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通達:地下駐車場等に使用される二酸化炭素消火設備の点検作業等における労働災害の防止について

 

地下駐車場等に使用される二酸化炭素消火設備の点検作業等における労働災害の防止について

令和3年4月16日基安労発0416第1号

(都道府県労働局労働基準部長あて厚生労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課長通知)

 

令和3年4月15日に東京都新宿区のマンションの地下駐車場において、二酸化炭素を消火剤とする不活性ガス消火設備(以下「二酸化炭素消火設備」という。)から二酸化炭素が放出され、地下駐車場内に充満したことにより、死亡者4名を含む6名が被災する災害が発生したところである。

本件災害の発生原因については調査中であり、現時点では明らかとなっていないが、昨年12月には愛知県名古屋市、本年1月には東京都港区においても同種の労働災害が発生しているところであり、類似の二酸化炭素消火設備が設置された建築物における同種災害の防止を図る必要がある。

このような状況を踏まえ、令和3年4月15日付けにて消防庁予防課長から各都道府県消防防災主幹部長及び東京消防庁・各指定都市消防長あて別添1のとおり注意喚起がなされたところであるが、二酸化炭素消火設備の点検作業等に伴う労働災害の防止に当たっては、適切な安全衛生管理体制のもと、想定されるリスクに応じた対策を講ずることが必要であることから、点検作業等に関係する者が留意すべき事項を下記のとおり定めたので、別添1に加え、下記に留意の上、二酸化炭素消火設備の点検作業等における労働災害防止に万全を期すよう、管内の関係団体及び事業者に対する周知に遺漏なきを期されたい。

なお、関係業界団体に対しては、本日付で別添2により要請を行っているので了知されたい。

 

1 二酸化炭素消火設備の点検に当たっての基本的な考え方

マンションの地下駐車場等の消火設備として使用される二酸化炭素消火設備については、火災が発生した区域をシャッター等により外気と遮断し、短時間で内部を二酸化炭素等の不活性ガス(以下「二酸化炭素等」という。)で充満させることにより、火災の消火を図ることを目的としているため、一般に二酸化炭素等が高圧な状態で使用されている。

このため、点検作業等の際の誤作動や誤操作により、二酸化炭素等が放出された場合、高濃度の二酸化炭素には毒性(麻酔性)があるほか、作業場所の酸素濃度が急激に低下するおそれがあるため、点検作業時の有資格者の立会や二酸化炭素消火設備の適切な取扱いなど、消防関係法令等に基づく措置に加え、以下に掲げる事項に留意の上、適切な安全衛生管理体制のもと、定められた手順に沿った作業を実施することが重要である。

2 関係事業者等の責務

(1) 共通事項

ア 二酸化炭素消火設備の点検作業等の発注者となる駐車場等の施設管理者、点検作業等を請け負う元方事業者、点検作業等を直接担当する関係請負人それぞれが役割に応じ、労働安全衛生関係法令を遵守するとともに、作業に応じた具体的な労働災害防止措置、緊急事態発生時の適切な対応等を行うこと。

イ 一般に二酸化炭素消火設備の点検作業等は作業期間が短期間であることから、発注者(施設管理者)、元方事業者及び各関係請負人それぞれの役割を明確にするとともに、作業の目的、内容、手順等を作業に当たる者に予め十分理解させた上で作業を行わせること。

(2) 発注者(施設管理者)が実施すべき事項

ア 点検作業等の対象施設や設備の構造、取扱上の留意点に関する情報について、下記3により元方事業者に対して共有すること。

イ 発注に当たっては、安全で衛生的な作業の遂行を損なうおそれのある条件を付さないよう配慮すること。

(3) 元方事業者が実施すべき事項

ア 労働災害防止上必要な安全衛生管理体制の確保や労働者の負傷や健康障害を防止するために必要な措置の実施など、労働災害を防止するための事業者責任を全うする能力を有する事業者に仕事を請け負わせること。

