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通達:法令名

 

除染等業務従事者等被ばく線量登録管理制度について

平成25年12月26日基発1226第17号

(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長通知)

 

標記については、東日本大震災で生じた放射性物質により汚染された土壌等を除染するための業務等に係る電離放射線障害防止規則(除染電離則)及び電離放射線障害防止規則(電離則)により、労働者の放射線障害防止を図っているところである。

今般、法令をより確実に遵守するための民間の取り組みとして、除染等業務等に従事する労働者の被ばく線量等を一元管理する制度を設立するため、関係元請事業者が参集した「除染等業務従事者等被ばく線量登録管理制度検討会」において検討が行われた。本制度は、平成25年11月15日から暫定的に発足し、同日付け基発1115第4号により、貴職あて通知したところである。

さらに、本日、別添1のとおり、同検討会の最終とりまとめが決定され、地方自治体及び環境省以外の国の機関が発注する除染等業務等を対象とした部分については、平成26年4月1日から発足することとなった。

厚生労働省としては、本制度は、除染電離則及び電離則に定める被ばく管理を円滑かつ確実に実施するために有益であると考えており、別途示すところにより、本制度への参加を促すため、「除染等業務に従事する労働者の放射線障害防止のためのガイドライン」(平成23年12月22日付け基発1222第6号)等の改正を行ったところである。

ついては、各局におかれては、本制度の内容について、下記事項に留意の上、管轄内の地方自治体及び国の機関の発注部門及び事業者団体等に対して適切な方法により周知を図られたい。

なお、環境省に対して別添2、国土交通省、農林水産省に対して別添3、関係事業者団体に対して別添4、関係都道府県知事に対して別添5により通知していることを申し添える。

 

1 本制度の参加に関する留意点

(1) 除染等業務又は特定線量下業務を請け負った元請事業者については、次に掲げる方法で制度に参加すること。

ア 除染特別地域における業務については、別添1のⅢの第2から第4に定める放射線管理手帳、線量登録・経歴照会、被ばく線量記録等の引渡しの全てに参加すること

イ 除染特別地域以外における業務については、別添1のⅢの第4に定める離職後の被ばく線量記録等の引渡しのみについて参加すること

(2) 事故由来廃棄物等の処分の業務を請け負った元請事業者については、地域にかかわらず、別添1のⅢの第2から第4に定める全ての項目に参加すること。

2 本制度に関連する発注業務及び財政措置

(1) 国が発注する除染等業務(特定汚染土壌等取扱業務を除く。)については、環境省により、国が発注する特定汚染土壌等取扱業務については、国土交通省又は農林水産省により、本制度の経費に関する必要な配慮がなされること。

(2) 地方自治体又は環境省からの支出委任を受けた国の機関が発注する除染等業務(特定汚染土壌等取扱業務を除く。)については、環境省により、本制度に係る必要な財政措置に関する配慮がなされること。

 

別添1

除染等業務従事者等被ばく線量登録管理制度検討会最終とりまとめ

平成25年12月26日

目次

Ⅰ 除染等業務従事者等被ばく線量登録管理制度検討会開催要綱及び参集者

Ⅱ 検討の経緯

Ⅲ 除染等業務従事者等被ばく線量登録管理制度の設立について

第1 適用等

第2 放射線管理手帳の運用方法の統一的運用方法

第3 線量登録及び経歴照会等の運用方法

第4 線量記録及び健康診断結果の引渡し

第5 制度の運用

第6 その他

別紙1 検討項目

別紙2 参集者

別紙3 除染等業務従事者等被ばく線量登録管理制度に必要と考えられる所要登録項目について

別紙4 除染等工事に係るイベントと各種登録の関係

Ⅰ 除染等業務従事者等被ばく線量登録管理制度検討会 開催要綱及び参集者

1 趣旨

除染等業務、特定線量下業務、事故由来廃棄物等処分業務に従事する労働者(以下「従事者」という。)の線量管理については、「東日本大震災により生じた放射性物質により汚染された土壌等を除染するための業務等に係る電離放射線障害防止規則」(以下、「除染電離則」という。)で、事業者に被ばく線量記録等を30年間保存することを義務付けるとともに、従事者が離職した際に線量記録の写しの交付及び雇い入れ時に過去の被ばく歴の調査を義務付けている。「電離放射線障害防止規則」(以下、「電離則」という。)においてもほぼ同様の規定がある。これら規定により、従事者が複数の事業場に雇用された場合でも、累積被ばく管理は適切に実施できる。

しかしながら、従事者が雇い入れ時の被ばく歴調査時に、適切に過去の被ばく線量を申告しない場合、累積線量が適切に加算されないおそれがある。

このため、除染事業を発注者から直接受注している事業者(以下、「元請事業者」という。)により、除染等業務従事者被ばく線量を一元管理するための管理制度のあり方について、検討会を開催する。

2 検討項目

(1) 放射線管理手帳の運用方法の統一及び活用方法

ア 従事者全員に放射線管理手帳を発給し、中央登録番号を取得する方法

イ 放射線管理手帳を活用した法令上の従事者への線量通知の方法

ウ 放射線管理手帳を活用した法令上の雇い入れ時の被ばく歴の確認方法

エ 放射線管理手帳を活用した健康診断、特別教育の実施状況の把握方法

(2) 線量登録システムの内容(詳細は別紙1)

ア 各種登録申請

イ 定期線量登録

ウ 法定記録の引渡し

エ 経歴照会

オ イレギュラー処理

カ 登録負担金

キ システム整備

ク 制度の運用

(3) その他必要な事項

ア 線量登録管理制度の対象となる事業・従事者の範囲

イ 本制度開始までに実施された事業の取扱い

ウ 健康診断結果の法定引渡しとの関係

エ 原子力施設に係る「被ばく線量登録管理制度」(以下、「原子力システム」という。)とのデータ相互照会

オ その他

3 構成

(1) 本検討会は、別紙2の参集者により開催する。

(2) 本検討会には座長を置き、座長は検討会の議事を整理する。

(3) 本検討会の参集者は、必要に応じ追加することができる。

(4) 本検討会は、参集者以外の者に出席を求めることができる。

4 その他

本検討会の事務は、(公財)放射線影響協会において行う。

[別紙1]

検討項目

各種登録申請

① 登録の種類

② 登録項目

③ 登録方法(申請書、電子申請)

