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ボイラー等の開放検査周期に係る認定制度について
令和3年3月29日基発0329第8号
(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長通知)
ボイラー及び第一種圧力容器(以下「ボイラー等」という。)の開放検査(ボイラー(燃焼室を含む。)及び煙道又は第一種圧力容器を冷却し、及び掃除した状態で受ける性能検査をいう。以下同じ。)の周期については、ボイラー及び圧力容器安全規則(昭和47年労働省令第33号)第40条第1項ただし書及び第75条第1項ただし書並びに平成20年3月27日付け基発第0327003号「ボイラー等の開放検査周期に係る認定制度について」に基づき、開放検査周期を最大8年とし、その間は1年ごとに運転時検査(ボイラー等が運転されている状態で行う性能検査をいう。)又は停止時検査(ボイラー等が運転を停止している状態であって、開放時でない状態にある時に行う性能検査をいう。)を実施することを認める開放検査周期認定制度を運用してきたところである。
今般、成長戦略フォローアップ(令和2年7月17日閣議決定)で「労働安全衛生法の規制対象であるボイラーについて、2020年度中に、開放検査周期を最長12年に延長」するとされたことを受け、専門家による検討を実施したものであるが、その検討結果を踏まえ、これまで最大8年としていた開放検査周期について最大12年まで認めることとし、「ボイラー等の開放検査周期認定要領」を別紙のとおり定めたので、下記に留意の上、その適正かつ円滑な運用に遺漏なきを期されたい。
なお、平成20年3月27日付け基発第0327003号は、本通知をもって廃止する。
おって、本件については、別添1により登録性能検査機関に対して、また別添2により関係業界団体に対して、それぞれ通知したので了知されたい。
記
1 本要領は、令和3年3月29日から適用するものとすること。
2 令和3年3月28日の時点において、既に開放検査周期2年、開放検査周期4年、開放検査周期6年又は開放検査周期8年の認定を受け、当該認定の有効期間が存するものについては、その有効期間の満了までは開放検査周期(2年、4年、6年又は8年)の認定が有効なものとして取り扱うものとすること。
別紙
ボイラー等の開放検査周期認定要領
Ⅰ 目的
本要領は、ボイラー及び圧力容器安全規則(昭和47年労働省令第33号。以下「ボイラー則」という。)第40条第1項ただし書及び第75条第1項ただし書の規定に基づく所轄労働基準監督署長の認定(以下「開放検査周期認定」という。)に係る要件、手続等について定めるものである。
Ⅱ 用語の定義
本要領において使用する用語の意義は次のとおりである。
1 ボイラー等 ボイラー(小型ボイラーを除く。)又は第一種圧力容器(小型圧力容器を除く。)をいう。
2 開放時 ボイラー(燃焼室を含む。)及び煙道又は第一種圧力容器を冷却し、掃除した状態にある時をいう。
3 運転時 ボイラー等が運転されている状態にある時をいう。
4 停止時 ボイラー等が運転を停止している状態であって、開放時でない状態にある時をいう。
5 開放検査 開放時に行う性能検査をいう。
6 運転時検査 運転時に行う性能検査をいう。
7 停止時検査 停止時に行う性能検査をいう。
8 開放検査周期 開放検査を受けた年から次に開放検査を受ける年までの期間(年数)をいう。
9 認定の有効期間 開放検査周期認定が有効である期間をいう。
Ⅲ 開放検査周期認定の区分等
1 開放検査周期認定は、開放検査周期を次の(1)から(5)までに区分して行う。
(1) 2年
(2) 4年
(3) 6年
(4) 8年
(5) 12年
2 開放検査周期認定を受けた者については、開放検査周期を認定区分に応じた年数とし、開放検査を受けた年から次に開放検査を受けるべき年までの間に受ける性能検査を運転時検査又は停止時検査によることができる。
3 認定は、認定を受ける者の事業場ごと及び認定区分ごとに行う。
Ⅳ 開放検査周期認定の要件
認定の要件は、認定区分ごとに次の第1から第4までに掲げるものとする。
第1 開放検査周期(2年)に係る認定の要件
1 認定を受けようとする者
認定を受けようとする者は、次の(1)又は(2)を満たすものとすること。
(1) 当該事業場が申請の日以前3年間に次のいずれにも該当していないこと。
ア 1つの事故で3人以上の労働者(当該事業場の構内における他の事業場の労働者を含む。)が業務上死傷又はり病し、うち1人以上の労働者が休業4日以上、身体障害又は死亡に至った災害を起こしたことがあること。ただし、交通事故等であって明らかに当該事業場における安全管理と関係の希薄なものは除く。
イ 爆発、火災、破裂、有害物の大量漏えい等であって、付近住民、事業場等に被害を与えた、住民避難勧告を伴った、著しい環境汚染が生じた等社会的影響が大きいと認められる災害事故を起こしたことがあること。
ウ 労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)第96条第1項第2号又は第3号に規定する事故を起こしたことがあること。
エ ボイラー則等の関係法令が遵守されていないと認められたことがあること。
オ 労働安全衛生関係法令の重大な違反があると認められたことがあること。
(2) 当該事業場が認定の取消し(一部のボイラー等について取消しを受けたものを除く。)を受けたことがある場合にあっては、当該取消しの日から3年(当該取消しに至った原因に労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)の適用を受けるボイラー、第一種圧力容器、第二種圧力容器、小型ボイラー、小型圧力容器、簡易ボイラー又は労働安全衛生法施行令(昭和47年政令第318号)第13条第3項第26号及び第27号に掲げる機械等の爆発、破裂又はこれに準ずる事故(以下「安衛法適用ボイラー等の爆発等」という。)が含まれないものにあっては2年)以上経過し、かつ、認定の申請の日以前3年間(上記(1)アからオまでに該当した原因に安衛法適用ボイラー等の爆発等が含まれないものにあっては2年間)に上記(1)アからオまでのいずれにも該当していないこと。
2 ボイラー等の運転実績
認定を受けようとするボイラー等は、申請の日において運転を開始した日から2年を経過しており、かつ、申請の日前の直近3回(当該ボイラー等が新設されたものである場合にあっては、2回)の性能検査に合格しているものとすること(性能検査の過程において、修繕、取替えその他の措置を必要とする旨の指示(従わない場合に不合格となるものに限る。以下「補修等指示」という。)がされていない場合に限る。以下同じ。)。なお、交換したボイラー等については、交換後のボイラー等が新品であり、交換前のボイラー等と同種同形式で、かつ、材料、性能及び使用条件が同程度であるものについては、交換前後の運転実績を通算することができるものとすること。
3 組織及び安全管理
認定を受けようとする事業場の組織及び管理は、次の(1)及び(2)を満たすものとすること。
(1) 組織
次のアからカまでを満たすこと。
ア 事業場の安全管理に係る組織及び規程が定められており、事業場の最高責任者が安全管理を総括していること。
イ 事業場全体の安全管理を担当する独立した専門の組織(安全課等)があり、その責任者が安全に対する十分な知識及び経験を有すること。
また、ボイラー等の運転管理のための組織(動力課等)及び保全のための組織(保全課等)が確立されていること。
ウ 安全管理、運転管理及び保全管理の各組織間の相互の連絡調整がとれる体制となっていること。
エ 協力会社に保全作業等を委託する場合には、事業場の安全管理、運転管理及び保全管理の各組織との連絡調整がとれる体制となっていること。
オ 事業場の安全委員会等において、ボイラー等の開放検査周期認定を受けることに関して調査審議が行われていること。
カ 一社一工場でない場合は、本社等に事業場の安全管理を総括管理する専門の組織があり、事業場に対する監査等が行われていること。
(2) 安全管理
次のア及びイを満たすこと。
ア ボイラー等設備の新設、改造及び使用条件の変更の際に、事前にその安全性の評価を実施する体制及び手順が整備され、当該評価が実施されていること。
イ ボイラー等の運転、設備に係る社内外の事故情報等が運転管理、保全管理に活用されていること。
4 運転管理
認定を受けようとするボイラー等の運転管理は、次の(1)から(5)までを満たすものとすること。
(1) 運転基準等
次のアからウまでを満たすこと。
ア ボイラー技士等必要な資格者が運転等のために配置されていること。
イ 運転準備、運転開始、通常運転及び運転停止に関する適正な基準が定められ、当該基準に基づいて運転等がされていること。
ウ ボイラーの水管理に関する適正な基準(項目、基準値、分析頻度等)が定められ、当該基準に基づいて水管理が実施され、並びに管理の結果が記録され、及び保存されていること。
(2) 日常点検
ボイラー等の本体、燃焼装置、自動制御装置、付属装置及び付属品等について、点検箇所、点検項目、点検方法、適否の基準等を定めた適正な基準が定められ、当該基準に基づいて点検が実施され、並びに点検の結果が記録され、及び保存されていること。
(3) 緊急時の措置
次のアからウまでを満たすこと。
ア ボイラー等の異常発生時の対処方法(緊急停止を含む。)に関する基準が定められていること。また、異常発生時における事業場内の連絡・指示体制が定められていること。
イ ボイラー等に関する緊急時の措置のうち重要事項については、ボイラー等の操作室、ボイラー設置場所等に掲示することなどにより、周知徹底を図っていること。
ウ ボイラー等の異常発生時の関係機関への連絡のルールが定められていること。
