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労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令及び労働安全衛生規則等の一部を改正する省令の施行について
平成24年10月26日基発1026第6号・雇児発1026第2号
(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局長・厚生労働省雇用均等・児童家庭局長通知)
労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令(平成24年政令第241号。以下「改正政令」という。)が平成24年9月20日に、労働安全衛生規則等の一部を改正する省令(平成24年厚生労働省令第143号。以下「改正省令」という。)が平成24年10月1日に公布され、平成25年1月1日から施行することとされたところであるが、その改正の趣旨、内容等については、下記のとおりであるので、その施行に遺漏なきを期されたい。
記
第1 労働安全衛生法施行令の一部を改正する政令
1 改正の趣旨
改正政令は、専門家による検討結果を踏まえ、労働安全衛生法施行令(昭和47年政令第318号。以下「施行令」という。)第18条に規定する名称等を表示すべき危険物及び有害物、施行令第22条に規定する健康診断を行うべき有害な業務並びに施行令別表第3に規定する特定化学物質の範囲を拡大するため、施行令について所要の改正を行ったものである。
2 改正の内容及び留意事項
(1) 施行令の一部改正(改正政令本則関係)
ア 労働安全衛生法(昭和47年法律第57号。以下「法」という。)第57条第1項の表示(以下単に「表示」という。)をしなければならない物(以下「表示対象物質」という。)として、インジウム化合物及びこれを含有する製剤その他の物で、厚生労働省令で定めるもの(当該厚生労働省令として、改正省令による改正後の労働安全衛生規則第30条及び別表第2においてインジウム化合物の含有量が重量の0.1%以上の製剤その他の物を規定。)、エチルベンゼン及びこれを含有する製剤その他の物で、厚生労働省令で定めるもの(当該厚生労働省令として、改正省令による改正後の労働安全衛生規則第30条及び別表第2においてエチルベンゼンの含有量が重量の0.1%以上の製剤その他の物を規定。)並びにコバルト及びその無機化合物並びにこれらを含有する製剤その他の物で、厚生労働省令で定めるもの(当該厚生労働省令として、改正省令による改正後の労働安全衛生規則第30条及び別表第2においてコバルト又はその無機化合物の含有量が重量の0.1%以上の製剤その他の物を規定。)を規定したこと。
また、法第57条第1項の規定に基づき表示をしなければならない物には、労働者による取扱いの過程において固体以外の状態にならず、かつ、粉じん、ヒューム、ミスト等(以下「粉じん等」という。)が生じない製品は含まれないこと。
なお、「インジウム化合物」には、金属インジウム及びインジウムを含有する合金(以下「金属インジウム」という。)は含まれないこと。(施行令第18条関係)
イ インジウム化合物、エチルベンゼン、コバルト及びその無機化合物並びにこれらを含有する製剤その他の物で、厚生労働省令で定めるもの(改正省令による改正後の特定化学物質障害予防規則第39条第4項及び別表第5においてこれらの含有量が重量の1%を超える製剤その他の物を規定。)を製造し、又は取り扱う業務を法第66条第2項後段の健康診断(以下同項前段の健康診断と併せて「特殊健康診断」という。)の対象業務として規定したこと。(施行令第22条第2項関係)
ウ 特定化学物質の第2類物質にインジウム化合物及びこれを含有する製剤その他の物で、厚生労働省令で定めるもの(改正省令による改正後の特定化学物質障害予防規則第2条第2項及び別表第1においてインジウム化合物の含有量が重量の1%を超える製剤その他の物を規定。以下「インジウム化合物等」という。)、エチルベンゼン及びこれを含有する製剤その他の物で、厚生労働省令で定めるもの(改正省令による改正後の特定化学物質障害予防規則第2条第2項及び別表第1においてエチルベンゼンの含有量が重量の1%を超える製剤その他の物並びにそれ以外の物で、エチルベンゼン及び施行令別表第6の2の有機溶剤(以下単に「有機溶剤」という。)の含有量が重量の5%を超える製剤その他の物を規定。以下「エチルベンゼン等」という。)及びコバルト及びその無機化合物並びにこれらを含有する製剤その他の物で、厚生労働省令で定めるもの(改正省令による改正後の特定化学物質障害予防規則第2条第2項及び別表第1においてコバルト又はその無機化合物の含有量が重量の1%を超える製剤その他の物を規定。以下「コバルト等」という。)を追加したこと。(施行令別表第3関係)