④ 申請書様式及び電子申請のフォーマット

⑤ 申請の時期

定期線量登録

① 定期線量登録について(意義、役割等)

② 登録の対象期間

③ 登録時期(頻度)

④ 登録項目

⑤ 電子申請のフォーマット

⑥ 過去分の線量登録について

法定記録の引渡し

① 健康診断記録の扱い

② 引渡し手続き

③ 記録の様式(紙文書又はPDF)

④ 過去分の線量の登録について

経歴照会

① 照会項目(パソコンシステム運用時、サーバシステム運用時)

② 方法(パソコンシステム運用時、サーバシステム運用時)

③ 原子力システムとの関係

イレギュラー処理

① 登録内容の訂正、変更、削除の方法

② 線量データ未登録時の措置

登録負担金

① 負担金額

② 支払い時期

システム整備

① 中央登録センターシステムの機能、開発スケジュール

② 事業者のシステム対応

③ データ伝送設備

制度の運用

① 業務契約書、負担金覚書等の内容

② 個人情報保護(秘密の保持)について

③ 制度加入、脱退の扱い

④ 業務要領・マニュアル類の整備

⑤ 協議会の設立・運用等について

[別紙2]

参集者

企業名

職氏名

備考

株式会社大林組

労務安全部長 谷口 秀樹

日本建設業連合会推薦

鹿島建設株式会社

安全環境部専任役 田島 尚樹

日本建設業連合会推薦

清水建設株式会社

安全環境本部安全部長 児島 統一

日本建設業連合会推薦

大成建設株式会社

安全本部安全部参与 桧皮 政輝

日本建設業連合会推薦

株式会社熊谷組

安全本部長 土屋 良直

日本建設業連合会推薦

株式会社奥村組

東日本支社総務部厚生課課長 吉村 公雄

建設労務安全研究会推薦

前田建設工業株式会社

執行役員安全担当 加藤 正勝

建設労務安全研究会推薦

株式会社アトックス

環境修復事業所放射線管理課長 秦 和則

除染・廃棄物技術協議会推薦

株式会社千代田テクノル

原子力事業本部副本部長 根岸 公一郎

除染・廃棄物技術協議会推薦

東京パワーテクノロジー株式会社

原子力事業部技術管理G 小林 宏光

除染・廃棄物技術協議会推薦

オブザーバー

厚生労働省

安全衛生部電離放射線労働者健康対策室長 得津 馨

安全衛生部電離放射線労働者健康対策室長補佐 安井省侍郎

環境省

水・大気環境局中間貯蔵施設担当参事官室長補佐 岡野 祥平

水・大気環境局放射性物質汚染対策担当参事官室 係長 中田ゆい子

大臣官房廃棄物・リサイクル対策部廃棄物対策課長補佐 南 政慶

(一社)日本建設業連合会

安全部長 木村 健治

環境部長 森 隆

(一社)全国建設業協会

労働部長 丸谷秀範

電気事業連合会

原子力部副長 末吉 康広

東京電力(株)

原子力・立地業務部 原子力保健安全センター主査 林田 敏幸

日本原子力発電(株)

発電管理室副室長兼環境保安グループマネージャー 阿部 歩

事務局

(公財)放射線影響協会

常務理事 猪飼 正身

放射線従事者中央登録センターセンター長 宮部 賢次郎

放射線従事者中央登録センターセンター長代理 伊藤 敦夫

放射線従事者中央登録センター 調査役 光森可明

Ⅱ 検討の経緯

● 第1回検討会(平成25年8月8日)

・ 現状の把握と、登録制度のあり方についてのフリーディスカッション

● 第2回検討会(平成25年8月27日)

・ 第1回での質問等への回答、論点ごとの議論

● 第3回検討会(平成25年9月9日)

・ 中間とりまとめの骨子案の検討

● 第4回検討会(平成25年9月27日)

・ 骨子案の議論を踏まえたとりまとめ案の検討

● 第5回検討会(平成25年10月8日)

・ 中間とりまとめ案の最終調整

● 第6回検討会(平成25年12月24日)

・ 最終とりまとめ案の検討

Ⅲ 除染等業務従事者等被ばく線量登録管理制度の設立について

本検討会は、次に掲げるとおり、除染等業務従事者等被ばく線量登録管理制度の設立について合意した。

第1 適用等

1 目的

除染等業務従事者等被ばく線量登録管理制度(以下「管理制度」という。)は、次に掲げる事項を目的とする。

(1) 労働者が複数の事業者に順次所属する場合に、当該労働者の過去の被ばく歴を確実に把握するため、関係する元請事業者が、放射線管理手帳制度と相まって、労働者の過去の被ばく線量を必要な時に確認できる登録制度を構築すること

(2) 数十年後に健康障害が発生した場合に、過去の被ばく線量の累計、所属事業者等を把握できる制度を構築すること

(3) 既存の「放射線管理手帳」と、原子力システムとの連携を図りつつ制度を構築すること

(注) 放射線管理手帳を所持している者は、放射線障害防止法適用施設での被ばくについては、放射線管理手帳に記載することとなっている。中央登録制度に関する連携については、今後の検討課題とする。

2 適用

(1) 管理制度は、除染電離則第2条第7項で定める「土壌の除染等の業務」、「廃棄物収集等業務」、「特定汚染土壌等取扱業務」、第8項で定める「特定線量下業務」及び電離則第2条第3項で定める「放射線業務」のうち事故由来廃棄物等の処分の業務に関する事業(以下、「除染等事業」という。)に従事する元請事業者を対象とする。

なお、制度の対象の拡大については、必要に応じて検討する。

(2) 除染等事業(事故由来廃棄物等の処分の業務に関する事業を除く。)を請け負った元請事業者は、次に掲げる方法(注1)で制度に参加する。

ア 除染特別地域(注2)における除染等事業については、第2から第4に定める全ての項目について参加すること

イ 除染特別地域以外における除染等事業については、第4に定める離職後の被ばく線量記録及び除染電離放射線健康診断又は電離放射線健康診断(以下「除染・電離健康診断」という。)の実施結果(注3)の引渡しのみについて参加すること

(3) 事故由来廃棄物等の処分の業務に関する事業を請け負った元請事業者は、第2から第4に定める項目全てについて参加する。

(注1) 除染特別地域以外における除染等事業であっても、第2から第4に定める項目について参加することも認める。

(注2) 「平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法(汚染対処特措法)」第25条第1項に規定する除染特別地域。

