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労働安全衛生法施行令第2条第3号に掲げる業種における安全推進者の配置等に係るガイドラインの策定について
平成26年3月28日基発0328第6号
(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長通知)
労働安全衛生法施行令(昭和47年政令第318号)第2条第3号に掲げる業種(以下「3号業種」という。)の事業場には、安全管理者又は安全衛生推進者の選任や安全委員会の設置の義務付けがなく、安全管理体制の構築に係る法令的な担保がなされていない。
一方、1年間に発生する休業4日以上の労働災害約12万件のうち、その3分の1を上回る約5万件が3号業種において発生しており、これら3号業種における安全管理体制の構築が急務となっている。
こうした状況を踏まえ、平成25年度から平成29年度までの5年間を計画期間とする「第12次労働災害防止計画」においては、3号業種がそのほとんどを占める第三次産業、とりわけ小売業、社会福祉施設及び飲食店が労働災害削減の数値目標を掲げた重点業種とされており、さらに、平成25年12月24日付けの労働政策審議会の建議「今後の労働安全衛生対策について」においても、「現在の労働安全衛生法において安全管理者又は安全衛生推進者の選任が義務付けられていない業種(その他の小売業、社会福祉施設など)において、安全管理体制の整備が徐々に進められていることから、まずはこうした取組を促進させることとし、事業者に対して国が安全の担当者の配置等を内容とするガイドラインを示し指導を行うことが適当である。」とされたところである。
以上を踏まえ、今般、「労働安全衛生法施行令第2条第3号に掲げる業種における安全推進者の配置等に係るガイドライン」を別添のとおり策定し、3号業種における安全の担当者の配置等を促進することとしたので、関係事業者に周知されるとともに、本ガイドラインに基づく安全管理体制の整備に取り組むよう指導されたい。
また、関係団体に対し、別紙により要請しているので、了知されたい。
別添
労働安全衛生法施行令第2条第3号に掲げる業種における安全推進者の配置等に係るガイドライン
1 目的
本ガイドラインは、労働安全衛生法施行令(昭和47年政令第318号。以下「令」という。)第2条第3号に掲げる業種に属する事業場において、安全の担当者(以下「安全推進者」という。)を配置することにより、当該事業場の安全管理体制を充実し、これらの事業場における労働災害防止活動の実効を高め、労働災害の減少に資することを目的とする。
2 対象事業場
令第2条第3号に掲げる業種の事業場であって、常時10人以上の労働者を使用するものを対象とする。
なお、第12次労働災害防止計画において労働災害削減の数値目標を掲げた重点業種である以下に掲げる業種の事業場については、特に重点的に本ガイドラインに基づく安全推進者の配置に取り組むものとする。
・小売業(令第2条第2号に含まれる各種商品小売業、家具等小売業及び燃料小売業を除く。)
・社会福祉施設
・飲食店
3 安全推進者の配置等
(1) 安全推進者の要件
安全推進者は、職場内の整理整頓(4S活動)、交通事故防止等、業種の別に関わりなく事業所内で一般的に取り組まれている安全活動に従事した経験を有する者のうちから配置するものとする。
なお、常時使用する労働者が50人を超える事業場や労働災害を繰り返し発生させた事業場については、安全に対する知見を少しでも多く有する者を配置する観点から、以下の者を配置することが望ましい。
ア 安全衛生推進者の資格を有する者(安全衛生推進者養成講習修了者、大学を卒業後1年以上安全衛生の実務を経験した者、5年以上安全衛生の実務を経験した者等)
イ アと同等以上の能力を有すると認められる者(労働安全コンサルタントの資格を有する者、安全管理士の資格を有する者又は安全管理者の資格を有する者)
(2) 安全推進者の配置
原則として、事業場ごとに1名以上配置するものとする。ただし、安全推進者の職務を遂行しうる範囲内において、一定区域内の複数の事業場で1名の安全推進者を配置することとしても差し支えないものとする。
(3) 安全推進者の氏名の周知
事業者は、安全推進者を配置したときは、その氏名を作業場の見やすい箇所に掲示する等により関係労働者に周知するものとする。
4 安全推進者の職務