(4) 安全教育
ボイラー等の運転操作(実地訓練を含む。)、事故防止、緊急時の措置等に関する教育訓練について基準が定められ、当該基準に基づいて教育訓練が実施され、並びに結果が記録され、及び保存されていること。
(5) 運転記録
ボイラー等について、次のアからウまでに掲げる記録が整備され、それぞれアからウまでに定める期間保存されていること。
ア 運転の記録(例 運転データ、日誌等) 3年
イ 日常点検の記録 3年
ウ 異常発生及びその際に講じた措置の記録 設置期間中
5 保全管理
認定を受けようとするボイラー等の保全管理は、次の(1)から(4)までを満たすものとすること。
(1) 保全管理基準
ボイラー等の保全管理に関する次のアからオまでに掲げる基準が適正に定められ、これらの基準に基づいて実施されていること。
ア ボイラー等本体の損耗、腐食、き裂の自主検査項目、方法、検査周期等を定めた基準及びそれらの経年変化のデータを定量的に把握し、評価する基準
イ 安全弁、給水ポンプ等の付属装置、付属装置の予備機の自動起動システム及び計装用予備電源の自主検査項目、検査周期等を定めた基準
ウ 安全確保に係る自動制御装置が正常に機能することを確認する基準(ボイラー等の開放時にあっては、少なくとも擬似信号による作動試験を行い、正常に作動することを確認すること。ボイラー等の運転時にあっては、安全上重要なシステムのフェールセーフ化、多重化等の措置がとられている場合に限り、設定値を変化させて作動を確認する試験を行って正常に作動することを確認することで差し支えないものとする。)
エ 自主検査結果及び損耗等の評価結果に基づく修理の基準
オ 予備品の管理の基準
(2) 運転管理部門と協力会社との関係
次のア及びイを満たすこと。
ア 運転管理部門の日常点検結果に基づく保全が確実に実施できる体制となっていること。
イ 協力会社に自主検査・保全作業の一部を委託する場合は、その範囲と責任の所在が明確になっていること。
また、その場合であっても、自主検査結果の評価及び判定は事業場において実施されていること。
(3) 経歴管理
ボイラー等の本体、付属装置及び付属品、自動制御装置(警報装置、インターロックシステムを含む。)について、次のア及びイに掲げる記録が整備され、それぞれア又はイに定める期間保存されていること。
ア 自主検査結果、補修の場合の措置内容及び実施日の記録(本体に係るものを除く。) 5年
イ 本体の補修の措置内容及び実施日の記録 設置期間中
(4) データの活用
各種検査結果、保全データ等を総合的に解析し、解析評価結果を運転管理及び保全管理に有効に活用できる体制が整備されていること。
6 自動制御装置等
認定を受けようとするボイラー等の自動制御装置等が、付表1の「自動制御装置等基準」を満たすものとすること。
第2 開放検査周期(4年)に係る認定の要件
1 ボイラー等の運転実績
(1) 認定を受けようとするボイラー等は、次のアからウまでを満たすものとすること。なお、交換したボイラー等については、交換後のボイラー等が新品であり、交換前のボイラー等と同種同形式で、かつ、材料、性能及び使用条件が同程度であるものについては、交換前後の運転実績を通算することができるものとする。
ア 申請の日において、運転を開始した日から4年を経過していること。
イ 開放検査周期(2年)に係る認定を受けて1回以上それを運用し、その後開放検査を受けた実績があること。
ウ 申請の日において開放検査周期(2年)に係る認定を受けており、かつ、当該認定の有効期間があること。
(2) (1)の規定にかかわらず、次のアからオまでを満たすボイラー等について、Ⅴの第3の2(1)のイにより変更の認定を受けようとする場合は、(1)に掲げる要件を満たすものとみなす。
ア 直近2回の性能検査に合格しており、運転を開始した日から2年を経過していること。
イ 新品であり、既に設置され開放検査周期(4年)に係る認定を受けているボイラー等と同種同形式で、かつ、材料及び性能が同等程度であること。
ウ 既に設置され、開放検査周期(4年)に係る認定を受けているボイラー等と使用条件が同等程度であること。
エ 既に開放検査周期(4年)の運用を行っている安全管理組織及び保全管理組織によって管理されていること。
オ 適切な初期欠陥の確認要領が整備されており、その要領に従って当該ボイラー等の評価が実施され、その結果に異常がないこと。
2 経年損傷の防止対策
認定を受けようとするボイラー等の経年損傷防止対策は、次の(1)から(5)までを満たすものとすること。
(1) ボイラー等の材質について、最高使用温度、圧力、内容物の性状、水管理方法等を勘案した適切な選定の基準が整備され、当該基準に基づいて腐食、磨食及び割れ・劣化(以下「損傷」という。)に対して適正なものであることが確認されていること。
(2) 応力腐食割れ(SCC)、クリープによる割れ、水素割れ、疲労割れ等の割れが生じやすい環境下にあるボイラー等にあっては、割れが生じやすい個所を特定して適切な検査が実施され、割れが発生していないことが確認されていること。
(3) 水素侵食、高温脆化等の劣化が生じやすい環境下にあるボイラー等にあっては、劣化が生じやすい個所を特定して適切な検査が実施され、有害な劣化が発生していないことが確認されていること。
(4) 使用期間が通算して40年以上であり、又は次の開放検査までの間に40年以上となるボイラー等にあっては、主要な耐圧部の応力集中部分及び溶接部並びに疲労割れの発生が懸念される部分を特定して適切な検査が実施され、割れ又は有害な劣化が発生していないことが確認されていること。
(5) 耐圧部に損傷が発生し補修したボイラー等にあっては、開放検査の際に当該補修部に対して適切な検査が実施され、損傷が再発生していないことが確認されていること。ただし、損傷が再発生したものであっても、その原因を調査し、有効な再発防止措置が講じられているときは、この限りでないこと。
3 余寿命の評価
認定を受けようとするボイラー等の余寿命は、次の(1)及び(2)を満たすものとすること。
(1) 腐食・磨食に対する余寿命診断が実施され、構造規格上の最小板厚に対する母材の余寿命が、開放検査後の運転を開始した日又はしようとする日から起算して6年(開放検査後の運転を開始した日又はしようとする日から運転条件等(使用圧力、使用温度、使用流体等をいう。以下同じ。)を変更する場合にあっては、8年)以上あることが確認されていること。ただし、熱交換器のチューブであって、当該チューブから漏えいがあったときに直接当該熱交換器の外部に危険を及ぼすおそれがなく、かつ、当該チューブからの漏えいの検知が可能なものにあっては、この限りでないこと。
なお、耐圧面での著しい腐食を防止するためのグラスライニング等の耐食性被覆処理をしているものにあっては、当該処理の健全性が確認されていること。
(2) クリープ診断等の必要なボイラー等にあっては、クリープ等に対する余寿命診断が実施され、クリープ寿命等に対する余寿命が、開放検査後の運転を開始した日又はしようとする日から起算して8年以上あることが確認されていること。
4 自動制御装置の維持管理
認定を受けようとするボイラー等の自動制御装置の維持管理は、次の(1)から(4)までを満たすものとすること。
(1) 自動制御装置が正常に機能することを確認する適切な基準が整備され、当該基準に基づいて確認が実施されていること。
(2) 開放時において、擬似信号により自動制御装置が正常に機能することが確認され、また、緊急時に使用する遮断弁等は、分解整備又は弁越し漏れ試験を含む機能試験が実施されていること。
(3) 運転時には、自動制御装置が正常に機能することが適切な方法により確認されていること。
(4) 安全上重要なシステムは、フェールセーフの機能を有していること。
5 安全弁の維持管理
認定を受けようとするボイラー等の安全弁の維持管理は、次の(1)及び(2)を満たすものとすること。
(1) 安全弁について適切な整備要領等が作成され、当該要領に基づいて定期的に整備されていること。また、当該整備の記録が保存されていること。
(2) 安全弁に固着、詰まり等を生じさせやすいプロセス流体が特定され、当該流体による固着、詰まり等に対する有効な防止措置が講じられていること。
6 水管理
認定を受けようとするボイラー等の水管理は、次の(1)及び(2)を満たすものとすること。
(1) ボイラー水は、純水が使用されていること。
この場合において、単純軟化水は使用していないこと。
(2) 水質について問題を生じたボイラー等については、日本工業規格B8223(ボイラの給水及びボイラ水の水質)の項目との比較評価による水質分析項目の見直し及び水質分析の頻度の見直しが実施されていること。
7 攪拌機等の摺動部分の管理
内容物が漏えいした場合に火災等の発生のおそれがある攪拌機等の摺動部分については、シール機能を維持するための適切な保全管理基準が作成され、当該基準に基づく管理が実施され、かつ、当該管理の実施について記録されているものとすること。
8 自主検査
認定を受けようとするボイラー等の自主検査は、次の(1)から(5)までを満たすものとすること。
(1) 運転時、停止時及び開放時における適切な自主検査基準が整備され、当該基準に基づいて自主検査が実施されていること。
(2) 付表2に示す自主検査の方法のうち、検査の目的、対象部位及び対象とする欠陥の種類に対応した1種類以上の検査が実施されていること。なお、検査方法、検査器具等については、同等以上の信頼性を有する他の方法等を用いることができること。
(3) 自主検査等に使用する検査及び測定装置について、管理、校正及び維持する基準が定められ、当該基準に基づいて実施されていること。
(4) 自主検査業務に従事する者について、教育・訓練歴、資格又は経験に係る適切な基準が定められ、当該基準を満たす者により自主検査が実施されていること。
