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安衛法GLPチェックリストの改正について
平成25年7月29日基安化発0729第2号
(都道府県労働局労働基準部健康主務課長あて厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質対策課長通知)
厚生労働省では、化学物質の有害性調査の適切な実施のため、安衛法GLP適合確認制度を設けており、平成元年3月17日付け基発第123号「試験施設等に関する安衛法適合確認要領の制定について」に基づき査察等を実施しているところであり、また、査察の円滑な実施のため、平成元年6月2日付け労働省労働基準局安全衛生部化学物質調査課長事務連絡「安衛法GLPチェックリストの制定について」によりチェックリスト(以下「平成元年チェックリスト」という。)を公表している。
今般、OECDのGLP査察に関するガイダンス文書(No.3 Guidance for GLP Monitoring Authorities Revised Guidance for Conduct of Laboratory Inspections and
Study Audits(1995))を踏まえて、チェックリストを改正することとし、平成元年チェックリストを廃止し、新たなチェックリストを別添1のとおり定めたので了知されたい。
なお、現在、安衛法GLP適合確認を受けている別紙の試験施設等に対しては、別添2のとおり通知しているので申し添える。
別紙
安衛法GLP適合試験施設等
試験施設名、所在地 |
一般財団法人化学物質評価研究機構 日田事業所 (大分県日田市) |
三菱化学メディエンス株式会社 鹿島研究所 (茨城県神栖市) |
株式会社ビー・エム・エル 総合研究所 (埼玉県川越市) |
株式会社UBE科学分析センター (山口県宇部市) |
株式会社SRD生物センター (群馬県渋川市、吾妻郡) |
中央労働災害防止協会 日本バイオアッセイ研究センター (神奈川県秦野市) |
株式会社ボゾリサーチセンター 東京研究所、御殿場研究所 (東京都世田谷区、静岡県御殿場市) |
公益財団法人食品農医薬品安全性評価センター (静岡県磐田市) |
広栄テクノ株式会社 (大阪府大阪市) |
一般社団法人日本油料検定協会 綜合分析センター (兵庫県神戸市) |
一般財団法人残留農薬研究所 (茨城県常総市) |
[別添1]
安衛法GLPチェックリスト
(1) 組織及び職員
ア 査察の目的
次の項目を評価することを目的とする。
(ア) 当該試験施設等は、実施する試験の種類及び件数に見合う有資格職員や試験担当者などの人的資源並びにサポート部門を備えているか。
(イ) 組織が適切であるか。
(ウ) 管理者が当該施設で実施される試験に適した職員の訓練及び健康調査に関する方針を確立しているか。
イ 査察結果
運営管理者は次の書類の作成をしているか。 試験施設等・建物の見取り図・配置図 試験施設等の運営管理及び系統的組織図 GLP適合確認申請をした試験を担当している職員の履歴書進行中の試験及び完了した試験のリスト (特記事項;(例)評価結果に影響しない軽微な事案) |
適・要改善・不適 |
リストには、各々の試験について、試験の種類、試験開始/終了の日付、試験系、被験物質の適用方法及び試験責任者名に関する情報が併記されているか。 |
適・要改善・不適 |
職員の健康管理方針 |
適・要改善・不適 |
職員の職務内容、訓練プログラム、及び訓練記録 |
適・要改善・不適 |
当該施設の標準操作手順書の目録 |
適・要改善・不適 |
査察又は調査対象の試験又は手順に関係する特定の標準操作手順書 |
適・要改善・不適 |
調査対象試験に係わる試験責任者及び試験依頼者のリスト |
適・要改善・不適 |
当該試験施設等で行われている業務量は職員数・配置からみて適切であるか。 |
適・要改善・不適 |
試験責任者、信頼性保証部門責任者及びその他の職員の氏名、職名及び資格 |
適・要改善・不適 |
関連の全試験区域に標準操作手順書が配置されているか。 |
適・要改善・不適 |
(2) 信頼性保証プログラム
ア 目的
安衛法GLPを順守して試験が実施されていることを保証するための管理機構が適切であるかを評価することを目的とする。
イ 査察結果
QA(信頼性保証)部門責任者及び全QA職員の資格 |
適・要改善・不適 |
QA部門が他の部門とは独立して機能しているか。 |
適・要改善・不適 |
QA部門による査察の立案及び実施の手順・方法、試験の重要な段階の調査(モニタリング)方法、及びQA部門による査察・調査活動に利用されているツール |
適・要改善・不適 |
試験期間中のQA調査の範囲及び内容 |
適・要改善・不適 |
