◆トップページに移動 │ ★目次のページに移動 │ ※文字列検索は Ctrl+Fキー
建築物等から除去した石綿含有廃棄物の包装等の徹底について
平成29年6月9日基安化発0609第1号
(都道府県労働局労働基準部長あて厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質対策課長通知)
<編注>本通達の令和2年改正省令第134号(石綿障害予防規則の一部を改正する省令)による改正のそれぞれ規定の施行日(改正事項でないものについては令和2年10月28日)以降は、令和2年10月28日基発1028第1号にて廃止されました。 |
建築物等に使用された石綿及び0.1%を超えて石綿を含有する製剤その他のもの(石綿障害予防規則(平成17年厚生労働省令第21号。以下「石綿則」という。)第3条第2項に基づきみなしたものを含む。以下「石綿等」という。)については、除去時のばく露防止はもとより、除去後から廃棄に至るまでの労働者のばく露防止も重要である。
厚生労働省委託事業における東日本大震災被災地での石綿気中濃度の測定結果及びその結果に関する専門家分析では、破れたフレキシブルコンテナバッグ(以下「フレコンバッグ」という。)に保管されていたボード板の移し替え作業場所において、一定の濃度の石綿繊維が発散していたことが判明している。熊本地震被災地での指導・注意喚起も行ってきたが、フレコンバッグから石綿等がこぼれ落ちる等の事例も見られたところであり、廃棄物処理関係法令とも相まって、石綿則等に基づき、労働者の石綿ばく露防止を図る必要がある。
今般、災害被災地か否かにかかわらず、また、あらかじめ災害時の取扱いを明確化するためにも、建築物等から除去した石綿等の運搬、貯蔵等を行う際の具体的取扱いについて下記の通り示すので、その徹底に遺漏なきを期されたい。
併せて、別添のとおり、関係事業者等団体の長宛て周知等を依頼したので了知されたい。
記
1 建築物等から除去した石綿等については、石綿則第32条第1項及び第2項に基づき、その後の運搬、貯蔵等の際に、石綿粉じんが発散するおそれがないよう、確実な包装等を行い、個々の包装等の見やすい箇所に石綿等が入っていること及びその取扱い上の注意事項を表示しなければならないこと。
2 石綿則第32条第1項の「確実な包装」については、フレコンバッグやビニル袋等に石綿建材を単に入れるだけでなく、石綿等が包装からあふれ出たり、又は包装が破れて石綿等がこぼれ落ちることのないようにするとともに、袋を閉じるなど粉じんの発散を防止する形での包装が必要であること。
3 押出し成形セメント板のように包装が困難なものについては、ビニルシートによる覆い、破断面の湿潤化等により、石綿粉じんの発散がないようにする必要があること。
なお、かえって労働者のばく露が大きくならないよう、フレコンバッグで包装するためにいたずらに細かく破砕することは避けること。
4 例えばシステム天井の天井板をそのまま外したこと等により石綿粉じんの発散のおそれがないものについては、平成17年3月18日付け基発第0318003号の「塊状であって、そのままの状態では発じんのおそれがないもの」に該当し、第1項及び第2項は適用されないが、同条第3項及び第4項(保管場所の定め等)の適用はあること。
なお、原形のまま取り外した成形板で発じんのおそれのないものについては、石綿則第32条第1項及び第2項に基づく包装は必要ないが、破断せずに運搬できるよう、成形板に適した大きさのフレコンバッグによる包装を行うこと。
5 上記1から4までの適用は、建築物等解体等作業の現場のみならず、例えば震災被災地における一時仮置き場においても同様であること。
また、災害被災地におけるがれきについても、分別等により石綿を含有すると判明したものは上記と同様であること。
6 上記1から5までの措置に必要な安全衛生経費が伝達されるよう、注文者は配慮しなければならないこと。
7 例えば運送事業者による運搬時において確実な包装が行われている等により、石綿粉じんに労働者の身体がばく露するおそれのない作業は、石綿等の取扱い作業に該当せず、石綿作業主任者の選任等の措置は必要ないこと。
○建築物等から除去した石綿含有廃棄物の包装等の徹底について
