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通達:労災保険関係書類等のリスク評価に基づく対策の導入について

 

労災保険関係書類等のリスク評価に基づく対策の導入について

平成22年12月27日基労発1227第1号

(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局労災補償部長通知)

最終改正 平成26年3月24日基労発0324第1号

 

労災保険関係の書類又は情報(以下「労災関係書類等」という。)の適正な管理の必要性については、被災者及びその遺族に対する迅速公正な決定やそのプライバシーの保護の観点から重要であることは言うまでもない。

しかるに、先般1,000名を超える個人情報の紛失が特定局で生じたほか、各局において請求書の紛失又は労災関係書類等の誤送付による個人情報漏えいが相次いでいる状況にある。

そのため、下記のとおり、労災関係書類等のリスク評価に基づく文書管理等を柱とする対策を実施することにより、紛失事案等重大な個人情報漏えい事案を根絶するとともに、労災関係書類等の個人情報漏えい全体の大幅削減を目指すこととしたので、遺憾なきを期されたい。

なお、本通達の施行に伴い、平成22年6月23日付け基労発0623第1号は廃止する。

 

1 労災関係書類等の文書管理の基本的な仕組み等

(1) 適用範囲等

ア 適用範囲

本対策は、都道府県労働局(以下「局」という。)及び労働基準監督署(以下「署」という。)において、個人情報を含む以下の労災関係書類等を取り扱う際に適用する。

① 労災保険給付の請求書等の労災保険給付の支給の要否を判断する際に用いる書類及び情報であって、局署が作成した又は被災労働者、事業主等から取得したもの

② 社会復帰促進等事業に基づく支給の申請書等の社会復帰促進等事業の支給等の要否を判断する際に用いる書類及び情報であって、局署が作成した又は被災労働者、事業主等から取得したもの

③ 労災保険医療機関指定申請及び特別加入申請等に必要な書類及び情報であって、局署が作成した又は申請者等から取得したもの

イ 情報セキュリティポリシー、個人情報保護管理規程との関係等

本対策は、情報セキュリティポリシー、個人情報保護管理規程等の既存の指示の適用を排除するものではなく、これらの指示に加えて適用するものである。

したがって、既存の指示が適用になる場合には、当該指示を遵守した上で本対策を遵守すること。

(2) リスク評価に基づく分類と当該分類に基づく文書管理方策の実施

労災関係書類等について、リスク評価に基づき以下のとおり分類する。

ア 「重要度が最高の書類等」とは、個人情報を保存している外部電磁的記録媒体が該当する。

イ 「重要度が高い書類等」とは、請求書、申請書及び不法行為の情報や個人の口座情報等機密性の高い情報が含まれている書類が該当する。

ウ 上記のいずれにも当てはまらないものは、「重要度が普通の書類等」に分類する。

(3) 体制

本対策の責任者は、局においては総務部長(特別加入承認事務関係の書類に限る)又は労働基準部長、署においては署長とし、本対策の管理者は、局においては特別加入承認事務を所掌する適用主務課室長(以下「適用主務課室長」という。)又は労災補償課長、署においては労災担当課長(複数次長制署においては労災担当次長)とする。

責任者は管理者が本対策に定める事項を実施させているか確認することとし、管理者は本対策に定める事項が実際に実施されているかを点検し、実行させなければならない。当該確認・点検は少なくとも年1回行うこととする。

なお、管理者は、必要に応じて、補助者を置くことができる。

(4) 実施状況の確認と見直し

局は、本対策の実施状況を地方監察の項目に加えて、その実施状況を確認しなければならない。

(5) 研修

局は、本対策を初めて施行する場合や改定を行ったときには、本対策に係る研修を実施しなければならない。

また、新任の署長、次長、労災担当課長や労災担当職員に対して、本対策に係る研修を実施しなければならない。

さらに、監察の結果を踏まえて、随時、上記以外の職員を対象とする研修を実施しなければならない。

(6) 労災関係書類等の漏えいが起きた場合の措置

労災関係書類等の漏えい(紛失、き損を含む。以下同じ。)が局で起きた場合には、直ちに局管理者は、局責任者及び局長まで報告するとともに、本省補償課等の関係課(以下「本省補償課等」という。)に原則として漏えいが起きた当日中に当該事態が生じたことについての報告を行わなければならない。

