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通達:三交替制連続作業における労働時間等に関する疑義について

 

三交替制連続作業における労働時間等に関する疑義について

昭和四二年一二月二七日基収第五六七五号の二

(都道府県労働基準局長あて労働省労働基準局長通達)

 

標記について別紙一のとおり照会があり、これに対し別紙二のとおり回答したので了知されたい。

 

別紙一

坑内労働時間違反の疑義について

昭和四二年一二月二日 長崎基発第八六四号

(労働省労働基準局長あて長崎労働基準局長通達)

石炭鉱業(下請を含む。)における坑内労働時間の取扱いに関し下記のとおり疑義を生じましたので、ご教示下さるようお願いします。

一 当局管内の石炭鉱山〇〇鉱業㈱〇〇砿業所において、別図のとおり各番方八時間労働の三交替制勤務をとり、三番方の所定労働時間が二暦日にわたつている場合、法第三二条及び法第三六条ただし書の「一日」の取扱いについて、当該砿業所では、当日の一番方の所定労働時間の始業時刻から起算した継続二四時間をもつて一日とするとの見解をとつているのであるが、昭和二六年二月二日付け基収第三三七号(時間外割増の対象となる労働時間)昭和二六年九月二六日付け基収第三九六四号、昭和三三年二月一三日付け基発第九〇号(一勤務が二日にわたる場合の年次有給休暇)昭和三九年五月三〇日付け基収第九六八五号(常夜勤勤務者の労働日)昭和四一年二月二日付け四〇基収第七七八一号(交替制勤務における番方交替日の年次有給休暇の日数)等の通達より類推すれば、当該労働者について、それぞれの所定の番方の始業時刻から起算した継続二四時間をもつて一日として取り扱うことが至当と考えられますが、このように解し取り扱つてよろしいか。

したがつて、たとえば一番方の者であれば月曜日の午前七時から火曜日の午前七時までを、三番方であれば月曜日の二三時から火曜日の二三時までを、一日として取扱い、この一日の間に一〇時間以上の坑内労働があるときは法第三六条ただし書の違反であると解する。

二 当該砿業所の休日は、原則として日曜日であり、この日をはさんで一週間毎に別図〔例一〕のとおり番方を変更するのであるが、これは昭和二六年一〇月七日付け基収第三九六二号通達(三交替連続作業を行なう事業場における休日の範囲と割増賃金の取扱い)よりみて一、二番方の休日は、暦日による継続二四時間があるので日曜日の〇時より二四時までを休日とし、三番方については日曜日の七時より月曜日の一五時までを休日とみなし取り扱つてさしつかえないと考える。この場合本番として土曜日の三番方に就労した者を〔例二〕のごとく

(一) 日曜日の二番方(一五時~二三時)に出勤させた場合は、土曜日の三番方の始業時刻より起算し二四時間以内であるので法第三六条ただし書の違反である。

(二) 日曜日の二三時から始まる三番方に出勤させた場合は、休日出勤であるから法第三六条ただし書の範囲内である限り違反とはならない。

と解してよろしいか。

三 当該砿業所において法第三二条第二項による変型労働時間制が採用され、就業規則にも四週間を平均し一週間の労働時間が四八時間をこえないとの定めがなされている場合各番方の交替は原則として休日をもつて行なうがこれ以外臨時に必要があるときは事前に労働者にその旨を明示して休日以外の日に番方を変更できる旨の定めが就業規則にあり、これによつて一番方の所定労働時間の勤務を終了したものを別図〔例三〕のとおり同日の三番方に就労させているときは、昭和二二年一一月二一日付け基発第三六六号通達によつて法第三六条ただし書違反とはならないとも解されるが、臨時又は随時に使用者の都合により労働時間を変更することは「特定の日」とは認められないので法第三六条ただし書違反として取り扱つてよろしいか。

四 炭鉱において、〔例四〕のとおり午前〇時より二四時までの間に、法第三二条第一項による各番方八時間労働の三交替制勤務を採用した場合、このときの一日は暦日によつているのでたとえば所定労働時間が三番方(〇時~八時)勤務の者をその後同日の二番(一六時~二四時)に就労させたときは法第三六条ただし書の違反となるが一番方(八時~一六時)の所定労働時間の勤務を終了したものを三番方に就労させても違反とはならないとも解せられるが記一の場合と比して不合理を生ずるので、かかる暦日による八時間労働三交替制勤務の場合も、それぞれの労働者の所定始業時刻より起算して継続した二四時間をもつて一日として取り扱つてよろしいか。

 

〔別図〕石炭鉱山における労働時間態様図

 

別紙二

三交替制連続作業における労働時間等に関する疑義について

昭和四二年一二月二七日 基収第五六七五号

(長崎労働基準局長あて労働省労働基準局長通達)

昭和四二年一二月二日付け長崎基発第八六四号「坑内労働時間違反の疑義について」をもつて照会のあつた件については、下記のとおり回答する。

一 労働基準法(以下「法」という。)第三二条第一項の「一日」とは、原則として、午前零時から午後一二時までのいわゆる「暦日」をいうが、設問の場合におけるがごとき二暦日にわたる一勤務については、継続勤務はたとえ暦日を異にする場合でも一勤務として取り扱うべきであるから、始業時刻の属する日の労働として、当該日の「一日」の労働と解する。

したがつて、この「一日」のうちに、一〇時間をこえて坑内労働が行なわれた場合には、法第三二条第二項の規定による場合でない限り、法第三六条ただし書に違反する。

図示すれば次のとおりである。

図

二 三交替制連続作業を行なう事業場における休日の取扱いについては、昭和二三年一〇月一四日付け基発第一五〇七号通達、昭和二六年二月二六日付け基収第三七五七号通達及び昭和二六年一〇月七日付け基収第三九六二号通達をもつて示しているとおり継続二四時間の休息をいい、この時間中における労働は、すべて休日労働として取り扱われたい。

なお、休日における法第三六条ただし書の適用については、昭和二四年一〇月四日付け基収第一四八四号通達を参照されたい。

三 番方転換を行なう場合の事由を就業規則に規定し、その規定によつて労働者に事前にその旨を明示して番方転換を行なつた場合には、これにより四週間を平均し一週間の労働時間が四八時間をこえない限り法第三二条違反ではない(昭和二六年二月二日付け基収第三三七号通達記の五参照)。

このような方法によらず、欠勤者の代勤等のため使用者が任意に労働時間を変更するがごとき場合には、法第三二条第二項は適用されない。

四 三交替制連続作業の場合であつても、設問のごとく同一暦日内において始業し、終業する勤務については、原則どおり午前零時から午後一二時までの暦日をもつて「一日」と解する。

なお、この場合においても、二番方の勤務が延長され終業時刻が翌日に及んだようなときには、記一のとおりである。