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通達:放射線業務における眼の水晶体の被ばくに係る放射線障害防止対策について

 

放射線業務における眼の水晶体の被ばくに係る放射線障害防止対策について

平成29年4月18日基安発0418第1号

(東京電力ホールディングス株式会社代表執行役員社長あて厚生労働省労働基準局安全衛生部長通知)

 

日頃より労働安全衛生行政の推進にご理解、ご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。

現在、電離放射線障害防止規則(昭和47年労働省令第41号。以下「電離則」という。)で定める被ばく線量限度については、放射線審議会の「ICRP1990年勧告(Pub.60)の国内制度等への取入れについて(意見具申)」及びその他の国際基準の取入れに対応するため、平成13年4月1日に改正されたものであり、電離則第5条において、放射線業務従事者の受ける眼の水晶体の等価線量限度は1年間につき150ミリシーベルトとしており、これを超えないように徹底しているところです。

一方で、2011年の国際放射線防護委員会(以下「ICRP」という。)によるソウル声明において、最近の疫学データを基に見直した結果、眼の水晶体の等価線量限度については、これまでよりも低い5年間平均で1年当たり20ミリシーベルト(年最大50ミリシーベルト)が示され、国際原子力機関(以下「IAEA」という。)の国際基本安全基準及び技術文書(IAEA TECDOC No.1731)においても、同様の等価線量限度が取入られているところです。

当該基準の国内規制への取入れについては、今後、放射線審議会における議論の進捗とともに、関係法令の所要の改正が見込まれます。

貴社におかれては、線量基準についてこのような動向があることを了知いただくとともに、関係法令が整備されるまでの間において、ICRPで示されているALARA(As Low As Reasonably Achievable)「すべての被ばくは社会的、経済的要因を考慮に入れながら合理的に達成可能な限り低く抑えるべきである」という原則に則り、下記により、実施可能な被ばく低減対策等に取り組んでいただきますようお願いいたします。

1 放射線業務を現在行っている事業場においては、放射線防護の基本原則である「遮蔽をする。放射線源から距離を取る。作業時間を短くする。」に則り、作業方法及び手順の再確認を行うこと。

また、再確認の結果を踏まえ、必要に応じて以下に留意の上、作業方法の見直し、被ばく低減対策等を検討すること。

なお、今後、放射線業務を行う予定の事業場においても同様の措置を講じること。

(1) 放射線源と作業位置との距離が不必要に接近していないか確認を行い、作業位置の見直し及び放射線の遮蔽を行うこと。

また、事前に同様の作業を放射線の無い環境で模擬的に行う訓練、能力向上研修等により、実際の作業時間をできるだけ短縮させること。さらに、有資格者や特別教育受講者を増員させるなど、放射線業務に従事することのできる人員の確保・育成を行うこと。

(2) 局所的に眼の水晶体への被ばくが高くなるおそれのある作業については、放射線防護用のめがね等の保護具、医療向け可動式の防護アクリルガラス等を使用することにより、適切な被ばく防護策を講じること。また、その使用に当たっては、適切な使用方法に係る教育を行うこと。

2 労働者から放射線被ばくによる眼の水晶体に係る健康不安の申出があった場合には、産業医の面接、産業保健総合支援センター、放射線による健康影響の専門家などを活用し、労使間で話し合って対応を検討すること。

3 現在実施している眼の水晶体の等価線量の測定・評価方法を確認し、主としてベータ線が出ている作業環境において全面マスクを使用している場合など、相当程度遮蔽が見込まれる場合は、遮蔽効果を加味して等価線量を評価するよう検討すること。

 

○放射線業務における眼の水晶体の被ばくに係る放射線障害防止対策について

平成29年4月18日基安発0418第2号

(各都道府県知事・各保健所設置市長・各特別区長あて厚生労働省労働基準局安全衛生部長通知)

日頃より労働安全衛生行政の推進にご理解、ご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。

現在、電離放射線障害防止規則(昭和47年労働省令第41号。以下「電離則」という。)で定める被ばく線量限度については、放射線審議会の「ICRP1990年勧告(Pub.60)の国内制度等への取入れについて(意見具申)」及びその他の国際基準の取入れに対応するため、平成13年4月1日に改正されたものであり、電離則第5条において、放射線業務従事者の受ける眼の水晶体の等価線量限度は1年間につき150ミリシーベルトとしており、これを超えないように徹底しているところです。