(注3) 地方自治体発注事業における元請事業者による除染・電離健康診断結果の把握状況が明らかでないため、当面、線量記録の引渡しのみの参加も認める。

(注4) 国の財政措置によらず、地方自治体が独自に実施した除染作業を請け負った元請事業者又は元請事業者の関係請負人に該当しない運輸事業者等が本制度への参加を希望する場合、原則として(2)イの方法で本制度に参加する。

第2 放射線管理手帳の運用方法の統一的運用方法

1 放射線管理手帳の取得

(1) 除染等事業の元請事業者は、自社及びその関係請負人の放射線管理手帳を取得していない労働者に関して、放射線管理手帳の発行申請を行う。ただし、放射線管理業務を独自で実施できる関係請負人(以下「特定関係請負人」という。)については、当該特定関係請負人が発行申請を行う。

(2) 関係請負人(注)は、新規に除染等事業に従事する全ての労働者について、当該労働者を作業に従事させる前に、放射線管理手帳を元請事業者に提出する。放射線管理手帳を取得していない労働者については、放射線管理手帳の発行申請書及びその添付書類を元請事業者に提出する。

(3) 放射線管理手帳が発行された時点で労働者が離職している場合、元請事業者又は特定関係請負人は、離職時までの被ばく線量を放射線管理手帳に記載した上で、放射線管理手帳を関係請負人に返却する。この場合、関係請負人は、放射線管理手帳を離職した労働者に交付する。

(注) 「関係請負人」とは、元請事業者が自らの事業の一部を請け負わせている請負人をいう。従って、資材等を運搬する運送業者は、通常、関係請負人には含まれない。

2 放射線管理手帳の管理、被ばく線量の通知等

(1) 元請事業者又は特定関係請負人は、以下の事項を実施する。

ア 自社及びその関係請負人の労働者に関して、放射線管理手帳を保管・管理する。

イ 3ヶ月を超えない期間(女性の場合は1ヶ月を超えない期間)ごとに、被ばく線量を自社の労働者及び関係請負人に通知するとともに、放射線管理手帳に被ばく線量を記載する。

ウ 自社又は関係請負人の労働者が除染等事業の事業場から離職する場合、事業に従事した間の累積線量を放射線管理手帳に記載した上で、自社の労働者又は関係請負人に放射線管理手帳を速やかに返却する。

(2) 関係請負人は、以下の事項を実施する。

ア (1)イにより元請事業者から通知された被ばく線量を労働者に通知する。

イ 労働者が離職する際に、元請事業者から当該労働者の放射線管理手帳の返却を受け、当該労働者に放射線管理手帳を確実に手渡す。

(注1) 原子力システムと同様に、定期線量が登録されていない至近の被ばく状況、従事状況については、放射線管理手帳により確認することを前提とする。

3 健康診断の実施状況の把握及び放射線管理手帳への記載

(1) 元請事業者又は特定関係請負人は、以下の事項を実施する。

ア 自社及びその関係請負人の労働者に関して、除染・電離健康診断及び特定健康診断の実施状況を把握する。

イ 把握した自社及びその関係請負人の労働者に関する除染・電離健康診断の実施結果を放射線管理手帳に記載する。

(2) 関係請負人は、以下の事項を実施する。

ア 新規に除染等事業に従事する労働者について、除染・電離健康診断及び特定健康診断の実施結果の写しを元請事業者に提出する。

イ 除染等事業に常時従事する労働者について、6ヶ月以内ごとに1回、定期に除染・電離健康診断及び特定健康診断を実施し、その結果の写しを元請事業者に提出する。

ウ 放射線管理手帳が返却された際、除染・電離健康診断の結果が記載されていることを確認し、漏れがある場合は追加記載を行う。

4 特別教育の実施状況の把握及び放射線管理手帳への記載

(1) 元請事業者又は特定関係請負人は、以下の事項を実施する。

ア 自社及びその関係請負人の労働者に関して、自ら特別教育を実施するか、受講済みであることを確認する。

イ 把握した自社及びその関係請負人の労働者の特別教育実施結果を放射線管理手帳に記載する。

(2) 関係請負人は、以下の事項を実施する。

ア 新規に除染等事業に従事する労働者について、特別教育の受講の有無を確認し、未受講の場合は、元請の実施する教育を受講させるか、自ら教育を実施する。

イ 放射線管理手帳が返却された際、特別教育実施状況が記載されていることを確認し、漏れがある場合は追加記載を行う。

第3 線量登録及び経歴照会等の運用方法

除染等事業と各種登録作業の関係を別紙4に示す。

1 事業場登録

(1) 概要

元請事業者は、除染等事業のために設置した事業場の名称及び工事件名などを事業場ごとに登録する。(公財)放射線影響協会に設置された放射線従事者中央登録センター(以下「中央登録センター」という。)は、事業場コード、工事件名コードを付与し各種登録に用いる。

(2) 登録項目

元請事業者は、別紙3に示した登録項目を申請書様式に記載する。

(3) 登録の時期

ア 事業場開設時

イ 事業場閉鎖時

ウ 工事件名の事業の開始時(複数工事がある場合)

エ 工事件名の事業の終了時(複数工事がある場合)

(4) 登録方法

以下のいずれかとする。

ア 申請書を中央登録センターに郵送する。

イ 登録内容の変更については専用端末からの申請も検討する。

(注1) 一つの事業場が、複数の工事件名を登録し、それぞれの工事件名について線量登録や経歴照会を行うことを可能とする。

(注2) 工事件名はそれぞれの件名ごとに事業場登録で登録する。除染等従事者の線量はそれぞれの工事件名ごとに定期線量登録で登録することを原則とするが、線量が分けられない場合には主たる件名で登録することも認める。

2 定期線量登録

(1) 概要

元請事業者は、工事件名ごとに、報告対象の四半期に除染等事業に従事した作業者について、ア~ウの内容を登録する。登録情報は、除染システムにデータベース化し、制度に参加する元請事業者から経歴照会可能とする。