イ 発注者(施設管理者)から提供を受けた上記(2)アの情報について、下記3により関係請負人に漏れなく共有すること。

ウ 上記イの情報等を踏まえ、点検作業等において想定される労働災害を防止するための措置も含めた作業計画を策定し、当該作業計画に基づき作業を行うこと。一般に点検作業等は作業期間が短期間であることから、作業計画の策定に当たっては、必要に応じ、関係請負人と役割分担のもと行うこと。

エ 作業開始前の打合せ等の場を活用し、関係請負人との間及び関係請負人相互間における作業間の連絡・調整を確実に行うこと。

オ 点検作業等を実施する作業場所において、作業を統括する者を選任し、上記エの連絡・調整を行わせること。

カ 発注者(施設管理者)と連携の上、点検作業中に二酸化炭素消火設備又はその付近に関係者以外の者が立ち入ることがないような措置を講ずること。

キ 仕事の一部を他の事業者に請け負わせる場合には、安全で衛生的な作業の遂行を損なうおそれのある条件を付さないように配慮すること。

(4) 関係請負人が実施すべき事項

ア 上記(3)イにより共有された情報等を踏まえ、必要に応じ、元方事業者と役割分担のもと、点検作業等において想定される労働災害を防止するための措置も含めた作業計画を策定するとともに、具体的な作業手順を定め、当該作業計画や作業手順に基づき作業を行うこと。

イ 元方事業者による作業間の連絡・調整の措置のうち、当該請負人に関する事項について、関係者に周知させ、これを確実に実施すること。

ウ 点検作業等を実施する作業場所において、作業を統括する者との連絡・調整を担当する者を選任し、上記イの連絡・調整を行わせること。

エ 請け負った仕事の一部を他の事業者に請け負わせる場合には、上記(3)アに留意の上、安全で衛生的な作業の遂行を損なうおそれのある条件を付さないように配慮するとともに、上記(3)イの情報について下記3により、仕事を請け負わせた関係請負人に漏れなく共有すること。

3 作業を安全に実施するための必要な情報の共有

(1) 安全衛生教育や作業開始前のミーティングなどの機会を捉え、二酸化炭素の人体に対する危険性や二酸化炭素消火設備の適正な取扱方法、作業手順、緊急事態発生時の避難方法など、点検作業等の実施に当たって必要な情報を関係事業者及びその労働者に周知しておくこと。

(2) 点検作業等の対象施設や設備の構造、取扱上の留意点に関する情報について、作業依頼書や作業指示書等に明示するなどにより、関係請負人の作業者まで漏れなく共有すること。

4 点検作業等の際の連絡方法の確立

一般に二酸化炭素消火設備は、消火装置の操作を行う場所と二酸化炭素等の容器が設置されている場所が離れている場合が多いため、点検作業及び点検後の動作確認を安全に実施することができるような連絡方法を確立の上、作業に当たる者に周知しておくこと。

5 緊急時の対応

二酸化炭素消火設備の誤作動や点検作業中の誤操作等により、二酸化炭素等が放出された場合の対応(避難経路、救護方法、保護具、救急連絡体制等)について、予め関係者が協議の上定め、点検作業等に当たる者に周知しておくこと。

 

[別添1]

○東京都新宿区における二酸化炭素消火設備の放出事故を受けた注意喚起について

令和3年4月15日消防予第187号

(各都道府県消防防災主管部長、東京消防庁・各指定都市消防長あて消防庁予防課長通知)

本日、東京都新宿区において、二酸化炭素を消火剤とする不活性ガス消火設備(以下「二酸化炭素消火設備」という。)から何らかの理由で二酸化炭素が放出され、死者4名、負傷者2名を出す事故が発生しました。これまで、消防庁においては、昨年12月の愛知県名古屋市や本年1月の東京都港区における二酸化炭素消火設備の放出事故の発生を踏まえ、「二酸化炭素消火設備の放出事故の発生について」(令和2年12月23日付け消防予第410号。以下「410号通知」という。別添1参照)及び「東京都港区における二酸化炭素消火設備の放出事故の発生について」(令和3年1月28日付け消防予第22号。以下「22号通知」という。別添2参照)により安全対策の徹底をお願いしているところです。