(5) 自主検査に社外の検査機関等を利用する場合であっても、自主検査結果の評価及び判定は自社の保全組織において実施されていること。
9 管理システム
認定を受けようとするボイラー等の管理システムは、次の(1)から(4)までを満たすものとすること。
(1) 文書管理
運転、保全関係等の文書について、作成、審査、承認、配布、保管等の管理の基準が定められ、当該基準に基づいて管理されていること。
(2) 教育訓練
運転、検査及び保全要員等に対する教育訓練の必要性及び基準が明確にされ、当該基準に基づいて教育・訓練計画が立案され、実施されていること。
(3) 是正処置
発生した不具合に対する是正処置を実施するための手順が定められ、当該手順により実施されていること。特に、ボイラー等の同種災害の再発防止を図るため、自社のトラブル事例及び他社の災害事例について検討記録し、有効な再発防止対策が定められ、維持されていること。
(4) 記録の管理
自主検査記録等の作成、取扱い及び保管に関する管理の基準が定められ、当該基準に基づいて管理されていること。
なお、運転の記録、水管理の記録、安全装置等の作動機能テストの記録及び自主検査業務従事者のリストの保存期間は、5年間以上であること。
第3 開放検査周期(6年又は8年)に係る認定の要件
1 ボイラー等の運転実績
認定を受けようとするボイラー等は、次の(1)から(4)までを満たすものとすること。なお、交換したボイラー等については、交換後のボイラー等が新品であり、交換前のボイラー等と同種同形式で、かつ、材料、性能及び使用条件が同等程度であるものについては、交換前後の運転実績を通算することができるものとすること。
(1) 申請の日において、運転を開始した日から認定を受けようとする開放検査周期の期間を経過していること。
(2) 開放検査周期(4年)に係る認定を受けて1回以上それを運用し、その後開放検査を受けた実績があること。
(3) 申請の日において開放検査周期(4年)に係る認定を受けており、かつ、当該認定の有効期間があること。
(4) 耐圧部に損傷が発生し補修したボイラー等については、補修後4年ごとに2回以上、開放検査(当該補修時に併せて行われる開放検査を除き、損傷部が機器の外面にある場合にあっては、開放検査又は停止時検査とする。)の際に、当該耐圧部を検査し、損傷が再発生していないことを確認していること。
2 経年損傷の防止対策
認定を受けようとするボイラー等の経年損傷防止対策は、次の(1)から(5)までを満たすものとすること。
(1) ボイラー等の材質について、認定を受けようとする開放検査周期に応じて、最高使用温度、圧力、内容物の性状、水管理方法等を勘案した適切な選定の基準が整備され、当該基準に基づいて損傷に対して適正なものであることが確認されていること。
(2) 応力腐食割れ(SCC)、クリープによる割れ、水素割れ、疲労割れ等の割れが生じやすい環境下にあるボイラー等にあっては、認定を受けようとする開放検査周期に応じて、割れが生じやすい個所を特定して適切な検査が実施され、割れが発生していないことが確認されていること。
(3) 水素侵食、高温脆化等の劣化が生じやすい環境下にあるボイラー等にあっては、認定を受けようとする開放検査周期に応じて、劣化が生じやすい個所を特定して適切な検査が実施され、有害な劣化が発生していないことが確認されていること。
(4) 使用期間が通算して40年以上であり、又は次の開放検査までの間に40年以上となるボイラー等にあっては、認定を受けようとする開放検査周期に応じて、主要な耐圧部の応力集中部分及び溶接部並びに疲労割れの発生が懸念される部分を特定して適切な検査が実施され、割れ又は有害な劣化が発生していないことが確認されていること。
(5) 耐圧部に損傷が発生し補修したボイラー等にあっては、開放検査の際に当該補修部に対して適切な検査が実施され、損傷が再発生していないことが確認されていること。
3 余寿命の評価
認定を受けようとするボイラー等の余寿命は、次の(1)から(3)までを満たすものとすること。
(1) 腐食・磨食に対する余寿命診断が実施され、構造規格上の最小板厚に対する母材の余寿命が、開放検査後の運転を開始した日又はしようとする日から起算して認定を受けようとする開放検査周期の1.5倍の期間(開放検査後の運転を開始した日又はしようとする日から運転条件等を変更する場合にあっては、2倍の期間)以上あることが確認されていること。ただし、熱交換器のチューブであって、当該チューブから漏えいがあったときに直接当該熱交換器の外部に危険を及ぼすおそれがなく、かつ、当該チューブからの漏えいの検知が可能なものにあっては、この限りでないこと。
なお、耐圧面での著しい腐食を防止するためのグラスライニング等の耐食性被覆処理をしているものにあっては、当該処理の健全性が確認されていること。
(2) クリープ診断等の必要なボイラー等にあっては、クリープ等に対する余寿命診断が実施され、クリープ寿命等に対する余寿命が、開放検査後の運転を開始した日又はしようとする日から起算して、認定を受けようとする開放検査周期の2倍の期間以上あることが確認されていること。
(3) ボイラー等の耐圧部に、表面長さ2mm以上の半円形の開口欠陥又はそれに相当する開口欠陥(以下「仮想欠陥」という。)が存在するものと仮定して、次のアからキまでに従って仮想欠陥に対する余寿命診断を実施した場合に、仮想欠陥の貫通及び最終破壊に対する余寿命が、開放検査後の運転を開始した日又はしようとする日から起算して、認定を受けようとする開放検査周期の2倍の期間以上あることが確認されていること。ただし、次のアで決定した仮想欠陥が、無条件許容欠陥(評価不要欠陥)であると判定された場合にあっては、仮想欠陥に対する余寿命診断を要しないこと。
なお、一の申請に複数のボイラー等が含まれる場合は、ボイラー等のうち仮想欠陥による影響が最も大きいと考えられるもの及び第一種圧力容器のうち仮想欠陥による影響が最も大きいと考えられるもの各一基についての確認で足りること。
ア 仮想欠陥の位置と寸法aの決定
イ 仮想欠陥部に作用する応力の評価
ウ イの応力により生じる応力拡大係数Kの算定
エ 疲労き裂進展速度da/dN=CF(△K)mにおける材料特性値CF及びmの決定並びに疲労き裂進展解析
オ 応力腐食割れ進展速度da/dt=CS(Kmax)nにおける材料特性値CS及びnの決定並びに応力腐食割れ進展解析(当該仮想欠陥について応力腐食割れが発生しない環境にあるとき、当該ボイラー等が応力腐食割れに対して材料面での対策が実施されているものであるとき及び応力腐食割れを防止するために圧縮残留応力導入等の表面改質が実施されているものであるときを除く。)
カ 使用材料の破壊靱性値の決定
キ 以上で評価された欠陥が延性破壊、脆性破壊を起こさないことの立証
4 自動制御装置の維持管理
認定を受けようとするボイラー等の自動制御装置の維持管理は、次の(1)から(3)までを満たすものとすること。
(1) 認定を受けようとする開放検査周期に応じて、自動制御装置が正常に機能することを確認する適切な基準が整備され、当該基準に基づいて確認が実施されていること。
(2) 開放時及び停止時には、緊急遮断弁、インターロック等の作動確認検査が実施され、安全設備の機能が確認されていること。
(3) 自動制御装置のシステムの制御系や部品類(センサ、スイッチ、リレー、弁等をいう。以下同じ。)は、認定を受けようとする開放検査周期に応じた選定、交換が行われていること。
5 附属品の維持管理
認定を受けようとするボイラー等の附属品の維持管理は、次の(1)から(3)までを満たすものとすること。
(1) 安全弁、遮断弁等の附属品について、認定を受けようとする開放検査周期に応じた適切な整備要領等が作成され、当該要領に基づいて定期的に整備されていること。また、当該整備の記録が保存されていること。
(2) 安全弁に固着、詰まり等を生じさせやすいプロセス流体が特定され、認定を受けようとする開放検査周期に応じて、当該流体による固着、詰まり等に対する有効な防止措置が講じられていること。
(3) 開放時及び停止時には、安全弁の密閉性、ポッピングテスト等の作動性等の確認試験が実施されていること。
6 攪拌機の摺動部分
内容物が漏えいした場合に火災等の発生のおそれがある攪拌機等の摺動部分については、認定を受けようとする開放検査周期に応じたシール機能を維持するための適切な保全管理基準が作成され、当該基準に基づく管理が実施され、かつ、当該管理の実施について記録されているものとすること。
7 自主検査
認定を受けようとするボイラー等の自主検査は、次の(1)から(5)までを満たすものとすること。
(1) 認定を受けようとする開放検査周期に応じた運転時、停止時及び開放時における適切な自主検査基準が整備され、当該基準に基づいて自主検査が実施されていること。
(2) 付表2に示す自主検査の方法のうち、認定を受けようとする開放検査周期に応じて、検査の目的、対象部位及び対象とする欠陥の種類に対応した1種類以上の検査が実施されていること。
なお、検査方法、検査器具等については、同等以上の信頼性を有する他の方法等を用いることができる。
(3) 腐食が予測を上回っている場合、特に詳細な経年変化の把握が必要な場合等には、開放時及び停止時に、減肉に関して(2)に定める肉厚検査に加えて、腐食の減肉状況の検査が実施されるようになっていること。
(4) 外部要因による応力腐食割れ等に関して、開放時及び停止時に、目視検査により外観が調べられ、きず等の異状が認められた場合には、磁粉探傷試験又は浸透探傷試験によって当該表面きず等の状況が観察され、必要に応じてスンプ試験が実施されるようになっていること。
(5) 自主検査業務に従事する者について、認定を受けようとする開放検査周期に応じた教育・訓練歴、資格又は経験に係る適切な基準が定められ、当該基準を満たす者により自主検査が実施されていること。