これにより、インジウム化合物等、エチルベンゼン等又はコバルト等を製造し、又は取り扱う場合は、作業主任者の選任、作業環境測定、特殊健康診断(以下「作業主任者の選任等」という。)を行わなければならないこととなること。
一方、次のような作業で、インジウム化合物等及びコバルト等の粉じん等に労働者の身体がばく露されるおそれがないものは、作業主任者の選任等の規定の対象には含まれないものであること。
(ア) インジウム化合物等を電極とする液晶パネルを用いて電機製品を組み立てる作業
(イ) コバルトを含有する合金をプレス成形(打ち抜きを除く。)する作業、加熱せずに行う圧延の作業、成形したものを単に組み立てる作業
(ウ) コバルトを含有する合金(超硬合金、メタルボンドを含む。)を素材とする工具を通常の使用方法により用いて、他の金属等の加工等(研磨、切削、圧延を含む。)を行う作業
(エ) 塩化コバルトを紙製のカードやシリカゲルに含浸させた上で乾燥させた製品を、湿度の検知のために梱包し、又は回収する作業
なお、「インジウム化合物」には、金属インジウムは含まれないこと。金属インジウムについては、現時点でヒトに対する有害性に関する情報が不足しているため、特定化学物質には追加しないこととしたが、インジウム・スズ酸化物(ITO)の製造、使用、回収等の過程で金属インジウムを製造し、又は取り扱う作業(金属インジウムの精製、鋳造や金属インジウムを用いたボンディング等)については、「インジウム・スズ酸化物等取扱い作業による健康障害防止対策の徹底について」(平成22年12月22日付け基安発1222第2号通達)による健康障害防止措置を講ずる必要があること。
エ エチルベンゼン等又はコバルト等を製造し、又は取り扱う作業等のうち、厚生労働省令で定める一部の作業等については、作業主任者の選任等の規定の適用を除外することとしたこと。(施行令第6条、第21条、第22条関係)
(2) 施行期日(改正政令附則第1項関係)
改正政令は、平成25年1月1日から施行することとしたこと。
(3) 経過措置(改正政令附則第2項から第4項まで関係)
ア インジウム化合物等、エチルベンゼン等又はコバルト等を製造し、又は取り扱う作業については、平成26年12月31日までの間は作業主任者の選任を要しないこととしたこと。(改正政令附則第2項関係)
イ (1)アの表示をしなければならない物であって、改正政令の施行の日(平成25年1月1日)において現に存するものについては、平成25年6月30日までの間は、表示の規定は適用しないこととしたこと。(改正政令附則第3項関係)
ウ インジウム化合物等、エチルベンゼン等又はコバルト等を製造し、又は取り扱う屋内作業場については、平成25年12月31日までの間は、作業環境測定を行うことを要しないこととしたこと。(改正政令附則第4項関係)
第2 労働安全衛生規則等の一部を改正する省令
1 改正の趣旨
改正省令は、改正政令の施行に伴い、労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号。以下「安衛則」という。)、特定化学物質障害予防規則(昭和47年労働省令第39号。以下「特化則」という。)、作業環境測定法施行規則(昭和50年労働省令第20号。以下「作環則」という。)、女性労働基準規則(昭和61年労働省令第3号。以下「女性則」という。)等について所要の改正を行ったものである。
2 改正の内容及び留意事項
(1) 安衛則の一部改正(改正省令第1条関係)
ア 表示対象物質の追加(安衛則別表第2関係)
改正政令による施行令第18条の改正により、表示対象物質として、インジウム化合物、エチルベンゼン並びにコバルト及びその無機化合物並びにこれらを含有する製剤その他の物で、厚生労働省令で定めるものが規定されたことに伴い、これらの物質に係る裾切値(当該物質の含有量がその値未満の場合、規制の対象としないこととする場合の当該値をいう。イにおいて同じ。)を0.1%と規定したこと。