漏えいが署で起きた場合には、直ちに署長又は署管理者は局適用主務課室長又は労災補償課長に報告し、適用主務課室長又は労災補償課長は、局で起きた場合と同様に、当日中に局内及び本省補償課等に報告すること。

局適用主務課室長又は労災補償課長は、報告後、本省補償課等の指示を踏まえつつ、保険給付等の決定への支障をできる限り生じないための措置を行いながら、速やかに当該漏えいした書類等の種別、漏えいの規模・態様、本対策の遵守の有無、当該漏えいの原因及び再発防止対策を明確化した上、様式1により報告すること。

2 労災関係書類等について遵守すべき管理方策

リスク評価に応じて分類した書類ごとに、文書管理のサイクル(受理・作成、処理・加工・移動、保存・廃棄)ごとに必要な措置を行うこととする。

(1) 共通

ア 受理・作成

① 労災関係書類等を受理又は作成した場合は、上記の1(2)の考え方に基づき速やかに分類しなければならない。

② 電子的に保存する重要な情報は、原則として労災行政情報管理システム内に保存するものとし、やむを得ない場合を除き、重要度が最高の書類等を作成しないよう努めなければならない。

イ 処理・加工・移動

本対策の管理の対象となる紙文書の処理・加工を中断し、他の作業を行う場合には、当該文書を所定の場所に格納する又はファイルに一件書類を綴じる等により他の文書と紛れることがないようにしなければならない。

ウ 保存・廃棄

所定の保管場所に保管するに当たっては、他の文書等と紛れることがないよう措置するともに、所定の保管場所から労災関係書類等が脱落しないための措置を講じなければならない。

(2) 重要度が最高の書類等

ア 受理・作成

外部電磁的記録媒体は個人情報が保存されているか否かにかかわらず、管理者が施錠のできる保管庫において管理するものとする。

個人情報を外部電磁的記録媒体に保存し、重要度が最高の書類等を作成した場合には、その報告を受けて管理者は直ちに管理簿に記載し、その後の貸出・返却等についての事跡を記録しなければならない。

イ 処理・加工・移動

① 外部電磁的記録媒体を使用する場合は、管理者の確認を受けて、使用する都度、保管庫から取り出すこと。管理者は作業終了後直ちに保管庫に返却したことを確認後、保管庫を施錠しなければならない。

② 保管庫には、使用状況が一覧でわかる措置を講じなければならない。

③ 庁舎外への持ち出しを禁止しなければならない。

ただし、医療機関から収集した画像等を収録した外部電磁的記録媒体については、地方労災医員等の専門医への意見の依頼又は本省・局・署間の協議の目的のため、庁舎外に持ち出しを行わざるを得ない場合には、許可簿を備え付け、管理者の承認を受けることにより、庁舎外に持ち出すことができることとする。

ウ 保存・廃棄

廃棄する場合は、管理者を含む複数名で行わなければならない。また、廃棄の期日、廃棄の事跡を管理簿に記載しなければならない。

(3) 重要度が高い書類等又は重要度が普通の書類等

ア 受理・作成

申請者から受理した請求書及び申請書は、直ちにシステムに登記ができるものを除き、収受の実績を文書に記録しなければならない。

イ 処理・加工・移動

① 庁舎外へ送付する際は、送付する書類の種別、枚数及び文書の宛名等について、送付すべき文書との同一性を複数人で確認しなければならない。

② 重要度が高い書類等を庁舎外へ送付した場合には、その事実を記録しなければならない。また、やむを得ない場合を除き、重要度が高い書類等はファクシミリで送信してはならない。

③ 重要度が高い書類等は、少なくとも業務終了後、局署の職員が個人的に管理している机等に保管せず、所定の保管場所に保管するとともに、他の文書と混同することを防止する措置を講じなければならない。なお、保管場所には施錠することが望ましい。

ウ 保存・廃棄

① 保険給付の終了等によって処理の完了した文書等は、一件書類にまとめ、保存期間毎に綴った上、所定の場所に保存しなければならない。

② 廃棄のための文書の選別は、誤廃棄を防止するため、管理者又は補助者と担当者の複数名で行わなければならない。

3 報告

局は、毎年1月末日までに前年における本対策の実施状況や情報漏えいの状況(件数、発生態様、本対策の遵守の有無等)をとりまとめた上で、様式2により本省補償課に報告すること。

 

様式1