8 管理システム
認定を受けようとするボイラー等の管理システムは、次の(1)から(4)までを満たすものとすること。
(1) 文書管理
運転、保全関係等の文書について、認定を受けようとする開放検査周期に応じた作成、審査、承認、配布、保管等の管理の基準が定められ、当該基準に基づいて実施されていること。
(2) 教育訓練
認定を受けようとする開放検査周期に応じた運転、検査及び保全要員等に対する教育訓練の必要性及び基準が明確にされ、当該基準に基づいて教育・訓練計画が立案され、実施されていること。
(3) 是正処置
認定を受けようとする開放検査周期に応じた発生した不具合に対する是正処置を実施するための手順が定められ、当該手順により実施されていること。特に、ボイラー等の同種災害の再発防止を図るため、自社のトラブル事例及び他社の災害事例について検討記録し、有効な再発防止対策が定められ、維持されていること。
(4) 記録の管理
認定を受けようとする開放検査周期に応じた自主検査記録等の作成、取扱い及び保管に関する管理の基準が定められ、当該基準に基づいて実施されていること。
なお、運転の記録、水管理の記録、安全装置等の作動機能テストの記録及び自主検査業務従事者等のリストの保存期間は、認定を受けようとする開放検査周期に1年を加えた期間以上であること。
第4 開放検査周期(12年)に係る認定の要件
1 ボイラー等の運転実績
認定を受けようとするボイラー等は、次の(1)から(4)までを満たすものとすること。なお、交換したボイラー等については、交換後のボイラー等が新品であり、交換前のボイラー等と同種同形式で、かつ、材料、性能及び使用条件が同等程度であるものについては、交換前後の運転実績を通算することができるものとすること。
(1) 申請の日において、運転を開始した日から12年を経過していること。
(2) 開放検査周期(6年又は8年)に係る認定を受けて1回以上それを運用し、その後開放検査を受けた実績があること。
(3) 申請の日において開放検査周期(6年又は8年)に係る認定を受けており、かつ、当該認定の有効期間があること。
(4) 耐圧部に損傷が発生し補修したボイラー等については、補修後4年ごとに2回以上、開放検査(当該補修時に併せて行われる開放検査を除き、損傷部が機器の外面にある場合にあっては、開放検査又は停止時検査とする。)の際に、当該耐圧部を検査し、損傷が再発生していないことを確認していること。
2 リスクアセスメント及びその結果に基づく措置の実施
次の(1)及び(2)を満たすこと。
(1) リスクアセスメント及びその結果に基づく措置(以下「リスクアセスメント等」という。)の実施に関する基準が定められ、ボイラー等の使用に関して、非定常時、運転方法の変更時等を含めリスクアセスメント等が適切に実施されていること。
(2) (1)のリスクアセスメント等に関する基準は、「危険性又は有害性等の調査等に関する指針」(平成18年3月10日付け指針公示第1号)及び「化学物質等による危険性又は有害性の調査等に関する指針」(平成27年9月18日付け指針公示第3号)に沿ったものであること。
3 対象とするボイラー等の制限
認定を受けようとするボイラー等は、次の(1)から(3)までを満たすものであること。
(1) 次のアからオまでの損傷以外の損傷の発生のおそれがないものであること。
ア 腐食及び磨食
イ クリープ損傷
ウ 高サイクル疲労及び低サイクル疲労
エ 遅れ割れ
オ 水素浸食
(2) 同一のボイラー等の同一の範囲において、(1)のイからオまでの損傷が複数混在して発生するおそれがないこと。
(3) ボイラー等に(1)のアからオまでの損傷以外の損傷が発見された場合又は同一のボイラー等に(1)のイからオまでの損傷が複数混在して発生した場合(ほぼ同一の損傷環境下にあって類似の損傷を受ける範囲に発生した場合に限る。)は、当該ボイラー等を認定の対象から除外するとともに、必要な検査、発生原因の調査等を行い、他のボイラー等に同様な事態が発生しないか確認されていること。
4 経年損傷の防止対策
認定を受けようとするボイラー等の経年損傷防止対策は、次の(1)から(5)までを満たすものとすること。
(1) ボイラー等の材質について、開放検査周期が最大12年となることに応じて、最高使用温度、圧力、内容物の性状、水管理方法等を勘案した適切な選定の基準が整備され、当該基準に基づいて損傷に対して適正なものであることが確認されていること。
(2) クリープによる割れ、水素割れ、疲労割れ等の割れに関して、割れが生じやすい個所を特定して適切な検査が実施され、割れが発生していないことが確認されていること。
(3) 水素侵食等の劣化に関して、劣化が生じやすい個所を特定して適切な検査が実施され、有害な劣化が発生していないことが確認されていること。
(4) 使用期間が通算して40年以上であり、又は次の開放検査までの間に40年以上となるボイラー等にあっては、開放検査周期が最大12年となることに応じて、主要な耐圧部の応力集中部分及び溶接部並びに疲労割れの発生が懸念される部分を特定して適切な検査が実施され、割れ又は有害な劣化が発生していないことが確認されていること。
(5) 耐圧部に損傷が発生し補修したボイラー等にあっては、開放検査の際に当該補修部に対して適切な検査が実施され、損傷が再発生していないことが確認されていること。
5 余寿命の評価
認定を受けようとするボイラー等の余寿命は、次の(1)から(4)までを満たすものとすること。
(1) 腐食・磨食に対する余寿命診断が実施され、構造規格上の最小板厚に対する母材の余寿命が、開放検査後の運転を開始した日又はしようとする日から起算して24年以上あることが確認されていること。ただし、熱交換器のチューブであって、当該チューブから漏えいがあったときに直接当該熱交換器の外部に危険を及ぼすおそれがなく、かつ、当該チューブからの漏えいの検知が可能なものにあっては、この限りでないこと。
なお、耐圧面での著しい腐食を防止するためのグラスライニング等の耐食性被覆処理をしているものにあっては、当該処理の健全性が確認されていること。
おって、減肉に対する余寿命を評価するときに、外面腐食が適切に考慮されていること。
(2) クリープ損傷又は水素侵食の発生のおそれのあるボイラー等にあっては、クリープ又は水素侵食に対する適切な検査及び余寿命診断が実施され、余寿命が、開放検査後の運転を開始した日又はしようとする日から起算して、24年以上あることが確認されていること。
なお、減肉がこれらの損傷と混在する場合は、その影響を適切に評価すること。
(3) 仮想欠陥が存在するものと仮定して、次のアからカまでに従って仮想欠陥に対する余寿命診断を実施した場合に、仮想欠陥の貫通及び最終破壊に対する余寿命が、開放検査後の運転を開始した日又はしようとする日から起算して、24年以上あることが確認されていること。ただし、次のアで決定した仮想欠陥が、無条件許容欠陥(評価不要欠陥)であると判定された場合にあっては、仮想欠陥に対する余寿命診断を要しないこと。
ア 仮想欠陥の位置と寸法aの決定
イ 仮想欠陥部に作用する応力の評価
ウ イの応力により生じる応力拡大係数Kの算定
エ 疲労き裂進展速度da/dN=CF(△K)mにおける材料特性値CF及びmの決定並びに疲労き裂進展解析
オ 使用材料の破壊靱性値の決定
カ 以上で評価された欠陥が延性破壊、脆性破壊を起こさないことの立証
(4) 余寿命の評価に関する基準が整備され、当該基準に基づいて評価が行われていること。
また、余寿命の評価に当たる組織が確立され、必要な知識・経験を有する者により評価が実施されるようになっていること。
6 変更の管理
認定を受けたボイラー等の運転条件等が通常の変動範囲を超えて変更されることに伴う損傷の防止、余寿命の評価等に係る変更の管理は、次の(1)から(3)までを満たすものとすること。
(1) 変更の管理に関する基準が作成され、当該基準に従い管理されていること。
(2) 変更があったときは、変更後に発生する又は変化が生じる可能性のある損傷の種類が特定され、当該損傷に応じた検査及び余寿命評価が実施されるようになっていること。
(3) (2)の検査及び余寿命評価の結果、12年の認定の要件を満たさないボイラー等については認定の対象から除外するようになっていること。
7 自動制御装置の維持管理
認定を受けようとするボイラー等の自動制御装置の維持管理は、次の(1)から(3)までを満たすものとすること。
(1) 開放検査周期が最大12年となることに応じて、自動制御装置が正常に機能することを確認する適切な基準が整備され、当該基準に基づいて確認が実施されていること。
(2) 開放時及び停止時には、緊急遮断弁、インターロック等の作動確認検査が実施され、安全設備の機能が確認されていること。
(3) 自動制御装置のシステムの制御系や部品類は、開放検査周期が最大12年となることに応じた選定、交換が行われていること。
8 附属品の維持管理
認定を受けようとするボイラー等の附属品の維持管理は、次の(1)から(3)までを満たすものとすること。
(1) 安全弁、遮断弁等の附属品について、開放検査周期が最大12年となることに応じた適切な整備要領等が作成され、当該要領に基づいて定期的に整備されていること。また、当該整備の記録が保存されていること。
(2) 安全弁に固着、詰まり等を生じさせやすいプロセス流体が特定され、開放検査周期が最大12年となることに応じて、当該流体による固着、詰まり等に対する有効な防止措置が講じられていること。
(3) 開放時及び停止時には、安全弁の密閉性、ポッピングテスト等の作動性等の確認試験が実施されていること。
9 攪拌機の摺動部分