ア 従事者の個人識別項目の登録

イ 従事者の従事情報(工事件名、作業開始日、作業終了日)の登録

ウ 従事者の報告対象の四半期の工事件名における被ばく線量の登録

(2) 登録データ項目

元請事業者は、別紙3に示す登録データ項目を中央登録センターに登録する。

(3) 登録方法

元請事業者は、登録項目を定められた順番等に従いCSVフォーマットにより引渡す。

(4) 登録の時期

元請事業者は、報告対象四半期の末日の3ヶ月後までに記録等を登録する。

なお、四半期の途中で工事が終了した時は、工事の終了から3ヶ月以内に登録を行うこととする。

(注1) 単に線量登録だけではなく、除染システムへの除染等従事者の登録及び、従事状況(どの作業場で、いつからいつまで作業についていたか)を登録する役割を担う。

(注2) 原子力システムと同様に、定期線量が登録されていない至近の被ばく状況、従事状況については、放射線管理手帳により確認することを前提とする。

(注3) 登録項目について、データに誤りや不備がないかサーバー上でチェックを行い、登録事業者は必要に応じて修正を行う。

(注4) 登録された除染従事者の人数は、負担金算定の根拠にも用いられる。

3 経歴照会

(1) 概要

元請事業者は以下の経歴照会を可能とする。

ア 定期線量登録記録の経歴照会

元請事業者は、制度に参加する他の元請事業者が登録した記録を含め、全ての登録された定期線量記録について、専用端末により照会を可能とする。専用端末は、事業場登録された事業場に設置される。

イ 引渡し記録の照会

① 元請事業者は、引渡された線量記録及び除染・電離健康診断の記録について、照会可能とする。引渡し記録の照会は、申請書の郵送により行う。

② この際、元請事業者は、線量記録については、制度に参加する他の元請事業者が引渡した記録を含め、全ての記録について照会可能とするが、健康診断結果については、自らが引渡した記録のみ照会が可能である。

③ 関係請負人については、自社の労働者に係る記録についてのみ照会が可能である。

(2) 経歴照会項目

ア 定期線量登録記録の経歴照会

① 除染従事者登録の有無

② 個人識別項目確認

③ 線量確認

④ 従事情報(作業場所、作業開始日、離職日)

イ 引渡し記録の照会

① 被ばく線量記録

② 除染・電離健康診断の実施結果

(3) 手帳保持の有無の照会

第1の2の(2)のイにより、線量記録等の引渡しのみで制度に参加する元請事業者は、作業者の手帳保持の有無を確認する必要がある場合、手帳発効機関に問い合わせすることができる(別途費用が必要)。

(注1) 参加事業者は除染登録制度のデータベースの共同利用者であるとの立場から、経歴照会は除染登録制度に登録された従事者に限って可能とする。

(注2) 環境省直轄除染において、手帳を持っていないと申告した者は、手帳発行手続きの際に手帳発効機関が原子力システムに登録の有無を確認することになる。

4 イレギュラー処理

(1) 登録内容の修正

元請事業者は、登録内容に誤りを発見した場合には、適切な手段を用いて登録内容を修正する。

(2) 手帳記載内容とシステム登録内容の相違

手帳の記載内容とシステムに登録されている累積線量が異なる場合には、発見者が元請事業者に連絡し、必要な調査を実施する。この結果、いずれかの累積線量が誤っている場合は、元請事業者が速やかに修正する。

(3) 登録処理時の修正

定期線量等を除染システムに登録する際、警告や致命的なエラーが発生した場合には、その内容が中央登録センターから登録事業場に通知される。元請事業者は、その通知を調査し、内容の確認や修正等、適切に対応する。

(4) 不具合・不測の事態への対応

不具合・不測の事態が発生した場合、発見者が元請事業者に連絡し、元請事業者と中央登録センターにて協議し、最適と思われる方策にて対応する。なお、関係請負人に原因がある場合は、その理由等を書面で提出させ元請で保管する必要がある。

(注) 経歴照会での登録線量と放射線管理手帳の線量と食い違いがある場合、累積線量の対象期間の違い等を確認した上で、なお食い違いが説明できないときは、どちらかの線量が誤りであることから、調査の上、誤っている記録を修正する必要がある。

5 原子力システムとのデータ相互照会

(1) 概要

除染システムは、原子力システムとは別のシステムとして構築するが、両システムは役割を分担し、一部の情報を共有することにより、全体として除染の管理業務が機能するよう構築する。

(2) 経歴照会

元請事業者は、除染システムの専用端末から、個人情報保護の観点から、除染システムに登録されている従事者のみ、原子力システムに登録されている従事者の経歴情報が参照できる。

(3) 中央登録番号の管理

中央登録センターは、従事者の個人識別項目や中央登録番号の管理は、原子力システムにて行う。除染システムでは、原子力システムでのメンテナンスの結果を、随時反映させる。

(注) 原子力システムと除染システムでは、参加規約や参加者が異なるため、各システムの情報利用に当っては、各々の規約や個人情報保護規定等を充分配慮する必要がある。

第4 線量記録及び健康診断結果の引渡し

1 線量記録の法定引渡し

(1) 元請事業者は、以下の事項を実施する。

ア 自社及びその関係請負人の労働者に関して、除染等事業の工期の完了時(事故由来廃棄物処分業務に係るものについては、事業の廃止時又は5年間保存後)に、別紙3に定める項目について、法令に基づく記録の引渡しとして、被ばく線量記録を中央登録センターに引渡す。

イ 関係請負人に被ばく線量記録の該当部分を特定するとともに、当該記録を中央登録センターに引渡すことを伝達する。

(2) 関係請負人は、元請事業者から伝達された被ばく線量記録について、元請事業者を通じて中央登録センターに引渡すことを了解する旨を記載した書面を元請事業者との請負契約の終了までに、元請事業者に提出する。

(3) 引渡しに当たっては、以下の事項に留意する。

ア 引渡す線量記録については、別紙3に定められた項目が含まれていれば様式は任意とし、紙媒体によるほか、画像データ(PDFやTIFF形式のファイル)において引渡すことも可能とする。

イ 引渡しは、工期の終了から原則として3ヶ月以内に行う。ただし、引渡し数が非常に多いなどやむを得ない理由がある場合は、中央登録センターと協議の上、6ヶ月以内とすることができる。

ウ 元請事業者は、法定記録の引渡しと同時に「線量記録引渡登録」を行なう。線量記録引渡登録により、登録されている従事者と法定記録のマイクロフィルム画像とを、システム上、紐付けし、検索可能とする。登録項目は別紙3に示す。

エ 地方自治体発注事業等において、中央登録番号を取得していない労働者については、別紙3の線量記録引渡登録の中央登録番号をブランクとして引渡す。

(注1) 個人情報保護の観点、法令上のトラブル防止のため、法令上の義務者である関係請負人が元請事業者を通じて線量記録の引渡すことを了解する書面を元請に提出することを求めることとした。