一方で、2011年の国際放射線防護委員会(以下「ICRP」という。)によるソウル声明において、最近の疫学データを基に見直した結果、眼の水晶体の等価線量限度については、これまでよりも低い5年間平均で1年当たり20ミリシーベルト(年最大50ミリシーベルト)が示され、国際原子力機関(以下「IAEA」という。)の国際基本安全基準及び技術文書(IAEA TECDOC No.1731)においても、同様の等価線量限度が取入られているところです。

当該基準の国内規制への取入れについては、今後、放射線審議会における議論の進捗とともに、関係法令の所要の改正が見込まれます。

貴殿におかれては、線量基準についてこのような動向があることを了知いただくとともに、関係法令が整備されるまでの間において、関係する医療機関等の事業場で、ICRPで示されているALARA(As Low As Reasonably Achievable)「すべての被ばくは社会的、経済的要因を考慮に入れながら合理的に達成可能な限り低く抑えるべきである」という原則に則り、下記により、実施可能な被ばく低減対策への取組が進むよう周知方お願いいたします。

1 放射線業務を現在行っている事業場においては、放射線防護の基本原則である「遮蔽をする。放射線源から距離を取る。作業時間を短くする。」に則り、作業方法及び手順の再確認を行うこと。

また、再確認の結果を踏まえ、必要に応じて以下に留意の上、作業方法の見直し、被ばく低減対策等を検討すること。

なお、今後、放射線業務を行う予定の事業場においても同様の措置を講じること。

(1) 放射線源と作業位置との距離が不必要に接近していないか確認を行い、作業位置の見直し及び放射線の遮蔽を行うこと。

また、事前に同様の作業を放射線の無い環境で模擬的に行う訓練、能力向上研修等により、実際の作業時間をできるだけ短縮させること。さらに、有資格者や特別教育受講者を増員させるなど、放射線業務に従事することのできる人員の確保・育成を行うこと。

(2) 局所的に眼の水晶体への被ばくが高くなるおそれのある作業については、放射線防護用のめがね等の保護具、医療向け可動式の防護アクリルガラス等を使用することにより、適切な被ばく防護策を講じること。また、その使用に当たっては、適切な使用方法に係る教育を行うこと。

2 労働者から放射線被ばくによる眼の水晶体に係る健康不安の申出があった場合には、産業医の面接、産業保健総合支援センター、放射線による健康影響の専門家などを活用し、労使間で話し合って対応を検討すること。

3 現在実施している眼の水晶体の等価線量の測定について、電離則第8条第3項に基づき放射線測定器を適切な位置に装着しているか確認すること。

また、実効線量や皮膚の等価線量についても、引き続き適切な線量管理に努めること。

 

○放射線業務における眼の水晶体の被ばくに係る放射線障害防止対策について

平成29年4月18日基安発0418第3号

(別記の団体あて厚生労働省労働基準局安全衛生部長通知)

日頃より労働安全衛生行政の推進にご理解、ご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。

現在、電離放射線障害防止規則(昭和47年労働省令第41号。以下「電離則」という。)で定める被ばく線量限度については、放射線審議会の「ICRP1990年勧告(Pub.60)の国内制度等への取入れについて(意見具申)」及びその他の国際基準の取入れに対応するため、平成13年4月1日に改正されたものであり、電離則第5条において、放射線業務従事者の受ける眼の水晶体の等価線量限度は1年間につき150ミリシーベルトとしており、これを超えないように徹底しているところです。

一方で、2011年の国際放射線防護委員会(以下「ICRP」という。)によるソウル声明において、最近の疫学データを基に見直した結果、眼の水晶体の等価線量限度については、これまでよりも低い5年間平均で1年当たり20ミリシーベルト(年最大50ミリシーベルト)が示され、国際原子力機関(以下「IAEA」という。)の国際基本安全基準及び技術文書(IAEA TECDOC No.1731)においても、同様の等価線量限度が取入られているところです。

当該基準の国内規制への取入れについては、今後、放射線審議会における議論の進捗とともに、関係法令の所要の改正が見込まれます。

貴団体におかれては、線量基準についてこのような動向があることを了知いただくとともに、関係法令が整備されるまでの間において、傘下の放射線業務を行う事業場等で、ICRPで示されているALARA(As Low As Reasonably Achievable)「すべての被ばくは社会的、経済的要因を考慮に入れながら合理的に達成可能な限り低く抑えるべきである」という原則に則り、下記により、実施可能な被ばく低減対策への取組が進むよう周知方お願いいたします。

