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通達:現行産業別最低賃金についての適用除外の措置及び新産業別最低賃金への転換に向けての措置等今後の進め方について

 

現行産業別最低賃金についての適用除外の措置及び新産業別最低賃金への転換に向けての措置等今後の進め方について

昭和六二年一一月二七日基賃発第一九号

(都道府県労働基準局長あて労働省労働基準局賃金福祉部長通達)

 

標記については、答申(昭和六一年二月一四日付け中央最低賃金審議会答申をいう。以下同じ。)とこれに基づく局長通達(昭和六一年三月三一日付け基発第一八八号をいう。以下同じ。)のほか、これまでに本職からも指示(昭和六二年一月二六日付け基賃発第一号、昭和六二年六月二三日付け基賃発第一一号等。それぞれ以下「一号通達」、「一一号通達」という。)しているところであるが、現在までにおける適用除外の実施状況、前倒し転換に係る申出等の状況及びこれらについての審議状況等に鑑み、答申の運用に関して今後の地方最低賃金審議会(以下「審議会」という。)の円滑な運営に資するため、さらに左記のとおりとすることとしたので、答申の趣旨を踏まえ、審議会委員をはじめ関係者の理解と協力の下に制度の円滑な運営が図られるよう努められたい。

 

一 基礎調査結果の報告と今後の進め方についてのコンセンサスの形成

イ 昭和六二年度の産業別最低賃金の改定審議が終了した局にあつては、できるだけ速やかに、審議会に対し、昭和六一年度及び昭和六二年度の「最低賃金に関する基礎調査」(以下「基礎調査」という。)の結果を別紙様式により報告するとともに、昭和六三年度末までの審議会の進め方等について、本通達に沿つて行うというコンセンサスの形成を図るものとする。

ロ 前記イ及び左記二以下を進めるに当たつては、局長通達の記の第一の5の<(注1)>小委員会等の意見調整の場を活用するものとする。

5 検討<(注1)>体制の整備

地方最低賃金審議会においては、上記2及び3の措置を円滑に実施するため、小委員会等の意見調整の場を設置する等必要な体制整備を図るものとする。

この場合、「小委員会等の意見調整の場」とは、運営小委員会、特別小委員会等の名称の如何を問わず、関係者の意見調整を行つて実質的に地方最低賃金審議会としての方針決定ができるようなものであれば足り、産業ごとに設置された専門部会等の審議の場の活用によることとしても差し支えない。また、「意見調整」を行うべき事項としては、当該都道府県における今後の産業別最低賃金の存り方についての合意形成のほか、適用除外の措置の実施方針、更には新産業別最低賃金の運用方針に適合させるために必要な準備又は調整等が考えられるものである。

二 新産業別最低賃金への転換のための準備又は調整

局長通達の記の第一の3の(1)に<(注2)>より、昭和六三年度までに行つておくものとされている新産業別最低賃金への転換のための準備又は調整(以下「準備・調整作業」という。)については、左記三~六を踏まえつつ、以下の諸点に留意して進めるものとする。

(1) 新産<(注1)>業別最低賃金への転換のための準備又は調整

年齢、業務及び業種に関する適用除外の措置を実施した現行産業別最低賃金について、新産業別最低賃金への転換が図られるためには、法第一六条の四の規定の手続による関係労使の申出が行われるとともに、新産業別最低賃金の運用方針に合致する必要がある。

このため、昭和六三年度までの間において、上記2の適用除外の措置のほか、下記第二のⅡの新産業別最低賃金の運用方針等に照らし、新産業別最低賃金への転換を図るため、更に業種に関する適用除外、適用対象業種の範囲(くくり方)等に工夫が必要であるものについて、所要の設定様式の変更の検討等当該転換のために必要な準備又は調整を行つておくものとする。

イ 準備・調整作業は、昭和六三年度中に終了するよう計画的、効率的に行うこと。

ロ 準備・調整作業は、各都道府県における業種の適用除外後の産業別最低賃金の全体的な姿を想定しつつ進めることが肝要であること。

ハ 準備・調整作業の過程では、関係労使の意向が反映されるよう、適宜関係労使からの意見の聴取等を行うこと。

ニ 準備・調整作業は、新産業別最低賃金への転換のためにはどのような設定様式にすることが妥当であるかなどについて審議会としての合意形成を図つておくことであるが、準備・調整作業の結果が昭和六三年度の産業別最低賃金の改定時に反映できる場合には、昭和六三年度の産業別最低賃金の改定に合わせて設定様式の変更等を行うことは差し支えないこと。

