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労災精神障害専門調査員の配置について
平成24年4月6日地発0406第1号・基発0406第3号
(都道府県労働局長あて厚生労働省大臣官房地方課長・厚生労働省労働基準局長通知)
労働者の精神障害に関する労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)の規定による保険給付及び社会復帰促進等事業並びに労働基準法(昭和22年法律第49号)の規定による補償に係る業務の適正かつ円滑な運営に資するため、別紙1のとおり平成24年4月6日付けで「労災精神障害専門調査員規程(平成24年厚生労働省訓第27号)」が制定されたところであるが、同規程第6条の規定に基づき、その細目について別紙2のとおり「労災精神障害専門調査員設置要領」を定めたので、本要領に基づき労災精神障害専門調査員の実効ある活用を期されたい。
別紙1
○労災精神障害専門調査員規程
平成24年4月6日厚生労働省訓第27号
(部内一般)
労災精神障害専門調査員規程を次のように定める。
労災精神障害専門調査員規程
(設置)
第1条 労働者の精神障害に関する労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)の規定による保険給付及び社会復帰促進等事業並びに労働基準法(昭和22年法律第49号)の規定による補償(以下「保険給付等」という。)に係る業務の適正かつ円滑な運営に資するため、都道府県労働局に労災精神障害専門調査員(以下「調査員」という。)を置く。
(任命)
第2条 調査員は、精神障害を有する者への対応に関する専門知識を有する者のうちから、都道府県労働局長が任命する。
(職務)
第3条 調査員は、都道府県労働局長又は労働基準監督署長の指示を受けて、次の各号に掲げる事務を行う。
(1) セクシュアル・ハラスメントなど職場のストレスに起因する精神障害(以下「精神障害」という。)に関する保険給付等についての相談に関すること。
(2) 精神障害に関する労災請求事案における労働者本人からの聴取調査に関すること。
(3) その他精神障害に関する保険給付等についての調査等に関すること。
(任期等)
第4条 調査員の任期は、採用の日から同日の属する会計年度の末日までの期間の範囲内とする。
2 調査員は、非常勤とする。
(秘密を守る義務等)
第5条 調査員及び調査員であった者は、国家公務員法(昭和22年法律第120号)の定めるところにより、その職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならない。
2 調査員は、国家公務員法に規定する政治的行為をしてはならない。
(その他の事項)
第6条 この規程に定めるもののほか、調査員に関し必要な事項は、厚生労働省大臣官房地方課長及び厚生労働省労働基準局長が定める。
附 則
この訓令は、平成24年4月6日から施行する。
別紙2
労災精神障害専門調査員設置要領
労災精神障害専門調査員(以下「調査員」という。)の配置については、「労災精神障害専門調査員規程」(平成24年厚生労働省訓第27号)によりその大綱が定められたところであるが、その細目は次のとおりである。
1 職務
調査員は、都道府県労働局に配置し、都道府県労働局長(以下「局長」という。)又は労働基準監督署長の指示を受けて、労働者の精神障害に関する労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)の規定による保険給付及び社会復帰促進等事業並びに労働基準法(昭和22年法律第49号)の規定による補償(以下「保険給付等」という。)に関する次に掲げる事務を行う。
(1) セクシュアル・ハラスメントなど職場のストレスに起因する精神障害(以下「精神障害」という。)に関する保険給付等についての相談に関すること。
(2) 精神障害に関する労災請求事案における労働者本人からの聴取調査に関すること。
(3) その他精神障害に関する保険給付等についての調査等に関すること。
2 採用等
調査員は、公募を行った上で次の各要件を具備した者のうちから、局長が採用する。
(1) 原則として臨床心理士又は精神保健福祉士の資格を有すること。ただし、その他の資格や職務経験からこれらと同程度の能力を有すると認められる者については、この限りではない。
(2) 精神障害に関する保険給付等に関する業務に深い関心と理解を有する者であること。
(3) 調査員としての職務を利用して、特定の者の利益を図り、又は信用を害するおそれがないこと。
(4) 公選による公職にある者若しくはその立候補者又はこれに準ずる者でないこと。
(5) 他の職務に従事している者については、その業務に拘束されて調査員の業務が不十分となるおそれのない者であること。
3 任期等
