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労働安全衛生法施行令等の一部を改正する政令等の施行について
平成26年11月28日基発1128第7号
(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長通知)
労働安全衛生法の一部を改正する法律(平成26年法律第82号。以下「改正法」という。)については、平成26年6月25日に公布され、その主たる内容については、同日付け基発0625第4号をもって通達したところであるが、改正法において政令で定めることとしていた施行期日に関し、労働安全衛生法の一部を改正する法律の施行期日を定める政令(平成26年政令第325号。以下「施行期日政令」という。)が平成26年10月1日に公布・施行されたところである。
また、改正法の施行に伴い、労働安全衛生法施行令等の一部を改正する政令(平成26年政令第326号。以下「整備政令」という。)が平成26年10月1日に、労働安全衛生法の一部を改正する法律の一部の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備に関する省令(平成26年厚生労働省令第131号。以下「整備省令」という。)及び労働安全コンサルタント及び労働衛生コンサルタント規程等の一部を改正する告示(平成26年厚生労働省告示第454号。以下「整備告示」という。)が平成26年11月28日にそれぞれ公布され、いずれも平成26年12月1日に施行されることとなっている。
ついては、今回の改正の趣旨を十分に理解し、関係者への周知徹底を図るとともに、特に下記の事項に留意して、その運用に遺漏のないようにされたい。
記
第1 改正の要点
Ⅰ 施行期日政令関係
改正法の施行期日を平成27年6月1日とし、同法附則第1条第2号に掲げる規定(電動ファン付き呼吸用保護具を譲渡等制限及び型式検定の対象に追加する規定、建設物又は機械等の設置等の計画の届出義務を廃止する規定等関係)の施行期日を平成26年12月1日とし、同条第3号に掲げる規定(心理的な負担の程度を把握するための検査等に係る規定等関係)の施行期日を平成27年12月1日としたこと。
なお、同条第4号に掲げる規定(化学物質の危険性又は有害性等の調査に係る規定等関係)の施行期日については、今後、別途定めることを予定していること。
Ⅱ 整備政令関係
1 労働安全衛生法施行令の一部改正
(1) 型式検定を受けるべき機械等の追加
型式検定を受けるべき機械等として、電動ファン付き呼吸用保護具を追加したこと(第14条の2関係)。
(2) 外国登録製造時等検査機関等の事務所における検査に要する費用の負担
厚生労働大臣が、外国登録製造時等検査機関等の業務の適正な運営を確保するため必要があると認めた場合にその職員に行わせる外国登録製造時等検査機関等の事務所における検査に要する費用のうち、当該検査のため当該職員がその検査に係る事務所の所在地に出張をするのに要する旅費の額に相当するものは、当該検査を受ける外国登録製造時等検査機関等が負担するものとしたこと(第15条の3関係)。
なお、本条において厚生労働省令で定めることとされている旅費の額の計算に関し必要な細目を始めとする外国登録製造時等検査機関等に係る関係省令の整備については、今後、今般の整備省令とは別に定めることを予定していること。
2 労働安全衛生法関係手数料令の一部改正
(1) 型式検定の手数料
国が行う電動ファン付き呼吸用保護具の型式検定の手数料を次のように定めたこと(第5条及び別表第3関係)。
①新規検定 1件につき389,300円
②更新検定 1件につき22,100円
(2) 型式検定の手数料の加算
電動ファン付き呼吸用保護具の型式検定の申請があった場合において、厚生労働大臣は、当該型式の器具を製造し、及び検査する設備が厚生労働省令で定める基準に適合しているどうかを審査するためその職員をして当該設備等の所在地に出張させる必要があると認めたときは、当該検定の申請をした者にその旨を通知するものとし、当該通知を受けた者が納付しなければならない手数料の額は、(1)の金額に審査旅費相当額等の合計額として厚生労働大臣が通知した金額を加算した金額としたこと(第5条の2関係)。
3 1及び2のほか、改正法による改正前の労働安全衛生法(昭和47年法律第57号。以下「旧法」という。)第88条第1項の規定による建設物又は機械等の設置等の計画の届出義務が廃止されたことに伴い、労働安全衛生法施行令(昭和47年政令第318号)及び厚生労働省組織令(平成12年政令第252号)について所要の規定の整備を行ったこと。