最終報告書が生データと一致していることを確認するためのQAによる最終報告書のチェックの手順 |
適・要改善・不適 |
試験の質及び完全性に影響すると考えられる問題について、運営管理者がQA部門から報告を受けているか。 |
適・要改善・不適 |
安衛法GLPからの逸脱が認められた場合にQA部門が講じる措置 |
適・要改善・不適 |
標準操作手順書の再確認、改訂、及び更新が行われることがあれば、その場合にQAが担う業務 |
適・要改善・不適 |
(3) 試験施設等
ア 査察の目的
試験施設等が、施設の屋内、屋外を問わず、試験の実施要件に合致した適切な広さ、設計、配置を有しているかを評価することを目的とする。
イ 査察結果
ある試験の被験物質、病理標本などを別の試験のものと混同することのないよう、それぞれを適切に分離できる設計になっているか。 |
適・要改善・不適 |
重要な区域(生物学的試験系の部屋、被験物質の保管区域、実験区域など)に関する環境管理・監視手順が整備され、適切に機能しているか。 (特記事項;評価結果に影響しない軽微な事案) |
適・要改善・不適 |
各関係施設について、一般的清掃が適切に実施されているか、及び必要であれば、害虫駆除手順が作成されているか。 |
適・要改善・不適 |
(4) 生物学的試験系の管理、飼育及び収容
ア 査察の目的
試験施設等が、動物又はその他の生物学的試験系を用いる試験に従事している場合に、動物等を管理、飼育及び収容するための付属施設・条件を設定し、これらが試験系や最終的にデータの質にも悪影響を及ぼすと考えられるストレス等の問題の発生防止に適したものであるかを評価することを目的とする。
イ 査察結果
使用する試験系及び試験の必要性に適した施設及び設備を有しているか。 |
適・要改善・不適 |
当該施設に搬入される動物及び植物を検疫するための構造を有し、これらの構造が十分に機能しているか。 |
適・要改善・不適 |
疾病であるか、もしくは疾病を感染させることが知られているか、もしくは疑われている動物(又は必要であれば、試験系のその他の要素)を隔離するための構造を有しているか。 |
適・要改善・不適 |
試験系に応じて適宜、健康状態、行動又はその他の問題点に関する監視及びその記録保管が適切に行われているか。 |
適・要改善・不適 |
各試験系に必要な環境条件を管理する装置が適切で、保守が行き届き、効果的であるか。 |
適・要改善・不適 |
動物のケージ、架台、檻をはじめとする収容設備ならびに付属装置は十分に清潔な状態が保たれているか。 |
適・要改善・不適 |
必要な場合、環境条件及びサポートシステムを調査するための分析がなされているか。 |
適・要改善・不適 |
試験系からの廃棄物(動物屍体等)を搬出・処理するための設備が設置され、且つ、これらの設備が寄生動物の侵入、臭気、感染ハザード、及び環境汚染を最小限に抑えるよう運用されているか。 |
適・要改善・不適 |
全試験系に用いる動物用飼料又はこれに準ずる材料の保管区域が設置され、これらの区域が被験物質、害虫防除薬、消毒薬などの他の材料の保管には使用されていないか、また、これらの区域が動物の飼育区域又は他の生物学的試験系の保管区域と分離されているか。 |
適・要改善・不適 |
保管されている飼料及び床敷に対して、有害な環境条件、有害生物の侵入、汚染などによる劣化を防止する処置が施されているか。 |
適・要改善・不適 |
(5) 機器、材料、試薬及び標本
ア 査察の目的
当該試験施設等には、同施設で実施中の試験の要件に十分適合した処理能力を有する装置が必要数、適切に配置されているか、並びに材料、試薬及び標本が適切に表示され、使用又は保管されているかを確認することを目的とする。
イ 査察結果
装置が清潔に保たれ、正常に作動するか。 |
適・要改善・不適 |
測定装置及び機器(コンピュータシステムを含む)の操作、保守、点検、校正、確認に関する記録が保管されているか。 |
適・要改善・不適 |
試薬が正しくラベル表示され、適切な温度で保管されているか。 |
適・要改善・不適 |
試薬の有効期限が守られているか。 |
適・要改善・不適 |
試薬のラベルには入手先、品名、濃度、及び/又はその他の関連情報が表示されているか。 |
適・要改善・不適 |
標本が、試験系、試験の種類、標本の特性、及び採取日などをラベル表示することで正しく識別されているか。 |
適・要改善・不適 |
(6) 試験系
ア 査察の目的
当該試験施設等で実施される試験に必要な各種試験系(生物学的試験系の例:細胞及び微生物系、動物等)に関する適切な取扱い及び管理手順が整備されているかを確認することを目的とする。
イ 査察結果
試験系が試験計画書に指定されたものであるか。 |
適・要改善・不適 |
当該試験を通じて、試験系が適切に独自の識別(表示)がされているか、及び試験系(使用する生物)の受領に関する記録が作成されており、それらに受領数、使用数、返却数、処分数が記載されているか。 |