調査員の任期は、採用の日から同日の属する会計年度の末日までの期間の範囲内とする。ただし、在任期間中であっても、後記5に定める遵守義務に違反した場合には、免職とする。
また、任期途中において調査員の交替があった場合には、後任者の任期は前任者の残任期間とする。
なお、調査員としての在任中、当該職務の推進に積極的に貢献し、今後もその協力が得られる者については、再採用を妨げないが、公募によらない再採用は、同一の者について連続2回を限度とするよう努めるものとする。
4 報酬
調査員に対し、予算の範囲内において謝金及び旅費等を支給する。
ただし、国家公務員退職手当法(昭和28年法律第182号)は適用しない。
5 遵守義務
調査員は、次のことを遵守しなければならない。
(1) 職務上知り得た秘密を漏らしてはならないこと。
(2) 公平な立場を堅持し、一般社会の信望に応えられるよう努めること。
(3) その職務を行うに当たり、上記4に定める報酬以外の利益を得又は特定の者に便益を与えてはならないこと。
(4) 国家公務員法(昭和22年法律第120号)に規定する政治的行為を行ってはならないこと。
6 発令手続
調査員の採用又は免職等については、局長は次の発令手続を行う。
(1) 採用の場合
局長は調査員を採用しようとするときは、次の書類を整える。
① 本人の承諾書(様式1)1通
② 履歴書(様式2)1通
③ 採用辞令(写)(様式3)1通
なお、履歴書の記載事項については、特に国家公務員法第38条(欠格事項)該当の有無に注意すること。
(2) 再採用の場合
採用の場合に準じて取り扱うものとするが、履歴書は不要として差し支えない。
(3) 免職の場合
局長は調査員を免職しようとするときは、次の書類を整える。
免職辞令(写)(様式4)1通
(4) 死亡の場合
調査員が死亡した場合には、すみやかに遺族等から死亡届(様式5)及び死亡診断書又は住民票除票等死亡を証明する書類を徴すること。
7 公務災害
調査員が公務上の災害を受けた場合には、国家公務員災害補償法(昭和26年法律第191号)に基づく所定の手続をとること。
8 執務準則
調査員が、その職務を行うに当たっては、別紙「労災精神障害専門調査員執務準則」により行う。
別紙
労災精神障害専門調査員執務準則
1 労災精神障害専門調査員(以下「調査員」という。)は、その職務を行うに当たっては、「労災精神障害専門調査員規程」(平成24年厚生労働省訓第27号)によるほか、この労災精神障害専門調査員執務準則によらなければならない。
2 調査員は、都道府県労働局長(以下「局長」という。)又は労働基準監督署長(以下「署長」という。)の指示を受けて、労働者の精神障害に関する労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)の規定による保険給付及び社会復帰促進等事業並びに労働基準法(昭和22年法律第49号)の規定による補償(以下「保険給付等」という。)に関する次に掲げる事務を行う。
(1) セクシュアル・ハラスメントなど職場のストレスに起因する精神障害(以下「精神障害」という。)に関する保険給付等についての相談に関すること。
(2) 精神障害に関する労災請求事案における労働者本人からの聴取調査に関すること。
(3) その他精神障害に関する保険給付等についての調査等に関すること。
3 調査員は、関係法令、関係通達及びその解釈について理解を深めるとともに、常にその他の職員とも十分な連携を図りつつ、適切に聴取の業務等を行うことはもとより、上記2に掲げる業務を適正に遂行するための研鑽に努めなければならない。
4 調査員は、上記2に掲げる業務を行うに際して、当該事案が次の各号のいずれかに該当する場合には、あらかじめ局長又は署長が指名する者にその都度報告し、その処理についての指示を受けなければならない。
(1) 事案の内容から法令解釈上組織的に十分検討を行う必要があるもの等自らその指導を行うことが適当でないと判断した場合
(2) 事案の内容が他の行政機関に関係すると認められる場合
(3) 事案の内容が労働者災害補償保険法の規定による保険給付を不正に受給しようとするものと認められる場合
(4) その他事案の内容から判断して指示を受ける必要があると判断した場合
5 調査員は、上記2に掲げる業務を行った場合には、労災精神障害専門調査員日誌(様式第1号)に所定の事項を記載し、月の初めに前月分について局長に報告するものとする。
6 調査員は、業務の執行に当たっては、次のことを遵守しなければならない。
(1) 個人情報等職務上知り得た秘密を漏らしてはならないこと。
(2) 公正な立場を堅持し、一般社会の信望に応えられるよう努めること。
(3) その職務を行うに当たり、局長から支給される報酬以外の利益を得又は特定の者に便益を与えてはならないこと。
(4) 国家公務員法(昭和22年法律第120号)に規定する政治的行為を行ってはならないこと。
(続き)