Ⅲ 整備省令関係
1 労働安全衛生法及びこれに基づく命令に係る登録及び指定に関する省令の一部改正
登録型式検定機関の登録の区分として電動ファン付き呼吸用保護具に係る区分を追加したこと(第19条の3関係)。
2 機械等検定規則の一部改正
(1) 電動ファン付き呼吸用保護具に係る新規検定を受けようとする者は、型式検定実施者に、電動ファン付き呼吸用保護具の現品7個、ろ過材14個並びに排気弁及び弁座3個をそれぞれ提出しなければならないこととしたこと(第6条及び別表第1関係)。
(2) 電動ファン付き呼吸用保護具に係る新規検定は、型式検定実施者の所在する場所において行うものとしたこと(第7条関係)。
(3) 電動ファン付き呼吸用保護具に係る型式検定を受けようとする者が有すべき検査のための設備として、粒子捕集効率測定設備、漏れ率試験設備、公称稼働時間試験設備、騒音試験設備、二酸化炭素濃度上昇値試験設備、通気抵抗試験設備、排気弁の作動気密試験設備、内圧試験設備及び最低必要風量試験設備を定めたこと(第8条第1項及び別表第2関係)。
(4) 型式検定を受けようとする者が有すべき検査のための設備であって、その者が随時他の者が有する検査のための設備を利用することができる場合に、その者を当該設備を有する者とみなすこととなる設備として、公称稼働時間試験設備及び騒音試験設備を追加したこと(第8条第2項関係)。
(5) 電動ファン付き呼吸用保護具に係る型式検定を受けようとする者が有すべき工作責任者として、次に掲げるものを定めたこと(第8条第1項、別表第3関係)。
① 学校教育法による大学又は高等専門学校において理科系統の正規の課程を修めて卒業した者で、その後2年以上電動ファン付き呼吸用保護具の研究、設計、工作、検査又は型式検定の業務に従事した経験を有するもの
② 学校教育法による高等学校又は中等教育学校において理科系統の正規の学科を修めて卒業した者で、その後5年以上電動ファン付き呼吸用保護具の研究、設計、工作、検査又は型式検定の業務に従事した経験を有するもの
③ 8年以上電動ファン付き呼吸用保護具の研究、設計、工作、検査又は型式検定の業務に従事した経験を有する者
(6) 電動ファン付き呼吸用保護具に係る型式検定合格証の有効期間を5年としたこと(第10条関係)。
(7) 型式検定に合格した型式の電動ファン付き呼吸用保護具である旨の表示は、以下の箇所に型式検定合格標章を付すことにより行うものとしたこと(第14条関係)。
① 電動ファン付き呼吸用保護具のうち電動ファンが分離できるものにあっては、電動ファン、ろ過材及び面体等のそれぞれ見やすい箇所
② 電動ファン付き呼吸用保護具のうち電動ファンが分離できないものにあっては、ろ過材及び面体等のそれぞれ見やすい箇所
3 1及び2のほか、改正法により旧法第88条第1項の規定による建設物又は機械等の設置等の計画の届出義務が廃止されることに伴い、以下の省令について所要の規定の整備を行ったこと。
① 労働基準法施行規則(昭和22年厚生省令第23号)
② 労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号)
③ ボイラー及び圧力容器安全規則(昭和47年労働省令第33号)
④ クレーン等安全規則(昭和47年労働省令第34号)
⑤ ゴンドラ安全規則(昭和47年労働省令第35号)
⑥ 有機溶剤中毒予防規則(昭和47年労働省令第36号)
⑦ 労働安全衛生法及びこれに基づく命令に係る登録及び指定に関する省令(昭和47年労働省令第44号)
⑧ 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則(昭和61年労働省令第20号)
⑨ 厚生労働省組織規則(平成13年厚生労働省令第1号)
⑩ 石綿障害予防規則(平成17年厚生労働省令第21号)
⑪ 労働安全衛生規則等の一部を改正する省令(平成26年厚生労働省令第101号)
Ⅳ 整備告示関係
1 労働安全衛生法関係手数料令第5条の2第1項の審査のため職員を出張させる場合を定める件の一部改正
労働安全衛生法関係手数料令(昭和47年政令第345号)第5条の2第1項の規定の対象に電動ファン付き呼吸用保護具を加えたことについてはⅡ2(2)に示したとおりであるが、同規定の委任を受けて、防じんマスク及び防毒マスクに係る型式検定の申請があった場合において、当該型式の器具を製造し、及び検査する設備が厚生労働省令で定める基準に適合しているかどうかを審査するため、厚生労働大臣がその職員をして当該設備等の所在地に出張させることができる具体的な場合を定めている本告示についても、電動ファン付き呼吸用保護具を対象に加えることとしたこと。