(注2) 線量記録の引渡しは、事業者が法令に従い線量を記録したことの証拠となるものであり、事業者が記録した通りに、保存可能な紙文書又は画像データでの引渡しが必要となる。

(注3) 前歴線量については、経歴照会により確認できない場合は、労働者から書面により提出された前歴線量をそのまま記載する。

2 除染・電離健康診断の実施結果の法定引渡し

(1) 元請事業者は、以下の事項を実施する。

ア 自社の労働者に関して、除染等事業の工期の完了時(事故由来廃棄物処分業務に係るものについては、事業の廃止時又は5年間保存後)に、法令に基づく記録の引渡しとして、除染・電離健康診断の実施結果を中央登録センターに引渡す。

イ 第2の3(2)ア又はイにより関係請負人が提出した健康診断結果の写しのうち、除染・電離健康診断に係るものを除染等事業の工期の終了時に、中央登録センターに引渡す。

(2) 関係請負人は、除染・電離健康診断の実施結果について、元請事業者を通じて中央登録センターに引渡すことを了解する旨を記載した書面を元請事業者との請負契約の終了までに、元請事業者に提出する。

(3) 引き渡しに当たっては、以下の事項に留意する。

ア 引渡す記録については、別紙3に定められた項目が含まれていれば様式は任意とし、紙媒体によるほか、画像データ(PDFやTIFF形式のファイル)において引渡すことも可能とする。

イ 引渡しは、工期の終了から原則として3ヶ月以内に行う。ただし、引渡し数が非常に多いなどやむを得ない理由がある場合は、中央登録センターと協議の上、6ヶ月以内とすることができる。

ウ 除染・電離健康診断実施結果の引渡しと同時に「除染・電離健康診断記録引渡登録」を行なう。除染・電離健康診断記録引渡登録により、登録されている従事者と法定記録のマイクロフィルム画像とを、システム上、紐付けし、検索可能とする。登録項目は別紙3に示す。

エ 除染・電離健康診断実施結果には中央登録番号を記入する必要はないが、ページ番号を記入し、引渡登録と連携を取る。

オ 地方自治体発注事業等において、中央登録番号を取得していない労働者については、別紙3の線量記録引渡登録の中央登録番号をブランクとして引渡す。

(注1) 個人情報保護の観点、法令上のトラブル防止のため、法令上の義務者である関係請負人が元請事業者を通じて健康診断結果の写しの引渡すことを了解する書面を元請に提出することを求めることとした。

(注2) 元請事業者は、関係請負人が提出した健康診断結果の写しに限り、引渡しの責任を負うことを明確にした。

(注3) 引渡し事務が一時期に集中しないよう、引渡しは一定の期間以内に実施すればよいことを明確にした。

(注4) 引渡しの対象は、除染・電離健康診断の記録の写しに限ることを明確にした。

第5 制度の運用

1 制度参加の費用

(1) 負担金の範囲

[定期線量登録及び記録引渡しを行う事業者]

・ 元請事業者が支払う負担金には、定期線量登録及び記録引渡しに関わる費用を含める。

[記録の引渡しのみを行う事業者]

・ 元請事業者が支払う負担金には、記録引渡しに関わる費用のみが含まれる。

(2) 支払いの方法及び時期

[定期線量登録及び記録引渡しを行う事業者]

元請事業者は、以下の通り負担金を支払う。

ア 支払いは定期線量登録の期間(4月1日から6月30日、7月1日から9月30日、10月1日から12月31日、1月1日から3月31日までの四半期)ごととする。

イ 負担金は1人当たりの年額を設定し、年度ごとに支払う。

ウ 最初(工事開始日が含まれる)の定期線量登録時に登録された除染等従事者の人数に対する負担金(年額)を、中央登録センターからの請求に基づき元請事業者が所定の期限(請求書発行日の翌月末)までに支払う。

エ 以後の定期線量登録では、前回の登録以降に新たに追加された除染等従事者に対する負担金(年額)の請求及び支払いを行う。

オ 元請事業者からの支払いが行われたことを確認し、中央登録センターから領収書(注1)を発行する。

カ 工事が年度をまたがる場合は、年度が変わった最初の定期線量登録時に次年度の負担金(年額)の請求及び支払いを行う。

(負担金支払い、領収書送付までの期限の例:4~6月分の定期線量登録の場合)

定期線量登録 9月末まで

請求書の送付 登録後約7日後(登録が9月末の場合は10月上旬)

負担金の支払 請求日の翌月末まで(請求日が10月上旬の場合は11月末)

領収書の送付 支払後約7日後(支払いが11月末の場合は12月上旬)

[記録の引渡しのみを行う事業者]

元請事業者は、以下の通り負担金を支払う。

ア 支払いは工事完了ごととする。

イ 記録引渡しの人数に対する負担金を中央登録センターからの請求に基づき各事業者が所定の期限(請求書発行日の翌月末)までに支払う。

ウ 各事業者からの支払いが行われたことを確認し、中央登録センターから領収書を発行する。

(3) 支払いの頻度

[定期線量登録及び記録引渡しを行う事業者]

・ 定期線量登録の頻度に合わせ、年4回(四半期ごと)とする。

[記録の引渡しのみを行う事業者]

・ 工事完了時の1回とする。

(4) 支払金額(注2)

[定期線量登録及び記録引渡しを行う事業者]

ア 平成25年度及び平成26年度の負担金

第6の5に示す暫定運用に応じた負担金とする。(以下、暫定運用期間終了後のシステムを「本格システム」という。)

平成25年度:年額3,000円/人(各種登録及び記録引渡しに係わる負担金及びシステム整備に係わる費用を含める)

平成26年度:年額で4,500円/人(各種登録及び記録引渡しに係わる負担金、システム整備に係わる費用及び第6の3に示す本制度発足前に完工した除染等事業での被ばく線量の登録に係わる費用を含める)

イ 平成27年度以降の負担金

本格システムが運用された後の負担金については別途検討することとする。

[記録の引渡しのみを行う事業者]