イ 通知対象物質の範囲の変更(安衛則別表第2の2関係)
インジウム化合物等を表示対象物質とし、その裾切値を0.1%としたことに伴い、法第57条の2第1項に基づき通知(以下単に「通知」という。)をしなければならないこととされているインジウム化合物に係る裾切値を0.1%に引き下げたこと。なお、金属インジウムに係る裾切値については変更はないこと。
ウ 計画の届出をすべき機械等の追加(安衛則別表第7関係)
特化則第38条の8において準用する有機溶剤中毒予防規則(昭和47年労働省令第36号。以下「有機則」という。)第5条又は第6条に基づき設置されるエチルベンゼン等の蒸気の発散源を密閉する装置、局所排気装置等について、これらを設置し、若しくは移転し、又はこれらの主要構造部分を変更しようとする場合の安衛則第86条第1項及び法第88条第2項において準用する同条第1項の規定に基づく届出の対象とすることとしたこと。
また、特化則第2条の2に規定する適用除外業務のみに係る発散抑制の設備については、届出の対象としないこととしたこと。
エ 新規化学物質の製造・輸入届等の簡素化(安衛則様式第4号の3及び様式第4号の4関係)
法第57条の3第1項の新規化学物質の製造・輸入に関する手続について、次のとおり簡素化を図ったこと。
(ア) 様式第4号の3関係
化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(昭和48年法律第117号。以下「化審法」という。)に基づく特定の届出書又は申出書を提出した場合であって、当該届出書又は申出書の写しを添付したときには、安衛則第34条の4の規定に基づく新規化学物質の製造・輸入に係る届出に用いる様式第4号の3の記載事項の一部について、記載を要しないこととしたこと。(様式備考8及び9)
(イ) 様式第4号の4関係
① 化審法に基づく少量新規化学物質の製造・輸入に係る確認の申出書を提出した場合であって、当該申出書の写しを添付するときには、安衛則第34条の10の規定に基づく少量新規化学物質の製造・輸入に係る確認に用いる様式第4号の4の記載事項の一部について、記載を要しないこととしたこと。
なお、安衛則に基づく少量新規化学物質の製造・輸入に係る確認の申請は、1の事業場における1年間の製造量又は輸入量が100キログラム以下の場合に行うことができるものであること。(様式備考11)
② 安衛則に基づく少量新規化学物質に係る確認は、1年間の製造量又は輸入量について行うもの(ただし、連続する2年間の1年目及び2年目の製造量又は輸入量がそれぞれ100キログラム以下である旨の確認を申請することができる。)であるが、1の事業場に関して2以上の物質について申請するときには、過去に少量新規化学物質に係る確認を受けたことがある物質であるか否かにかかわらず、1物質についてのみ様式第4号の4に記入し、他の物質については別紙に必要事項を記載して添付すれば足りることとしたこと。(様式備考9及び12)
(2) 特化則の一部改正(改正省令第2条関係)
ア インジウム化合物等及びコバルト等の管理第2類物質への追加(特化則第2条、別表第1関係)
(ア) インジウム化合物等及びコバルト等については、いずれも動物実験の結果がん原性が認められ、かつ、ヒトに対する発がん性のおそれが指摘されるなど、慢性障害のリスクが高いことが確認されたため、今般の改正により特定化学物質に追加したものであるが、これらの物質は大量漏えいによる急性中毒のリスクは低いものであることから、管理第2類物質として規定したこと。(特化則第2条関係)
(イ) 改正政令による施行令別表第3の改正により、特定化学物質としてインジウム化合物、コバルト及びその無機化合物並びにこれらを含有する製剤その他の物で、厚生労働省令で定めるものが定められたことに伴い、これらの物質に係る裾切値(当該物質の含有量がその値以下の場合、規制の対象としないこととする場合の当該値をいう。以下同じ。)を1%としたこと。(特化則別表第1関係)
イ 「エチルベンゼン等」の第2類物質への追加(特化則第2条、別表第1関係)
特化則第2条第1項第3号の2の「エチルベンゼン等」については、エチルベンゼンがヒトに対する発がん性のおそれが指摘される物である一方で、有機溶剤と同様に、溶剤として使用される実態があり、それに応じた健康障害防止措置を規定する必要があることから、第2類物質の新たな類型として規定したものであること。