内容物が漏えいした場合に火災等の発生のおそれがある攪拌機等の摺動部分については、開放検査周期が最大12年となることに応じたシール機能を維持するための適切な保全管理基準が作成され、当該基準に基づく管理が実施され、かつ、当該管理の実施について記録されているものとすること。
10 自主検査
認定を受けようとするボイラー等の自主検査は、次の(1)から(5)までを満たすものとすること。
(1) 開放検査周期が最大12年となることに応じた運転時、停止時及び開放時における適切な自主検査基準が整備され、当該基準に基づいて自主検査が実施されていること。
また、自主検査の実施並びに自主検査の結果の評価及び判定に係る組織が確立されていること。
(2) 検査の目的、対象部位及び対象とする欠陥の種類に対応した適切な頻度、方法による検査が実施されていること。
(3) 減肉に関しては、開放時、停止時及び運転時のそれぞれについて、測定箇所及び測定頻度を定め、適切に肉厚検査を行うこと。
また、減肉速度が予測を上回っている場合、特に詳細な経年変化の把握が必要な場合等には、測定箇所を追加する等により詳細な減肉状況の検査が実施されるようになっていること。
(4) 外部要因による応力腐食割れ等に関して、開放時及び停止時に、目視検査により外観が調べられ、きず等の異状が認められた場合には、磁粉探傷試験又は浸透探傷試験によって当該表面きず等の状況が観察され、必要に応じてスンプ試験が実施されるようになっていること。
(5) 自主検査基準等を作成する者及び自主検査業務に従事する者について、開放検査周期が最大12年となることに応じた教育・訓練歴、資格又は経験に係る適切な基準が定められ、当該基準を満たす者により自主検査が実施されていること。
11 管理システム
認定を受けようとするボイラー等の管理システムは、次の(1)から(4)までを満たすものとすること。
(1) 文書管理
運転、保全関係等の文書について、開放検査周期が最大12年となることに応じた作成、審査、承認、配布、保管等の管理の基準が定められ、当該基準に基づいて実施されていること。
(2) 要員管理
開放検査周期が最大12年となることに応じた運転、検査、保全の要員、余寿命の評価に当たる要員、各種基準類を作成する要員等の関係要員の要件、教育訓練の必要性及び教育訓練の基準が明確にされ、当該基準等に基づいて教育・訓練計画の立案・実施を含む要員管理が実施されていること。
(3) 是正処置
開放検査周期が最大12年となることに応じた発生した不具合に対する是正処置を実施するための手順が定められ、当該手順により実施されていること。特に、ボイラー等の同種災害の再発防止を図るため、自社のトラブル事例及び他社の災害事例について検討記録し、有効な再発防止対策が定められ、維持されていること。
(4) 記録の管理
開放検査周期が最大12年となることに応じた自主検査記録、余寿命評価に関する記録等の作成、取扱い及び保管に関する管理の基準が定められ、当該基準に基づいて実施されていること。
なお、運転の記録、水管理の記録、安全装置等の作動機能テストの記録及び自主検査業務従事者等のリストの保存期間は、13年間以上であること。
12 連続運転の期間等
(1) 8年以内に1回は、運転を停止した検査を行うこと。
(2) 1のなお書の場合において、交換後のボイラー等は、交換前のボイラー等のそれまでの検査結果、交換後のボイラーの製造条件等を考慮した交換後8年以内の時期に、初回の開放検査を受けるものとすること。
Ⅴ 開放検査周期認定の手続
第1 共通事項
1 認定を受けようとする者は、認定を受けようとするボイラー等を設置している事業場ごとに、所轄労働基準監督署長に対して申請するものとする。
2 認定の申請は、受けようとする認定区分及び認定を受けようとするボイラー等を明らかにして行うものとする。
第2 開放検査周期(2年)に係る認定の手続
1 新規の認定
(1) 認定の申請
認定を受けようとする者は、様式第1号の認定申請書(正副各1通)に、次に掲げる事項についてⅣの第1の要件に適合する旨を説明する書類及び(2)の事前審査の結果を添付し、所轄労働基準監督署長に提出するものとする。
ア 認定を受けようとする者
イ ボイラー等の運転実績
ウ 組織及び安全管理
エ 運転管理
オ 保全管理
カ 自動制御装置等
(2) 事前審査
ア 事前審査は、学識経験者及び登録性能検査機関で構成される事前審査委員会において、(1)のイからカまでに掲げる事項のうち技術的事項について、書類審査及び現地調査により行うものとする。
イ 事前審査を受けようとする者は、認定を受けようとするボイラー等を設置している事業場ごとに、登録性能検査機関を経由して事前審査委員会に申請するものとする。
ウ 事前審査委員会は、登録性能検査機関を経由して、イの申請を行った者に事前審査の結果を通知するものとする。
エ 厚生労働省は、事前審査委員会に対し、事前審査に関する必要な指導等を行うことができるものとする。
(3) 審査
ア 所轄労働基準監督署長の審査は、(1)のアからカまでに掲げる事項について、Ⅳの第1の要件への適合の有無を評価することにより行うものとする。
イ 所轄労働基準監督署長は、事前審査の結果を勘案して、認定を行うものとする。
ウ 所轄労働基準監督署長は、認定する場合は様式第2号の認定通知書により、また、認定しない場合は様式第3号の認定審査結果通知書により、(1)の申請を行った者及び登録性能検査機関に通知するものとする。
エ 所轄労働基準監督署長は、認定に条件を付することができる。
オ 所轄労働基準監督署長は、様式第4号の認定審査処理簿により審査の処理について記録を作成し、保存するものとする。
(4) 認定の有効期間
認定の有効期間は、認定の日から5年間とする。
2 変更の認定
(1) 変更の範囲
認定を受けた者については、次に掲げる場合は、所轄労働基準監督署長の変更の認定を受けなければならない。
ア 1(1)のウからカまでに掲げる事項を変更する場合。ただし、軽微な変更については、この限りでない。
イ 認定を受けようとするボイラー等を追加する場合。
ただし、認定を受けた者が、新たに認定の対象としようとするボイラー等について1による新規の認定を受けることを妨げない。
ウ Ⅳの第1の2のなお書のボイラー等を交換する場合
(2) 認定の申請
ア 変更の認定を受けようとする者は、様式第5号の変更認定申請書(正副各1通)に、変更の内容及びその内容がⅣの第1の要件に適合する旨を説明する書類を添付し、所轄労働基準監督署長に提出するものとする。
イ (1)のア又はイに掲げる場合にあっては、アの申請書に、(3)の事前審査の結果を添付するものとする。
(3) 事前審査及び審査
事前審査及び審査は、変更部分について行うものとし、1(2)及び(3)の規定を準用する。ただし、事前審査における事前審査委員会の現地調査は省略することができる。
(4) 認定の有効期間
変更の認定の有効期間は、認定を受けた日から既に認定を受けているボイラー等の開放検査周期(2年)に係る認定の有効期間の満了日までとする。
3 認定の更新
(1) 認定の更新の申請
認定の有効期間の更新(以下「認定の更新」という。)を受けようとする者は、様式第6号の認定更新申請書(正副各1通)に、認定の更新時において1(1)のア及びウからカまでに掲げる事項がⅣの第1の要件に適合する旨を説明する書類及び(2)の事前審査の結果を添付し、所轄労働基準監督署長に提出するものとする。
(2) 事前審査及び審査
認定の更新に係る事前審査及び審査については、1(2)及び(3)の規定を準用する。ただし、事前審査における事前審査委員会の現地調査は省略することができる。
(3) 更新後の有効期間
更新後の認定の有効期間は、申請時における有効期間の満了日の翌日から5年間とする。ただし当該有効期間の満了日より1年以上前に認定の更新の申請が行われた場合は、認定の更新の日から5年間とする。
4 認定による運用の廃止
(1) 廃止の申出
認定を受けた者は、認定を受けたボイラー等の開放検査周期(2年)の運用の全部又は一部を廃止しようとするときは、様式第7号の廃止申出書により、所轄労働基準監督署長に申し出るものとする。
(2) 廃止の通知
所轄労働基準監督署長は、(1)の申出を受けた場合には、登録性能検査機関に対し、運用の廃止をする者、運用の廃止をする事業場、運用の廃止の対象となるボイラー等及び廃止の日を通知するものとする。
5 認定の取消し
(1) 取消事由
所轄労働基準監督署長は、認定を受けた者等について、次に掲げる事由のいずれかに該当するに至った場合は、認定を行ったボイラー等の全部又は一部について認定を取り消すことができる。
ア Ⅳの第1の要件を満たさなくなったとき。
イ 1(3)のエの条件に反したとき。
ウ 2の変更の認定を受けずに1(1)のウからカまでに掲げる事項について変更したとき。
エ 認定後に行われる性能検査において、認定の対象となっているボイラー等が不合格とされ、又は補修等指示がなされたとき。
オ 虚偽又は不正の手段により認定又は更新を受けたとき。
(2) 聴聞等
所轄労働基準監督署長は、認定の取消しを行おうとするときは、(1)の取消事由の発生の事実を確認するため、認定を受けた者から行政手続法(平成5年法律第88号)に基づく聴聞を行うほか、必要に応じ、事前審査委員会の意見を聴くものとする。
(3) 取消しの通知
所轄労働基準監督署長は、認定の取消しを行ったときは、当該取消処分の対象者及び登録性能検査機関に取消処分の内容、対象となる事業場及びボイラー等について通知するものとする。
6 登録性能検査機関の報告
登録性能検査機関は、認定後に行われる性能検査において取消事由に該当する事実を認めた場合は、様式第8号の認定取消事由報告書により、所轄労働基準監督署長に報告するものとする。
第3 開放検査周期(4年)に係る認定の手続
1 新規の認定
(1) 認定の申請
