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労働保険特別会計法等の施行について
昭和47年4月28日発総第39号
(各都道府県労働基準局長、各都道府県(知事あて労働事務次官通達)
労働保険特別会計法については、今次国会において法案が審議されていたところであるが、労働保険特別会計の昭和四七年度の予算とともに四月二八日成立し、昭和四七年法律第一八号として、同日公布、施行された。(別紙一)また、同法の施行に伴い、労働保険特別会計法施行令(昭和四七年政令一一八号)が同日公布、施行された。(別紙二)
労働保険特別会計は、去る四月一日から施行された「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」による労災保険及び失業保険の適用徴収一元化に伴い、労働保険料収入等については両保険につき不可分一体の収入、支出の経理を行なう必要があるため、従来の労災保険特別会計及び失業保険特別会計を統合して、設置することとしたものである。
今後においては、労災保険事業及び失業保険事業は、労働保険特別会計の経理の対象となるが、貴職におかれては、以上の趣旨と下記事項をご理解のうえ、両保険事業の適正かつ円滑な運営に万全を期せられるよう、命により通達する。
記
第一 労働保険特別会計法及び同法施行令の概要
一 この会計は、労災保険及び失業保険の保険料の徴収一元化に伴い、労災保険事業及び失業保険事業に関する政府の経理を明確にするため、設置するものであり、労働大臣が管理すること。
二 この会計は、労災勘定、失業勘定及び徴収勘定に区分すること。
三 労災勘定の歳入は、徴収勘定からの受入金、一般会計からの受入金、積立金からの受入金、積立金から生ずる収入、借入金及び附属雑収入とし、歳出は、労災保険事業の保険給付費、同事業の保険施設費、労働福祉事業団への出資金及び交付金、徴収勘定への繰入金、借入金の償還金及び利子、一時借入金の利子、労災保険事業の業務取扱費(徴収勘定の歳出とされる業務取扱費を除く。)その他の諸費とすること。
四 失業勘定の歳入は、徴収勘定からの受入金、一般会計からの受入金、積立金からの受入金、積立金から生ずる収入、借入金及び附属雑収入とし、歳出は、失業保険事業の保険給付費、同事業の保険施設費、雇用促進事業団への出資金及び交付金、徴収勘定への繰入金、借入金の償還金及び利子、一時借入金の利子、失業保険事業の業務取扱費(徴収勘定の歳出とされる業務取扱費を除く。)その他の諸費とすること。
五 徴収勘定の歳入は、労働保険料(労災保険の特別保険料及び失業保険の特別保険料を含む。以下同じ。)、郵政事業特別会計からの受入金、労災勘定及び失業勘定からの受入金並びに附属雑収入とし、歳出は、労災勘定及び失業勘定への繰入金、労働保険料の返還金並びに労働保険料の徴収及び労働保険事務組合に関する事務に係る業務取扱費その他の諸費とすること。
六 毎会計年度、徴収勘定から労災勘定に繰り入れる金額は、①一般保険料の額のうち労災保険率に応ずる部分の額、②第一種特別加入保険料の額、③第二種特別加入保険料の額及び④労災保険の特別保険料の額並びに⑤追徴金及び延滞金の額のうち労災保険に係る部分の額並びに⑥追徴金及び延滞金以外の附属雑収入の額のうち労働大臣が大蔵大臣に協議して定める額の合計額とし、徴収勘定から失業勘定に繰り入れる金額は、①一般保険料の額のうち一、〇〇〇分の一三の率に応ずる部分の額、②通貨により納付する印紙保険料の額、③失業保険の特別保険料の額及び④郵政事業特別会計からの受入金の額並びに⑤附属雑収入の額から上記の合計額(徴収勘定から労災勘定に繰り入れる額)を控除した額とすること。
