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就業実態のない中小事業主の特別加入の取扱いについて
平成15年5月20日基発第0520002号
(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長通知)
中小事業主等の特別加入については、労働者災害補償保険法第34条第1項の規定により、事業主(事業主が法人その他の団体であるときは代表者。以下同じ。)が事業主と当該事業に従事するその他の者を包括して加入(以下「包括加入」という。)申請を行わなければならないとされているところであるが、一部の事業主の就業の実態及び特別加入制度の趣旨等を勘案し、今後、下記により、特定の事業主について包括加入の対象から除外することができることとしたので、事務処理に遺漏なきを期されたい。
記
1 就業実態のない事業主の取扱い
中小事業主等の特別加入においては、事業主が事業主と当該事業に徒事するその他の者を包括して加入申請を行い、政府の承認を受けることにより労災保険が適用されるものであり、事業主自身が加入することが前提となっている。
しかしながら、これらの中小事業主の中には、病気療養中、高齢等の事情により実態として当該事業場において就業していない者(以下「就業実態のない事業主」という。)もいることが指摘されていたところである。このような実態を勘案すると、業務の実情、災害の発生状況等に照らし実質的に労働者に準じて保護するにふさわしい者に対し労災保険の適用を及ぼそうとする特別加入制度の趣旨からして、実態として当該事業場において就業していない者まで包括して加入させることは必ずしも適当でないと考えられる。
このため、今後、就業実態のない事業主が自らを包括加入の対象から除外することを申し出た場合には、当該事業主を特別加入者としないこととする。
2 包括加入の対象から除外することができる事業主の範囲
就業実態のない事業主として包括加入の対象から除外することができる者は、次のいずれかに該当する者とする。
(1) 病気療養中、高齢その他の事情のため、実際に就業しない事業主
(2) 事業主の立場において行う事業主本来の業務のみに従事する事業主
3 就業実態のない事業主に係る特別加入の手続
(1) 新たに特別加入申請を行う中小事業主が就業実態のない事業主に該当するため自らを特別加入者としないことを希望する場合には、「特別加入申請書」(告示様式第34号の7)に、その事情を記載した理由書を添付させるとともに、「特別加入申請書」の別紙において当該事業主を除外して加入申請を行わせること。都道府県労働局長は、理由書から判断して就業実態のない事業主と認めるときは、当該事業主を除外した加入申請について承認を行うこと。
(2) 既に加入を承認されている中小事業主が就業実態のない事業主に該当するため自らを特別加入者としないことを希望する場合には、「特別加入に関する変更届」(告示様式第34号の8。以下「変更届」という。)に、その事情を記載した理由書を添付して提出させること。都道府県労働局長は、理由書から判断して就業実態のない事業主と認めるときは、当該事業主を特別加入者としないことにつき、承認内容変更決定を行うこと。承認内容変更決定については、昭和40年11月1日付け基発第1454号(以下「基本通達」という。)の記の第2の3(4)ハに準じて行うこと。この場合、承認内容変更決定の日に当該事業の特別加入者たる地位が消滅するものとして取扱うこと。
(3) 上記(1)又は(2)により特別加入していない事業主が、就業することとなったため特別加入することについて申し出があった場合には、改めて変更届を提出させ、当該事業主を特別加入者とすることにつき、承認内容変更決定を行うこと。承認内容変更決定については、通常の特別加入者の追加の場合と同様、基本通達の記の第2の3(4)ハに基づいて行うこと。
4 適用
本通達は、平成15年7月1日以後に加入承認又は承認内容変更決定を行うものについて適用する。