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社会保険労務士法施行に伴う当面の事務処理について
昭和四三年一二月二七日庁文発第一五七四三号
(各都道府県民生主管部(局)長あて社会保険庁長官官房総務課長通知)
社会保険労務士法(以下「法」という。)の施行については、昭和四十三年十二月二日厚生省発社保第一九七号及び労働省発総第二九号をもつて厚生及び労働事務次官から通知されたところであるが、これが施行に伴う都道府県及び都道府県労働基準局における当面の事務処理については、左記により遺憾のないよう取り扱われたい。
なお、このことについては、労働省と協議済であり、労働大臣官房長より都道府県労働基準局長あて別途通知されるので申し添える。
記
第一 共通事項
1 社会保険労務士法施行規則(以下「規則」という。)に基づく各種申請書、特に社会保険労務士免許申請書(以下「免許申請書」という。)の取扱いについては、高額の収入印紙が貼付されていること等からも慎重に行われたいこと。
なお、収入印紙をはつた各種申請書について、申請者から書類の受取書の交付の希望があつたときは、様式第5号の提出票に受領者の印及び受付印を押印したうえ、申請者に交付すること。
2 社会保険労務士免許証(以下「免許証」という。)の交付は、法附則第四項の規定による選考申請の締切り後、これらの事務と併行して行なわれるものであること。
3 各種申請書様式等のうち管理換えするものは、別途通知する予定であること。
4 都道府県及び都道府県労働基準局における文書の保存年限については、別途通知する予定であること。
第二 免許に関する事項
1 免許申請書
(1) 免許申請書の受付
免許申請書は、申請者の住所地の都道府県民生主管部(局)保険課(部)(以下「保険課」という。)又は都道府県労働基準局監督課(以下「監督課」という。)を経由して主務大臣に提出するものであること。
保険課又は監督課は、免許申請書を受付けたときは、すみやかに受付印を押印し、社会保険労務士免許申請書受付簿(様式第1号)に登載したうえ、次の点について点検を行なうものとすること。
ア 一万円に相当する額の収入印紙又は登録免許税法第二十一条に規定する領収書がちよう付されているか、また、収入印紙は消印されていないことを確認すること。
イ 記入洩れがないか。
ウ 弁護士となる資格を有する者にあつては、弁護士会に入会していることを証する書面又は次のいずれか一に該当することを証する書面が添付されているか。
(ア) 司法修習生の修習を終えたこと。
(イ) 最高裁判所の裁判官の職にあつたこと。
(ウ) 司法修習生となる資格を得た後、五年以上簡易裁判所判事、検察官、裁判所調査官、裁判所事務官、法務事務官、司法研修所、裁判所書記官研修所若しくは法務総合研究所の教官、衆議院若しくは参議院の法制局参事又は内閣法制局参事官の職にあつたこと。
(エ) 学校教育法による大学であつて法律学を研究する大学院が設置されている大学及び旧大学令による大学の学部、専攻科又は大学院において、五年以上法律学の教授又は助教授の職にあつたこと。
(オ) 弁護士法第八十一条又は同法第八十二条の規定により弁護士となる資格を有すること。
エ 法附則第二項の規定により免許の申請をしようとする行政書士にあつては、法施行の際引き続き六か月以上行政書士会に入会していることを証する書面が添付されているか。
オ 戸籍抄本が添付されているか。
申請書の受付け点検を終わつたときは、直ちに所定のスタンプ印をもつて収入印紙等を消印すること。
(2) 進達
受付け、点検の終了した免許申請書は、毎月末現在でその月の分をとりまとめ、社会保険労務士免許申請書進達票(様式第2号)を作成し、翌月十日までに、社会保険庁長官官房総務課へ(監督課にあつては、労働大臣官房社会労務士制度管理室へ進達することとなつている。)書留小包をもつて進達すること。この場合、進達票は、免許申請書とは別に書留郵便をもつて送付すること。
第三 選考に関する事項
1 業務の概要
