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通達:労働基準法第三六条の協定において定められる一日を超える一定の期間についての延長することができる時間に関する指針の一部改正について

 

労働基準法第三六条の協定において定められる一日を超える一定の期間についての延長することができる時間に関する指針の一部改正について

平成四年九月二二日基発第五二四号

(都道府県労働基準局長あて労働省労働基準局長通達)

 

労働基準法第三六条の協定において定められる一日を超える一定の期間についての延長することができる時間に関する指針(昭和五七年労働省告示第六九号。以下「指針」という。)については、昭和五七年八月三〇日付け基発第五六九号及び平成元年二月一五日付け基発第六五号により通達したところであるが、労働基準法第三六条の協定において定められる一日を超える一定の期間についての延長することができる時間に関する指針の一部を改正する件(平成四年労働省告示第七〇号。以下「改正指針」という。別紙1(略)。)が平成四年八月一二日に告示され、平成五年一月一日から適用されることとなった。ついては、下記の事項に留意の上、その適切な運用に遺憾なきを期されたい。

 

1 改正の経緯

今回の改正は、平成元年の改正の際に中央労働基準審議会における労働時間部会長報告のなかで「改正告示の施行後二年を経過した場合には、本告示の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。」とされたこと等を踏まえて、平成四年三月から中央労働基準審議会で検討され、同年七月二九日の同審議会で了承されたものであること。

2 改正の趣旨

指針は、時間外・休日労働は本来臨時的なものとして必要最小限にとどめるべきものであるという趣旨にかんがみ、労働基準法(以下「法」という。)第三六条の協定(労働時間の延長に係るものに限る。以下「時間外労働協定」という。)において定められる一日を超える一定の期間(以下「一定期間」という。)についての延長することができる時間(以下「一定期間についての延長時間」という。)に関し目安を示すこと等により、時間外労働協定において一定期間についての延長時間が適正に協定されることを推進することを目的としているものであるが、今回の改正は、労働時間短縮を進めていくための労使の自主的努力を促進し、時間外労働協定の一層の適正化を図ることにより、恒常的な時間外労働の改善を図ることとしたものであること。

3 改正の内容

(1) 指針の改正

イ 一定期間(第三条第一号関係)

一定期間については、週又は月を単位とする期間及び年を単位とする期間としているところであるが、平成三年六月に実施した時間外労働・休日労働に関する調査(以下「調査」という。)では、あまり利用されていない期間があったことから、今回の改正では、従来の一定期間を簡略化したこと。これにより、週を単位とする期間は一週間、二週間及び四週間にすることとしたこと。

なお、労使は、時間外労働協定において、週又は月を単位とする期間についての延長時間及び一年間についての延長することができる時間の双方を協定するよう努めなければならないものであること。

ロ 一定期間についての延長時間(第三条第二号及び別表関係)

① 一定期間についての延長時間は、新指針の別表の上欄に掲げる一定期間の区分に応じ、それぞれ別表の下欄に掲げる時間(法第三二条から第三二条の五まで又は第四〇条の規定により労働させることができる最長の労働時間を超えて延長することができる時間である。以下「目安時間」という。)以内の時間とし、目安時間は、次のとおりであること。

なお、この目安時間は、調査の結果を踏まえたものであるが、短期的には業務が集中し業務の繁閑の調整が困難な場合であっても、一定期間が長くなれば業務の繁閑を調整し得る可能性が高まるとの観点から、一定期間が長くなるにつれて一週間当たりの時間を逓減させる現行の方式をさらに進めたものであること。

一定期間

改正後

現 行

週位又とはす月るを期単間

1週間

15時間

15時間

2週間

27時間

28時間

3週間

39時間

4週間

43時間

48時間

5週間~12週間

48時間に4週を1週超えるごとに11時間を加算した時間

1箇月

45時間

50時間

2箇月

81時間

95時間

3箇月

120時間

140時間

1年間

360時間

450時間

② この目安時間は、旧指針と同様に、恒常的な長時間労働を改善するという観点から設定されたものであるので、一定期間についての延長時間を協定するに当たっては、最も長い場合でも別表下欄に掲げる時間以内の時間とするよう労使の十分な配慮を要請するものであること。

(2) 適用期日及び経過措置

イ 改正指針は、平成五年一月一日から適用され、同日以後に時間外労働協定を締結する場合及び同日以前に締結された時間外労働協定を同日以後更新する場合に適用されるものであること。

ロ 改正指針の適用期日前に締結された時間外労働協定を労働基準法施行規則第一七条第二項の規定により適用期日以後に更新する協定を届け出る場合には、改正指針を踏まえた時間外労働協定を締結し、届け出るよう指導すること。

4 指針の適用に伴う行政指導について

(1) 周知徹底

改正指針による新たな目安時間の設定は、時間外労働についての延長時間の協定の仕方に関して労使に影響を与えるものであるので、平成五年一月一日からの円滑な施行に向けて、新指針の内容を広く使用者、使用者団体、労働者、労働団体等に対して各種の広報活動、集団説明等により十分周知徹底させること。

(2) 留意事項

指針は時間外労働協定の適正化に向けての労使の自主的努力を援助、促進しようとするものであること、特に中小の事業場については、目安時間が改定される一方で、週四四時間労働制を猶予する措置が平成五年三月三一日までとされているため、二重の影響となることを十分考慮し、指導に当たっては指針の目的及び内容を懇切に説明し、理解を得ることを基本とし、強制にわたることのないよう配慮すること。

5 通達の整理

昭和五七年八月三〇日付け基発第五六九号(以下「昭和五七年局長通達」という。)を別紙2のとおり改正したものであること。

これは、今回の指針の改正に伴い、所要の整理を行ったものであり、改正指針の適用期日以降においては、本通達によるほか、本通達による改正後の昭和五七年局長通達によることとするのでその運用に遺漏なきを期されたいこと。

(別紙二) 略