・ 記録引渡しの都度、2,000円/人とする。

(注1) 領収書には、工事件名を明記する。

(注2) 消費税を含む。

(注3) 制度の加入区分によって負担金の支払い時期・金額を分けて、引渡しのみを行う事業者についても工事完了ごとに記録引渡しが出来るような規定とした。

(注4) 定期線量登録及び記録引渡しを行う場合の負担金は年単位(年額)で設定することとし、工期に合わせて年度ごとに負担金を支払うこととした。例えば、平成26年3月31日までに除染等事業に従事する者については、定期線量登録は4月1日以降となるが、平成25年度の負担金が適用される。なお、工事期間が年度をまたがる場合は、両年度についてそれぞれの年度の負担金を支払う。

2 端末の整備等

本格運用時に際しては、下記の通り端末の整備等が必要となる。

(1) 端末の設置事業場

元請事業者は、事業者の責任(費用)で、事業場登録された事業場に、インターネットの接続環境を有した端末を設置する。

(2) 端末の設置場所

入退出管理可能な執務室や、操作画面が通路から見えない位置への設置が望ましい。

(3) 端末設置の条件

端末は、サポートされているWindows OSを搭載し、インターネットエクスプローラ、ウィルス対策ソフトを適用すること。

また、更新プログラムの適用など恒常的にセキュリティ対策を図る事。

(4) 個人情報保護等

元請事業者は、操作者を限定する等、個人情報保護を意識した運用を行う。センターへの接続は、SSLないしSSL―VPNなどの暗号化通信を利用することにより、通信路のセキュリティを確保し、利用者専用IDやパスワードの発行等により、許可された利用者のみが接続できる仕組みとする。

(注1) 端末は、設置事業者が、責任を持って運用する。

(注2) 暫定システム時等、定期線量データ等の郵送時における暗号化方式については、今後要検討。

3 制度加入、脱退((公財)放射線影響協会との契約)

制度の発足時及び新規の事業者の制度への加入に際しては、(公財)放射線影響協会と制度参加事業者において契約を取り交わす。契約書においては、情報(データ)の登録・保管、経費の負担、個人情報取扱い等について明記することとする。

ただし、制度に基づき記録引渡しのみを行う事業者については参加申請書の提出・承認等によって制度への加入が出来ることとする。

4 業務要領、マニュアル類の整備・修正

制度の運営や登録手続き等に係わる要領、マニュアル類については中央登録センターが主体となって作成及び改訂し、関係事業者等への配布及び周知を行う。

5 制度の維持・管理の協議会等の設置

(1) 制度の確実な運用と円滑な推進を図るため、定期的(年2回程度)に意見交換等を行う制度参加者協議会に参加する。制度参加者協議会の対象は全制度加入事業者(記録引渡しのみの事業者を除く)とし、必要によりオブザーバーの参加も可能とする。

(注1) 制度の運用に係わる基本的な事項について契約書を交わし、(公財)放射線影響協会及び参加事業者においてその内容を確実に遵守する。

(注2) 個人情報の共同利用及び取り扱いについて契約書及び必要により覚書でルール化する。また、個人情報保護の基本方針を定めてHP等で周知するとともに、個人情報の利用目的等についてもパンフレット等で周知する。

(注3) 記録引渡しのみを行う事業者については、参加申請書の提出・承認等によって制度への加入が出来ることとした。

第6 その他

1 制度の発足の日について

(1) 本制度は、平成25年11月15日に発足する。ただし、地方自治体又は環境省以外の国の機関が発注する除染等事業に従事する元請事業者を対象とした部分については、平成26年4月1日に発足する。(注)

(2) (1)の発足の日から平成26年11月30日までは暫定運用期間とする。

(注) (1)で定める発足日以前であっても、制度に参加を希望する事業者については、参加を認めることとする。

2 継続中の事業の定期線量登録について

制度発足の日に現に実施されている除染等事業の定期線量登録については、以下のとおりとする。

(1) 制度発足日を含む四半期の末日から3ヶ月以内に、当該四半期に係る定期線量報告を中央登録センターに登録する。

(2) 制度発足日を含む四半期より前の線量については、四半期ごとにまとめ、第3の2定期線量として登録する。登録の時期については、可能な限り早い時期(原則として平成25年度内)とし、個別に中央登録センターと協議して決定する。

(3) この場合、負担金については、平成25年度に係る定期線量登録については、第5の1の(4)の平成25年度の負担金を適用する。平成24年度に係る定期線量登録については、第5の1の(2)の考えに従い、負担金を別途支払う(金額は平成25年度のものと同様。)。

3 本制度発足日の前に工期が完了した除染等事業での被ばく線量の捕捉、登録

(1) 平成25年度は、制度の暫定運用期間中であることから、制度発足以前に工期が完了した除染等事業での被ばく線量の登録及び被ばく線量等の引渡は、平成26年度から実施する。

(2) 第6の1(1)に定める発足日より前に工期が完了した除染等事業の元請事業者は、可能な限り以下の事項の登録及び引渡しを行うよう努める。

ア 第3の2の定期線量の項目に準ずるものの登録

イ 第4の1の線量記録の法定引渡し

(3) アの登録については、各四半期ごとの線量をとりまとめて登録を行う。複数の四半期ごとの線量を同時に登録することも可能とする。イの引渡しについては、原則として、全工期にわたる線量記録を一括で引渡すものとする。

(4) 登録及び引渡しの時期については、平成26年度内で可能な限り早い時期とし、個別に中央登録センターと協議して決定する。

(5) (2)の登録及び引渡しに係る負担金は徴収せず、平成26年度以降の新規登録の負担金の中で、広く薄く負担する。

(注1) 完了分の線量記録のうち、中央登録番号がないものについては、そのまま登録してもらい、中央登録センターで、仮番号を付し、手帳の新規発行の際に名寄せをしてデータを統合していく。

(注2) 完了分の線量記録について定期線量登録がなされないと、他の元請からその期間中の被ばく線量の経歴照会ができず、5年間累積線量の確認などができなくなるなど、制度のメリットが減殺される。また、除染システムが暦年、原子力システムが年度管理のため、四半期ごとの線量が登録されなければ、経歴照会が機能しない。

(注3) 完了工事の線量等の登録と引渡しは、平成26年度以降に除染等事業を実施する元請事業者に幅広くメリットがあることから、今後の事業実施の際の新規登録の費用負担の中で、広く薄く負担する。