適・要改善・不適 |
試験系(使用する生物)が、必要な情報すべてを表示の上、適切に識別されて飼育又は収容されているか。 |
適・要改善・不適 |
生物学的試験系を用いて異なる被験物質についての試験を行う場合に、それぞれの試験が適切に分離されているか。 |
適・要改善・不適 |
同じ動物種(又は同じ生物学的試験系)で異なる被験物質を処理している場合に、適切に分離されているか。 |
適・要改善・不適 |
生物学的試験系の環境が、温度又は照明の点灯時間などの点に関して、試験計画書又は標準操作手順書に指定されている条件と一致しているか。 |
適・要改善・不適 |
試験系(使用する生物)の受領、取扱い、管理などの記録が当該試験系に適しているものであるか。 |
適・要改善・不適 |
動物試験系の場合、検査、検疫、疾病、死亡、行動、診断及び処置に関する記録が作成されているか。 |
適・要改善・不適 |
試験終了時点の試験系(使用する生物)の処分に関する適切な規定が定められているか。 |
適・要改善・不適 |
(7) 被験物質及び対照物質
ア 査察の目的
当該試験施設等が次の項目を目的として作成された手順書を保有しているかを確認することを目的とする。
(ア) 被験物質及び対照物質の同一性、力価、量、組成等が各々の添付資料の表示と合致することを確認すること。
(イ) 被験物質及び対照物質を間違いなく受領及び保管すること。
イ 査察結果
被験物質及び対照物質の受領に関する記録書類(担当責任者の確認も含む)、並びに両物質の取扱い、採取、使用、及び保管に関する記録が存在しているか。 |
適・要改善・不適 |
被験物質及び対照物質の容器が正しく表示されているか。 |
適・要改善・不適 |
保管条件が、被験物質及び対照物質の濃度、純度及び安定性を保持する上で適切であるか。 |
適・要改善・不適 |
被験物質及び対照物質の同一性、純度、組成、安定性の確認並びに汚染防止に関する記録書類が作成されているか。 |
適・要改善・不適 |
被験物質及び対照物質を含有する混合物の均一性及び安定性の確認手順書が作成されているか。 |
適・要改善・不適 |
被験物質又は対照物質の混合物(又は希釈物)を入れた容器に必要な表示がなされ、その内容物の均一性及び安定性に関する記録が保管されているか。 |
適・要改善・不適 |
試験が4週間以上の長期にわたる場合には、被験物質又は対照物質の各バッチから分析用のサンプル(試料)が採取され、これらが規定の期間、保管されているか。 |
適・要改善・不適 |
物質の混合に関する取扱い手順が定められ、識別過誤又は交差汚染の防止対策がとられているか。 |
適・要改善・不適 |
(8) 標準操作手順書
ア 査察の目的
試験施設等が、施設の運用をコントロールする上で最も重要な管理方法の1つは標準操作手順書の活用であることを鑑み、試験操作の重要点を網羅した標準操作手順書を文書として作成しているかを確認することを目的とする。これらは、当該試験施設等で実施される試験のルーチン的な要素と直接関係するものである。
イ 査察結果
施設内の各区域に、試験業務に関係する標準操作手順書の写しがいつでも利用できるように備え付けられているか。 |
適・要改善・不適 |
標準操作手順書の改訂及び更新に関する手順が確立されているか。 |
適・要改善・不適 |
標準操作手順書の改訂又は更新が承認済みのものであり、その日付が明記されているか。 |
適・要改善・不適 |
旧標準操作手順書のファイルが保管されているか。 |
適・要改善・不適 |
標準操作手順書が以下の試験業務に適用されているか。 ① 被験物質又は対照物質の受領、同一性、純度、組成及び安定性の確認、表示、取扱い、採取使用並びに保管 ② 測定機器、コンピューターシステム及び環境調節装置の使用、保守、清掃、校正及び確認 ③ 試薬の調製及び用法 ④ 記録の保存、報告書の作成、記録及び報告書の保管、並びに検索 ⑤ 試験区域の設置及び同区域の環境調節 ⑥ 試験系の受領、搬送、配置、特性評価、識別及び管理 ⑦ 試験開始前、試験中及び試験終了時における試験系の取扱い ⑧ 試験系の処理・処分 ⑨ 害虫駆除剤及び洗浄剤の使用 ⑩ 信頼性保証プログラムの手順 |
適・要改善・不適 |
(9) 試験の実施
ア 査察の目的
試験計画書が作成されていること、及び安衛法GLPを順守して試験が計画され、実施されていることを確認することを目的とする。
イ 査察結果
試験計画書に試験責任者の署名が記されているかどうか。 |
適・要改善・不適 |
試験計画書のいかなる修正についても、試験責任者の署名及び日付が記されているか。 |
適・要改善・不適 |
試験委託者が試験計画書に同意した日付が記録されているか(該当する場合)。 |
適・要改善・不適 |
