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通達:粉じん障害防止規則及び労働安全衛生規則の一部を改正する省令等の施行について

 

粉じん障害防止規則及び労働安全衛生規則の一部を改正する省令等の施行について

令和2年6月15日基発0615第6号

(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長通知)

 

粉じん障害防止規則及び労働安全衛生規則の一部を改正する省令(令和2年厚生労働省令第128号。以下「改正省令」という。)及びずい道等の掘削等作業主任者技能講習規程の一部を改正する件(令和2年厚生労働省告示第235号。以下「改正告示」という。)が、令和2年6月15日に公布及び告示され、一部の規定を除き、令和3年4月1日から施行することとされたところである。その改正の趣旨、内容等については、下記のとおりであるので、関係者への周知徹底を図るとともに、その運用に遺漏なきを期されたい。

 

第1 改正の趣旨及び概要等

1 改正の趣旨

粉じん作業を行う坑内作業場(ずい道等の内部において、ずい道等の建設の作業を行うものに限る。以下同じ。)については、粉じん障害防止規則(昭和54年労働省令第18号。以下「粉じん則」という。)の規定により、半月以内ごとに1回、空気中の粉じんの濃度を測定し、その結果に基づき換気装置の風量の増加その他必要な措置を講じなければならないこととされている。

今般、トンネル建設工事の作業環境を将来にわたってよりよいものとする観点から、最新の技術的な知見等に基づき、簡便かつ負担の少ない正確なトンネル切羽付近の空気中の粉じんの濃度の測定とそれに基づく対策を検討した「トンネル建設工事の切羽付近における作業環境等の改善のための技術的事項に関する検討会」の報告書(令和2年1月30日公表)における提言を踏まえ、粉じん則、労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号。以下「安衛則」という。)及びずい道等の掘削等作業主任者技能講習規程(昭和56年労働省告示第41号)について、所要の改正を行ったものである。

2 改正省令の概要

(1) 粉じん則関係

ア 粉じん作業を行う坑内作業場における空気中の粉じんの濃度の測定について、当該坑内作業場の切羽に近接する場所で行うことを義務付けたこと。また、当該空気中の粉じんの濃度の測定を行うときは、原則として、当該坑内作業場における粉じん中の遊離けい酸の含有率を測定することを事業者に義務付けたこと。

イ アの空気中の粉じんの濃度の測定の結果に応じて換気装置の風量の増加その他必要な措置を講じたときは、その効果を確認するため、当該坑内作業場の切羽に近接する場所の空気中の粉じんの濃度を測定することを事業者に義務付けたこと。

ウ 空気中の粉じんの濃度及び遊離けい酸の含有率の測定を行ったときは、その都度、必要な事項を記録し、これを7年間保存することを義務付けるとともに、当該記録事項を、常時各作業場の見やすい場所に掲示し、又は備え付ける等の方法により、労働者に周知させることを事業者に義務付けたこと。

エ 粉じん則別表第3第1号の2、第2号の2又は第3号の2に掲げる作業に労働者を従事させる場合にあっては、一部の作業を除き、当該作業場についての空気中の粉じんの濃度及び遊離けい酸の含有率の測定の結果等に応じて、当該作業に従事する労働者に有効な電動ファン付き呼吸用保護具を使用させることを事業者に義務付けたこと。

(2) 安衛則関係

ア ずい道等の掘削等作業主任者の職務について、換気等の方法を決定し、労働者に使用させる呼吸用保護具を選択すること、呼吸用保護具の機能を点検し、不良品を取り除くこと及び呼吸用保護具の使用状況を監視することを追加したこと。

イ ずい道等の掘削等作業主任者技能講習の学科講習の科目のうち、「作業環境等に関する知識」を「作業環境の改善方法等に関する知識」に改めたこと。

3 改正告示の概要

(1) ずい道等の掘削等作業主任者技能講習の講習科目「工事用設備、機械、器具、作業環境等に関する知識」を「工事用設備、機械、器具、作業環境の改善方法等に関する知識」に改めたこと。