本日の事故の原因については、関係機関による調査が行われており、現時点では明らかとなっていませんが、類似の事故発生を防止するための当面の対応として、410号通知及び22号通知の内容のほか、下記の事項について、建物関係者に対し、注意喚起を行っていただくようお願いします。

各都道府県消防防災主管課におかれましては、貴都道府県内の各市町村(消防の事務を処理する一部事務組合等を含む。)に対し、この旨周知していただけますようお願いします。

なお、このことについては、一般財団法人日本消防設備安全センター、一般社団法人日本消火装置工業会及び公益社団法人立体駐車場工業会に対し、それぞれ別添3、別添4及び別添5のとおり通知していることを申し添えます。

1 二酸化炭素消火設備が設けられている付近で工事等が行われる場合は、誤作動や誤放出(以下「誤作動等」という。)を防止するため、第三類の消防設備士又は二酸化炭素消火設備を熟知した第一種の消防設備点検資格者が立ち会って監督を行うことにより、必要な安全対策の管理がなされる体制を確保すること。

2 二酸化炭素消火設備が設けられている付近で工事等を開始する際は、その都度、当該工事等の従事者に対し、消火剤が放出されないよう閉止弁を閉止する等の措置を講じた上でなければ当該工事等を開始しないなど、必要な安全対策の内容について説明し、当該安全対策の確実な履行を徹底すること。

[別添1]

○二酸化炭素消火設備の放出事故の発生について

令和2年12月23日消防予第410号

(各都道府県消防防災主管部長、東京消防庁・各指定都市消防長あて消防庁予防課長通知)

令和2年12月22日、愛知県名古屋市内の立体駐車場において、二酸化炭素を消火剤とする不活性ガス消火設備(以下「二酸化炭素消火設備」という。)が誤操作により放出され、死者1名、負傷者10名を出す事故が発生しました。

これまで消防庁においては、「ハロゲン化物消火設備・機器の使用抑制等について」(平成3年8月16日付け消防危第88号・消防予第161号。以下「161号通知」という。)第3により、二酸化炭素消火設備の安全対策について通知するとともに、その充実を図るため、「全域放出方式の二酸化炭素消火設備の安全対策ガイドライン」(以下「ガイドライン」という。)を定め、「全域放出方式の二酸化炭素消火設備の安全対策ガイドラインについて」(平成9年8月19日付け消防予第133号・消防危第85号)により通知しているところです。

今般の事故を踏まえ、二酸化炭素消火設備が設けられている付近で他の設備機器の設置工事、改修工事又はメンテナンスが行われる場合には、誤作動や誤放出を行わせないよう第三類の消防設備士又は二酸化炭素消火設備を熟知した第一種の消防設備点検資格者が立会うこと等、161号通知第3の内容や、ガイドラインで定める安全対策の内容について、建物関係者への啓発の機会を捉えた再周知を図っていただくようお願いします。

各都道府県消防防災主管課におかれましては、貴都道府県内の各市町村(消防の事務を処理する一部事務組合等を含む。)に対し、この旨周知していただけますようお願いします。

なお、このことについては、公益社団法人立体駐車場工業会に対し、別添のとおり通知していることを申し添えます。

[別添2]

○東京都港区における二酸化炭素消火設備の放出事故の発生について

令和3年1月28日消防予第22号

(各都道府県消防防災主管部長、東京消防庁・各指定都市消防長あて消防庁予防課長通知)

先般、愛知県名古屋市において、二酸化炭素を消火剤とする不活性ガス消火設備(以下「二酸化炭素消火設備」という。)が誤操作により放出された事故を踏まえ、「二酸化炭素消火設備の放出事故の発生について」(令和2年12月23日付け消防予第410号(以下「410号通知」という。))により安全対策の再周知を図っていただいているところですが、今般、東京都港区において、二酸化炭素消火設備に係る消防設備点検資格者による点検実施中に二酸化炭素が放出され、死者2名、負傷者1名を出す事故が発生しました。