測定、観察、及び検査が試験計画書及び関連の標準操作手順書を順守して行われているか。 |
適・要改善・不適 |
これらの測定、観察及び検査の結果が改変されることなく迅速かつ正確に読みやすく記録され、記録者の署名(又はイニシャル)及び日付が付記されているか。 |
適・要改善・不適 |
生データの変更によって過去の記載内容が不明になっていないか。 |
適・要改善・不適 |
生データ変更の理由、変更の責任者を特定するもの、変更の日付等が明記されているか。 |
適・要改善・不適 |
コンピューターによって作成・保存されたデータについて確認が行われているか。 |
適・要改善・不適 |
無許可の修正又は消去に対する防御処置が適切であるか。 |
適・要改善・不適 |
試験に適用されるコンピュータシステムが正確で信頼できるものであり、妥当性が証明されているか。 |
適・要改善・不適 |
生データに記録された予期せぬ事象について、検討及び評価が行われているか。 |
適・要改善・不適 |
試験報告書(試験結果報告書及び最終報告書)に記載された結果に矛盾がみられず、完全なものであるか、またこれらの結果が生データを正確に反映しているか。 |
適・要改善・不適 |
(10) 試験結果の報告
ア 査察の目的
最終報告書が安衛法GLPに準じて作成されたかを確認することを目的とする。
イ 査察結果
試験責任者の責任のもとに、試験の妥当性及び当該試験が安衛法GLPを順守して実施されたことの確認が行われ、最終報告書にその旨が明示され、試験責任者による署名及び日付が付されているか。 |
適・要改善・不適 |
最終報告書に共同研究による報告が含まれる場合、それらを担当した主要研究者らの署名及び日付が付されているか。 |
適・要改善・不適 |
信頼性保証部門の陳述が最終報告書に盛り込まれ、署名及び日付が付されているか。 |
適・要改善・不適 |
最終報告書の修正がいずれも責任ある職員によって行われたものであるか。 |
適・要改善・不適 |
最終報告書にサンプル(試料)、標本、及び生データすべてについての保管場所の一覧が示されているか。 |
適・要改善・不適 |
(11) 記録の保管及び保存
ア 査察の目的
試験施設等がGLPを遵守して記録及び報告書を作成したか、また、これらの記録及び試験材料を安全に保管及び保存する上での適切な規定が設けられているかを確認することを目的とする。
イ 査察結果
試資料保管責任者が指名されているかどうか。 |
適・要改善・不適 |
試験計画書、生データ(中止されたGLP試験の生データも含む)、最終報告書、サンプル(試料)及び標本、並びに職員の教育・訓練に関する記録などを保管する試資料保管施設 |
適・要改善・不適 |
保管されている資料等の検索手順が適切であるか。 |
適・要改善・不適 |
試資料保管施設への出入りは指定された職員に限られ、生データ、スライドなどを閲覧した職員についての記録が保存されることを示した手順が示されているか。 |
適・要改善・不適 |
試資料保管施設から持ち出された、又は保管施設に返却された試資料についてのリストが作成及び保存されているか。 |
適・要改善・不適 |
記録及び試資料が規定された期間又は適切な期間、保存され、火災や有害な環境条件等による消失又は破損から守られているか。 |
適・要改善・不適 |
[別添2]
○安衛法GLPチェックリストの改正について
平成25年7月29日基安化発0729第1号
(安衛法GLP適合試験施設等の運営管理者あて厚生労働省労働基準局安全衛生部化学物質対策課長通知)
貴試験施設におかれましては、日頃より化学物質の有害性調査の適切な実施にご尽力いただき御礼申し上げます。
さて、安衛法GLP適合確認については、平成元年3月17日付け基発第123号「試験施設等に関する安衛法適合確認要領の制定について」に基づき査察等を実施しているところであり、また、査察の円滑な実施のため、平成元年6月2日付け労働省労働基準局安全衛生部化学物質調査課長事務連絡「安衛法GLPチェックリストの制定について」によりチェックリスト(以下「平成元年チェックリスト」という。)を公表しております。
今般、OECDのGLP査察に関するガイダンス文書
(No.3 Guidance for GLP Monitoring Authorities Revised Guidance for Conduct of Laboratory Inspections and
Study Audits(1995))を踏まえて、チェックリストを改正することとし、平成元年チェックリストを廃止して、新たなチェックリストを別添のとおり定めたのでお知らせします。
なお、安衛法GLP査察を実施した際には、本チェックリストを基に査察報告書を作成し、当該報告書を安衛法GLP適合確認通知書の交付に併せて通知することとしております。
(別添 略)