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通達:法令名

 

基準等適合証明書が添付された機械等に対する使用検査の実施について

平成29年8月3日基安発0803第3号

(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局安全衛生部長通知)

 

指定外国検査機関については、労働安全衛生法及びこれに基づく命令に係る登録及び指定に関する省令(昭和47年労働省令第44号)第1条の15第3項の規定により、圧力容器構造規格(平成15年厚生労働省告示第196号、以下「構造規格」という。)等に従ってボイラー及び圧力容器安全規則(昭和47年労働省令第33号)第57条第4項等の書面(以下「基準等適合証明書」という。)の作成の実施方法を定め、これに従って公正に、基準等適合証明書の作成業務を行わなければならないとされているところである。

今般、輸入された第一種圧力容器について、構造規格に定める基準に適合しない点があったにもかかわらず、当該第一種圧力容器に係る基準等適合証明書が作成された事案が別添のとおり2件発生したところである。

これに対し、本省においては、当該指定外国検査機関に対して必要な指導を行うとともに、別紙のとおり、ボイラー及び圧力容器に係る他の指定外国検査機関に対しても同様な事案の発生を未然に防ぐための必要な措置について指導したところである。

ついては、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第53条の2第1項に基づき、輸入されたボイラー及び圧力容器に係る同法第38条第1項又は第2項による検査(使用検査)を実施する都道府県労働局においては、基準等適合証明書が添付された機械等に対する使用検査の実施にあたり、下記事項に留意されたい。

なお、登録製造時等検査機関及び登録個別検定機関に対しても同様の趣旨を通知していることを申し添える。

 

1 基準等適合証明書が添付されたボイラー及び圧力容器に係る使用検査においては、外観検査を確実に実施し、当該容器の寸法、ノズル位置、板厚等について、基準等適合証明書の図面、ミルシート、その他添付資料との整合性を確認すること。

2 外観検査において、ボイラー及び圧力容器の実測値と基準等適合証明書に記載されている内容に明らかな齟齬が認められた場合は、当該基準等適合証明書を活用せずに使用検査を実施すること。

3 2により基準等適合証明書を活用せずに行う使用検査において、ボイラー及び圧力容器に構造規格等に適合しない点が判明した場合、適切に合否判定を行うとともに、速やかに本省安全課に報告すること。

 

別添

1 事案1

(1) 事案の概要・端緒

本年5月、都道府県労働局が輸入された第一種圧力容器2基に係る使用検査を実施した際、指定外国検査機関が平成29年1月に作成した当該第一種圧力容器に係る基準等適合証明書を活用しようとしたところ、当該第一種圧力容器の実機と当該基準等適合証明書の内容の間に一致しない点が認められたことから、当該基準等適合証明を活用せずに使用検査を実施したところ、構造規格に定める基準に適合していない点が多く認められたため、使用検査を不合格としたもの。

(2) 基準等適合証明書に係る第一種圧力容器の概要(2基)

製造国:中華人民共和国

その他のアキュームレータ(最高使用圧力:0.75Mpa、内容積:11.3m3)

その他のアキュームレータ(最高使用圧力:0.75Mpa、内容積:4.62m3)

(3) 適合していないと認められる基準

ア 構造規格第37条関係

圧力を受ける板の一部の厚さが図面より薄く、必要な板厚を下回っていたもの。

イ 構造規格第40条関係

溶接部に、板厚の4分の1を上回る食い違いがあったもの。

複数の溶接部に溶接不良があったもの。

ウ 構造規格第43条関係

溶接線が板厚の2倍以下の距離に近接しているにもかかわらず、溶接後熱処理を行っていないもの。

エ その他

設計図面上記載のない溶接線があったもの。

2 事案2

(1) 事案の概要・端緒

平成28年6月に都道府県労働局が輸入された第一種圧力容器3基に係る使用検査を実施した際、指定外国検査機関が平成26年12月及び27年3月にそれぞれ作成した当該第一種圧力容器に係る基準適合証明書を活用しようとしたところ、当該第一種圧力容器の実機と当該基準等適合証明書の内容の間に一致しない点が多く認められたことから、当該基準等適合証明書を活用せずに使用検査を実施したところ、構造規格に定める基準に適合していない点が認められたため、必要な改修を行った上で使用検査を合格としたもの。

(2) 基準等適合証明書に係る第一種圧力容器の概要(計3基)

製造国:中華人民共和国

蒸発器(最高使用圧力:胴0.66Mpa、管0.3Mpa、内容積:胴0.026m3管0.162m3)

ストレージタンク(最高使用圧力:0.22Mpa、内容積:1.67m3)

消毒器(最高使用圧力:0.2Mpa、内容積:0.8m3)

(3) 適合していないと認められる基準

ア 構造規格第25条関係

ステーによって支えられない平板の最小厚さが構造規格第25条おいて準用する第12条に規定する厚さを下回っていたもの。

イ 構造規格第36条第3項関係

のぞき窓のフランジの板厚が、構造規格第36条第3項の基準を満たしていなかったもの。

ウ その他

図面の寸法が実機と一致しないものが数多く認められたもの。

 

別紙

○指定外国検査機関としての適正な業務運営について

平成29年8月3日基安発0803第2号

(ボイラー・圧力容器に係る指定外国検査機関の長あて厚生労働省労働基準局安全衛生部長通知)

指定外国検査機関におかれては、ボイラー及び圧力容器安全規則(昭和47年労働省令第33号)第57条第4項等の書面(以下「基準等適合証明書」という。)の作成業務を実施していただいているところです。

今般、輸入された第一種圧力容器について、圧力容器構造規格(平成15年厚生労働省告示第196号、以下「構造規格」という。)に定める基準に適合しない点があったにもかかわらず、当該第一種圧力容器に係る基準等適合証明書が作成された事案が別添のとおり2件発生したところです。

つきましては、貴機関におかれましても同様の事案の発生を未然に防止する観点から、基準等適合証明書の作成に係る業務の改善について下記のとおり検討を行っていただき、その結果を当職あてに報告をお願いします。

1 別添と同様の事案の発生を未然に防ぐ趣旨から、基準等適合証明書の作成方法の改善を検討すること。検討にあたっては、製造事業者の製造能力等を事前に評価し、能力が高くないと判断された製造事業者の製品に係る基準等適合証明書の作成については、複数の基準等適合証明書作成員による審査、実施管理者による詳細な書類の審査等により厳格な証明書作成手続きを実施できる体制の構築を含むこと。

2 検討した結果については、貴機関において定める業務規程及び業務規程に基づくマニュアル等に反映させ、全社的・統一的な対応を可能とさせること。

3 報告

(1) 1及び2について、平成29年9月1日までに報告すること。

(2) 2のうち、業務規程の変更に係る部分については、労働安全衛生法及びこれに基づく命令に係る登録及び指定に関する省令(昭和47年労働省令第44号。)第1条の17第2項に基づく変更申請書及び変更後の業務規程を平成29年10月1日までに提出すること。