本事案の原因については、関係機関による調査が行われているところですが、類似の事案発生を防止するための当面の対応として、二酸化炭素消火設備に係る安全対策について、410号通知の内容のほか、下記の事項に留意し、建物関係者、消防設備士及び消防設備点検資格者への再徹底を図っていただくようお願いします。

各都道府県消防防災主管課におかれましては、貴都道府県内の各市町村(消防の事務を処理する一部事務組合等を含む。)に対し、この旨周知していただけますようお願いします。

なお、このことについては、一般財団法人日本消防設備安全センター、一般社団法人日本消火装置工業会及び公益社団法人立体駐車場工業会に対し、それぞれ別添1、別添2及び別添3のとおり通知していることを申し添えます。

1 作業実施前に関係者全員に「ハロゲン化物消火設備・機器の使用抑制等について」(平成3年8月16日付け消防危第88号・消防予第161号)第3に定める安全対策及び「全域放出方式の二酸化炭素消火設備の安全対策ガイドラインについて」(平成9年8月19日付け消防予第133号・消防危第85号)別添のガイドライン(以下「ガイドライン等」という。)に定める内容を再徹底すること。

点検作業の実施にあたっては、これらの内容のほか、「消防用設備等の点検要領の全部改正について」(平成14年6月11日付け消防予第172号)の「第6 不活性ガス消火設備」中に定める二酸化炭素消火設備の点検要領(以下単に「点検要領」という。)について熟知した者が作業を行うことを徹底すること。

2 ガイドライン等や点検要領については、消防法施行令第16条及び消防法施行規則第19条において定める技術基準に適合した二酸化炭素消火設備を想定した内容を規定しているところ、消防法施行令の一部を改正する政令(昭和49年政令252号)及び消防法施行規則の一部を改正する省令(昭和49年自治省令第40号)の施行前から設置されている二酸化炭素消火設備については、その仕様や機器構成等がガイドライン等や点検要領で想定するものと異なる可能性があることから、工事や整備、点検を実施する際には、消火設備メーカー等に次の事項を確認した上で、作業を実施すること。

(1) 作業開始前に措置すべき安全対策の内容

(2) 作業時及び作業実施後の復旧時に留意すべき安全対策の内容

[別添3]

○東京都新宿区における二酸化炭素消火設備の放出事故を受けた注意喚起について

令和3年4月15日消防予第187号

(一般財団法人日本消防設備安全センター理事長あて消防庁予防課長通知)

本日、東京都新宿区において、二酸化炭素を消火剤とする不活性ガス消火設備(以下「二酸化炭素消火設備」という。)から何らかの理由で二酸化炭素が放出され、死者4名、負傷者2名を出す事故が発生しました。これまで、消防庁においては、昨年12月の愛知県名古屋市や本年1月の東京都港区における二酸化炭素消火設備の放出事故の発生を踏まえ、「二酸化炭素消火設備の放出事故の発生について」(令和2年12月23日付け消防予第410号。以下「410号通知」という。別添1参照)及び「東京都港区における二酸化炭素消火設備の放出事故の発生について」(令和3年1月28日付け消防予第22号。以下「22号通知」という。別添2参照)により安全対策の徹底をお願いしているところです。

本日の事故の原因については、関係機関による調査が行われており、現時点では明らかとなっていませんが、類似の事故発生を防止するための当面の対応として、二酸化炭素消火設備が設けられた付近での工事等における安全管理体制の確保等について、各都道府県に対し別添3のとおり通知しているところです。

貴センターにおかれましては、410号通知及び22号通知のほか、別添3記1及び2に示す事項について、各都道府県消防設備協会の会員事業者及び各種講習受講者に対する注意喚起を行っていただくようお願いします。

なお、このことについては、一般社団法人日本消火装置工業会及び公益社団法人立体駐車場工業会に対し、それぞれ別添4、別添5のとおり通知していることを申し添えます。

[別添4]