認定を受けようとする者は、様式第1号の認定申請書(正副各1通)に、次に掲げる事項についてⅣの第2の要件に適合する旨を説明する書類及び(2)の事前審査の結果を添付し、所轄労働基準監督署長に提出するものとする。
ア ボイラー等の運転実績
イ 経年損傷の防止対策
ウ 余寿命の評価
エ 自動制御装置の維持管理
オ 安全弁の維持管理
カ 水管理
キ 攪拌機等の摺動部分の管理
ク 自主検査
ケ 管理システム
(2) 事前審査
ア 事前審査は、事前審査委員会において、(1)のアからケまでに掲げる事項のうち技術的事項について、書類審査及び現地調査により行うものとする。
イ 事前審査を受けようとする者は、認定を受けようとするボイラー等を設置している事業場ごとに、登録性能検査機関を経由して事前審査委員会に申請するものとする。
ウ 事前審査委員会は、登録性能検査機関を経由して、イの申請を行った者に事前審査の結果を通知するものとする。
エ 厚生労働省は、事前審査委員会に対し、事前審査に関する必要な指導等を行うことができるものとする。
(3) 審査
ア 所轄労働基準監督署長の審査は、(1)のアからケまでに掲げる事項について、Ⅳの第2の要件への適合の有無を評価することにより行うものとする。
イ 所轄労働基準監督署長は、事前審査の結果を勘案して、認定を行うものとする。
ウ 所轄労働基準監督署長は、認定する場合は様式第2号の認定通知書により、また、認定しない場合は様式第3号の認定審査結果通知書により、(1)の申請を行った者及び登録性能検査機関に通知するものとする。
エ 所轄労働基準監督署長は、認定に条件を付することができる。
オ 所轄労働基準監督署長は、様式第4号の認定審査処理簿により審査の処理について記録を作成し、保存するものとする。
(4) 認定の有効期間
認定の有効期間は、認定を受けた日から既に認定を受けている開放検査周期(2年)に係る認定の有効期間の満了日までとする。
2 変更の認定
(1) 変更の範囲
認定を受けた者については、次に掲げる場合は、所轄労働基準監督署長の変更の認定を受けなければならない。
ア 1(1)のイからケまでに掲げる事項を変更する場合。ただし、軽微な変更については、この限りでない。
イ 認定を受けようとするボイラー等を追加する場合。
ただし、認定を受けた者が、新たに認定の対象としようとするボイラー等について1による新規の認定を受けることを妨げない。
ウ Ⅳの第2の1(1)のなお書のボイラー等を交換する場合
(2) 認定の申請
変更の認定を受けようとする者は、様式第5号の変更認定申請書(正副各1通)に、変更の内容及びその内容がⅣの第2の要件に適合する旨を説明する書類並びに(3)の事前審査の結果を添付し、所轄労働基準監督署長に提出するものとする。
(3) 事前審査及び審査
事前審査及び審査は、変更部分について行うものとし、1(2)及び(3)の規定を準用する。ただし、事前審査における事前審査委員会の現地調査は省略することができる。
(4) 認定の有効期間
変更の認定の有効期間は、認定を受けた日から既に認定を受けている開放検査周期(2年)に係る認定の有効期間の満了日までとする。
3 開放検査結果の確認
(1) 認定を受けた者は、開放検査周期(4年)の対象となっているボイラー等について、開放検査ごとに、速やかにⅣの第2の2(経年損傷の防止対策)及び3(余寿命の評価)を実施し、登録性能検査機関によるこれらの要件に適合することの確認を受けなければならない。
(2) 登録性能検査機関は、これらの要件に適合しないボイラー等を確認した場合は、速やかに所轄労働基準監督署長に報告しなければならない。
4 認定の更新
(1) 認定の更新の時期
認定の更新は、開放検査周期(2年)の認定の更新に併せて行うものとする。
(2) 認定の更新の申請
認定の更新を受けようとする者は、様式第6号の認定更新申請書(正副各1通)に、認定の更新時において1(1)のイからケまでに掲げる事項がⅣの第2の要件に適合する旨を説明する書類及び(3)の事前審査の結果を添付し、所轄労働基準監督署長に提出するものとする。
(3) 事前審査及び審査
認定の更新に係る事前審査及び審査については、1(2)及び(3)の規定を準用する。ただし、事前審査における事前審査委員会による現地調査は省略することができる。
5 認定による運用の廃止
(1) 廃止の申出
認定を受けた者は、認定を受けたボイラー等の開放検査周期(4年)の運用の全部又は一部を廃止しようとするときは、様式第7号の廃止申出書により、所轄労働基準監督署長に申し出るものとする。
(2) 廃止の通知
所轄労働基準監督署長は、(1)の申出を受けた場合には、登録性能検査機関に対し、運用の廃止をする者、運用の廃止をする事業場、運用の廃止の対象となるボイラー等及び廃止の日を通知するものとする。
6 認定の取消し
(1) 取消事由
所轄労働基準監督署長は、認定を受けた者等について、次に掲げる事由のいずれかに該当するに至った場合は、認定を行ったボイラー等の全部又は一部について認定を取り消すことができる。
ア Ⅳの第2の要件を満たさなくなったとき。
イ 開放検査周期(2年)に係る認定の効力が失われたとき。
ウ 1(3)のエの条件に反したとき。
エ 2の変更の認定を受けずに1(1)のイからケまでに掲げる事項について変更したとき。
オ 認定後に行われる性能検査において、認定の対象となっているボイラー等が不合格とされ、又は補修等指示がなされたとき。
カ 虚偽又は不正の手段により認定又は更新を受けたとき。
(2) 聴聞等
所轄労働基準監督署長は、認定の取消しを行おうとするときは、(1)の取消事由の発生の事実を確認するため、認定を受けた者から行政手続法に基づく聴聞を行うほか、必要に応じ、事前審査委員会の意見を聴くものとする。
(3) 取消しの通知
所轄労働基準監督署長は、認定の取消しを行ったときは、当該取消処分の対象者及び登録性能検査機関に取消処分の内容、対象となる事業場及びボイラー等について通知するものとする。
7 登録性能検査機関の報告
登録性能検査機関は、認定後に行われる性能検査において取消事由に該当する事実を認めた場合は、様式第8号の認定取消事由報告書により、所轄労働基準監督署長に報告するものとする。
第4 開放検査周期(6年又は8年)に係る認定の手続
1 新規の認定
(1) 認定の申請
認定を受けようとする者は、様式第1号の認定申請書(正副各1通)に、次に掲げる事項についてⅣの第3の要件に適合する旨を説明する書類及び(2)の事前審査の結果を添付し、所轄労働基準監督署長に提出するものとする。
ア ボイラー等の運転実績
イ 経年損傷の防止対策
ウ 余寿命の評価
エ 自動制御装置の維持管理
オ 附属品の維持管理
カ 攪拌機の摺動部分
キ 自主検査
ク 管理システム
(2) 事前審査
ア 事前審査は、事前審査委員会において、(1)のアからクまでに掲げる事項のうち技術的事項について、書類審査及び現地調査により行うものとする。
イ 事前審査を受けようとする者は、認定を受けようとするボイラー等を設置している事業場ごとに、登録性能検査機関を経由して事前審査委員会に申請するものとする。
ウ 事前審査委員会は、登録性能検査機関を経由して、イの申請を行った者に事前審査の結果を通知するものとする。
エ 厚生労働省は、事前審査委員会に対し、事前審査に関する必要な指導等を行うことができるものとする。
(3) 審査
ア 所轄労働基準監督署長の審査は、(1)のアからクまでに掲げる事項について、Ⅳの第3の要件への適合の有無を評価することにより行うものとする。
イ 所轄労働基準監督署長は、事前審査の結果を勘案して、認定を行うものとする。
ウ 所轄労働基準監督署長は、認定する場合は様式第2号の認定通知書により、また、認定しない場合は様式第3号の認定審査結果通知書により、(1)の申請を行った者及び登録性能検査機関に通知するものとする。
エ 所轄労働基準監督署長は、認定に条件を付することができる。
オ 所轄労働基準監督署長は、様式第4号の認定審査処理簿により審査の処理について記録を作成し、保存するものとする。
(4) 認定の有効期間
認定の有効期間は、認定を受けた日から既に認定を受けている開放検査周期(2年)及び開放検査周期(4年)に係る認定の有効期間の満了日までとする。
2 変更の認定
(1) 変更の範囲
認定を受けた者については、次に掲げる場合は、所轄労働基準監督署長の変更の認定を受けなければならない。
ア 1(1)のイからクまでに掲げる事項を変更する場合。ただし、軽微な変更については、この限りでない。
イ 認定を受けようとするボイラー等を追加する場合。
ただし、認定を受けた者が、新たに認定の対象としようとするボイラー等について1による新規の認定を受けることを妨げない。
ウ Ⅳの第3の1のなお書のボイラー等を交換する場合
(2) 認定の申請
変更の認定を受けようとする者は、様式第5号の変更認定申請書(正副各1通)に、変更の内容及びその内容がⅣの第3の要件に適合する旨を説明する書類並びに(3)の事前審査の結果を添付し、所轄労働基準監督署長に提出するものとする。
(3) 事前審査及び審査
事前審査及び審査は、変更部分について行うものとし、1(2)及び(3)の規定を準用する。ただし、事前審査における事前審査委員会の現地調査は省略することができる。
(4) 認定の有効期間
変更の認定の有効期間は、認定を受けた日から既に認定を受けている開放検査周期(2年)及び開放検査周期(4年)に係る認定の有効期間の満了日までとする。
3 開放検査結果の確認
(1) 認定を受けた者は、開放検査周期(6年又は8年)の対象となっているボイラー等について、開放検査ごとに、速やかにⅣの第3の2(経年損傷の防止対策)及び3(余寿命の評価)を実施し、登録性能検査機関によるこれらの要件に適合することの確認を受けなければならない。
(2) 登録性能検査機関は、これらの要件に適合しないボイラー等を確認した場合は、速やかに所轄労働基準監督署長に報告しなければならない。
