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特別加入者の承認及び変更に係る手続等の見直しについて
平成23年3月25日基発0325第6号
(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長通知)
特別加入者の承認及び変更に係る手続等については、労働者災害補償保険法施行規則(昭和30年労働省令第22号。以下「労災則」という。)及び昭和40年11月1日付け基発第1454号「労働者災害補償保険法の一部を改正する法律第2条の規定の施行について」等の関係通達により行ってきたところであるが、下記のとおり見直したので、遺憾なきを期されたい。
記
1 見直しの経緯と趣旨
従来、特別加入者の従事する業務内容の変更及び特別加入者の追加等があった場合には、法令に定めがある変更等があった旨の届出に加え、実務上、承認・不承認の処分を行い、保険給付の対象者を特定してきた。また、その届出は、労働者災害補償保険法の施行に関する事務に使用する文書の様式を定める件(昭和35年労働省告示第10号。以下「告示」という。)所定の様式により行うものとし、他の様式により行われてもその効果を生じないものとして取り扱ってきたところである。
今般、別添の労働保険審査会の裁決を踏まえて検討を行い、申請者の負担軽減や事務処理の効率化・迅速化等を図る観点から、特別加入申請時の承認通知に、承認後変更が生じた際は届出により効果が生じる旨の附款を付し、変更の届出に係る承認手続を原則として廃止することとした。
また、届け出るべき事項を保険事故が生じる前に告示様式以外の書面等により届け出た場合であっても、一定の要件を満たすときには、告示様式により届け出た場合と同様の効果が生じることとする等の見直しを行ったものである。
2 特別加入者の加入手続
(1) 法的効果の生じる範囲等
特別加入者の変更手続の見直しに伴い、今後、新たな特別加入申請に対する承認の際には、変更届の提出が必要な場合やその効果の発生時期等についての附款を、昭和40年11月1日付け基発第1454号「労働者災害補償保険法の一部を改正する法律第2条の規定の施行について」で定める特様式第1号に、明記して通知することとしたこと。
(2) 加入時健康診断
従来、加入時健康診断については、所轄の労働基準監督署長(以下「所轄署長」という。)が特別加入時健康診断指示書に診断実施機関及び実施期間を記載して受診の指示を行ってきたところである。
今後は、特別加入時健康診断指示書には実施期間のみを明示し、特別加入予定者が、所轄の都道府県労働局長(以下「所轄局長」という。)があらかじめ指定した診断実施機関のうちから受診機関を選定することとし、当該受診機関が作成した健康診断証明書を申請書又は変更届に添付して所轄署長を経由して所轄局長に提出することとしたこと。
これに伴い、特別加入時健康診断指示書(特診様式第5号)及び特別加入時健康診断実施依頼書(特診様式第6号)に所要の様式改正を行ったこと。
(3) 家内労働者の加入時の承認
従来、家内労働者の特別加入の承認は、当該承認の日に属する保険年度の末日までの期限付き承認としてきた。
今後も、当該期間の承認であることには変更はないが、当該承認の効力は当該期間に限られる旨の附款を、特様式第1号に明記して通知することとしたこと。
3 特別加入者の変更手続等
(1) 変更決定等の原則廃止
従来、労災則第46条の19第1項各号に掲げる事項に変更が生じた場合(労災則第46条の23第1項各号、労災則第46条の25の2第1項各号に掲げる事項に変更が生じた場合も同じ。以下同じ。)のうち、特別加入者の行う業務内容の変更及び特別加入者の追加等であるときは、変更等の届出を行わせた上、承認内容の変更決定を行ってきたところであり、当該変更決定を行った場合に限り労災保険法所定の効果が生じるとしてきた。
しかしながら、今後は事務処理の迅速化の観点から、加入時健康診断が必要な場合を除き、労災則第46条の19第1項各号に掲げる事項に変更が生じた場合には、変更届の提出で足りることとし、変更決定及び通知は不要としたこと。
なお、労働者災害補償保険法所定の効果は、保険事故が生じる前に届出があった場合に限り当該届出の翌日以降14日以内の希望する日に生じるものであること。
(2) 所定様式以外の様式による届出の取扱い
従来、労災則第46条の19第1項各号に掲げる事項に変更が生じた場合、同様の事項を告示様式以外の様式により政府に届け出ていてもその効果は生じないものとしてきたところである。
今後も原則として告示様式で届出を行うべきことは変わりはないが、告示様式によらない場合であっても、以下のア及びイのいずれの要件も満たしており、告示様式による届出に相当すると所轄局長が認めたときには、例外的に告示様式による届出と同様に取り扱うこととしたこと。
ア 特別加入者の保険料はもちろんのこと、当該事業の労働保険料に全く未納がないこと。
イ 告示様式以外の書面が、年度更新時に提出される本省又は労働局で定める保険料申告書内訳等であること。
(3) 給付基礎日額の変更決定等
ア 給付基礎日額の変更決定の日等
給付基礎日額は年度の途中での変更は認められないため、翌年度から給付基礎日額の変更を希望する者に対しては、事前に給付基礎日額変更申請書を提出させ、新年度の給付基礎日額を改定すること。
ただし、昭和42年2月21日付け基災発第4号「労災保険事務組合並びに特別加入に関する事務処理について」の記の3の(1)の「年度更新時において特別加入者がすでに決定された給付基礎日額の変更を希望する場合」であって、当該変更申請が変更を希望する年度の6月1日から7月10日までになされたときである場合には事後の変更申請を認めることとする。
なお、その場合においても、保険事故が生じた後の変更申請では給付基礎日額を変更する効力は生じないこと。
イ 給付基礎日額の決定
原則として当該変更申請書に記載している特別加入者の希望に即して給付基礎日額を定めて差し支えないこと。
ただし、特別加入者の所得水準の実態と特別加入者の希望する額との間に著しい乖離があることが明らかな場合に限り、当初の額によることなく、妥当な給付基礎日額を定めること。
なお、労災則第46条の20第6項の規定により、給付基礎日額を定めた場合には特様式第1号による通知を要することに留意すること。
4 書類の保存年限
特別加入の承認の効力は原則として期限の定めがなく存続し、特別加入者の保険給付を受ける権利は承認の取消等によって変更されることはないことから、特別加入の承認(脱退申請に係るものを含む。)及び変更届に係る関係書類は、少なくとも30年保存を要するものとして取り扱うこと。
5 関係通達の改正
関係通達等を別紙1から別紙6までのとおり改めること。
なお、記の1から4までに掲げるもののほか、特別加入の手続等については従前のとおりとすること。
6 施行時期
本通達は、平成23年4月1日から施行すること。
ただし、本通達のうち、記の3の(3)に係る取扱いは、平成24年4月1日から施行すること。
別紙1~6 略