また、有機溶剤と同様に作用し、蒸気による中毒を発生させるおそれがあるため、その予防の観点から、エチルベンゼン及びこれを重量の1%を超えて含有する製剤その他の物(別表第1第3号の3)に加えて、エチルベンゼンの含有量が重量の1%以下であって、エチルベンゼン及び有機溶剤の含有量の合計が重量の5%を超える製剤その他の物(別表第1第37号)を「エチルベンゼン等」として規定したこと。
なお、別表第1第37号においてはエチルベンゼンに係る裾切値を規定していないが、法に基づく表示や通知により、エチルベンゼンを含有している旨の情報提供を受けない含有量である場合には、別表第1第37号に該当しないものであること。
ウ エチルベンゼン等に係る特化則の規定の適用等(特化則第2条、第12条の2、第24条、第36条の5、第38条の8、第41条の2関係)
(ア) 「エチルベンゼン等」のうち、エチルベンゼン及びこれを重量の1%を超えて含有する製剤その他の物については、特化則第2章に規定する措置のほかは特定化学物質及び第2類物質に係る措置の対象とすることとし、エチルベンゼンの含有量が重量の1%以下の製剤その他の物については、エチルベンゼンによる慢性障害のリスクが低いことから、通常の作業時の健康障害防止措置を定める規定は、原則として適用しないこととしたこと。
ただし、エチルベンゼンの含有量が重量の1%以下の製剤その他の物についても、特化則第25条第1項及び第4項の規定等、有機則において同様の措置が規定されているなど、蒸気による中毒の予防の観点から必要な措置を定める規定については適用することとしたこと。(特化則第2条、第12条の2、第24条関係)
(イ) エチルベンゼン等について、エチルベンゼンが溶剤として使用される実態があり、それに応じた健康障害防止措置を規定する必要があることから、特化則第5条の規定及びその関連規定の対象とせず、有機則の規定の一部を準用することとしたこと。(特化則第38条の8関係)
(ウ) エチルベンゼン及び有機溶剤の含有量の合計が重量の5%を超える製剤その他の物に係る作業環境測定及び特殊健康診断については、エチルベンゼンが有機溶剤と同様に作用し、蒸気による中毒を発生させるおそれがあることから、エチルベンゼンと併せて有機溶剤の空気中の濃度の測定の実施及び有機溶剤に係る特殊健康診断の項目についての特殊健康診断の実施を義務付けることとしたこと。(特化則第36条の5、第41条の2関係)
(エ) エチルベンゼン等に係る特化則の適用については別紙1を、エチルベンゼン等について準用する有機則の規定については、別紙2を参照すること。
エ エチルベンゼン等及びコバルト等に係る適用除外(特化則第2条の2関係)
(ア) 国が行った化学物質による労働者の健康障害防止に係るリスク評価(以下「リスク評価」という。)の結果、エチルベンゼン等又はコバルト等の労働者へのばく露の程度が低く、労働者の健康障害のおそれが低いと判断されたため、次の業務については作業主任者の選任等の規定及び特化則の規定の適用を除外したこと。
① エチルベンゼン等を製造し、又は取り扱う業務のうち、屋内作業場等において行う塗装の業務(以下「エチルベンゼン塗装業務」という。)以外のエチルベンゼン等を製造し、又は取り扱う業務
② コバルト等を触媒として取り扱う業務
(イ) エチルベンゼン塗装業務以外のエチルベンゼン等を製造し、又は取り扱う業務には、例えば、エチルベンゼンを原料として製剤等を製造する業務、エチルベンゼンと混合したガソリンを取り扱う業務等が含まれること。
(ウ) コバルト等を触媒として取り扱う業務とは、コバルト等以外の物質の合成工程等において、触媒としてコバルト等を反応槽、反応塔等へ投入し、又は取り出す等の業務をいい、触媒としてのコバルト等を製造する業務は含まれないこと。
(エ) 特化則第2条の2に規定される業務は、(ア)のとおり労働者の健康障害のおそれは低いと判断されたものであるが、エチルベンゼン並びにコバルト及びその無機化合物は、ヒトに対する発がん性のおそれが指摘されるなど、有害性が認められる物質であることから、これらの業務について自主的な管理を徹底する必要があること。
オ エチルベンゼン等の貯蔵場所に設置する設備(特化則第25条関係)
(ア) 第25条第5項第1号の「設備」とは、施錠、縄による区画等をいうこと。