○東京都新宿区における二酸化炭素消火設備の放出事故を受けた注意喚起について

令和3年4月15日消防予第187号

(一般社団法人日本消火装置工業会会長あて消防庁予防課長通知)

本日、東京都新宿区において、二酸化炭素を消火剤とする不活性ガス消火設備(以下「二酸化炭素消火設備」という。)から何らかの理由で二酸化炭素が放出され、死者4名、負傷者2名を出す事故が発生しました。これまで、消防庁においては、昨年12月の愛知県名古屋市や本年1月の東京都港区における二酸化炭素消火設備の放出事故の発生を踏まえ、「二酸化炭素消火設備の放出事故の発生について」(令和2年12月23日付け消防予第410号。以下「410号通知」という。別添1参照)及び「東京都港区における二酸化炭素消火設備の放出事故の発生について」(令和3年1月28日付け消防予第22号。以下「22号通知」という。別添2参照)により安全対策の徹底をお願いしているところです。

本日の事故の原因については、関係機関による調査が行われており、現時点では明らかとなっていませんが、類似の事故発生を防止するための当面の対応として、二酸化炭素消火設備が設けられた付近での工事等における安全管理体制の確保等について、各都道府県に対し別添3のとおり通知しているところです。

貴工業会におかれましては、410号通知及び22号通知のほか、別添3記1及び2に示す事項について、加盟各社に対する注意喚起を行っていただくようお願いします。

なお、このことについては、一般財団法人日本消防設備安全センター及び公益社団法人立体駐車場工業会に対し、それぞれ別添4、別添5のとおり通知していることを申し添えます。

[別添5]

○東京都新宿区における二酸化炭素消火設備の放出事故を受けた注意喚起について

令和3年4月15日消防予第187号

(公益社団法人立体駐車場工業会会長あて消防庁予防課長通知)

本日、東京都新宿区において、二酸化炭素を消火剤とする不活性ガス消火設備(以下「二酸化炭素消火設備」という。)から何らかの理由で二酸化炭素が放出され、死者4名、負傷者2名を出す事故が発生しました。これまで、消防庁においては、昨年12月の愛知県名古屋市や本年1月の東京都港区における二酸化炭素消火設備の放出事故の発生を踏まえ、「二酸化炭素消火設備の放出事故の発生について」(令和2年12月23日付け消防予第410号。以下「410号通知」という。別添1参照)及び「東京都港区における二酸化炭素消火設備の放出事故の発生について」(令和3年1月28日付け消防予第22号。以下「22号通知」という。別添2参照)により安全対策の徹底をお願いしているところです。

本日の事故の原因については、関係機関による調査が行われており、現時点では明らかとなっていませんが、類似の事故発生を防止するための当面の対応として、二酸化炭素消火設備が設けられた付近での工事等における安全管理体制の確保等について、各都道府県に対し別添3のとおり通知しているところです。

貴工業会におかれましては、410号通知及び22号通知のほか、別添3記1及び2に示す事項について、加盟各社に対する注意喚起を行っていただくようお願いします。

なお、このことについては、一般財団法人日本消防設備安全センター及び一般社団法人日本消火装置工業会に対し、それぞれ別添4、別添5のとおり通知していることを申し添えます。

[別添2]

○地下駐車場等に使用される二酸化炭素消火設備の点検作業等における労働災害の防止について

令和3年4月16日基安労発0416第2号

(別記の関係団体の長あて厚生労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課長通知)

平素から労働安全衛生行政の推進に格別のご理解を賜り感謝申し上げます。

令和3年4月15日に東京都新宿区のマンションの地下駐車場において、二酸化炭素を消火剤とする不活性ガス消火設備(以下「二酸化炭素消火設備」という。)から二酸化炭素が放出され、地下駐車場内に充満したことにより、死亡者4名を含む6名が被災する災害が発生したところでです。

本件災害の発生原因については調査中であり、現時点では明らかとなっていない状況ですが、昨年12月には愛知県名古屋市、本年1月には東京都港区においても同種の労働災害が発生しているところであり、類似の二酸化炭素消火設備が設置された建築物における同種災害の防止を図る必要があります。