本ガイドラインの対象業種でみられる災害の多くは、転倒災害、荷物の運搬等による腰痛、階段等からの墜落・転落や交通労働災害など日常生活でも起こりうる性質のものであり、その防止のためには、職場環境や作業方法の改善、安全衛生教育の実施といった安全活動の必要性についての認識を事業者、労働者ともども高める必要がある。
こうした現状を踏まえ、安全推進者は、事業の実施を総括管理する者を補佐して、以下の職務を行うものとする。
なお、事業者は、こうした安全推進者の活動を実効あるものとするために、安全推進者に対して必要な権限を与えるとともに、知識の付与や能力の向上にも配意するものとする。
(1) 職場環境及び作業方法の改善に関すること
(例:職場内の整理整頓(4S活動)の推進、床の凸凹面の解消等職場内の危険箇所の改善、刃物や台車等道具の安全な使用に関するマニュアルの整備 等)
(2) 労働者の安全意識の啓発及び安全教育に関すること
(例:朝礼等の場を活用した労働災害防止に係る意義の周知・啓発、荷物の運搬等の作業に係る安全な作業手順についての教育・研修の実施 等)
(3) 関係行政機関に対する安全に係る各種報告、届出等に関すること
(例:労働災害を発生させた場合における労働者死傷病報告の作成及び労働基準監督署長への提出 等)
別紙
○労働災害を防止するための安全の担当者の配置等について(要請)
平成26年3月28日基発0328第7号
(別記の団体の長あて厚生労働省労働基準局長通知)
1年間に発生する休業4日以上の死傷労働災害は、全業種合計で約12万件となっていますが、そのうち約5万件は第三次産業において発生しており、これは製造業や建設業といった危険又は有害な業務が多い業種の約4.5万件を上回っている状況にあります。
その一方で、第三次産業の事業場については、一部を除き労働災害防止活動を担当する安全管理者等の選任や安全委員会の設置が義務付けられていないことから、事業場として安全管理体制の構築が十分なされていない場合が認められるところです。
こうした状況を踏まえ、平成25年度から平成29年度までの5年間を計画期間として策定された「第12次労働災害防止計画」においては、第三次産業、とりわけ小売業、社会福祉施設及び飲食店が労働災害削減の数値目標を掲げた重点業種として設定され、更に、平成25年12月24日付けの労働政策審議会の建議「今後の労働安全衛生対策について」においても、「現在の労働安全衛生法において安全管理者又は安全衛生推進者の選任が義務づけられていない業種(その他の小売業、社会福祉施設など)において、安全管理体制の整備が徐々に進められていることから、まずはこうした取組を促進させることとし、事業者に対して国が安全の担当者の配置等を内容とするガイドラインを示し指導を行うことが適当である。」とされたところです。
以上を踏まえ、今般、「労働安全衛生法施行令第2条第3号に掲げる業種における安全推進者の配置等に係るガイドライン」を別添のとおり策定し、常時使用する労働者が10人以上の事業場について、安全の担当者の配置等をお願いすることとしましたので、貴団体におかれましてはご理解、ご協力をお願いしますとともに、会員事業場に対する同ガイドラインの周知についてご配意をお願いします。
別記
別紙の要請先一覧
1 小売業関係
・一般社団法人 日本自動車販売協会連合会
・公益社団法人 日本新聞販売協会
・一般社団法人 新日本スーパーマーケット協会
・日本スーパーマーケット協会
・オール日本スーパーマーケット協会
・日本チェーンストア協会
・日本百貨店協会
・一般社団法人 日本ドゥ・イット・ユアセルフ協会
2 社会福祉施設
・社会福祉法人 全国社会福祉協議会
・公益社団法人 全国老人福祉施設協議会
・公益社団法人 全国有料老人ホーム協会
・一般社団法人 全国特定施設事業者協議会
・公益社団法人 日本認知症グループホーム協会
・一般社団法人 日本在宅介護協会
・一般社団法人
「民間事業者の質を高める」全国介護事業者協議会
・公益社団法人 全国老人保健施設協会
・全国福祉医療施設協議会
・全国社会就労センター協議会
・全国身体障害者施設協議会
・社会福祉法人 全国社会福祉協議会 全国保育協議会
3 飲食店
・一般社団法人 日本フードサービス協会
・一般社団法人 大阪外食産業協会
・公益社団法人 日本給食サービス協会
・一般社団法人 日本弁当サービス協会
・全国飲食業生活衛生同業組合連合会
・一般社団法人 日本総菜協会
・公益社団法人 日本べんとう振興協会
4 その他
・中央労働災害防止協会