(イ) 第25条第5項第2号の「設備」とは、窓、排気管等をいい、必ずしも動力によりエチルベンゼン等の蒸気を排出することを要しないこと。
カ エチルベンゼン塗装業務に係る作業主任者(特化則第27条、第28条関係)
(ア) エチルベンゼン塗装業務に係る作業主任者については、エチルベンゼンが溶剤として使用される実態に応じた適切な作業の管理を行わせるため、有機溶剤作業主任者技能講習を修了した者のうちから選任しなければならないこととしたこと。このため、特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者技能講習を修了した者のうちから選任することはできないことに留意すること。
(イ) 第38条の8の規定において準用される有機則第2条又は第3条の規定により、エチルベンゼン等の消費量が許容消費量を超えないことにつき労働基準監督署長の認定を受けた場合等には、エチルベンゼンの含有量が重量の1%以下の製剤その他の物に係る塗装業務に限り、作業主任者の選任を要しないこととしたこと。
キ エチルベンゼン塗装業務に係る作業環境測定(特化則第36条、第36条の5関係)
(ア) 事業者は、エチルベンゼン又はこれを重量の1%を超えて含有する製剤その他の物を製造し、取り扱う作業場について、エチルベンゼンの空気中の濃度を測定しなければならないこととしたこと。
(イ) (ア)の測定のほか、事業者は、エチルベンゼンが有機溶剤と同様に作用し、蒸気による中毒を発生させるおそれがあることから、エチルベンゼン及び有機溶剤の含有量の合計が重量の5%を超える製剤その他の物(以下「エチルベンゼン有機溶剤混合物」という。)を用いて屋内作業場で塗装業務を行う場合には、エチルベンゼン及び施行令別表第6の2第1号から第47号までに掲げる有機溶剤の空気中の濃度を測定しなければならないこととしたこと。
(ウ) 第38条の8の規定において準用する有機則第3条の規定により、エチルベンゼン等の消費量が許容消費量を超えないことにつき労働基準監督署長の認定を受けた場合には、(イ)の測定の実施を要しないこととしたこと。
ク 作業環境測定の実施及びその結果の評価並びにこれらの結果の記録の保存(特化則第36条の2、第36条の5関係)
(ア) インジウム化合物等、エチルベンゼン等(エチルベンゼン及びこれを重量の1%を超えて含有する製剤その他の物に限る。)又はコバルト等を製造し、又は取り扱う屋内作業場について、作業環境測定及びその結果の評価(インジウム化合物等については、作業環境測定に限る。)を行い、これらの結果の記録を30年間保存しなければならないこととしたこと。
(イ) キ(イ)の測定の結果及びその評価の結果の記録については、3年間保存しなければならないとしたこと。
ケ 洗浄設備(特化則第38条関係)
特化則第38条における洗たくのための設備の設置には、労働者の使用した作業衣等の洗濯を同一事業者の他の事業場で行う場合や他の事業者と契約して事業場外で行う場合を含むこと。
コ 特別管理物質の追加(特化則第38条の3関係)
インジウム化合物等、エチルベンゼン等(エチルベンゼンを重量の1%を超えて含有する製剤その他の物に限る。)及びコバルト等を特別管理物質に追加したこと。
なお、特別管理物質は、特化則第38条の3の作業場内掲示、特化則第38条の4の作業記録の保存、特化則第40条第2項の特殊健康診断の結果の記録の30年間保存、特化則第53条の記録の提出の対象となることに留意すること。
サ インジウム化合物等に係る措置(特化則第38条の7関係)
(ア) インジウム化合物は、特に有害性が高く、労働者へのばく露の程度を低減する必要がある物であることから、インジウム化合物等を製造し、又は取り扱う作業について、作業環境測定の結果に応じて労働者に有効な呼吸用保護具を使用させる措置及び二次発じんを防止するための措置を規定したこと。
(イ) 特化則第38条の7第1項第1号の「床等」の「等」には、窓枠、棚が含まれること。
(ウ) 特化則第38条の7第1項第1号の「水洗等」、「水洗する等」の「等」には、超高性能(HEPA)フィルター付きの真空掃除機による清掃が含まれること。なお、当該真空掃除機を用いる際には粉じんの再飛散に注意する必要があること。
(エ) 特化則第38条の7第1項第3号の「器具、工具、呼吸用保護具等」の「等」には、作業場内において使用され、粉じんが付着した全ての物が含まれる趣旨であり、作業衣、ぼろ等が含まれること。
