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通達:温泉保養等の廃止について

 

温泉保養等の廃止について

平成19年2月6日基発第0206001号

(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長通知)

 

簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律(平成18年6月2日法律第47号)等において、労働福祉事業の見直しが求められていることを踏まえ、今般、労働福祉事業により実施している温泉保養、労災援護金、労災特別援護措置、特別栄養食及び附添看護について、下記のとおり見直すこととしたので通知する。

 

1 温泉保養について

(1) 本事業は、昭和56年2月6日付け基発第69号「労働福祉事業実施要綱の全面改正について」(以下「69号通達」という。)により、傷病が治ゆした者の社会復帰を促すことを目的に、昭和23年度より実施しているものであるが、現在においてはアフターケア制度の拡充等社会復帰促進対策が充実してきたことにかんがみ、平成18年度限りで廃止することとする。

なお、これに伴い、69号通達の別添「労働福祉事業実施要綱」を別紙1のとおり「外科後処置実施要綱」として改めるとともに、平成18年6月1日付け基発第0601001号「義肢等補装具支給要綱の制定について」の別添「義肢等補装具支給要綱」を別紙2のとおり改め、それぞれを平成19年4月1日から適用することとする。

(2) 本事業の廃止に当たっては、経過措置を設けることとしたので、その取扱いについて別途通知することとする。

2 労災援護金について

本事業は、平成16年4月1日付け基発第0401024号「労災援護金の支給について」(以下「24号通達」という。)により実施しているところであるが、本事業のうち生業援護金については、今後において利用が見込まれないため、平成18年度限りで廃止することとする。

なお、これに伴い、24号通達の別添「労災援護金支給要綱」を別紙3のとおり「労災療養援護金支給要綱」として改め、平成19年4月1日から適用することとする。

3 労災特別援護措置について

本事業については、昭和48年8月9日付け基発第467号「労災特別援護措置について」(以下「467号通達」という。)により実施しているところであるが、今後において利用が見込まれないため、平成18年度限りで廃止することとする。

なお、これに伴い、平成19年3月31日をもって467号通達を廃止することとする。

4 特別栄養食及び附添看護について

本事業については、昭和33年4月18日付け基発第243号「外傷性せき髄障害患者に対する特別栄養食等の支給に関する取扱について」、昭和33年11月26日付け基発第744号「外傷性せき髄障害患者に対する附添看護の取扱について」及び昭和35年4月27日付け基発第341号「外傷性せき髄障害患者に対する特別栄養食等の支給に関する取扱いについて」(以下「243号通達等」という。)により実施しているところであるが、今後において利用が見込まれないため、平成18年度限りで廃止することとする。

なお、これに伴い、平成19年3月31日をもって243号通達等を廃止することとする。

 

(別紙1)

外科後処置実施要綱

1 趣旨

業務災害又は通勤災害による傷病が治ゆした者においては、義肢装着のための断端部の再手術、醜状の軽減のための再手術等を必要とすることがあることにかんがみ、これらの者の社会復帰の促進を図るため、労働福祉事業として外科後処置を行うものとする。

2 対象者

外科後処置は、労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号。以下「労災保険法」という。)による障害補償給付(労働者災害補償保険法の一部を改正する法律(昭和40年法律第130号)第3条の規定による改正前の労災保険法の規定による障害補償費及び障害給付を含む。)又は障害給付(以下「障害(補償)給付」という。)の支給決定を受けた者であって、外科後処置により障害(補償)給付の原因である障害によって喪失した労働能力を回復し、又は醜状を軽減し得る見込みのあるものに対して行うものとする。

3 範囲

(1) 外科後処置の範囲は、原則として整形外科的診療、外科的診療及び理学療法とし、その処置に必要な医療の給付は、次のとおりとする。

イ 診察

ロ 薬剤又は治療材料の支給

ハ 処置、手術その他の治療

ニ 病院への収容

ホ 看護

(2) 事業場の所在地を管轄する都道府県労働局長(以下「所轄局長」という。)は、外科後処置を受けようとする者が労働能力を回復するため特に必要があると認めるときは、厚生労働省労働基準局長の指示を受けて、前記以外の処置による医療の給付を承認することができる。

4 実施医療機関

(1) 外科後処置に必要な医療の給付は、労災病院、総合せき損センター及び都道府県労働局長(以下「労働局長」という。)が指定した医療機関において行うものとする。

(2) 外科後処置の実施医療機関の指定を受けようとする医療機関は、当該医療機関の所在地を管轄する労働局長に文書で申請するものとする。この場合において、当該申請書には、当該医療機関の概要を記載した書類、当該医療機関の全体の平面図及び配置図、整形外科担当医師の医師免許証の写し及びその略歴を記載した書面並びに理学療法士の略歴を記載した書面を添付するものとする。

(3) (2)の申請を受けた労働局長は、当該申請に係る医療機関が外科後処置の実施医療機関として適当であると認めたときは、当該医療機関と外科後処置に係る委託契約を締結するものとする。

5 手続

(1) 外科後処置を受けようとする者は、外科後処置申請書(様式第1号)に診査表(様式第2号)を添付して、事業場の所在地を管轄する労働基準監督署長を経由して、所轄局長に申請するものとする。