<編注:上記通達と同じため略>

別記

一般社団法人日本経済団体連合会会長

日本労働組合総連合会会長

建設業労働災害防止協会会長

中央労働災害防止協会会長

電気事業連合会会長

全国電力関連産業労働組合総連合会長

公益社団法人全国労働衛生団体連合会会長

一般社団法人日本非破壊検査協会会長

ものづくり産業労働組合会長

一般社団法人日本原子力産業協会会長

一般社団法人日本電気協会会長

日本酸化チタン工業会会長

一般社団法人全国建設業協会会長

一般社団法人日本食品機械工業会会長

日本食品関連産業労働組合総連合会 会長

一般財団法人 食品環境検査協会理事長

全国農業協同組合連合会会長

全国農業協同組合中央会会長

日本赤十字社長

公益社団法人日本医師会長

公益社団法人全国自治体病院協議会長

一般社団法人日本病院会長

公益社団法人日本精神科病院協会長

社会福祉法人恩賜財団済生会理事長

社会福祉法人北海道社会事業協会理事長

公益社団法人日本歯科医師会長

公益社団法人全日本病院協会長

一般社団法人日本医療法人協会長

全国厚生農業協同組合連合会長

一般社団法人 全国医学部長病院長会議会長

 

○放射線業務における眼の水晶体の被ばくに係る放射線障害防止対策について

平成29年4月18日基安発0418第4号

(別記の事業者あて厚生労働省労働基準局安全衛生部長通知)

日頃より労働安全衛生行政の推進にご理解、ご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。

現在、電離放射線障害防止規則(昭和47年労働省令第41号。以下「電離則」という。)で定める被ばく線量限度については、放射線審議会の「ICRP1990年勧告(Pub.60)の国内制度等への取入れについて(意見具申)」及びその他の国際基準の取入れに対応するため、平成13年4月1日に改正されたものであり、電離則第5条において、放射線業務従事者の受ける眼の水晶体の等価線量限度は1年間につき150ミリシーベルトとしており、これを超えないように徹底しているところです。

一方で、2011年の国際放射線防護委員会(以下「ICRP」という。)によるソウル声明において、最近の疫学データを基に見直した結果、眼の水晶体の等価線量限度については、これまでよりも低い5年間平均で1年当たり20ミリシーベルト(年最大50ミリシーベルト)が示され、国際原子力機関(以下「IAEA」という。)の国際基本安全基準及び技術文書(IAEA TECDOC No.1731)においても、同様の等価線量限度が取入られているところです。

当該基準の国内規制への取入れについては、今後、放射線審議会における議論の進捗とともに、関係法令の所要の改正が見込まれます。

貴社におかれては、線量基準についてこのような動向があることを了知いただくとともに、関係法令が整備されるまでの間において、ICRPで示されているALARA(As Low As Reasonably Achievable)「すべての被ばくは社会的、経済的要因を考慮に入れながら合理的に達成可能な限り低く抑えるべきである」という原則に則り、下記により、実施可能な被ばく低減対策等に取り組んでいただきますようお願いいたします。

<編注:上記通達と同じため略>

別記

国立研究開発法人国立がん研究センター理事長

国立研究開発法人国立循環器病研究センター理事長

国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター理事長

国立研究開発法人国立国際医療研究センター理事長

国立研究開発法人国立成育医療研究センター理事長

国立研究開発法人国立長寿医療研究センター理事長

独立行政法人国立病院機構理事長

独立行政法人地域医療機能推進機構理事長

独立行政法人労働者健康福祉機構理事長

学校法人産業医科大学理事長

 

○放射線業務における眼の水晶体の被ばくに係る放射線障害防止対策について

平成29年4月18日基安発0418第5号

(別記の関係省庁、関係部局あて厚生労働省労働基準局安全衛生部長通知)

日頃より労働安全衛生行政の推進にご理解、ご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。

現在、電離放射線障害防止規則(昭和47年労働省令第41号。以下「電離則」という。)第5条において、放射線業務従事者の受ける眼の水晶体の等価線量限度を1年間につき150ミリシーベルトとしており、これを超えないように徹底しているところです。

一方で、2011年の国際放射線防護委員会によるソウル声明などにおいては、電離則で定める眼の水晶体の線量限度よりも低い値が示されており、このような国際的な動向を踏まえ、当該基準の国内規制への取入れについては、今後、放射線審議会における議論の進捗とともに、関係法令の所要の改正が見込まれます。

このような動きを捉えて、放射線業務を行う事業者において、実施可能な被ばく低減対策に取り組んでいただくため、別添のとおり、平成29年4月18日付け基安発0418第1号から第4号を関係事業者及び団体あて発出したところです。

つきましては、貴職におかれましても、この趣旨を御理解のうえ、労働者の放射線障害防止対策の一層の推進に御協力いただきますようお願い申し上げます。

別記

資源エネルギー庁 電力・ガス事業部長

原子力規制庁 原子力規制部長

都道府県労働局長