4 認定の更新
(1) 認定の更新の時期
認定の更新は、開放検査周期(2年)及び開放検査周期(4年)の認定の更新に併せて行うものとする。
(2) 認定の更新の申請
認定の更新を受けようとする者は、様式第6号の認定更新申請書(正副各1通)に、認定の更新時において1(1)のイからクまでに掲げる事項がⅣの第3の要件に適合する旨を説明する書類及び(3)の事前審査の結果を添付し、所轄労働基準監督署長に提出するものとする。
(3) 事前審査及び審査
認定の更新に係る事前審査及び審査については、1(2)及び(3)の規定を準用する。ただし、事前審査における事前審査委員会による現地調査は省略することができる。
5 認定による運用の廃止
(1) 廃止の申出
認定を受けた者は、認定を受けたボイラー等の開放検査周期(6年又は8年)の運用の全部又は一部を廃止しようとするときは、様式第7号の廃止申出書により、所轄労働基準監督署長に申し出るものとする。
(2) 廃止の通知
所轄労働基準監督署長は、(1)の申出を受けた場合には、登録性能検査機関に対し、運用の廃止をする者、運用の廃止をする事業場、運用の廃止の対象となるボイラー等及び廃止の日を通知するものとする。
6 認定の取消し
(1) 取消事由
所轄労働基準監督署長は、認定を受けた者等について、次に掲げる事由のいずれかに該当するに至った場合は、認定の対象であるボイラー等の全部又は一部について認定を取り消すことができる。
ア Ⅳの第3の要件を満たさなくなったとき。
イ 開放検査周期(2年)又は開放検査周期(4年)に係る認定の効力が失われたとき。
ウ 1(3)のエの条件に反したとき。
エ 2の変更の認定を受けずに1(1)のイからクまでに掲げる事項について変更したとき。
オ 認定後に行われる性能検査において、認定の対象となっているボイラー等が不合格とされ、又は補修等指示がなされたとき。
カ 虚偽又は不正の手段により認定又は更新を受けたとき。
(2) 聴聞等
所轄労働基準監督署長は、認定の取消しを行おうとするときは、(1)の取消事由の発生の事実を確認するため、認定を受けた者から行政手続法に基づく聴聞を行うほか、必要に応じ、事前審査委員会の意見を聴くものとする。
(3) 取消しの通知
所轄労働基準監督署長は、認定の取消しを行ったときは、当該取消処分の対象者及び登録性能検査機関に取消処分の内容、対象となる事業場及びボイラー等について通知するものとする。
7 登録性能検査機関の報告
登録性能検査機関は、認定後に行われる性能検査において取消事由に該当する事実を認めた場合は、様式第8号の認定取消事由報告書により、所轄労働基準監督署長に報告するものとする。
第5 開放検査周期(12年)に係る認定の手続
1 新規の認定
(1) 認定の申請
認定を受けようとする者は、様式第1号の認定申請書(正副各1通)に、次に掲げる事項についてⅣの第4の要件に適合する旨を説明する書類及び(2)の事前審査の結果を添付し、所轄労働基準監督署長に提出するものとする。
ア ボイラー等の運転実績
イ 経年損傷の防止対策
ウ 余寿命の評価
エ 自動制御装置の維持管理
オ 附属品の維持管理
カ 攪拌機の摺動部分
キ 自主検査
ク 管理システム
ケ リスクアセスメント及びその結果に基づく措置の実施
コ 対象とするボイラー等の制限
サ 変更の管理
シ 連続運転の期間等
(2) 事前審査
ア 事前審査は、事前審査委員会において、(1)のアからシまでに掲げる事項のうち技術的事項について、書類審査及び現地調査により行うものとする。
イ 事前審査を受けようとする者は、認定を受けようとするボイラー等を設置している事業場ごとに、登録性能検査機関を経由して事前審査委員会に申請するものとする。
ウ 事前審査委員会は、登録性能検査機関を経由して、イの申請を行った者に事前審査の結果を通知するものとする。
エ 厚生労働省は、事前審査委員会に対し、事前審査に関する必要な指導等を行うことができるものとする。
(3) 審査
ア 所轄労働基準監督署長の審査は、(1)のアからシまでに掲げる事項について、Ⅳの第4の要件への適合の有無を評価することにより行うものとする。
イ 所轄労働基準監督署長は、事前審査の結果を勘案して、認定を行うものとする。
ウ 所轄労働基準監督署長は、認定する場合は様式第2号の認定通知書により、また、認定しない場合は様式第3号の認定審査結果通知書により、(1)の申請を行った者及び登録性能検査機関に通知するものとする。
エ 所轄労働基準監督署長は、認定に条件を付することができる。
オ 所轄労働基準監督署長は、様式第4号の認定審査処理簿により審査の処理について記録を作成し、保存するものとする。
(4) 認定の有効期間
認定の有効期間は、認定を受けた日から既に認定を受けている開放検査周期(6年)及び開放検査周期(8年)に係る認定の有効期間の満了日までとする。
2 変更の認定
(1) 変更の範囲
認定を受けた者については、次に掲げる場合は、所轄労働基準監督署長の変更の認定を受けなければならない。
ア 1(1)のイからシまでに掲げる事項を変更する場合。ただし、軽微な変更については、この限りでない。
イ 認定を受けようとするボイラー等を追加する場合。
ただし、認定を受けた者が、新たに認定の対象としようとするボイラー等について1による新規の認定を受けることを妨げない。
ウ Ⅳの第4の1のなお書のボイラー等を交換する場合
(2) 認定の申請
変更の認定を受けようとする者は、様式第5号の変更認定申請書(正副各1通)に、変更の内容及びその内容がⅣの第4の要件に適合する旨を説明する書類並びに(3)の事前審査の結果を添付し、所轄労働基準監督署長に提出するものとする。
(3) 事前審査及び審査
事前審査及び審査は、変更部分について行うものとし、1(2)及び(3)の規定を準用する。ただし、事前審査における事前審査委員会の現地調査は省略することができる。
(4) 認定の有効期間
変更の認定の有効期間は、認定を受けた日から既に認定を受けている開放検査周期(6年)及び開放検査周期(8年)に係る認定の有効期間の満了日までとする。
3 開放検査結果の確認
(1) 認定を受けた者は、開放検査周期(12年)の対象となっているボイラー等について、開放検査ごとに、速やかにⅣの第4の4(経年損傷の防止対策)及び5(余寿命の評価)を実施し、登録性能検査機関によるこれらの要件に適合することの確認を受けなければならない。
(2) 登録性能検査機関は、これらの要件に適合しないボイラー等を確認した場合は、速やかに所轄労働基準監督署長に報告しなければならない。
4 認定の更新
(1) 認定の更新の時期
認定の更新は、開放検査周期(6年)及び開放検査周期(8年)の認定の更新に併せて行うものとする。
(2) 認定の更新の申請
認定の更新を受けようとする者は、様式第6号の認定更新申請書(正副各1通)に、認定の更新時において1(1)のイからシまでに掲げる事項がⅣの第4の要件に適合する旨を説明する書類及び(3)の事前審査の結果を添付し、所轄労働基準監督署長に提出するものとする。
(3) 事前審査及び審査
認定の更新に係る事前審査及び審査については、1(2)及び(3)の規定を準用する。ただし、事前審査における事前審査委員会による現地調査は省略することができる。
5 認定による運用の廃止
(1) 廃止の申出
認定を受けた者は、認定を受けたボイラー等の開放検査周期(12年)の運用の全部又は一部を廃止しようとするときは、様式第7号の廃止申出書により、所轄労働基準監督署長に申し出るものとする。
(2) 廃止の通知
所轄労働基準監督署長は、(1)の申出を受けた場合には、登録性能検査機関に対し、運用の廃止をする者、運用の廃止をする事業場、運用の廃止の対象となるボイラー等及び廃止の日を通知するものとする。
6 認定の取消し
(1) 取消事由
所轄労働基準監督署長は、認定を受けた者等について、次に掲げる事由のいずれかに該当するに至った場合は、認定の対象であるボイラー等の全部又は一部について認定を取り消すことができる。
ア Ⅳの第4の要件を満たさなくなったとき。
イ 開放検査周期(6年)又は開放検査周期(8年)に係る認定の効力が失われたとき。
ウ 1(3)のエの条件に反したとき。
エ 2の変更の認定を受けずに1(1)のイからシまでに掲げる事項について変更したとき。
オ 認定後に行われる性能検査において、認定の対象となっているボイラー等が不合格とされ、又は補修等指示がなされたとき。
カ 虚偽又は不正の手段により認定又は更新を受けたとき。
(2) 聴聞等
所轄労働基準監督署長は、認定の取消しを行おうとするときは、(1)の取消事由の発生の事実を確認するため、認定を受けた者から行政手続法に基づく聴聞を行うほか、必要に応じ、事前審査委員会の意見を聴くものとする。
(3) 取消しの通知
所轄労働基準監督署長は、認定の取消しを行ったときは、当該取消処分の対象者及び登録性能検査機関に取消処分の内容、対象となる事業場及びボイラー等について通知するものとする。
7 登録性能検査機関の報告
登録性能検査機関は、認定後に行われる性能検査において取消事由に該当する事実を認めた場合は、様式第8号の認定取消事由報告書により、所轄労働基準監督署長に報告するものとする。
付表1(Ⅳの第1の6関係)
自動制御装置等基準
(1) ボイラー
自動制御装置等は、次に示す装置をすべて備え、次の表の左の装置の種類について、それぞれ右の内容のすべてに適合するものであること。ただし、安全確保上又は構造上必要としない装置についてはこの限りでない。
装置の種類 |
内 容 |
水位調節装置 |
1 給水流量の計測結果は、自動的に記録されるものであること。 2 水位指示は、計器室又は現場において常時監視できるものであること。 3 高水位及び低水位における警報機能を有するものであること。 |
