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短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(短時間労働援助センター関係)の施行について
平成6年4月1日基発第194号・婦発第92号・職発第197号・能発第71号
(各都道府県知事、各都道府県労働基準局長、各都道府県婦人少年室長、雇用促進事業団理事長あて労働省労働基準局長、労働省婦人局長、労働省職業安定局長、労働省職業能力開発局長通達)
短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(平成五年法律第七六号。以下「法」という。)については、「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律の施行について」(平成五年一二月一日労働省発婦第二一号)により、労働事務次官より貴職あてその趣旨を通達されたところであるが、法のうち短時間労働援助センターに関する部分は本日から施行され、「短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律施行規則の一部を改正する省令」(平成六年労働省令第一九号)が平成六年三月三〇日に公布されたところである。
その内容の概要は、左記のとおりであるので、その円滑な実施を図るよう配慮されたい。
なお、短時間労働援助センターにおいて支給する給付金に関する省令については、平成六年度の本予算成立に合わせて公布、施行される予定であり、その詳細については追って通達する。
記
1 指定等
(1) 趣旨
短時間労働を魅力ある良好な就業形態として確立し、短時間労働者がその能力を有効に発揮できるようにするためには、短時間労働者の様々な特性に沿った適正な労働条件の確保及び教育訓練の実施、福利厚生の充実その他の雇用管理の改善(以下「雇用管理の改善等」という。)を図るとともに、短時間労働者が抱える家庭生活上の制約等に係る諸問題を解消する必要がある。
この場合に、企業の人事方針、賃金体系、営業・操業体制等企業の経営全般に関わる事項や企業の多様な管理の実態を踏まえた個別具体的な対応が必要な事項などについては、国よりも短時間労働者の雇用管理の改善等に関する専門的知識、経験を有する民間団体が当事者に近い立場から専門的、弾力的にきめ細かく対応することが効果的であり、また、家事、育児、介護等家庭生活上の制約等をめぐる諸問題の解決については、行政機関の処理になじみにくい問題もあり、これらも国よりも家庭生活と職業生活の調和を図るために必要な各種情報を十分把握している民間団体によるきめ細かな対応になじむものである。
さらに、短時間労働に関する相談窓口としては、労働基準監督署、都道府県婦人少年室、公共職業安定所、パートバンク等様々な行政機関が存在するところであり、それぞれの所掌事務に応じて相談業務を行っているところであるが、労働者や事業主としてもどの機関に相談に行けばよいかわかりにくいといった問題も指摘されているところであり、短時間労働に関する問題について総合的に扱う相談窓口を設けることがその便宜にも資するものである。
このため、以上のような業務を行うことを目的とした民間団体を短時間労働援助センターとして指定し、相談その他の援助、給付金の支給等の業務を行わせることとしたものであること。
(2) 組織
短時間労働援助センターは、短時間労働者を雇用する事業主又はその事業主の団体に対する給付金の支給など短時間労働者の雇用管理の改善等の援助を行うための業務を行うこととしており、これらの実施に当たっては、国の行政施策との斉一性を保ちつつ、全国一律の基準で適正かつ確実に行われる必要があることから、全国に一つに限ることとしたものであり、その地方組織を活用して業務の運営を行わせることを予定しているものであること。
(3) 具体的指定
短時間労働援助センターは、法第一三条の規定に基づき、本日付けで(財)二一世紀職業財団を指定したところであること。
なお、短時間労働援助センターに指定した法人の名称、住所及び事務所の所在地が官報に掲載されるものであること。
2 業務
(1) 短時間労働援助センターは、次に掲げる業務を行うものであること。
イ 短時間労働者の職業生活に関する調査研究を行うこと。
ロ 事業主その他の関係者に対して、短時間労働者の雇用管理の改善等に関する講習等を行うこと。
ハ 短時間労働者の職業生活に関する情報及び資料を総合的に収集し、並びに短時間労働者、専業主その他の関係者に対して提供すること。
ニ (2)の業務を行うこと。
ホ イ~ニのほか、短時間労働者の雇用管理の改善等の援助を行うための業務その他短時間労働者の福祉の増進を図るために必要な業務を行うこと。
(2) 労働大臣は、短時間労働援助センターに労働者災害補償保険法第二三条の労働福祉事業又は雇用保険法第六四条の雇用福祉事業のうち次のいずれかに該当するものに係る業務の全部又は一部を行わせるものとすること。
イ 短時間労働者を雇用する事業主又はその事業主の団体に対して支給する給付金であって、労働省令で定めるものを支給すること。
ロ 短時間労働者の雇用管理の改善等に関する技術的事項について、事業主その他の関係者に対して相談その他の援助を行うこと。
ハ 短時間労働者に対して、その職業生活に関する事項について、相談その他の援助を行うこと。
ニ 短時間雇用管理者その他短時間労働者の雇用管理の改善等に関する事項を管理する者に対する研修を行うこと。
ホ イ~ニのほか、短時間労働者の雇用管理の改善等を促進するために必要な事業その他短時間労働者の福祉を増進するために必要な事業を行うこと。
なお、本日付けで(2)の業務のうちロ及びハの業務を短時間労働援助センターに行わせることとされたところであり、当該業務の種類、当該業務を開始する日及び当該業務を行う事務所の所在地が官報に掲載されるものであること。
3 業務規程の認可等
短時間労働援助センターは、業務の実施において、公益性及び非営利性が十分に確保される必要があることから、業務規程、事業計画書及び収支予算書等について労働大臣の認可を受けなければならないことその他所要の規定が設けられていること。
4 報告
短時間労働援助センターは、前記2の(2)のイの給付金業務を行う場合においては、給付が適正に行われる必要があるため、当該業務に関し必要があると認めるときは、事業主に対し、必要な事項について報告を求めることができること。
5 短時間労働援助センターに対する監督命令等
(1) 労働大臣は、短時間労働援助センターの業務の適正な運営を確保するために必要な限度において、当該業務若しくは資産の状況に関し必要な報告をさせ、又は所属の職員に、短時間労働援助センターの事務所に立ち入り、業務の状況若しくは帳簿、書類その他の物件を検査させることができること。
(2) 労働大臣は、短時間労働援助センターに対し、その業務に関し監督上必要な命令をすることができるとともに、必要な場合には、指定を取り消し、又は期間を定めて業務の全部又は一部の停止を命ずることができること。
6 短時間労働援助センターの地方事務所との連携等
(1) 短時間労働援助センターは、各都道府県に地方事務所を設けることとしているところであるが、短時間労働者の雇用管理の改善等の促進を図るため、労働基準監督機関、都道府県婦人少年室、職業安定機関、職業能力開発機関及び雇用促進センターは、短時間労働援助センター地方事務所との連携に留意しつつ、従来から実施している業務の円滑な実施に配意すること。
(2) また、短時間労働援助センターの事業が効果的かつ適正に実施されるようにするため、短時間労働援助センターの事業について事業主、短時間労働者その他の関係者に対して周知等を積極的に行うとともに、行政機関が啓発、指導を行うに際しては、短時間労働援助センターの利用促進に努めること。