七 毎会計年度労災勘定から徴収勘定へ繰り入れる金額は、同勘定の歳出に係る労働保険料の返還金の額のうち労災保険に係る部分の額及び同勘定の歳出に係る業務取扱費等の額のうち労働大臣が大蔵大臣に協議して定める額の合計額とし、失業勘定から徴収勘定へ繰り入れる金額は、同勘定の歳出に係る労働保険料の返還金、業務取扱費等の額から上記の合計額(労災勘定から徴収勘定へ繰り入れる額)を控除した額とすること。
八 その他①歳入歳出予定計算書、②予算及び決算の作成及び提出、③歳入歳出決定計算書、④借入金の借入れ、⑤一時借入金の借入れ等、⑥積立金の繰替使用、⑦資金の前渡、⑧年金給付支払事務等、⑨収納未済歳入額の繰越し、⑩決算上の剰余金の処理、⑪積立金の歳入への繰入れ、⑫国庫負担金の過不足の調整、⑬積立金の運用、⑭余裕金の預託、⑮支出未済額の繰越し、⑯労働省及び支出官の帳簿、⑰歳入簿等の登記等この会計の経理に関し必要な事項について定めていること。
九 労働者災害補償保険特別会計法及び失業保険特別会計法並びに労働者災害補償保険特別会計法施行令及び失業保険特別会計法施行令を廃止すること。
一〇 労災保険特別会計及び失業保険特別会計の昭和四六年度の収入及び支出並びに同年度以前の決算については、なお従前の例によること。
一一 暫定予算期間中に労災保険特別会計又は失業保険特別会計の暫定予算に基づいてした債務の負担又は支出のうち、①保険料返還金及び徴収関係業務取扱費に係るものは、徴収勘定の昭和四七年度の予算に基づいてしたものとみなし、②その他の費用に係るものは、それぞれ労災勘定又は失業勘定の同年度の予算に基づいてしたものとみなすこと。
一二 暫定予算期間中に収納した昭和四七年度の歳入に属する労災保険事業又は失業保険事業に係る収入のうち、①労働保険料、旧労災保険料及び旧失業保険料並びにこれらに係る附属雑収入(以下「保険料等」という。)は、徴収勘定の歳入とみなし、(2)保険料等以外の収入は、それぞれ労災勘定又は失業勘定の歳入とみなすこと。
一三 労災保険特別会計の昭和四六年度の歳出予算の経費の繰越し等については、労災勘定への繰越し等とみなすこと。
一四 失業保険特別会計に所属する積立金相当額は、失業勘定の積立金として積み立てられたものとみなすこと。
一五 労災保険特別会計又は失業保険特別会計に所属する権利義務は、労災勘定、失業勘定、又は徴収勘定に帰属するものとし、各勘定に帰属する権利義務の範囲、帰国の時期等に関しては、労働大臣が大蔵大臣に協議して定めるものとすること。
一六 以上のほか、必要な経過措置を定めるとともに、関係法律及び政令の規定の整備を行なっていること。
第二 その他
一 労働保険特別会計の昭和四七年度の歳入歳出予算は、別紙三のとおりであること。
二 労働保険特別会計法の施行に伴い、本省内部部局及び地方支分部局の所掌事務について、次のとおり一部変更が行なわれたこと。
(一) 本省大臣官房については、四月一日からその所掌事務となった、①労働保険料等の徴収及び②労働保険事務組合の認可その他監督に関する事務のほか、新たに③その他徴収法の施行及び④この会計の徴収勘定の経由に関する事務をつかさどることと定められたこと。
(二) 本省労働基準局については、新たにこの会計の労災勘定の経理に関する事務をつかさどり、また、同職業安定局については、新たにこの会計の失業勘定の経理に関する事務をつかさどることを定められたこと。
(三) 都道府県労働基準局、労働基準監督署及び公共職業安定所については、それぞれの所掌事務として新たに「労働保険の保険料の徴収等に関する法律」及びこれに基づく政・省令の定める事務が加えられたこと。
三 以上のほか、労働保険特別会計に関する経理の取扱い等については、別途通達するところによること。
別紙一及び別紙二(略)