(2) 所轄局長は、(1)の申請をした者が外科後処置の対象者であると認めるときは、その者に、外科後処置承認書(様式第3号)を交付するものとする。

(3) (2)の承認書の交付を受けた者は、外科後処置を受けようとするときは、当該承認書を外科後処置の実施医療機関に提出するものとする。

(4) 外科後処置の実施医療機関は、外科後処置に要した費用を請求しようとするときは、外科後処置委託費請求書(様式第4号)により、外科後処置の承認に係る都道府県労働局(以下「労働局」という。)の労働保険特別会計の支出官(以下「支出官」という。)あて請求するものとする。

6 費用の算定方法

外科後処置に要する費用の額は、原則として、労災保険法の規定による療養の給付に要する診療費の算定方法の例により算定した額とする。

7 旅費の支給

(1) 対象者

旅費は、外科後処置を受けるため旅行する者に支給する。

(2) 範囲

旅費は、最も経済的な通常の経路及び方法により旅行した場合の旅費により計算するものとし、その範囲は、次のとおりとする。

イ 旅費の種類は、鉄道賃、船賃、車賃、日当及び宿泊料とする。

ロ 鉄道賃及び船賃については、普通旅客運賃を支給する。また、普通急行列車を運行する線路による旅行で片道50キロメートル以上のものについては急行料金を支給し、特別急行列車を運行する線路による旅行で片道100キロメートル以上のものについては特別急行料金を支給する。

ハ 車賃は、1キロメートルにつき、37円とする。

ニ 日当は、外科後処置を受けるため病院に入院した期間について支給するものとし、その額は、1日につき850円とする。

ホ 宿泊料は、地理的事情等により宿泊の必要が認められる場合に限り、1夜につき8,700円の範囲内におけるその実費額(飲酒、遊興費、その他これらに類する費用を除く。)とする。

(3) 手続

旅費の支給を受けようとする者は、旅費支給申請書(様式第5号)により、外科後処置の承認をした労働局の支出官あて請求するものとする。

8 労働福祉事業原票

所轄局長は、被災労働者毎に外科後処置の実施状況を明らかにするため労働福祉事業原票(様式第6号)を作成するものとする。

9 実施期日

本要綱は、平成19年4月1日から実施するものとする。

10 経過措置

本要綱の実施日以前に労働局長が締結した外科後処置に係る委託契約については、本要綱により締結された契約とみなすものとする。

様式第1号

様式第2号

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様式第3号

様式第4号

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様式第5号

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様式第6号

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(別紙2)

平成18年6月1日付け基発第0601001号「義肢等補装具支給要綱の制定について」の別添「義肢等補装具支給要綱」の一部改正<編注:略>

 

(別紙3)

労災療養援護金支給要綱

1 趣旨

労災保険制度に打切補償制度が存在した時期に打切補償費の支給を受けたため、法律上労働者災害補償保険法(昭和22年法律第50号)(以下「労災保険法」という。)の規定による保険給付を受けることができない被災労働者の療養に係る負担を軽減することにより福祉の増進を図るため、社会復帰促進等事業として労災療養援護金の支給を行うものとする。

2 支給対象者

労災療養援護金を支給することができる者は、けい肺又は外傷性せき髄障害により、昭和35年3月31日以前に労災保険法の規定による打切補償費の支給を受けた者で、当該負傷又は疾病の療養のため、以下のいずれかの病院又は診療所において診療を受けているもの(当該負傷又は疾病について労災保険法の規定による療養補償給付を受けることができる者を除く。)とする。

① 労災病院、医療リハビリテーションセンター、総合せき損センター

② 労働者災害補償保険法施行規則(昭和30年労働省令第22号)第11条第1項の規定により都道府県労働局長が指定する病院又は診療所

③ 前号に該当しない国又は独立行政法人国立病院機構が設置する病院又は診療所

3 支給額等

(1) 労災療養援護金を受けるべき者の療養の費用の額(健康保険法(大正11年法律第70号)その他の法律の規定により医療に関する給付を受けているものにあっては、当該給付の価格に相当する額を減じた額)に相当する額に1月につき次の表の左欄に掲げる区分に応じ同表の右欄に掲げる額を加えた額とし、当該療養の費用の額の算定については、健康保険法の規定に基づく診療報酬の額の算定の例による。ただし、当該規定に定めのない療養の費用の額の算定については、労災保険法の療養補償給付についての診療費の額の算定の例による。

区 分

イ 病院又は診療所に入院した日がある月(入院援護費)

56,790円

ロ 病院又は診療所において診療を受けた日数が7日を超える月(イに掲げる月を除く。)(通院援護費)

25,000円

ハ 病院又は診療所において診療を受けた日数が2日以上7日以下の月(イに掲げる月を除く。)(通院援護費)

23,000円

(2) (1)にかかわらず、外傷性せき髄障害を受けた者で病院又は診療所に入院しているものに支給する労災療養援護金の額は、(1)に定める支給額に病院又は診療所に入院している日について1日につき70円を加えた額とする。