低水位燃料遮断装置 |
1 安全低水位における燃料遮断の機能を有するものであること。 2 安全低水位の検出器は水位調節装置の水位検出器を含めて、制御方式の異なるものを2以上設けること。 3 前記2は水側連絡管が別になっていること。 |
蒸気圧力調節装置 |
1 圧力の計測結果は、自動的に記録されるものであること。 2 圧力指示は、計器室又は現場において常時監視できるものであること。 |
蒸気圧力制限装置 |
圧力の上限における警報機能及び燃料遮断の機能を有するものであること。 |
温度調節装置(温水ボイラーに限る。) |
1 温度の計測結果は、自動的に記録されるものであること。 2 温度の指示は、計器室又は現場において常時監視できるものであること。 |
温度制限装置(温水ボイラーに限る。) |
温度の上限における警報機能及び燃料遮断の機能を有するものであること。 |
燃焼制御装置 |
燃料量と燃焼用空気量の比率を燃焼に適した値に維持できるものであること。 |
燃焼安全装置 |
1 異常消火を自動的に検出し、直ちに燃料を遮断するものであること。 2 自動点火に失敗したときは、燃料を遮断するものであること。 3 火炎検出機構が燃焼に先立ち火炎の誤検出をしたときには、燃焼を開始させない機能を有するものであること。 4 バーナが複数の場合は、個別に火炎を検出し、隣接したバーナの火炎により誤作動しないものであること。 5 燃料圧力が異常上昇したとき及び異常低下したときには、自動的に燃料を遮断するものであること。 6 燃焼用空気圧力が低下したときは、自動的に燃料を遮断するものであること。 7 燃料遮断弁が作動したときは、警報を発するものであること。 8 作動用動力源が断たれたときは、燃料遮断弁は閉止するものであること。 9 燃料遮断後は手動による操作をしない限り再起動できないものであること。 10 燃料遮断弁は、直列に2個以上(主バーナ及びパイロットバーナ用の燃料遮断弁がそれぞれ別系統の場合は、それぞれについて2個以上)設けるものであること。 11 計器室で管理を行う場合は、計器室で非常停止ができるものであること。 |
燃料流量調整装置 |
1 流量の計測結果は、自動的に記録されるものであること。 2 流量指示は、計器室又は現場において常時監視できるものであること。 3 流量が下限を下回ることを防止する機能を有するものであること。 |
計測及び制御用電機配線 |
1 電源による誘導妨害、雷サージ、電源開閉サージ等により誤表示及び誤作動しないよう遮蔽されているものであること。 2 浮遊容量により誤表示及び誤作動しないものであること。 |
(2) 第一種圧力容器
自動制御装置等は、次に示す装置をすべて備え、かつ、次の表の左の装置の種類について、それぞれ右の内容のすべてに適合するものであること。ただし、安全確保上又は構造上必要としない装置については、この限りでない。
装置の種類 |
内 容 |
液位調節装置 |
1 給液流量の計測結果は、自動的に記録されるものであること。 2 液位指示は、計器室又は現場において常時監視できるものであること。 3 高液位及び低液位における警報機能を有するものであること。 |
圧力調節装置 |
1 圧力の計測結果は、自動的に記録されるものであること。 2 圧力指示は、計器室又は現場において常時監視できるものであること。 |
圧力制限装置 |
圧力の上限における警報機能及び圧力の上昇を防止できる機能を有するものであること。 |
温度調節装置 |
1 温度の計測結果は、自動的に記録されるものであること。 2 圧力指示は、計器室又は現場において常時監視できるものであること。 |
温度制限装置 |
温度の上限における警報機能及び温度の上昇を防止できる機能を有するものであること。 |
流量調節装置 |
1 流量の計測結果は、自動的に記録されるものであること。 2 流量指示は、計器室又は現場において常時監視できるものであること。 3 流量の上限及び下限における警報機能を有するものであること。 |
計測及び制御用電気配線 |
1 電源による誘導妨害、雷サージ、電源開閉サージ等により誤表示及び誤作動しないよう遮蔽されているものであること。 2 浮遊容量により誤表示及び誤作動しないものであること。 |
付表2(Ⅳの第2の8、Ⅳの第3の7関係)
適用する検査等の基準
検査の目的 |
対象部位 |
検査方法 |
検査器具等 |
腐食 |
表面状況 |
目視検査 |
― |
スンプ法 |
― |
||
内面状況 |
管内検査類 |
管内検査鏡・管内検査器 |
|
放射線透過試験 |
γ線装置 |
||
減肉 |
肉圧検査 |
超音波探傷器・超音波厚さ計 |
|
腐食監視 |
電気式検査 |
コロゾメーター |
|
化学分析検査 |
Cu,Fe等分析 |
||
割れ |
表面状況 |
目視検査 |
― |
スンプ法 |
― |
||
表面割れ |
浸透探傷試験 |
染色・蛍光探傷剤 |
|
磁粉探傷試験 |
極間式磁粉探傷器 |
||
過流探傷試験 |
過流探傷器 |
||
超音波探傷試験 |
超音波探傷器 |
||
放射線透過試験 |
γ線装置 |
||
割れ深さ電気抵抗試験 |
亀裂深度計 |
||
内部割れ |
放射線透過試験 |
γ線透過装置 |
|
超音波探傷試験 |
超音波探傷器 |
||
漏えい |
気密状況 |
気密試験 |
石鹸水、超音波探知器 |
水圧試験 |
― |
||
ガス検知試験 |
ガス検知器 |
||
振動 |
目視検査 |
― |
|
感触検査 |
― |
||
計器検査 |
振動計 |
||
温度状況 |
温度計測 |
表面温度計、赤外線温度計 |
|
閉塞、汚れ |
放射線撮影検査 |
γ線装置、スケールチェッカー |
別添1
○ボイラー等の開放検査周期に係る認定制度について
令和3年3月29日基発0329第9号
(登録性能検査機関の長あて厚生労働省労働基準局長通知)
ボイラー及び第一種圧力容器(以下「ボイラー等」という。)の開放検査(ボイラー(燃焼室を含む。)及び煙道又は第一種圧力容器を冷却し、及び掃除した状態で受ける性能検査をいう。以下同じ。)の周期については、ボイラー及び圧力容器安全規則(昭和47年労働省令第33号)第40条第1項ただし書及び第75条第1項ただし書並びに平成20年3月27日付け基発第0327003号「ボイラー等の開放検査周期に係る認定制度について」に基づき、開放検査周期を最大8年間とし、その間は1年ごとに運転時検査(運転時に行う検査をいう。以下同じ。)又は停止時検査(ボイラー等が運転を停止している状態であって、開放時でない状態にある時に行う検査をいう。以下同じ。)を実施することを認める開放検査周期認定制度を運用してきたところである。
今般、成長戦略フォローアップ(令和2年7月17日閣議決定)に、「労働安全衛生法の規制対象であるボイラーについて、2020年度中に、開放検査周期を最長12年に延長」とされたことを受け、専門家による検討を実施したものであるが、その検討結果を踏まえ、これまで最大8年間としていた開放検査周期について最大12年間まで認めることとした。
ついては、「ボイラー等の開放検査周期認定要領」を別紙のとおり定めたので、下記に留意の上、その適正かつ円滑な運用に遺漏なきを期されたい。
なお、平成20年3月27日付け基発第0327003号は、本通知をもって廃止する。
記
1 本要領は、令和3年3月29日から適用するものとすること。
2 令和3年3月28日の時点において、既に開放検査周期2年、開放検査周期4年、開放検査周期6年又は開放検査周期8年の認定を受け、当該認定の有効期間が存するものについては、その有効期間の満了までは開放検査周期(2年、4年、6年又は8年)の認定が有効なものとして取り扱うものとすること。
別添2
○ボイラー等の開放検査周期に係る認定制度について
令和3年3月29日基発0329第10号
(関係業界団体の長あて厚生労働省労働基準局長通知)
ボイラー及び第一種圧力容器(以下「ボイラー等」という。)の開放検査(ボイラー(燃焼室を含む。)及び煙道又は第一種圧力容器を冷却し、及び掃除した状態で受ける性能検査をいう。以下同じ。)の周期については、ボイラー及び圧力容器安全規則(昭和47年労働省令第33号)第40条第1項ただし書及び第75条第1項ただし書並びに平成20年3月27日付け基発第0327003号「ボイラー等の開放検査周期に係る認定制度について」に基づき、開放検査周期を最大8年間とし、その間は1年ごとに運転時検査(運転時に行う検査をいう。以下同じ。)又は停止時検査(ボイラー等が運転を停止している状態であって、開放時でない状態にある時に行う検査をいう。以下同じ。)を実施することを認める開放検査周期認定制度を運用してきたところです。
今般、成長戦略フォローアップ(令和2年7月17日閣議決定)に、「労働安全衛生法の規制対象であるボイラーについて、2020年度中に、開放検査周期を最長12年に延長」とされたことを受け、専門家による検討を実施したものでありますが、その検討結果を踏まえ、これまで最大8年間としていた開放検査周期について最大12年間まで認めることとしました。
ついては、「ボイラー等の開放検査周期認定要領」を別紙のとおり定めたので、貴会傘下の会員事業場に対し、本要領についての周知を図られるとともに、下記事項に留意の上、適正な申請が行われるよう指導方お願いします。
なお、平成20年3月27日付け基発第0327003号は、本通知をもって廃止します。
記
1 本要領は、令和3年3月29日から適用するものとすること。
2 令和3年3月28日の時点において、既に開放検査周期2年、開放検査周期4年、開放検査周期6年又は開放検査周期8年の認定を受け、当該認定の有効期間が存するものについては、その有効期間の満了までは開放検査周期(2年、4年、6年又は8年)の認定が有効なものとして取り扱うものとすること。