(オ) 「付着した物を除去」する方法は、インジウム化合物等を製造し、又は取り扱う作業を行う作業場を他の作業場と隔離し、作業場間にエアシャワー室を設ける方法、付着物を拭き取る方法、作業場の出入り口に粘着性マットを設ける方法等汚染の程度に応じて適切な方法を用いること。
また、フィルター等の付着した物の除去が困難な物は、廃棄物として処分すること。
(カ) 上記のほか、当該作業を行う労働者に日本工業規格T8115に定める規格に適合する浮遊固体粉じん防護用密閉服、日本工業規格T8118に定める規格に適合する静電気帯電防止用作業服等を使用させることが望ましいこと。
(キ) 除じん機から粉じんを回収する作業については、リスク評価において、労働者への特に高いばく露が確認されたので、集じんする容器内の粉じんを湿った状態に保つこと、特化則第38条の7第1項第2号の規定に基づき呼吸用保護具を使用させる場合のほか、当該作業を行う労働者に有効な呼吸用保護具を使用させること、日本工業規格T8115に定める規格に適合する使い捨て式の浮遊固体粉じん防護用密閉服を使用させること等適切なばく露防止対策を講じる必要があること。
シ エチルベンゼン等に係る措置(特化則第38条の8関係)
(ア) エチルベンゼンが溶剤として使用される実態に応じ、その蒸気の発散面が広いため局所排気装置等の設置が困難な場合の措置などを規定する必要があることから、有機則の規定の一部を準用することとしたこと。
(イ) エチルベンゼン等については、その含有する有機溶剤の有無、種類及び量によって有機則第1条第1項第3号の「第1種有機溶剤等」、同項第4号の「第2種有機溶剤等」又は同項第5号の「第3種有機溶剤等」に相当する場合があり、それに応じて、準用する有機則の規定が区別されるものであること。
エチルベンゼンを勘案しない場合に「第3種有機溶剤等」に区分される物について、特化則第38条の8において準用する有機則第1条第1項の規定により「第2種有機溶剤等」に相当することとなる場合、有機則第25条の適用に際し、「第2種有機溶剤等」として取り扱うこと。
(ウ) 特化則第38条の8において準用する有機則第24条の規定に基づく掲示は、「有機溶剤中毒予防規則第24条第1項の規定により掲示すべき事項の内容及び掲示方法」(昭和47年労働省告示第123号)により行うこと。
(エ) リスク評価の結果、タンクの内部等で労働者への特に高いばく露が確認されたため、特化則第38条の8において準用する有機則第33条第4号の規定に基づき当該場所でエチルベンゼン塗装業務に従事する労働者に使用させる有機ガス用防毒マスクは、全面形のものに限ることとしたこと。
(オ) 特化則第38条の8において準用する有機則第24条の掲示事項と、特化則第38条の3の掲示事項をまとめて掲示して差し支えないこと。この場合、共通の事項について重ねて掲示する必要はないこと。
(カ) 吹付けによる塗装作業等で、エチルベンゼンの蒸気と塗料の粒子等の粉じんとが混在する作業に従事する労働者には、防じん機能を有する防毒マスクを使用させること。
(キ) 造船所等において、エチルベンゼン塗装業務を行う作業場で他の作業が行われる場合には、当該他の作業を行う労働者は特化則第24条の立入禁止措置の対象とはならないこと。
ただし、事業者は、当該他の作業を行う労働者に対し、エチルベンゼン塗装業務が行われることを周知し、必要に応じて、有効な呼吸用保護具の使用等の健康障害防止措置を講じる必要があること。
ス コバルト等に係る措置(特化則第38条の12関係)
(ア) コバルト及びその無機化合物は、特に有害性が高く、労働者へのばく露の程度を低減する必要がある物であることから、二次発じんを防止するための措置を規定したこと。
(イ) 特化則第38条の12の「床等」の「等」については、サ(イ)と同様であること。
セ 燻蒸作業に係る措置(特化則第38条の14関係)
(ア) エチレンオキシド及び酸化プロピレンについて、これらの物質を成分とする燻蒸剤が文化財の燻蒸等のために使用されていることから、特化則第38条の14の燻蒸作業に係る措置の対象となる物質として規定したこと。
(イ) 特化則第38条の14の「倉庫、コンテナー、船倉等」の「等」には、博物館等の収蔵庫、展示室が含まれること。
ソ エチルベンゼン塗装業務に係る特殊健康診断(特化則第39条、第41条の2関係)