このような状況を踏まえ、令和3年4月15日付けにて消防庁予防課長から各都道府県消防防災主幹部長及び東京消防庁・各指定都市消防長あて別添のとおり注意喚起がなされたところですが、二酸化炭素消火設備の点検作業等に伴う労働災害の防止に当たっては、適切な安全衛生管理体制のもと、想定されるリスクに応じた対策を講ずることが必要であることから、点検作業等に関係する者が留意すべき事項を下記のとおり定めたので、別添に加え、下記に留意の上、二酸化炭素消火設備の点検作業等における労働災害防止に万全を期すよう、会員事業場に対する周知に格別のご配慮を賜りますようお願い申し上げます。

1 二酸化炭素消火設備の点検に当たっての基本的な考え方

マンションの地下駐車場等の消火設備として使用される二酸化炭素消火設備については、火災が発生した区域をシャッター等により外気と遮断し、短時間で内部を二酸化炭素等の不活性ガス(以下「二酸化炭素等」という。)で充満させることにより、火災の消火を図ることを目的としているため、一般に二酸化炭素等が高圧な状態で使用されている。

このため、点検作業等の際の誤作動や誤操作により、二酸化炭素等が放出された場合、高濃度の二酸化炭素には毒性(麻酔性)があるほか、作業場所の酸素濃度が急激に低下するおそれがあるため、点検作業時の有資格者の立会や二酸化炭素消火設備の適切な取扱いなど、消防関係法令等に基づく措置に加え、以下に掲げる事項に留意の上、適切な安全衛生管理体制のもと、定められた手順に沿った作業を実施することが重要である。

2 関係事業者等の責務

(1) 共通事項

ア 二酸化炭素消火設備の点検作業等の発注者となる駐車場等の施設管理者、点検作業等を請け負う元方事業者、点検作業等を直接担当する関係請負人それぞれが役割に応じ、労働安全衛生関係法令を遵守するとともに、作業に応じた具体的な労働災害防止措置、緊急事態発生時の適切な対応等を行うこと。

イ 一般に二酸化炭素消火設備の点検作業等は作業期間が短期間であることから、発注者(施設管理者)、元方事業者及び各関係請負人それぞれの役割を明確にするとともに、作業の目的、内容、手順等を作業に当たる者に予め十分理解させた上で作業を行わせること。

(2) 発注者(施設管理者)が実施すべき事項

ア 点検作業等の対象施設や設備の構造、取扱上の留意点に関する情報について、下記3により元方事業者に対して共有すること。

イ 発注に当たっては、安全で衛生的な作業の遂行を損なうおそれのある条件を付さないよう配慮すること。

(3) 元方事業者が実施すべき事項

ア 労働災害防止上必要な安全衛生管理体制の確保や労働者の負傷や健康障害を防止するために必要な措置の実施など、労働災害を防止するための事業者責任を全うする能力を有する事業者に仕事を請け負わせること。

イ 発注者(施設管理者)から提供を受けた上記(2)アの情報について、下記3により関係請負人に漏れなく共有すること。

ウ 上記イの情報等を踏まえ、点検作業等において想定される労働災害を防止するための措置も含めた作業計画を策定し、当該作業計画に基づき作業を行うこと。一般に点検作業等は作業期間が短期間であることから、作業計画の策定に当たっては、必要に応じ、関係請負人と役割分担のもと行うこと。

エ 作業開始前の打合せ等の場を活用し、関係請負人との間及び関係請負人相互間における作業間の連絡・調整を確実に行うこと。

オ 点検作業等を実施する作業場所において、作業を統括する者を選任し、上記エの連絡・調整を行わせること。

カ 発注者(施設管理者)と連携の上、点検作業中に二酸化炭素消火設備又はその付近に関係者以外の者が立ち入ることがないような措置を講ずること。

キ 仕事の一部を他の事業者に請け負わせる場合には、安全で衛生的な作業の遂行を損なうおそれのある条件を付さないように配慮すること。

(4) 関係請負人が実施すべき事項

ア 上記(3)イにより共有された情報等を踏まえ、必要に応じ、元方事業者と役割分担のもと、点検作業等において想定される労働災害を防止するための措置も含めた作業計画を策定するとともに、具体的な作業手順を定め、当該作業計画や作業手順に基づき作業を行うこと。