(2) (1)の講習科目に係る範囲に、「空気中の粉じんの濃度等の測定方法」及び「換気等の方法」を追加し、「保護具」を「要求性能墜落制止用器具その他の命綱、保護帽及び呼吸用保護具」に改めるとともに、当該科目の講習時間を1時間30分増やして5時間30分としたこと。

4 施行日及び経過措置

(1) 改正省令及び改正告示は、令和3年4月1日から施行すること。ただし、2(2)アの改正規定は、令和4年4月1日から施行すること。

(2) 労働安全衛生法施行令(昭和47年政令第318号)第6条第10号の2の作業については、令和4年3月31日までの間は、改正省令の施行の日前に改正前の安衛則(以下「旧規則」という。)別表第6に掲げる講習科目によるずい道等の掘削等作業主任者技能講習を修了した者のうちから、ずい道等の掘削等作業主任者を選任することができること。

(3) (2)の作業については、(2)の期間の経過後において、改正省令の施行の日前に旧規則の規定により行われたずい道等の掘削等作業主任者技能講習を修了した者であって、令和6年3月31日までの間に労働安全衛生法(昭和47年法律第57号。以下「法」という。)第77条第3項に規定する登録教習機関が行う講習で都道府県労働局長が定めるものを修了したものをずい道等の掘削等作業主任者に選任することができること。

 

第2 細部事項

1 改正省令(粉じん則)関係

(1) 第6条の3第1項関係

ア 本項は、最新の技術的な知見等に基づき、切羽に近接する場所の粉じんの濃度等の測定及びその結果の評価を義務付けたものであること。

イ 本項の「切羽に近接する場所」は、切羽からおおむね10メートルから50メートルの場所をいうが、粉じん則別表第3第1号の2又は第2号の2の作業を行う場合は、切羽からおおむね20メートルから50メートルの場所として差し支えないこと。

ウ 本項ただし書は、建設工事開始後間もない等の事情により測定の対象となる場所が坑外となるような長さのずい道等については、粉じんの濃度を測定しても適正な換気効果を確認することができないこと、及び測定者が測定箇所に入れないような極めて断面が小さいずい道等については、測定することができないことを考慮し、ずい道等の長さが短いこと等により空気中の粉じんの濃度の測定が著しく困難である場合における測定の義務を免除したものであること。

エ 本項及び第6条の4第2項で規定する粉じんの濃度の測定であって、相対濃度指示方法以外の方法によるものについては、測定の精度を確保するため、第一種作業環境測定士、作業環境測定機関等、当該測定について十分な知識及び経験を有する者により実施されるべきであること。

(2) 第6条の3第2項関係

ア 本項は、切羽に近接する場所における粉じんばく露による健康障害のリスクをより適切に評価するため、粉じん中の遊離けい酸の含有率の測定を義務付けたものであること。

イ 本項ただし書の「当該坑内作業場における鉱物等中の遊離けい酸の含有率が明らかな場合」には、鉱物等又はたい積粉じんの中の遊離けい酸の含有率が分析等により判明している場合、過去に空気中の粉じん中の遊離けい酸の含有率を測定し、その後、切羽における主たる岩石の種類が変わっていない場合、ずい道等掘削工事の前に実施したボーリング調査等による工事区間における主たる岩石の種類に応じ、岩石の種類別に文献等から統計的に求められる標準的な遊離けい酸の含有率を用いて、坑内作業における鉱物等中の遊離けい酸の含有率を得ている場合等が含まれること。

ウ 本項で規定する遊離けい酸の含有率の測定については、第一種作業環境測定士、作業環境測定機関等、当該測定について十分な知識及び経験を有する者により実施されるべきであること。

(3) 第6条の4第1項関係

本項の「その他必要な措置」には、より効果的な換気方式への変更、集じん装置による集じんの実施、作業工程又は作業方法の改善、風管の設置方法の改善、粉じん抑制剤の使用等が含まれること。