(注4) 工期が完了した事業の健康診断結果の引渡しについては、書類の保存等の観点から、任意とする。

4 管理制度の実効性の担保

(1) 管理制度の実効を担保するため、厚生労働省は、関係するガイドラインに、事業者に管理制度への参加を求める趣旨の記述を盛り込む。

(2) 管理制度の実効を担保するため、環境省は、関係する仕様書等に、管理制度への参加を求める趣旨の記述を盛り込む。

5 暫定運用期間中の措置

(1) 線量登録

本格システムが運用されるまでの期間(平成25年度及び平成26年度期中まで)は中央登録センターにパソコン(インターネットに接続しないスタンドアローンタイプ)を設置し、限定した機能によって制度の運用を行う。このため、この期間は以下の登録等の処理を行うこととする。

ア 第3の1に示した事業場登録

イ 第3の2に示した定期線量登録

ウ 第3の3に示した経歴照会(ただし、(2)の経歴照会項目の内、イの「引渡し記録の照会」は除く。また、経歴照会は定期線量登録の項目について、簡易的な様式を用いて郵送によって回答する)

(2) 記録の引渡し

ア 暫定運用期間中は、第4の1及び2に基づいて元請事業者から法定記録の引渡しを行うが、中央登録センターにおいては記録の受け取りと保管を行い、システムへの線量記録引渡登録及びマイクロフィルム化は平成26年度から行うこととする。これに伴い、暫定運用期間中は、第3の3(1)イに示す「引渡し記録」に係わる経歴照会は実施しない。

(注) (1)及び(2)については、本格システムの運用開始に当たってパソコンシステムからデータの移行(本格システムへの登録)を行う。この際にデータ登録等のエラーが生じた場合は、必要により中央登録センターから元請事業者へ確認を行い適切な処置を行うこととする。


別添2

○除染等業務従事者等被ばく線量登録管理制度について(協力依頼)

平成25年12月26日基発1226第13号

(環境省大臣官房長、水・大気環境局長あて厚生労働省労働基準局長通知)

労働基準行政の推進につきまして、平素から格段のご理解、ご協力をいただき御礼申し上げます。

標記につきましては、東日本大震災で生じた放射性物質により汚染された土壌等を除染するための業務等に係る電離放射線障害防止規則(除染電離則)及び電離放射線障害防止規則(電離則)により、労働者の放射線障害防止を図っているところです。

今般、法令をより確実に遵守するための民間の取り組みとして、除染等業務等に従事する労働者の被ばく線量等を一元管理する制度を設立するため、関係元請事業者が参集した「除染等業務従事者等被ばく線量登録管理制度検討会」において検討が行われました。本制度は、平成25年11月15日から暫定的に発足し、同日付け基発1115第1号により、貴省あてに協力依頼を行ったところです。

さらに、本日、別添1のとおり、同検討会の最終とりまとめが決定され、地方自治体及び環境省以外の国の機関が発注する除染等業務等を対象とした部分については、平成26年4月1日から発足することとなったところです。

厚生労働省としては、本制度は、除染電離則及び電離則に定める被ばく管理を円滑かつ確実に実施するために有益であると考えており、別途通知いたしますように、「除染等業務に従事する労働者の放射線障害防止のためのガイドライン」(平成23年12月22日付け基発1222第6号)等の改正を行い、除染等業務等に従事する事業者に対し、本制度への参加を促していきます。

つきましては、貴省におかれましては、制度の普及のため、下記事項にご留意の上、制度参加に要する経費に関する発注上の配慮についてご協力いただきますようお願いします。

なお、国土交通省及び農林水産省に対して別添2、関係事業者団体に対して別添3により、別途通知していることを申し添えます。

1 本制度の参加に関する留意点

(1) 除染等業務又は特定線量下業務を請け負った元請事業者については、次に掲げる方法で制度に参加すること。

ア 除染特別地域における業務については、別添1のⅢの第2から第4に定める放射線管理手帳、線量登録・経歴照会、被ばく線量記録等の引渡しの全てに参加すること

イ 除染特別地域以外における業務については、別添1のⅢの第4に定める離職後の被ばく線量記録等の引渡しのみについて参加すること

(2) 事故由来廃棄物等の処分の業務を請け負った元請事業者については、地域にかかわらず、別添1のⅢの第2から第4に定める全ての項目に参加すること。

2 同制度に係る発注業務及び財政措置における配慮

(1) 貴省が発注する又は発注している除染等業務、特定線量下業務及び事故由来廃棄物等の処分の業務並びに貴省が他省庁に委託して実施している除染等業務について、仕様書及びその運用等において、本制度の参加にご配慮いただきたいこと。

(2) 地方自治体が実施する除染等業務(特定汚染土壌等取扱業務を除く。)における本制度に係る財政措置について、ご配慮いただきたいこと。

 

別添3

○除染等業務従事者等被ばく線量登録管理制度について(協力依頼)

平成25年12月26日基発1226第14号

(国土交通省総合政策局長・農林水産省農林水産技術会議事務局長あて厚生労働省労働基準局長通知)

労働基準行政の推進につきまして、平素から格段のご理解、ご協力をいただき御礼申し上げます。

標記につきましては、東日本大震災で生じた放射性物質により汚染された土壌等を除染するための業務等に係る電離放射線障害防止規則(除染電離則)及び電離放射線障害防止規則(電離則)により、労働者の放射線障害防止を図っているところです。

今般、法令をより確実に遵守するための民間の取り組みとして、除染等業務等に従事する労働者の被ばく線量等を一元管理する制度を設立するため、関係元請事業者が参集した「除染等業務従事者等被ばく線量登録管理制度検討会」において検討が行われました。本制度は、平成25年11月15日から暫定的に発足し、同日付け基発1115第2号により、貴省あてに協力依頼を行ったところです。

さらに、本日、別添1のとおり、同検討会の最終とりまとめが決定され、地方自治体及び環境省以外の国の機関が発注する除染等業務等を対象とした部分については、平成26年4月1日から発足することとなったところです。

厚生労働省としては、本制度は、除染電離則及び電離則に定める被ばく管理を円滑かつ確実に実施するために有益であると考えており、別途通知いたしますように、「除染等業務に従事する労働者の放射線障害防止のためのガイドライン」(平成23年12月22日付け基発1222第6号)等の改正を行い、除染等業務等に従事する事業者に対し、本制度への参加を促していきます。

