で会議体を作り、当該会議体による問題点の把握・改善方法の提案等と、受託業者による各事業場への個別訪問による改善方法の実施状況確認等を交互に進めるものを予定している(別添1参照)。

なお、本事業は受託業者が主体的に進めていくことになるが、取組状況等について受託業者より情報提供を受け、地方協議会で議論等を行うに際し、事業者ヒアリング等の他の情報と合わせて活用すること。なお、受託業者への連絡については、関係都道府県労働局から行うこと。

② 調査請負業者の利用等によるパイロット事業について

対象集団において発着荷主と運送事業者の各々の状況を相互に理解するため、話合いを通して課題の選定及び取組の具体化を行うものであり、各運輸局等が調達する調査請負業者を入れて実施することを想定している。

地方協議会事務局は上記①(別添1参照)を参考にしつつ、パイロット事業の実施方法について検討を進めること。

なお、話合い等を円滑に進めるうえで、適切と思われる第三者がいた場合、当該者及びパイロット事業の関係者に了解を得たうえで当該第三者を話合いに加えることも差し支えない。

ウ 対象集団に対する支援体制

地方協議会事務局は、対象集団に対して、厚生労働省所管の職場意識改善助成金等の支援策を紹介する等、トラック運転者の長時間労働抑制等に向けて各事業者の積極的な取組が行われるよう必要な助言等を行うこと。

エ 実施方法の決定・伝達

各都道府県の対象集団に対するパイロット事業の実施方法が上記イ①又は②のいずれによるかは、下記4による対象集団の選定の報告後、中央協議会事務局でイ①で実施するものを選定し、それ以外をイ②で実施するため、中央協議会事務局で決定のうえ各都道府県地方協議会事務局に伝達する。

3 パイロット事業規模について

パイロット事業については、国会において平成28年度予算が成立した場合、上記のとおり実施することとしており、事業規模については、現時点において、以下のとおり各都道府県に原則1集団分の経費を計上している。なお、本事務連絡によらず地方協議会独自にパイロット事業を実施することを妨げるものではない。

・ 上記2(2)イ①によるもの 20集団

・ 上記2(2)イ②によるもの 27集団以上

4 報告について

都道府県労働局及び各運輸局は、上記2(1)により対象集団の選定を行った場合、速やかに別添2により厚生労働省労働基準局監督課及び国土交通省自動車局貨物課に報告すること。

 

別添1

図1


別添2

図2