2 インジウム化合物等を製造し、又は取り扱う作業場において労働者に使用させなければならない呼吸用保護具の一部改正
インジウム化合物等を製造し、又は取り扱う作業場において労働者に使用させなければならないこととされている電動ファン付き呼吸用保護具の粒子捕集効率について、電動ファン付き呼吸用保護具の規格(平成26年厚生労働省告示第455号)に規定する試験方法により測定しなければならないこととしたこと(第3号関係)。
3 1及び2のほか、改正法により旧法第88条第1項の規定による建設物又は機械等の設置等の計画の届出義務が廃止されることに伴い、「労働安全コンサルタント及び労働衛生コンサルタント規程」(昭和48年労働省告示第37号)及び「労働保険の保険料の徴収等に関する法律施行規則第20条の3第1号及び第3号の規定に基づき厚生労働大臣が定める件」(平成8年労働省告示第13号)について所要の規定の整備を行ったこと。
第2 整備省令に係る細部事項
1 労働安全衛生規則別表第7関係
旧法第88条第1項の規定に基づく届出の際に一定の書面、図面等を提出すべき機械等として整備省令による改正前の労働安全衛生規則別表第7の21の項に規定されていた放射線装置室、放射性物質取扱作業室及び放射性物質に係る貯蔵施設については、改正法による改正後の労働安全衛生法(以下「新法」という。)第88条第1項の厚生労働省令で定める機械等に含まれないことから、別表第7から削除し、計画の届出を要しないものとしたこと。
2 機械等検定規則関係
(1) 第8条第2項関係
電動ファン付き呼吸用保護具については、既に規定されている二酸化炭素濃度上昇値試験設備、排気弁の作動気密試験設備、漏れ率試験設備、及び面体の気密試験設備に加えて、公称稼働時間試験設備及び騒音試験設備についても、随時他の者の有するこれらの設備を利用することができる場合には、型式検定を受けようとする者をこれらの設備を有する者とみなすことが可能であること。
(2) 第14条関係
防じんマスク、防毒マスク及び電動ファン付き呼吸用保護具に係る「見やすい箇所」には、一見して標章を確認できる箇所のほか、カバーを取り外すことなどにより容易に確認できる箇所を含むものであること。
(3) 様式第11号(3)関係
① 防じんマスク、防毒マスク及び電動ファン付き呼吸用保護具の型式検定合格標章について、従来一定の寸法とすべきことを定めていたところであるが、一定の寸法以上であればよいこととしたこと(備考1関係)。
② 電動ファン付き呼吸用保護具の型式検定合格標章に表示すべき「種類」は、面体等に付す型式検定合格標章については通常風量形又は大風量形の別及び漏れ率に係る性能の区分、ろ過材に付す型式検定合格標章については粒子捕集効率に係る性能の区分、電動ファンに付す型式検定合格標章については通常風量形又は大風量形の別であること(備考4関係)。
③ 1つの防じんマスク、防毒マスク若しくは電動ファン付き呼吸用保護具又はこれらのろ過材等に複数の型式検定合格標章を同時に表示すべき場合であって、当該複数の標章に記載すべき「型式検定に合格した年」、「品名」及び「種類」が同一であるときは、当該複数の標章を1つの標章にまとめた上で、複数の型式検定合格番号を列記することも差し支えないこととしたこと(備考5関係)。
なお、このような型式検定合格標章の例は次のとおりであること。
(様式第11号(3)(乙)の場合の例)
第3 関連通達について
改正法により旧法第88条第1項の規定による建設物又は機械等の設置等の計画の届出義務が廃止され、旧法第88条第2項に規定していた内容が新法第88条第1項に規定されるとともに、旧法第88条第3項以下の規定が新法においては1項ずつ繰り上がることとなったところである。
このため、旧法第88条第1項に関してこれまでに発せられた通達については、旧法第88条第2項から第8項までにも関係するものであるという場合を除き、廃止するものとする。
また、旧法第88条第2項から第8項までの規定については改正法による改正の前後でその内容に変更はないものであることから、これらの規定に係る通達については、これらの規定を以下の表のとおり読み替えた上で適用するものとする。
なお、型式検定に係る通達については、別途改正等を行うこととするので、了知されたい。
(表)
読替前 |
読替後 |
第88条第2項 |
第88条第1項 |
第88条第3項 |
第88条第2項 |
第88条第4項 |
第88条第3項 |
第88条第5項 |
第88条第4項 |
第88条第6項 |
第88条第5項 |
第88条第7項 |
第88条第6項 |
第88条第8項 |
第88条第7項 |