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オルト―トルイジンに係る健康診断の実施について
平成28年12月5日基安発1205第1号
(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局安全衛生部長通知)
福井県の事業場においてオルト―トルイジン等の化学物質を取り扱う作業に従事していた複数の労働者が膀胱がんを発症する事案が発生したことを踏まえ、平成27年12月18日付け基安発1218第1号「芳香族アミンによる健康障害の防止対策について」により、オルト―トルイジンを取り扱っている労働者等に対する膀胱がんに関する検査の実施等の健康障害防止対策の実施について関係団体に要請し、さらに、平成28年6月20日付け基安発0620第1号「オルト―トルイジンによる健康障害の防止対策の継続的な実施について」により、膀胱がんに関する検査の継続的な実施等について重ねて関係団体に要請した。
今般、この事案等を踏まえて、労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令(平成28年政令第343号)及び特定化学物質障害予防規則及び労働安全衛生規則の一部を改正する省令(平成28年厚生労働省令第172号)がそれぞれ平成28年11月2日、11月30日に公布され、平成29年1月1日よりオルト―トルイジンが特定化学物質に位置付けられ、事業者にオルト―トルイジンに係る特殊健康診断の実施等が義務付けられることとなったところである。
これに伴い、オルト―トルイジンに係る健康診断の実施について、別添により、関係団体の長あて要請したので、都道府県労働局においても、関係事業者に対する改正政省令の周知の際に併せて周知するとともに、管内の関係団体に対して要請願いたい。
別添
○オルト―トルイジンに係る健康診断の実施について
平成28年12月5日基安発1205第1号
(別記の関係団体の長あて厚生労働省労働基準局安全衛生部長通知)
日頃より、労働安全衛生行政の推進に御理解、御協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
福井県の事業場においてオルト―トルイジン等の化学物質を取り扱う作業に従事していた複数の労働者が膀胱がんを発症する事案が発生したことを踏まえ、平成27年12月18日付け基安発1218第1号「芳香族アミンによる健康障害の防止対策について」(以下「1218通達」という。)により、オルト―トルイジンを取り扱っている労働者等に対する膀胱がんに関する検査の実施等の健康障害防止対策の実施について貴協会に要請し、さらに、平成28年6月20日付け基安発0620第1号「オルト―トルイジンによる健康障害の防止対策の継続的な実施について」(以下「0620通達」という。)により、膀胱がんに関する検査の継続的な実施等について重ねて貴協会に要請しました。
今般、この事案等を踏まえて、労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令(平成28年政令第343号)及び特定化学物質障害予防規則及び労働安全衛生規則の一部を改正する省令(平成28年厚生労働省令第172号)がそれぞれ平成28年11月2日、11月30日に公布され、平成29年1月1日よりオルト―トルイジンが特定化学物質に位置付けられ、事業者にオルト―トルイジンに係る特殊健康診断の実施等が義務付けられることとなったところです。
これに伴い、オルト―トルイジンの健康診断に関する留意点等を下記のとおり示しますので、貴協会傘下の会員事業場等に周知いただきますようお願いします。
記
1 現職の労働者へのオルト―トルイジンの健康診断の実施について
改正政省令の施行日(平成29年1月1日)以降は、①オルト―トルイジン又はオルト―トルイジンを重量の1%を超えて含有する製剤その他のもの(以下「オルト―トルイジン等」という。)を製造し、又は取り扱う業務に常時従事する労働者、並びに②オルト―トルイジン等を製造し、又は取り扱う業務に常時従事させたことのある労働者で現に使用しているものに対しては、改正後の労働安全衛生法施行令(昭和47年政令第318号)及び特定化学物質障害予防規則(昭和47年労働省令第39号。以下「特化則」という。)に基づき、オルト―トルイジンの健康診断の実施等の措置を講じる必要があること。
なお、これまで1218通達及び0620通達により膀胱がんに関する検査の項目をお示しし、これにより検査を実施いただいてきたが、改正政省令の施行日以降は、改正後の特化則第39条並びに別表第3及び別表第4の規定に基づき実施することについてご留意いただきたいこと。
また、これまで都道府県労働局又は労働基準監督署から提示された様式により検査結果を提出いただいてきたが、改正政省令の施行日以降に実施する健康診断の結果については、特化則第41条の規定に基づき、特化則様式第4号により所轄の労働基準監督署長に提出することについて、併せてご留意いただきたいこと。
2 退職者への膀胱がんに関する検査の受診勧奨について
オルト―トルイジン等を製造し、又は取り扱う業務に常時従事させたことのある労働者であって、既に退職している者に対しては、引き続き膀胱がんに関する検査の受診を勧奨することが望ましいこと。
なお、膀胱がんに関する検査の項目としては、特化則別表第3及び別表第4に規定されたものが望ましいが、これに限るものではないこと。
別記
一般社団法人日本化学工業協会
化成品工業協会