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社会保険労務士法の一部を改正する法律等の施行について
平成27年3月30日基発0330第3号・年管発0330第3号
(都道府県労働局長・地方厚生(支)局長あて厚生労働省労働基準局長・厚生労働省大臣官房年金管理審議官通知)
平成26年11月21日に公布された社会保険労務士法の一部を改正する法律(平成26年法律第116号。以下「改正法」という。)については、同日付け基発第1121第1号、年管発1121第1号「社会保険労務士法の一部を改正する法律の公布について」をもって貴職あて通達したところである。
今般、社会保険労務士法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令(平成27年政令第69号)が平成27年3月6日に公布され、一部(社員が一人の社会保険労務士法人の設立等を可能とする規定)を除き平成27年4月1日に施行されることとなるとともに、社員が一人の社会保険労務士法人の設立等を可能とする規定については、平成28年1月1日に施行されることとなった。
また、今般の社会保険労務士法(昭和43年法律第89号)の改正に伴い、特定商取引に関する法律施行令の一部を改正する政令(平成27年政令第111号。以下「改正令」という。)及び社会保険労務士法施行規則の一部を改正する省令(平成27年厚生労働省令第53号。以下「改正省令」という。)が、いずれも平成27年3月27日に公布され、平成27年4月1日に施行されることとなった。
これらの改正法令の趣旨及び内容は下記のとおりであるので、その施行に遺憾なきを期されたい。
記
第1 改正の趣旨
近年、企業組織の再編や人事労務管理の個別化等に伴い、個別労働関係紛争が増加しており、以前にも増して紛争の迅速かつ的確な解決が求められている。このような社会保険労務士制度を取り巻く状況の変化にかんがみ、①厚生労働大臣が指定する団体が行う個別労働関係紛争に関する民間紛争解決手続において、紛争解決手続代理業務試験に合格し、かつ、社会保険労務士名簿にその旨の付記を受けた社会保険労務士(以下「特定社会保険労務士」という。)が単独で紛争の当事者を代理することができる紛争の目的の価額の上限を引き上げること、②社会保険労務士が、裁判所において、訴訟代理人である弁護士とともに補佐人として出頭し、陳述できることとすること、③社員が一人の社会保険労務士法人の設立等を可能とすること等の改正を行ったものである。
第2 改正の内容
1 個別労働関係紛争に関する民間紛争解決手続における紛争目的価額の上限額の引上げ
(1) 個別労働関係紛争に関する民間紛争解決手続であって厚生労働大臣が指定する団体が行うものについて、特定社会保険労務士が単独で紛争の当事者を代理する場合の紛争の目的の価額を、民事訴訟法(平成8年法律第109号)第368条第1項に定める額(60万円)から120万円に引き上げることとしたものであること(改正法による改正後の社会保険労務士法(以下「法」という。)第2条第1項関係)。
(2) 本改正は、特定社会保険労務士が施行日(平成27年4月1日)以降に受託した社会保険労務士法第2条第1項第1号の6に係る紛争解決手続代理業務の事務について適用されるものであること(法第2条第1項関係)。
2 補佐人制度の創設
(1) 社会保険労務士が、事業における労務管理その他の労働に関する事項及び労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項について、裁判所において、補佐人として、弁護士である訴訟代理人とともに出頭し、陳述をすることができることとしたものであること(法第2条の2関係)。
(2) 法第2条の2第1項の規定により社会保険労務士が事業における労務管理その他の労働に関する事項及び労働社会保険諸法令に基づく社会保険に関する事項について、裁判所において、補佐人として、弁護士である訴訟代理人とともに出頭し、陳述をする事務について、社会保険労務士法人がその社員又は使用人である社会保険労務士に行わせる事務の委託を受けることができるようにしたものであること。また、この場合において、当該社会保険労務士法人が、委託者に、当該社会保険労務士法人の社員等のうちからその補佐人を選任させなければならないこと(法第25条の9の2関係)。
(3) 社会保険労務士及び社会保険労務士法人が、法第2条の2及び第25条の9の2に規定する出頭及び陳述に関する事務を受任しようとする場合には、あらかじめ依頼者に報酬の基準を明示しなければならないこと(改正省令による改正後の社会保険労務士法施行規則(昭和43年厚生省 労働省令第1号)第12条の10関係)。
(4) 社会保険労務士及び社会保険労務士法人が、法第2条の2及び第25条の9の2に規定する出頭及び陳述に関する事務を受任しようとする場合の役務の提供については、特定商取引に関する法律(昭和51年法律第57号)が定める規制の適用除外となること(改正令による改正後の特定商取引に関する法律施行令(昭和51年政令第295号)第5条及び別表第二関係)。
3 社員が一人の社会保険労務士法人の設立等を可能とすること
社会保険労務士法人の設立には二人以上の社員が必要であったものを社員が一人の社会保険労務士法人の設立等を可能とするものであること(法第25条の6等関係)。
なお、本改正に伴い、全国社会保険労務士会連合会及び各都道府県社会保険労務士会の社会保険労務士法人の規定に係る会則の変更が必要となること。