(4) 第6条の4第3項関係

ア 本項第4号の「測定条件」は、使用した測定器具の種類、換気装置の稼働状況、作業の実施状況等測定結果に影響を与える諸条件をいうこと。

イ 本項第5号の「測定結果」には、ろ過捕集方法及び重量分析方法により粉じんの濃度の測定を行った場合には、各測定点における試料空気の捕集流量、捕集時間、捕集総空気量、重量濃度、重量濃度の平均値、サンプリングの開始時刻及び終了時刻が含まれ、相対濃度指示方法により粉じんの濃度の測定を行った場合には、各測定点における相対濃度、質量濃度変換係数、重量濃度及び重量濃度の平均値が含まれるとともに、いずれの方法により粉じんの濃度の測定を行った場合にも、粉じん中の遊離けい酸の含有率及び算出された要求防護係数が含まれること。

ウ 本項第6号の「測定を実施した者の氏名」には、測定を外部に委託して行った場合は、受託者の名称等が含まれること。

エ 本項第8号の「当該呼吸用保護具の概要」には、電動ファン付き呼吸用保護具に係る製造者名、型式の名称、形状の種類(面体形又はルーズフィット形)、面体の形状の種類(全面形又は半面形)、漏れ率の性能の等級(S級、A級又はB級)、ろ過材の性能の等級(PS1、PS2又はPS3)及び指定防護係数が含まれること。

(5) 第6条の4第4項関係

本項の「各作業場の見やすい場所に掲示」には、朝礼等で使用する掲示板に掲示することが含まれ、「備え付ける等」の「等」には、書面を労働者に交付すること、磁気ディスクその他これに準ずる物に記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認することができる機器を設置することが含まれること。

(6) 第27条第2項関係

本項は、第6条の3及び第6条の4第2項の規定による測定結果等に応じて、有効な電動ファン付き呼吸用保護具を適切に選択し、それを労働者に使用させることを事業者に義務付ける趣旨であること。また、本項に規定する電動ファン付き呼吸用保護具の要件については、別途、大臣告示において示す予定であること。

2 改正省令(安衛則)関係

(1) 第383条の3関係

ア 本条は、事業者が粉じんの濃度等の測定及びその結果に基づく措置を適切に実施するため、ずい道等の掘削等作業主任者の職務に換気、呼吸用保護具等に関する事項を追加する趣旨であること。

イ 本条第1号の「作業の方法の決定」には、空気中の粉じんの濃度等の測定の方法及びその結果を踏まえた掘削等の作業の方法の決定が含まれること。

ウ 本条第2号の「換気等」の「等」には、局所集じん機、伸縮風管若しくはトラベルカーテンの採用、粉じん抑制剤若しくはエアレス吹付等粉じんの発生を抑制する措置の採用又は遠隔吹付の採用等が含まれること。

(2) 別表第6関係

本表は、ずい道等の掘削等作業主任者が、改正省令によって追加された職務を適切に実施できるよう、ずい道等の掘削等作業主任者技能講習の講習科目を改める趣旨であること。

(3) 改正省令附則第2条第2項関係

本項の「登録教習機関が行う講習で都道府県労働局長が定めるもの」については、別添の「ずい道等の掘削等の作業主任者技能講習特例講習の基準」によること。

3 改正告示関係

(1) 改正告示は、ずい道等の掘削等作業主任者が空気中の粉じんの濃度等の測定、換気等の方法、呼吸用保護具に関する職務を適切に実施できるよう、講習科目の範囲に関連事項を追加するとともに、講習時間を1時間30分延長する趣旨であること。

(2) 講習科目の範囲関係

ア 「換気等」の「等」には、局所集じん機、伸縮風管若しくはトラベルカーテンの採用、粉じん抑制剤若しくはエアレス吹付等粉じんの発生を抑制する措置の採用又は遠隔吹付技術の採用等が含まれること。