イ 元方事業者による作業間の連絡・調整の措置のうち、当該請負人に関する事項について、関係者に周知させ、これを確実に実施すること。

ウ 点検作業等を実施する作業場所において、作業を統括する者との連絡・調整を担当する者を選任し、上記イの連絡・調整を行わせること。

エ 請け負った仕事の一部を他の事業者に請け負わせる場合には、上記(3)アに留意の上、安全で衛生的な作業の遂行を損なうおそれのある条件を付さないように配慮するとともに、上記(3)イの情報について下記3により、仕事を請け負わせた関係請負人に漏れなく共有すること。

3 作業を安全に実施するための必要な情報の共有

(1) 安全衛生教育や作業開始前のミーティングなどの機会を捉え、二酸化炭素の人体に対する危険性や二酸化炭素消火設備の適正な取扱方法、作業手順、緊急事態発生時の避難方法など、点検作業等の実施に当たって必要な情報を関係事業者及びその労働者に周知しておくこと。

(2) 点検作業等の対象施設や設備の構造、取扱上の留意点に関する情報について、作業依頼書や作業指示書等に明示するなどにより、関係請負人の作業者まで漏れなく共有すること。

4 点検作業等の際の連絡方法の確立

一般に二酸化炭素消火設備は、消火装置の操作を行う場所と二酸化炭素等の容器が設置されている場所が離れている場合が多いため、点検作業及び点検後の動作確認を安全に実施することができるような連絡方法を確立の上、作業に当たる者に周知しておくこと。

5 緊急時の対応

二酸化炭素消火設備の誤作動や点検作業中の誤操作等により、二酸化炭素等が放出された場合の対応(避難経路、救護方法、保護具、救急連絡体制等)について、予め関係者が協議の上定め、点検作業等に当たる者に周知しておくこと。

(別記の関係団体)

中央労働災害防止協会

建設業労働災害防止協会

一般社団法人日本建設業連合会

一般社団法人全国建設業協会

一般社団法人全国中小建設業協会

一般社団法人建設産業専門団体連合会

建設労務安全研究会

公益社団法人全国ビルメンテナンス協会

一般社団法人全国警備業協会

 

[参考]

地下駐車場等における二酸化炭素消火設備の点検作業等の際の労働災害発生状況について

番号

発生都道府県

発生年月

工事内容

被災者の状況

事案の概要

1

愛知

令和2年12月

ホテル立体駐車場の昇降チェーン、シャフトの取替工事

11人被災

(うち死亡1人重症1人)

ホテル宿泊者用立体駐車場のドライブシャフトの取替工事において、消火設備を操作したところ、噴出した二酸化炭素が立体駐車場及び建物地下1階に充満し、作業員及び建物内にいた施設従業員計11人が被災したもの。

なお、火災の発生は確認されていない。

2

東京

令和3年1月

ビル地下駐車場の消火設備点検

3人被災

(うち死亡2人)

地下2階駐車場のボンベ室で消火設備の点検を行っていたところ、作業手順を誤って、二酸化炭素ボンベから二酸化炭素が噴き出し、点検していた作業員及び同ビルの警備室にいた警備員計3名が被災したもの。

3

東京

令和3年4月

マンション地下駐車場の天井張り替え工事

6人被災

(死亡4人重体1人)

マンション地下駐車場で、誤作動した消火設備から二酸化炭素ガスが噴出し、作業員が一時閉じ込められ、4人が搬送先の病院で死亡、1人が重体となったもの。

なお、火災の発生は確認されていない。

※番号3の災害については調査中であり、記載内容は令和2年4月16日時点で確認されている情報である。