(1) 法附則第四項の選考は、同項第一号から第三号までに掲げる者及び社会保険労務士の選考に関する基準(昭和四十三年厚生・労働省令第一号。以下「告示」という。)第二条に該当する者について、主務大臣が、社会保険労務士となるにふさわしい知識及び能力を有するかどうかについて認定するものであること。選考については、学歴、労働及び社会保険に関する諸法令の施行事務の経験年数等により考査を行なう者と考査を行なわない者に分れること。
(2) 選考は、主務大臣が学識経験者のうちから任命する社会保険労務士選考委員(以下「選考委員」という。)がつかさどるものとされているが、社会保険労務士資格選考申請書(以下「選考申請書」という。)の受付け、考査施行前の準備、選考後の処理等の事務処理手続は、社会保険庁及び労働省が共同して行なうものであること。
(3) 選考申請書の受付け等の業務は、保険課及び監督課が行なうものとすること。
(4) 選考に関する業務を円滑に実施するために、中央に連絡会を設け、両省庁間の意思統一をはかり、事務分担等を協議するものとしていること。
なお、地方においては、保険課、失業保険課及び監督課は、常時密接な連絡を保ち、業務の円滑化を期せられたいこと。
選考に関する業務について、社会保険庁及び労働省並びに保険課及び監督課の関係を図示すれば次のとおりであること。
2 選考申請書の受付事務
(1) 選考申請書の用紙等の交付
申請書には原則として選考申請書の用紙及び社会保険労務士資格選考案内(以下「選考案内」という。)を交付すること。
(2) 選考申請書の受付
選考申請書は、申請者の住所地の保険課又は監督課のいずれかを経由して主務大臣に提出するものであること。したがつて、保険課又は監督課においては、管内に居住する申請者から書類の提出があつたときは、提出のあつた課において受付けるものとすること。
選考申請書は、受付期間内のもの(郵送による場合は、受付期間内の消印のあるもの)に限り受付けることとし、選考申請書が提出された場合には、すみやかに所定の位置に受付印を押印し、社会保険労務士資格選考申請書受付簿(様式第3号)に登載し、次の点について点検を行なうものとすること。
ア 選考手数料として収入印紙一〇〇〇円がはつてあるか。また、消印されていないことを確認すること。
イ 記入を要する事項に記入漏れがないか。
(ア) 無考査の条件に該当するかどうかについて、1又は2のいずれかに〇印が付されているか。
(イ) 2に〇印を付した者については、考査希望地が記入されているか。
(ウ) (1)から(7)までの欄に所定の事項が記入されているか。
ウ 無考査の条件に該当するかどうかについて、2に〇印を付した者については、社会保険労務士考査票(以下「考査票」という。)が添付されているか。また、本人を識別できる写真がはつてあるか。
選考申請書の受付け、点検を終わつたときは、直ちに所定のスタンプ印をもつて収入印紙に消印すること。
(3) 選考資格の審査
ア 書類審査の方法
選考資格の書類審査は、申請者の学歴、労働社会保険諸法令の事務を業として行なつた期間等が選考の基準に該当するかどうか、また、選考の基準に該当するかどうか、また、選考の基準に該当する者については、考査又は無考査のいずれかに該当する者であるかどうかを書類により審査するものであること。なお、審査にあたつては、選考申請書に※印を付した処理欄を設けたので利用されたいこと。
この場合において、次のイの(ア)又は(イ)のいずれに該当するかどうかについて疑義のあるもの及び特に判断を要する事例については照会するか又はその旨を付して進達することとすること。
なお、労働社会保険関係事務を業としているかどうかの判断については、後述するエの(ア)の(6)の事実認定書等によつて総合的に判断すること。
イ 選考資格者
選考の資格を有する者は、法附則第四項第一号から第三号までに掲げる者及び告示第二条第一号から第八号までに掲げる者であること。
(ア) 無考査該当者
選考資格者のうち、認定を行なうにあたつて考査を行なわない者は、告示第三条第一号から第六号までに該当する者であること。
(イ) 考査該当者
選考資格者のうち、認定を行なうにあたつて考査を行なう者は、前記(ア)に該当する者以外の者であること。