イ 「呼吸用保護具」に関する知識には、粉じん則第27条第2項に基づく有効な電動ファン付き呼吸用保護具の使用に関する事項が含まれること。

 

別添

ずい道等の掘削等作業主任者技能講習特例講習の基準

1 受講できる者

受講者は、改正省令の施行の日前に改正前の安衛則の規定により行われたずい道等の掘削等作業主任者技能講習を修了した者であること。

2 実施期間

令和6年3月31日までに実施すること。

3 実施団体

実施団体は、法第77条第3項に規定する登録教習機関(ずい道等の掘削等の作業主任者技能講習について同条第1項の登録を受けた者に限る。)であること。

4 講師

講師は、法別表第20第4号の表に規定される者であること。

5 特例講習の内容

(1) 特例講習の内容は、次の表のとおりとすること。

講習の科目

講習科目の範囲

時間

作業環境の改善方法等に関する知識

空気中の粉じんの濃度等の測定方法

換気等の方法 呼吸用保護具

1時間30分

関係法令

法、労働安全衛生法施行令、安衛則及び粉じん障害予防規則中の作業環境の改善方法等に関連する条項

30分

(2) 特例講習の内容については、以下の事項に留意すること。

ア 「空気中の粉じんの濃度等の測定」は、粉じん則第6条の3及び第6条の4第2項の規定による空気中の粉じんの濃度等の測定であること。

イ 「換気等」の「等」には、局所集じん機、伸縮風管若しくはトラベルカーテンの採用、低粉じん剤若しくはエアレス吹付等粉じんの発生を抑制する措置の採用又は遠隔吹付技術の採用等が含まれること。

ウ 「呼吸用保護具」には、粉じん則第27条第2項に基づく有効な電動ファン付き呼吸用保護具の使用に関する事項が含まれること。

6 修了証

特例講習を修了した者に対しては、修了証を交付するものであること。

なお、修了証の寸法、体裁等は、安衛則様式第17号の例によるものとするが、改正省令による改正前の安衛則の規定により行われたずい道等の掘削等の作業主任者技能講習の修了証に裏書きする方法によっても差し支えないこと。

7 特例講習の計画等

(1) 特例講習を実施しようとする登録教習機関は、法第77条第6項及び労働安全衛生法及びこれに基づく命令に係る登録及び指定に関する省令(昭和47年労働省令第44号。以下「登録省令」という。)第23条の5の規定の例により、特例講習の実施に関する計画を作成し、特例講習を実施する場所にかかわらず、登録を受けている所轄都道府県労働局長に、あらかじめ、提出すること。

(2) 講習を行った登録教習機関は、その結果について各技能特例講習結果報告(別紙)を、遅滞なく、登録を受けている所轄都道府県労働局長に提出すること。

(3) 帳簿の作成、保存及び引継ぎ

特例講習を行った登録教習機関は、登録省令第24条の規定の例により帳簿を作成し、かつ、保存するとともに、特例講習の修了証の再交付及び書替えの業務を廃止する場合は、登録省令第25条の規定の例により、当該帳簿及び関係書類を、登録を受けている所轄都道府県労働局長に引き渡すこと。

8 特例講習の実施に当たっての留意事項

(1) 講習の対象人員

対象人員は、1回当たり50人以内とすること。

(2) 修了試験

ア 修了試験は、筆記試験により実施するものとし、講習時間を全時間受講した者に対して行うこと。

イ 修了試験は、講習の効果を把握するため、講習の内容を十分に理解しているか否かを判定できるものとすること。

ウ 修了試験は、講習修了後20分間を当てるものとし、択一式又は記述式により実施すること。

(3) 講習修了者の決定等

修了試験については、満点を100点とし、得点が70点以上の者を合格者とすること。

 

別紙(ずい道等の掘削等作業主任者技能特例講習結果報告書)