(3) 1月において入院(前表イ)、外来(前表ロ又はハ)が発生する場合は、前表イの額とする。

(4) (1)及び(2)にかかわらず、常に介護を要する者で現に自宅において介護を受けている者に支給する労災療養援護金の額は、(1)及び(2)に定める支給額に、介護費用として1月につき56,790円(その月において介護を要する費用として支出された費用の額が56,790円を超えるときは、当該支出された費用の額(その額が104,730円を超えるときは、104,730円)とする。)を加えた額とする。

なお、常に介護を要する者で現に自宅において介護を受ける者とは、労災保険法第19条の2(介護補償給付)に定める「常時介護を受ける場合」に相当する障害を有する者をいう。

4 手続

(1) 労災療養援護金の支給の申請

労災療養援護金の支給を受けようとする者は、労災療養援護金支給申請書(様式第1号)により、業務災害及び通勤災害に係る事業場の所在地を管轄する労働基準監督署長(以下「所轄署長」という。)を経由して、都道府県労働局長(以下「所轄局長」という。)に申請するものとする。

(2) 支給申請に係る証明

所轄署長は、申請書の被災労働者の保険に関する事項について、現存する給付原簿及び打切補償費給付の請求書等並びに申請人の所有する打切補償費給付の支給決定通知書のほか、申請人その他関係者からの聴き取り等により、打切補償費を受給したことを確認のうえ証明を行い、所轄局長へ進達する。

なお、その際には、証明の根拠となった関係書類の写し、聴き取り書等を添付すること。

(3) 労災療養援護金の認定

所轄局長は、労災療養援護金の支給申請書により申請があったときは、当該申請に係る労災療養援護金の支給について、その適否を認定し、遅滞なく労災療養援護金認定通知書(様式第2号)により申請人に通知するものとする。

(4) 変更の届出

労災療養援護金の支給の認定を受けた者又はその遺族は、次の各号に掲げる事由が生じたときは、遅滞なく労災療養援護金認定事項等変更届(様式第3号)により、当該事由を証明する書類を添えて、所轄局長に届け出るものとする。

① 氏名を変更したとき。

② 死亡したとき。

③ 療養を必要としなくなったとき。

(5) 届出に係る変更認定

労災療養援護金認定事項等変更届の届出があった場合において、労災療養援護金の支給の認定の内容を変更する必要があると認めたときは、所轄局長は必要な変更認定を行い、遅滞なく労災療養援護金変更認定通知書(様式第4号)により当該届出人に通知するものとする。

(6) 労災療養援護金の支払請求

イ 労災療養援護金の支払は、毎月とする。

ロ 労災療養援護金の支払を受けようとする者は、支払月の初日から20日までの間に、労災療養援護金支払請求書(様式第5号)により、所轄局長に支払を請求するものとする。

ハ 労災療養援護金の支払を受けようとする者は、イの請求書に当該請求期間に係る診療費の請求書(受診している病院又は診療所において発行したものに限る。)を添付するものとする。

ニ 労災療養援護金の支払を受けようとする者で、当該請求期間において3(4)の介護に要する費用として支出された費用の額に応じた介護加算額の支給を希望する者は、ロの請求書に当該介護を行った者の作成による介護に要した費用の額の証明書(様式第5号の2)を添付するものとする。

(7) 労災療養援護金の支払

(6)イの支払請求があったときは、所轄局長は、当該請求に係る労災療養援護金を速やかに請求人に支払うものとする。

(8) 端数の処理

労災療養援護金の支払額に1円未満の端数を生じたときは、1円に切り上げるものとする。

5 支出事務等

(1) 労災療養援護金の支出

イ 入院の場合、労働保険特別会計労災勘定(項)社会復帰促進等事業費(目)労災援護給付金から支出すること。

ロ 外来通院の場合、3(1)の表に掲げる通院援護費については、労働保険特別会計労災勘定(項)社会復帰促進等事業費(目)労災援護給付金から、現に自宅において介護を受けている者に係る介護費用については、労働保険特別会計労災勘定(項)社会復帰促進等事業費(目)介護料支給費からそれぞれ支出すること。

(2) 支出負担行為等取扱規則(昭和27年大蔵省令第18号)第14条の規定による整理区分は、同規則別表甲号の「25保険金の類」によること。

(3) 労災療養援護金について支出しようとするときは、支給決定を行った上で、一般的な支出事務と同様に処理すること。

6 返還

偽りその他不正の行為により労災療養援護金の支給を受けた者がある場合は、その者から当該労災療養援護金を返還させるものとする。

7 実施期日

本要綱による労災療養援護金の支給は、平成22年4月1日から実施することとする。

8 経過措置

平成16年3月31日以前に、廃止前の労働福祉事業団が廃止前の労働福祉事業団法(昭和32年法律第126号)第19条第1項第1号及び廃止前の労働福祉事業団法施行令(昭和32年政令第161号)第4条第6号に基づき実施していた療養の援護金の支給に関し、労働福祉事業団理事長による支給の認定があった場合には、4(3)所轄局長の認定があったものとみなすこととする。