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通達:「働き方改革」の推進について

 

「働き方改革」の推進について

平成26年12月22日基発1222第1号

(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長通知)

 

我が国の労働時間の状況をみると、労働者一人平均の総実労働時間は1700時間台まで減少してきているものの、近年の主な減少要因はパートタイム労働者の比率の増加によるものであり、いわゆる正社員等一般労働者の総実労働時間は依然として2000時間台で推移している。また、週の労働時間が60時間以上の雇用者の割合は近年低下傾向にあるものの、依然として1割弱で推移しており、新成長戦略(平成22年6月18日閣議決定)における一定の経済成長を前提とした政府目標である「2020年までの目標」「5割減」(具体的には5%)の達成に向けて課題を残している状況にある。さらに、年次有給休暇の取得率をみると、近年5割を下回る水準で推移しており、同戦略における政府目標である「2020年までの目標」「70%」に向けて一層の取組が求められている状況にある。

このため、「『日本再興戦略』改訂2014」(平成26年6月24日閣議決定)において、「新たに講ずべき具体的施策」として「働き方改革の実現」が掲げられ、その具体策として「働き過ぎ防止のための取組強化」が明記されるなど、長時間労働対策の強化が政府としての喫緊かつ重要な課題となっている。

労働者の心身の健康確保、仕事と生活の調和、女性の活躍推進等の観点から、法定労働条件の履行確保を前提とした上で、個々の企業において、労使の話し合いを通じて、所定外労働時間の削減、年次有給休暇の取得促進、始業及び終業の時刻の設定の見直し、勤務地や勤務時間等を限定した多様な正社員制度、適正な労働条件の下でのテレワークの普及など長時間労働や転勤を一律の前提とする雇用管理を見直す「働き方改革」を進めていくことが求められている。

厚生労働省としては、長時間労働対策を総合的に推進するため、本年9月30日に厚生労働大臣を本部長とする「長時間労働削減推進本部」を設置し、働き方改革については、同本部の下に「働き方改革・休暇取得促進チーム」として労働基準局幹部が企業訪問による企業トップ等への働きかけを行うなど、企業の自主的な取組を促進しているところである。

こうした中、我が国の急速な少子高齢化の進展に対応し、人口の減少に歯止めをかけるとともに、それぞれの地域で住みよい環境を確保することを目的とする「まち・ひと・しごと創生法」(平成26年法律第136号)も平成26年11月28日に施行されたところである。

働き方改革の取組については、同法の基本理念にのっとり、仕事と生活の調和の実現に向けた取組の支援による「ひとの創生」や、地域における雇用の質を重視した「しごとの創生」にも資するものとして、都道府県等とも連携を密にして推進する必要がある。

こうしたことを踏まえ、今般、働き方改革の実現に向けた取組をさらに強化するため、当面、都道府県労働局(以下「労働局」という。)においても企業トップ等への働きかけ等を積極的に実施することとするので、下記により本対策を的確に推進されたい。

 

1 趣旨

労働者の心身の健康確保、仕事と生活の調和、働き方に時間的・地域的制約を伴う人々が職業キャリアを継続し能力発揮できる環境の整備などに向けて、企業において長時間労働をはじめとする拘束度の高い働き方を見直すことが求められているが、その見直しを効果的に進めるためには、企業トップの発意による自主的な取組が不可欠である。

このため、法定労働条件の履行確保を目的とする監督指導のような行政手法ではなく、企業経営者の理解と協力を得ていく必要があることから、労働局長及び労働基準部長が管内の経済社会に大きな影響力のある企業のトップに対し、各企業の実情に応じた働き方改革の実現に向けた取組を実施するよう、直接働きかけることとしたものであること。

2 働き方改革推進本部の設置

労働局における働き方改革の実現に向けた取組を強化するとともに効果的に情報発信するため、各労働局に労働局長を本部長とする「働き方改革推進本部」(以下「本部」という。)を設置すること。

本部は、可能な限り平成27年1月上旬までに設置し、後記3から5に掲げる取組に対する方針を決定の上、すみやかに実施すること。

なお、本部の設置については、定例会見を始め様々な機会を通じて報道機関等に周知し、働き方改革に向けた気運の醸成にも配意すること。

3 労使団体への協力要請

労働局長及び労働基準部長が、管内の事業主団体(経営者協会、商工会議所連合会、商工会連合会、中小企業団体中央会等)及び労働団体の長や役員を訪問し、働き方改革について傘下企業等に対する取組の要請、本部の設置や本省の「働き方・休み方改善ポータルサイト」(平成27年1月下旬開設予定、以下「ポータルサイト」という。)の周知等に対する協力の要請を行うこと。

4 企業トップへの働きかけ

(1) 本部の設置、上記3の協力要請と並行して、労働局長や労働基準部長が管内に本社機能を有し管内の経済社会に大きな影響力のある主要な企業のトップ等経営者を計画的に訪問し、各企業の実情に応じた長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進を始めとする働き方の見直しに取り組むよう働きかけること。

その際、企業が働き方の見直しを行うに当たって、参考となる好事例・ノウハウや支援措置など必要な情報を提供することにより、さらなる取組を促進すること。

併せて、他の企業にとって参考となる先進的な取組事例や好事例等については、労働局のホームページや本省のポータルサイトに掲載するなどにより、情報発信することについて協力を依頼すること。

(2) 事業主が多数参加する会合等あらゆる機会を捉えて、企業における働き方の見直しに取り組むよう働きかけること。

5 都道府県等との連携

(1) 地域における雇用の質を重視した職場づくりを推進する上で、働き方の見直しに向けて地域全体における気運の醸成を図ることが重要であることから、例えば地方自治体等との協働による地域レベルでの年次有給休暇の取得促進に向けた取組や、働き方・休み方の見直しに向けた周知広報に係る取組を都道府県や事業主団体と連携して進めるなど、都道府県、市町村、事業主団体等と積極的に連携すること。

(2) 働き方改革を通じて仕事と生活の調和や生産性の向上を推進することは、地域の社会経済の維持・発展にも資するものであることから、上記3の協力要請や上記4の企業訪問を実施する際に、可能な範囲で、都道府県の幹部職員による同行など必要な協力を依頼すること。

(3) 都道府県、市町村、事業主団体等の主催する会議、セミナー等あらゆる機会を活用し、働き方改革について周知啓発を行うこと。また、「仕事と生活の調和推進協議会」など、地方自治体や事業主団体等が参画する既存の会議がある場合は、その機会も積極的に活用すること。

6 取組事例の情報発信

(1) 上記4の訪問企業における取組内容等について、企業の了解を得て労働局のホームページや本省のポータルサイトに掲載するなど、情報発信に努めること。

また、上記4の訪問企業に加え、既に長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進に積極的に取り組んでいる企業についても、働き方・休み方改善コンサルタント等が企業訪問により情報収集し、企業の了解を得た上で、労働局のホームページや本省のポータルサイトに掲載すること。

(2) 各種セミナー・会合等あらゆる機会を捉え、働き方改革の取組、労働局のホームページや本省のポータルサイト等について周知するとともに、報道機関を通じた広報にも積極的に取り組むこと。