ホ 準備・調整作業の結果については、昭和六三年度末までに審議会において取りまとめを行つておくこと。

三 昭和六三年度における業種に関する適用除外の措置

(一) 適用除外対象業種の選定基準

昭和六三年度における適用除外対象業種の選定基準は、一号通達の記の1の②に<(注3)>よるものとする。

② 昭和<(注3)>六三年度昭和六二年度の基礎調査の結果において、第一・十分位数についての指数が一〇〇未満となり、第一・四分位数、中位数についても同様の傾向にあると認められる業種。なお、昭和六一年度の基礎調査の結果において上記①に該当しない業種のなかで、第一・十分位数が一〇〇未満であつて、第一・四分位数、中位数についても同様の傾向にあると認められる業種については昭和六二年度の基礎調査において再度集計を行うものとする。

このことは、昭和六一年度の基礎調査によつて、第一・十分位数についての指数値が一〇〇以上であるもの及び第一・十分位数についての指数値が一〇〇未満であつても第一・四分位数、中位数についての指数値が同様の傾向にないと認められた業種を除き、昭和六二年度の基礎調査において、第一・十分位数についての指数値が一〇〇未満であり、第一・四分位数、中位数についての指数値も同様の傾向にあると認められる業種(原則として日本標準産業分類の小分類を単位とする。以下同じ。)が該当するものであることをいう。

なお、御売業及び飲食店についてはそれぞれ全部の中分類を一括した単位を、小売業については中分類単位を、また、卸売・小売業、飲食店以外の業種であつて複数の小分類を括つたものについてはその括つた単位を、それぞれ適用除外対象業種の単位とすることができる。

(二) 業種に関する適用除外の措置の実施

前記(一)の基準により、昭和六三年度における適用除外対象業種に選定された業種については、昭和六三年度における現行産業別最低賃金の改定と合わせて適用除外の措置を実施するものとする。

ただし、類似の業種の大部分が適用除外されるにもかかわらず例外的に残される業種が生ずる場合や、各都道府県における主要産業である等の理由により、新産業別最低賃金として設定することが妥当であると審議会において認められる業種がある場合等には、適用除外対象業種の選定基準とは別にその取扱いを決定しておくものとする。

四 各産業に特有の軽易業務に従事する者に係る適用除外の措置

各産業に特有の軽易業務に従事する者については、現に軽易業務に関する適用除外の措置が実施されている産業別最低賃金の例を参考として地域の実情に応じて検討を進め、昭和六三年度における業種に関する適用除外の措置の実施に合わせ適用除外とする措置を実施するものとする。

五 前倒し転換に係る申出の取扱い

イ 既に行われた前倒し転換に係る申出のうち、昭和六二年度の取扱いを検討中としてその結論が先送りされているものについては、昭和六二年度の産業別最低賃金の改定審議終了後なるべく早い時期に、審議会においてその取扱いに関する検討を再開することとする。

また、その進め方については準備・調整作業の中で総合的に判断し、円滑に進むよう配慮し、なるべく早く結論を得るよう努めるものとする。

ロ 昭和六二年度に一一号通達の記の3<(注4)>に基づき意向表明が行われているものについては、実際に申出が提出され次第速やかに結論が得られるよう、申出前から審議会における意見調整に努めるものとする。なお、実際に申出が出されてから以降の取扱いについては前記イの後段と同様とする。

3「一定<(注4)>時期」までに申出を行うことができないが、それ以降に申出を行う意向のある者についても、「一定時期」までに、都道府県労働基準局長に対して、その旨の意向表現を行うよう関係者の協力を求めるものとする。

ハ 昭和六三年度における前倒し転換に係る申出は、概ね昭和六二年度末までを目途にその意向の有無を審議会において労使に確認し、その申出の準備過程から審議会における意見調整が図られるよう努めるものとする。また、当該申出は、昭和六二年度の例にならい、一定時期まで(概ね七月末を目途)に行われるよう関係労使の協力を求めるものとする。

ニ 前記ハにより一定時期までに行われた前倒し転換に係る申出の取扱いについては、昭和六三年度の産業別最低賃金の金額改定審議前に結論が得られるよう努めるものとする。

六 昭和六三年度における産業別最低賃金の金額改定審議の進め方

昭和六三年度における産業別最低賃金の金額改定審議は、例年の時期に行うものとする。

七 専門部会委員の任命

各専業別最低賃金専門部会の委員の任命に当たつては、地域の実情に応じて、昭和六三年度から局長通達の記の第二のⅡの3の(2)に<(注5)>沿つた運用がなされるよう努めるものとする。

(2) 専門<(注5)>部会

新産業別最低賃金の決定等について調査審議を行う専門部会は、労働者を代表する委員及び使用者を代表する委員の各三名のうち原則として少なくとも各二名は当該決定等を行おうとする産業に直接関係する労働者及び使用者をそれぞれ代表するものをもつて充てなければならないものとする。

この場合、当該産業に「直接関係する労働者及び使用者をそれぞれ代表するもの」とは、当該地域において当該産業に属する事業を行う事業場の労働者及び使用者、並びにこれらの労働者及び使用者の相当数を構成員とする労働組合及び使用者団体等の役職員であつて、当該関係者の意向を代表し得るものの中からそれぞれ選任されたものをいう。