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通達:作業環境測定基準及び第三管理区分に区分された場所に係る有機溶剤等の濃度の測定の方法等の一部を改正する告示について

 

作業環境測定基準及び第三管理区分に区分された場所に係る有機溶剤等の濃度の測定の方法等の一部を改正する告示について

令和5年4月17日基発0417第4号

(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長通知)

 

作業環境測定基準及び第三管理区分に区分された場所に係る有機溶剤等の濃度の測定の方法等の一部を改正する告示(令和5年厚生労働省告示第174号。以下「改正告示」という。)については、令和5年4月17日に告示され、令和5年10月1日(一部は令和6年4月1日)から適用することとされたところである。その改正の趣旨、内容等については、下記のとおりであるので、関係者への周知徹底を図るとともに、その運用に遺漏なきを期されたい。

 

第1 改正の趣旨及び概要

1 改正の趣旨

作業環境測定法(昭和50年法律第28号)第2条第3号に規定する指定作業場において作業環境測定を行う際のデザイン及びサンプリングとして、作業環境測定法施行規則の一部を改正する省令(令和2年厚生労働省令第8号)の施行により、令和3年4月から、当該作業場において作業に従事する労働者の身体に装着する試料採取機器等を用いて行う作業環境測定に係るデザイン及びサンプリング(以下「個人サンプリング法」という。)を選択的に導入することが可能とされているところである。

今般、現状の測定技術等を踏まえ、個人サンプリング法の対象物質等を追加するため、作業環境測定基準(昭和51年労働省告示第46号。以下「測定基準」という。)及び第三管理区分に区分された場所に係る有機溶剤等の濃度の測定の方法等(令和4年厚生労働省告示第341号。以下「第三管理区分告示」という。)について所要の改正を行ったものである。

2 改正告示の概要

(1) 測定基準関係

既に規定している個人サンプリング法の対象物質等に以下の物質等を追加したものであること。

ア 粉じん(遊離けい酸の含有率が極めて高いものを除く。)

イ 特定化学物質のうち、アクリロニトリル等15物質

ウ 有機溶剤等(塗装作業等有機溶剤等の発散源の場所が一定しない作業が行われる単位作業場所において行われるものに限定する取扱いを廃止し、全ての作業に対象を拡大するもの。)

(2) 第三管理区分告示関係

(1)の個人サンプリング法の対象物質等の追加に伴い、所要の改正を行ったものであること。

3 適用日

令和5年10月1日(ただし、2(2)については令和6年4月1日)

 

第2 細部事項

1 測定基準関係

(1) 粉じん濃度測定関係(第2条関係)

ア 測定基準第2条第4項中の「粉じん(遊離けい酸の含有率が極めて高いものを除く。)」の趣旨は、遊離けい酸含有率が極めて高いために管理濃度が極めて低くなり、各作業環境測定機関等で保有する天秤等の測定精度等によっては、管理濃度の10分の1の濃度を測定できない場合が想定されるためであること。このため、「遊離けい酸の含有率が極めて高いもの」については、各作業環境測定機関等において、当該機関等で使用する天秤等の測定精度等を踏まえて、判断する必要があること。

イ 測定基準第2条第1項第4号ロに定める相対濃度指示方法については、個人サンプリング法においても適用されるが、その測定時間については、同条第4項で読み替えて準用される測定基準第10条第5項第3号に定めるところによること。

(2) 特定化学物質濃度測定関係(第10条関係)

本改正で個人サンプリング法の対象として追加された15物質のうち、3物質(オーラミン、パラ―ジメチルアミノアゾベンゼン、マゼンタ)は管理濃度が定められていないため、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第65条の2に基づく作業環境測定の結果の評価等を行う必要はないものの、発がん性等の観点から特別管理物質として指定されているものであることから、特定化学物質障害予防規則(昭和47年労働省令第39号)に基づく特別の管理が必要であること。

2 第三管理区分告示関係

第三管理区分告示の改正は、測定基準の改正により追加された個人サンプリング法の対象物質等のうち、管理濃度が定められている特定化学物質(12物質)等を第三管理区分告示における個人サンプリング法の対象物質等に追加する趣旨であること。なお、管理濃度が定められていない3物質(オーラミン、パラ―ジメチルアミノアゾベンゼン、マゼンタ)については、1(2)のとおり測定結果の評価を行う必要がないことから、第三管理区分告示の対象物質とならないため、除外している趣旨であること。