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通達:石油コンビナート等石油化学関連事業所における災害の防止に向けた取組について

 

石油コンビナート等石油化学関連事業所における災害の防止に向けた取組について

令和2年3月6日事務連絡

(都道府県労働局労働基準部長あて厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質対策課長通知)

 

厚生労働省では、総務省消防庁及び経済産業省とともに、3省庁が一体となって石油コンビナート等における災害防止に向けた取組を進めるため、平成26年度から「石油コンビナート等災害防止3省連絡会議」を開催し、事故情報等の共有を図るとともに、近年では、事業所におけるリスクアセスメントの良好事例集や、石油プラントにおけるドローンの安全な運用方法に関するガイドライン等を作成し、その普及啓発を行う等の取組を進めてきたところである。

一方、石油コンビナート等における事故は依然として増加傾向にあるため、令和元年に関係団体を通じて「石油コンビナートにおける災害防止に関する現状調査(石油精製、石油化学、一般化学)※」を行ったところ、別添調査結果のとおり、リスクアセスメント実施の効果及び課題等が明らかになった。

この調査結果を踏まえ、平成26年5月に石油コンビナート等災害防止3省連絡会議報告書で定めた自主保安の更なる徹底を図るため、別紙要請を関係団体に対して行ったところである。

貴局におかれては、管内に高圧ガス保安法又は石油コンビナート等災害防止法の対象施設への指導に際しては、本要請内容に留意するようお願いする。

 

別紙

○石油コンビナート等石油化学関連事業所における災害の防止に向けた取組について(要請)

令和2年3月6日

(石油コンビナート等石油化学関係3団体会長(別記)あて石油コンビナート等災害防止3省連絡会議総務省消防庁審議官・厚生労働省労働基準局安全衛生部長・経済産業省大臣官房審議官(産業保安担当)通知)

平素から、石油コンビナート等の石油化学関連事業所等に係る防災業務について御理解、御協力をいただき、厚くお礼を申し上げます。

さて、総務省消防庁、厚生労働省及び経済産業省では、3省庁が一体となって石油コンビナート等における災害防止に向けた取組を進めるため、平成26年度から「石油コンビナート等災害防止3省連絡会議」を開催し、事故情報等の共有を図るとともに、近年では、事業所におけるリスクアセスメントの良好事例集や、石油プラントにおけるドローンの安全な運用方法に関するガイドライン等を作成し、その普及啓発を行う等の取組を進めてきたところです。

一方、石油コンビナート等における事故は依然として増加傾向にあるため、令和元年に貴団体等にご協力いただき「石油コンビナートにおける災害防止に関する現状調査(石油精製、石油化学、一般化学)※」を実施させていただきました。

※調査結果:https://www.fdma.go.jp/relocation/neuter/topics/fieldList4_16/pdf/r01/01/shiryou7.pdf

この調査結果を踏まえ、平成26年5月に石油コンビナート等災害防止3省連絡会議報告書で定めた自主保安の更なる徹底を図るため、下記の事項について早急に検討し、令和3年度の産業保安に関する自主行動計画等に反映して下さいますよう要請いたします。

併せて、現に自主行動計画等に基づいて行っている取組にも可能な範囲で反映下さいますようお願いいたします。

 

1.事故について

・ 直近5年間で事故の減少傾向が見られないので、その原因の分析と事故を減らすための対策を検討いただきたい。

・ 事故後の対策として、「原因の調査」及び「再発防止策」については、全ての事業所で実施いただきたい。また、事故を発生させていない事業所においても、類似災害を防ぐため、事例を参考とした自社への活用を実施していただきたい。

2.リスクアセスメントの実施について

・ リスクアセスメントを十分に実施していると回答した事業者においても、より一層の事故防止につながるように、リスクアセスメント実施結果に基づいた対策を講じるなど、リスクアセスメント結果の更なる効果的な活用について検討いただきたい。

・ 高圧ガス保安法の非認定事業者(石油化学・一般化学)において、リスクアセスメントが十分になされていないので、その原因と対策について、検討いただきたい。

・ リスクアセスメントの実施に当たって、「人材の育成方法がない(自社で運用ができない)」と回答している事業者が多いことから、人材の育成については、事業所や会社単位に加え、業界全体として育成できるような活動を検討いただきたい。

3.人材の確保について

・ ベテランの知見を技術伝承することに課題があるとの状況から、上記のリスクアセスメントも含めた保安人材を育成するため、関連資格の取得促進や法定講習等の受講を徹底するほか、各事業所や会社単位での保安教育に係る取組に加え、業界全体として個々の事業者が必要に応じて活用できる、保安人材の確保に関わる活動等を実施するよう検討いただきたい。

・ データ収集やその解析手法等を向上する取組を通じ、人手不足を補うためのAIやIoTといった新技術なども含め、こうした技術を導入し運用できる人材を育成・確保すべく、外部講座の受講等も含めた人材確保に向けた取組を実施いただくよう検討いただきたい。

4.南海トラフ対策について

・ 南海トラフ地震防災対策推進基本計画が変更されたことを踏まえ、南海トラフ地震防災対策推進地域として指定されている地域に所在する事業所は、地震津波対策を具体化し、充実に努めていただきたい。

また、これにあたり、各事業所の良好な取組事例の共有が有効であるので、業界全体での情報交換を促進していただきたい。

5.災害対応訓練について

・ 大規模自然災害等との複合災害を含む多様な事故状況に応じたより実戦的状況判断力を向上させるため、シナリオ非提示型(ブラインド型)訓練を含めた災害対応訓練の実施に取り組んでいただきたい。なお、訓練を充実させるためには、訓練支援業務の外部委託の導入、防災管理者や訓練企画者へのさらなる研修機会の付与、事業所間での訓練の優良事例の情報交換の推進などが有効であるので参考にされたい。

別記

石油連盟会長

石油化学工業協会会長

一般社団法人日本化学工業協会会長