平成29年6月9日基安化発0609第2号
(別記団体の長あて厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質対策課長通知)
建築物等に使用された石綿及び0.1%を超えて石綿を含有する製剤その他のもの(石綿障害予防規則(平成17年厚生労働省令第21号。以下「石綿則」という。)第3条第2項に基づきみなしたものを含む。以下「石綿等」という。)については、除去時のばく露防止はもとより、除去後から廃棄に至るまでの労働者のばく露防止も重要です。
今般、除去後から廃棄までの過程等における労働者の石綿ばく露の防止を一層推進するため、具体的取扱いを下記の通り整理しましたので、貴団体におかれましても、この趣旨を御理解いただき、本内容の周知等に御協力を賜りますよう御願い申し上げます。
記
1 建築物等から除去した石綿等については、石綿則第32条第1項及び第2項に基づき、その後の運搬、貯蔵等の際に、石綿粉じんが発散するおそれがないよう、確実な包装等を行い、個々の包装等の見やすい箇所に石綿等が入っていること及びその取扱い上の注意事項を表示しなければならないこと。
2 石綿則第32条第1項の「確実な包装」については、フレコンバッグやビニル袋等に石綿建材を単に入れるだけでなく、石綿等が包装からあふれ出たり、又は包装が破れて石綿等がこぼれ落ちることのないようにするとともに、袋を閉じるなど粉じんの発散を防止する形での包装が必要であること。
3 押出し成形セメント板のように包装が困難なものについては、ビニルシートによる覆い、破断面の湿潤化等により、石綿粉じんの発散がないようにする必要があること。
なお、かえって労働者のばく露が大きくならないよう、フレコンバッグで包装するためにいたずらに細かく破砕することは避けること。
4 例えばシステム天井の天井板をそのまま外したこと等により石綿粉じんの発散のおそれがないものについては、平成17年3月18日付け基発第0318003号の「塊状であって、そのままの状態では発じんのおそれがないもの」に該当し、第1項及び第2項は適用されないが、同条第3項及び第4項(保管場所の定め等)の適用はあること。
なお、原形のまま取り外した成形板で発じんのおそれのないものについては、石綿則第32条第1項及び第2項に基づく包装は必要ないが、破断せずに運搬できるよう、成形板に適した大きさのフレコンバッグによる包装を行うこと。
5 上記1から4までの適用は、建築物等解体等作業の現場のみならず、例えば震災被災地における一時仮置き場においても同様であること。
また、災害被災地におけるがれきについても、分別等により石綿を含有すると判明したものは上記と同様であること。
6 上記1から5までの措置に必要な安全衛生経費が伝達されるよう、注文者は配慮しなければならないこと。
7 例えば運送事業者による運搬時において確実な包装が行われている等により、石綿粉じんに労働者の身体がばく露するおそれのない作業は、石綿等の取扱い作業に該当せず、石綿作業主任者の選任等の措置は必要ないこと。
別記
1 安全衛生団体等
独立行政法人 労働者健康安全機構
公益社団法人 日本作業環境測定協会
公益社団法人 日本保安用品協会
公益社団法人 産業安全技術協会
公益社団法人 全国労働衛生団体連合会
一般社団法人 日本労働安全衛生コンサルタント会
公益社団法人 全国労働基準関係団体連合会
2 労働災害防止団体
中央労働災害防止協会
建設業労働災害防止協会
3 建設業関連団体
一般社団法人 日本建設業連合会
一般社団法人 全国建設業協会
公益社団法人 全国解体工事業団体連合会
一般社団法人 建設産業専門団体連合会
一般社団法人 全国中小建築工事業団体連合会
一般社団法人 住宅生産団体連合会
建設廃棄物協同組合
住宅リフォーム推進協議会
建設労務安全研究会
4 その他
公益社団法人 全国産業廃棄物連合会
公益財団法人 日本産業廃棄物処理振興センター
公益財団法人 産業廃棄物処理事業振興財団
全国アスベスト適正処理協議会
一般社団法人 日本アスベスト調査診断協会
一般社団法人 JATI協会
一般社団法人 日本繊維状物質研究協会
一般社団法人 建築物石綿含有建材調査者協会