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推進工法によるずい道建設工事における労働災害防止対策の徹底について
平成26年8月20日基安安発0820第2号
(都道府県労働局労働基準部安全主務課長あて厚生労働省労働基準局安全衛生部安全課長通知)
平成24年10月27日、高知県高知市において、推進工法により下水管渠を築造する建設工事現場で、掘進機内の排泥バルブより土砂と水が噴き出し、機内で作業を行っていた2人が死亡する労働災害が発生した。
その調査結果等を踏まえ、同種災害を防止するため、別添のとおり推進工法によるずい道建設工事における労働災害防止対策の徹底について要請したので、了知するとともに、管内の実情に応じ、関係団体に対する周知、事業者等への指導等を行われたい。
(別添)
○推進工法によるずい道建設工事における労働災害防止対策の徹底について
平成26年8月20日基安安発0820第1号
(一般社団法人日本建設業連合会会長・一般社団法人全国建設業協会会長・一般社団法人日本トンネル技術協会会長・公益社団法人日本推進技術協会会長・建設業労働災害防止協会専務理事あて厚生労働省労働基準局安全衛生部安全課長通知)
平成24年10月27日、高知県高知市において、推進工法により下水管渠を築造する建設工事現場で、掘進機内の排泥バルブより土砂と水が噴き出し、機内で作業を行っていた2人が死亡する労働災害が発生しました。
厚生労働省では、高知労働基準監督署が調査を実施するとともに、独立行政法人労働安全衛生総合研究所も災害原因調査を実施しました。
その調査結果等を踏まえ、同種災害を防止するため、貴協会(連合会)におかれましては、会員事業者に対して、下記事項に留意の上、適切な労働災害防止対策を講ずるよう周知徹底していただきたく要請いたします。
記
1 調査等
(1) 掘進する地山の地質及び地層の状態について、十分な事前調査を行い、詳細に把握すること。
(2) 調査結果に基づき、工法の計画(施工計画を含む。)を定め、また、掘進中の地質の状況に基づき、必要に応じて計画を見直すこと。
2 推進機の選定
推進機の選定に当たっては、故障が直ちに重篤な事故につながらないよう、以下に配慮したものを選定するよう努めること。
(1) 坑内を労働者が歩いて移動することが困難なずい道建設工事においては、地上から推進機等の遠隔操作が可能なもの等推進機内及び坑内での作業を減らすことが可能なものであること。
(2) 空気系統や電気系統に異常があった場合に警報を出し、排泥バルブが開かないものであること。
(3) エアーコンプレッサーが故障した場合等の異常時に、排泥バルブが閉鎖することができる容量の予備タンクを備えていること。
(4) 緊急閉止ゲートは異常時にすみやかに、かつ、確実に動作するものであること。
3 エアーコンプレッサーについて
エアーコンプレッサーについては、故障が直ちに重篤な事故につながらないよう、エア圧が低下するなど異常を生じた際には警報を出すもの、異常時に急激にエア圧が低下しないよう容量の大きなタンクを備えているもの等安全に配慮したものを選定するよう努めること。
4 施工時の留意事項
(1) 施工開始前に、推進機のエアの配管、タンク、電磁弁、排泥バルブ、電気系統の点検を行うこと。
(2) エアーコンプレッサーを回すベルトに異常がないか作業開始前に点検を行うこと。特に静音型のエアーコンプレッサーは、ベルトやモーターの異音がしていても聞こえにくいので、定期的に目視による点検を行うこと。
(3) 排泥バルブが動作しなくなった際の緊急閉止ゲートなどの安全装置を有効に機能させるための点検を行うとともに、点検に係る教育を実施すること。
(4) 落盤、出水等による労働災害発生の急迫した危険があるときは、直ちに作業を中止し、人命確保を最優先として速やかに労働者を安全な場所まで退避させること。
(5) 落盤、出水、ガス爆発、火災等が生じたときに備えるため、切羽までの距離が100mに達するまでの期間内に1回、その後6月以内の適切な期間ごとに1回、避難及び消火の訓練を実施すること。