つきましては、貴省におかれましては、制度の普及のため、下記事項にご留意の上、制度参加に要する経費に関する発注上の配慮についてご協力いただきますようお願いします。

なお、環境省に対して別添2、国土交通省、農林水産省に対して別添3、関係事業者団体に対して別添4により通知していることを申し添えます。

1 本制度の参加に関する留意点

(1) 除染等業務又は特定線量下業務を請け負った元請事業者については、次に掲げる方法で制度に参加すること。

ア 除染特別地域における業務については、別添1のⅢの第2から第4に定める放射線管理手帳、線量登録・経歴照会、被ばく線量記録等の引渡しの全てに参加すること

イ 除染特別地域以外における業務については、別添1のⅢの第4に定める離職後の被ばく線量記録等の引渡しのみについて参加すること

(2) 事故由来廃棄物等の処分の業務を請け負った元請事業者については、地域にかかわらず、別添1のⅢの第2から第4に定める全ての項目に参加すること。

2 ご協力をお願いしたい事項

貴省が発注する特定汚染土壌等取扱業務において、本制度の参加に係る経費について、発注上のご配慮をいただきたいこと。

 

別添4

○除染等業務従事者等被ばく線量登録管理制度について

平成25年12月26日基発1226第15号

(別記の団体の長あて厚生労働省労働基準局長通知)

労働基準行政の推進につきまして、平素から格段のご理解、ご協力をいただき御礼申し上げます。

標記につきましては、東日本大震災で生じた放射性物質により汚染された土壌等を除染するための業務等に係る電離放射線障害防止規則(除染電離則)及び電離放射線障害防止規則(電離則)により、労働者の放射線障害防止を図っているところです。

今般、法令をより確実に遵守するための民間の取り組みとして、除染等業務等に従事する労働者の被ばく線量等を一元管理する制度を設立するため、関係元請事業者が参集した「除染等業務従事者等被ばく線量登録管理制度検討会」において検討が行われました。本制度は、平成25年11月15日から暫定的に発足し、同日付け基発1115第3号により、貴団体あてに協力依頼を行ったところです。

さらに、本日、別添1のとおり、同検討会の最終とりまとめが決定され、地方自治体及び環境省以外の国の機関が発注する除染等業務等を対象とした部分については、平成26年4月1日から発足することとなったところです。

厚生労働省としては、本制度は、除染電離則及び電離則に定める被ばく管理を円滑かつ確実に実施するために有益であると考えており、別途通知いたしますように、「除染等業務に従事する労働者の放射線障害防止のためのガイドライン」(平成23年12月22日付け基発1222第6号)等の改正を行い、除染等業務等に従事する事業者に対し、本制度への参加を促していきます。

つきましては、制度の周知のため、下記事項に留意の上、貴会の会員事業場に周知いただきますようお願いします。

1 本制度の参加に関する留意点

(1) 除染等業務又は特定線量下業務を請け負った元請事業者については、次に掲げる方法で制度に参加すること。

ア 除染特別地域における業務については、別添1のⅢの第2から第4に定める放射線管理手帳、線量登録・経歴照会、被ばく線量記録等の引渡しの全てに参加すること

イ 除染特別地域以外における業務については、別添1のⅢの第4に定める離職後の被ばく線量記録等の引渡しのみについて参加すること

(2) 事故由来廃棄物等処分業務を請け負った元請事業者については、地域にかかわらず、別添1のⅢの第2から第4に定める全ての項目に参加すること。

2 本制度に関連する発注業務及び財政措置

(1) 国が発注する除染等業務(特定汚染土壌等取扱業務を除く。)については、環境省により、国が発注する特定汚染土壌等取扱業務については、国土交通省又は農林水産省により、本制度の経費に関する必要な配慮がなされること。

(2) 地方自治体又は環境省からの支出委任を受けた国の機関が発注する除染等業務(特定汚染土壌等取扱業務を除く。)については、環境省により、本制度に係る必要な財政措置に関する配慮がなされること。

別記

一般社団法人日本建設業連合会

一般社団法人全国建設業協会

電気事業連合会

公益財団法人放射線影響協会

除染・廃棄物技術協議会

 

別添5

○除染等業務従事者等被ばく線量登録管理制度について

平成25年12月26日基発1226第16号

(別記の知事あて厚生労働省労働基準局長通知)

労働基準行政の推進につきまして、平素から格段のご理解、ご協力をいただき御礼申し上げます。

標記につきましては、東日本大震災で生じた放射性物質により汚染された土壌等を除染するための業務等に係る電離放射線障害防止規則(除染電離則)及び電離放射線障害防止規則(電離則)により、労働者の放射線障害防止を図っているところです。

今般、法令をより確実に遵守するための民間の取り組みとして、除染等業務等に従事する労働者の被ばく線量等を一元管理する制度を設立するため、関係元請事業者が参集した「除染等業務従事者等被ばく線量登録管理制度検討会」において検討が行われました。本日、別添1のとおり、同検討会の最終とりまとめが決定され、地方自治体が発注する除染等業務等を対象とした部分については、平成26年4月1日から発足することとなったところです。

厚生労働省としては、本制度は、除染電離則及び電離則に定める被ばく管理を円滑かつ確実に実施するために有益であると考えており、別途通知いたしますように、「除染等業務に従事する労働者の放射線障害防止のためのガイドライン」(平成23年12月22日付け基発1222第6号)等の改正を行い、除染等業務等に従事する事業者に対し、本制度への参加を促していきます。

つきましては、下記事項に留意の上、管内の市町村に本制度の内容を周知いただきますようお願いします。

なお、環境省に対して別添2、国土交通省、農林水産省に対して別添3、関係事業者団体に対して別添4により通知していることを申し添えます。

1 本制度の参加に関する留意点

(1) 除染等業務又は特定線量下業務を請け負った元請事業者については、次に掲げる方法で制度に参加すること。

ア 除染特別地域における業務については、別添1のⅢの第2から第4に定める放射線管理手帳、線量登録・経歴照会、被ばく線量記録等の引渡しの全てに参加すること

イ 除染特別地域以外における業務については、別添1のⅢの第4に定める離職後の被ばく線量記録等の引渡しのみについて参加すること

(2) 事故由来廃棄物等処分業務を請け負った元請事業者については、地域にかかわらず、別添1のⅢの第2から第4に定める全ての項目に参加すること。

2 本制度に関連する発注業務及び財政措置

地方自治体が発注する除染等業務(特定汚染土壌等取扱業務を除く。)については、環境省により、本制度に係る必要な財政措置に関する配慮がなされること。

別記

岩手

宮城

山形

福島

茨城

栃木

群馬

埼玉

千葉

東京

新潟

静岡