ウ 無考査から考査へ変更したものの取扱い
選考申請書に無考査に該当する旨表示したものについて、審査の結果考査を要すると認められたるときは、申請者にその旨通知し、考査票を提出させることとなること。
エ 選考資格証明
規則附則第三項の規定により選考申請書に添付する「法附則第四項各号の一に該当することを明らかにすることができる書面」は、次の(ア)及び(イ)に掲げる書面とすること。この場合において、選考の対象となる事項及び期間についての証明書が添付されていれば足りること。
(ア) 履歴証明
労働社会保険基本法令の施行事務、若しくは実施事務、労働社会保険諸法令の施行事務若しくは実施事務又は労働社会保険関係事務の区分ごとに従事した期間を明らかにした書面とし、その書面は次のいずれかによること。
(1) 厚生省及び労働省関係の公務員であつた期間については、別途通知する証明書
(2) 厚生省及び労働省関係以外の公務員であつた期間については、その者にかかる当該任命権者の証明書
(3) 労働社会保険関係法人の常勤役員及び従業者であつた期間については、その法人の代表者又はこれに代るべき者の証明書
(4) 会社その他の法人(労働組合を除く。)の労務担当役員又は会社その他の法人若しくは事業を営む個人の従業者であつた期間については、その者にかかる事業主又はこれに代るべき者の証明書
(5) 労働組合の専従役員又は職員であつた期間については、その組合の代表者の証明書
(6) 労働社会保険関係事務を業とする者にあつては、社会保険事務所、労働基準監督署又は公共職業安定所の事実認定書、委託事業所との当該契約にかかる三事業所以上の契約書の写し又は税務所官署へ申告した申告書の写しであつて当該事業の内容が明らかにされているもの
(イ) 学歴の証明
選考申請書に添付すべき学歴を証明する書面は、次のいずれかとするものであること。
(1) 卒業証明書若しくは修了証明書又はその写し
(2) 卒業証書の写し
(3) 大学の一般教養科目の学習を終わつたことの証明書又はその写し
(4) 主務官庁の学歴を明らかにする証明書
オ 選考申請書の進達
点検を終つた選考申請書については、無考査の分、考査の分、その他の分に分類し、適宜取まとめたうえ、社会保険労務士資格選考申請書進達票(様式第4号)を添えて、社会保険庁長官官房総務課へ進達するものであること。
なお、書類の進達は書留郵便によるものとすること。
カ 審査事務
進達された選考申請書のうち、誤りがあつたものについては、申請者に照会するとともに、あわせてその旨を保険課に通知するものであること。
キ 考査票の送付等
考査該当者については、考査票を申請者に送付するものであること。
ク 考査の公告
考査に関し必要な事項は、官報において公告するものであること。
3 認定者の決定
(1) 認定者の決定及び発表
選考申請書の書類審査及び考査の結果、社会保険労務士となるにふさわしいと認められる者については選考委員に諮り、正式に決定するものであること。
認定者には、社会保険労務士認定証書を送付するものであること。
(2) 認定者カードの作成
認定者については、選考申請書により社会保険労務士認定者カードを作成するものであること。
(3) 認定の取消し
選考資格の申請又は考査に関し、次のような不正行為があり、これが認定者の発表後に判明したときは、認定を取消し、すでに交付した認定証書を返還させるものであること。
ア 選考申請書に、学歴、職歴等資格に関係のある経歴を偽つて記入し、又は偽つた証明書を添付し申請した場合
イ 考査に関しカンニング、その他の不正を犯した場合
4 秘密事項の取扱いの責任
保険課及び監督課における秘密事項取扱責任者は、それぞれ当該課の長とし、秘密事項に関する資料の取扱いを担当する者を、あらかじめ定めておくものとすること。
第四 その他
以上のほか、左記の事務手続きについては、別途指示するものであること。
1 免許申請書、選考申請書の点検に際し記入誤り又は不備な点のあつたものの処理
2 選考による認定者等が免許の申請書を提出した場合の処理
3 考査実施の具体的な事務処理
4 社会保険労務士業に関する届出書、申請書等の事務処理