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障害(補償)年金を受ける者が再発により傷病(補償)年金又は休業(補償)給付を受給する場合の事務処理上の留意点について
平成27年12月22日基補発1222第1号
(都道府県労働局労働基準部長あて厚生労働省労働基準局補償課長通知)
業務上又は通勤による傷病が一旦治癒した後、再び療養を必要とするに至った場合(以下「再発」という。)の労災保険給付の取扱いについては、各保険給付に係る通達、労災保険給付事務取扱手引等において指示されているところであるが、今般、障害(補償)年金を受ける者が再発により傷病(補償)年金又は休業(補償)給付を受給することとなる場合の事務処理上の留意点について、下記のとおり整理したので、今後、遺漏のないよう取り扱われたい。
記
1 再発に係る相談対応
障害(補償)年金を受ける者が再発により療養が必要な状態であることを、受給者本人又は家族(以下「受給者等」という。)からの相談や、再発に係る療養補償給付たる療養の給付請求書(様式第5号)等の受付等により把握した場合には、再発から治癒までの各保険給付の切替手続について、受給者等に懇切丁寧に説明すること。
特に、介護(補償)給付の受給者等については、再発により介護(補償)給付が受けられなくなることに少なからず不安を覚えることから、一律に休業(補償)給付に係る請求書の提出を指導することのないよう、留意すること。
2 傷病(補償)年金の支給要件に係る調査の実施
再発の場合、障害(補償)年金を受ける者は、当該障害(補償)年金の受給権を失権することとなるが、障害の状態によっては、再発により療養する期間について傷病(補償)年金の支給要件を満たす可能性があることから、以下に留意の上、傷病(補償)年金の支給要件に係る調査を行うこと。
(1) 療養期間の確認
当該者の療養期間については、当該障害(補償)年金に係る障害の原因となった傷病の療養開始から治癒までの期間が1年6か月を超えているかを確認すること。
その際、当該障害につき再発と治癒を繰り返している場合は、すべての療養期間を通算するものであること。
(2) 障害の状態が継続する期間の確認
傷病等級の認定は、6か月以上の期間にわたって治癒しないで存する障害の状態により行うことから、再発に係る療養に6か月以上要する見込みである(又は6か月以上療養している)ことについて主治医の診断書又は意見書等により確認すること。
なお、再発に係る傷病名等からみて、診断書等記載された療養期間が6か月に満たない場合には、改めて主治医に意見聴取し、必要に応じて専門医にも確認すること。
(3) 調査に当たっての留意事項
再発に係る請求については、当該再発が労災保険給付の対象となるものであるかを調査する必要があることは言うまでもないが、当該再発に係る調査と平行して、「傷病の状態等に関する届」(告示様式第16号の2)の提出を求めることにより当該再発の療養見込みの調査を行う等、効率的な調査に努めること。
3 上記2による調査の結果を踏まえた事務処理
(1) 傷病(補償)年金の支給要件を満たす者の場合
傷病(補償)年金の支給に係る決議が、療養(補償)給付の支給に係る決議に先行することのないよう、支給決定決議の入力に当たっては留意すること。
また、当該者が介護(補償)給付を受ける者である場合、障害(補償)年金から傷病(補償)年金に切り替わっても、通常、引き続き介護(補償)給付の支給要件を満たすと考えられることから、その旨当該者に説明すること。
(2) 傷病(補償)年金の支給要件を満たさない者の場合
ア 当該者に対しては、傷病(補償)年金の支給要件を満たさないこと及び休業(補償)給付の請求手続きについて懇切丁寧に説明するとともに、下記イについてもあわせて説明すること。
また、当該者が介護(補償)給付を受給していた場合、休業(補償)給付を受給する間は介護(補償)給付を支給することができない旨を懇切丁寧に説明すること。
イ 再発した時点における調査では傷病(補償)年金の支給要件を満たさなくとも、再発に係る療養が長期にわたり、療養期間が通算して1年6か月を超える場合もあることから、この場合においては、当該者に対して「傷病の状態等に関する届」(告示様式第16号の2)の提出を求めるとともに、速やかに上記2の(2)及び(3)の調査を行うこと。
ウ 介護(補償)給付の支給開始時等の取扱いについては、平成8年3月1日付け基発第95号「労働者災害補償保険法等の一部を改正する法律の施行(第2次分)について」の記の第1の2の(3)ロで示しているので、当該取扱いに留意すること。
4 その他
(1) 再発に係る傷病が治癒した場合の障害認定や年金の切替えに伴う内払処理等、本内かんにおいて指示していない事項については、従前の事務処理によること。
(2) 受給者等への説明に活用するため、リーフレット「せき髄損傷に併発した疾病の取扱いについて」を改訂して年度内に配布する予定であること。