(ア) 事業者は、エチルベンゼン等(エチルベンゼン及びこれを重量の1%を超えて含有する製剤その他の物に限る。)を製造し、又は取り扱う業務に常時従事する労働者に対し、特化則第39条の特殊健康診断を実施しなければならないこととしたこと。(特化則第39条関係)
(イ) エチルベンゼンは、有機溶剤と同様に作用し、蒸気による中毒を発生させるおそれがあることから、エチルベンゼン有機溶剤混合物を用いて塗装作業を行う場合には、有機則第29条第2項及び第5項に規定する項目について特殊健康診断を実施しなければならないこととしたこと。(特化則第41条の2関係)
(ウ) 第38条の8の規定において準用する有機則第3条の規定により、エチルベンゼン等の消費量が許容消費量を超えないことにつき労働基準監督署長の認定を受けた場合には、(イ)の特殊健康診断の実施を要しないこととしたこと。(特化則第41条の2関係)
タ 特殊健康診断の結果の記録及びその保存並びに報告(特化則第40条、第41条、第41条の2関係)
(ア) インジウム化合物等、エチルベンゼン等(エチルベンゼン及びこれを重量の1%を超えて含有する製剤その他の物に限る。)又はコバルト等を製造し、又は取り扱う業務に常時従事する労働者に対して実施した特殊健康診断の結果の記録(エチルベンゼン等については、特化則第39条の特殊健康診断に係るものに限る。)について、30年間保存しなければならないこととしたこと。(特化則第40条関係)
(イ) ソ(イ)の特殊健康診断の結果の記録については、5年間保存しなければならないこととしたこと。(特化則第41条の2関係)
(ウ) ソ(イ)の特殊健康診断を行ったときは、特化則第41条の2において準用する有機則第30条の3の規定に基づき、有機溶剤等健康診断結果報告書を労働基準監督署長に提出しなければならないこととしたこと。(特化則第41条の2関係)
チ インジウム化合物等、エチルベンゼン等及びコバルト等に係る特殊健康診断の項目(特化則別表第3、別表第4関係)
(ア) インジウム化合物等に係る特殊健康診断の項目について
インジウム化合物については、ヒトに対する発がん性のおそれや間質性肺炎等の不可逆的な健康影響を引き起こす可能性が指摘されたことを踏まえ、インジウム化合物等を製造し、又は取り扱う業務に常時従事する労働者等に対する特殊健康診断の項目の趣旨等については、次のとおりとすること。
① 「作業条件の簡易な調査」は、労働者の当該物質へのばく露状況の概要を把握するため、前回の特殊健康診断以降の作業条件の変化、環境中のインジウム化合物の濃度に関する情報、作業時間、ばく露の頻度、インジウム化合物の粉じん等の発生源からの距離、呼吸用保護具の使用状況等について、医師が主に当該労働者から聴取することにより調査するものであること。このうち、環境中のインジウム化合物の濃度に関する情報の収集については、当該労働者から聴取する方法のほか、衛生管理者等からあらかじめ聴取する方法があること。
② 「せき、たん、息切れ等の他覚症状又は自覚症状の有無の検査」は、インジウム化合物により生じる症状の検査をいうこと。
③ 「インジウム化合物によるせき、たん、息切れ等の他覚症状又は自覚症状の既往歴の有無の検査」では、インジウム化合物による肺の気腫性変化の評価の参考とするため、労働者の喫煙歴についても聴取すること。
④ 「血清シアル化糖鎖抗原KL―6の量の測定」は、肺の間質性変化及び気腫性変化を評価するための検査であること。
⑤ 「胸部のエツクス線直接撮影又は特殊なエツクス線撮影による検査」は、肺の間質性変化及び気腫性変化を把握するための検査であること。
また、「胸部のエツクス線直接撮影又は特殊なエツクス線撮影による検査」は、雇入れ又は当該業務への配置換えの際に行う健康診断で実施しなければならないこととし、雇入れ又は当該業務への配置換えの際以外の健康診断においても、医師が必要と認める場合には実施しなければならないこととしたこと。
雇入れ又は当該業務への配置換えの際以外の健康診断において、医師が必要と認めて「胸部のエツクス線直接撮影若しくは特殊なエツクス線撮影による検査」を行う場合には、雇入れ又は当該業務への配置換えの際に行う健康診断における「胸部のエツクス線直接撮影」又は「特殊なエツクス線撮影による検査」の結果と比較することが重要であること。
なお、「特殊なエツクス線撮影による検査」は、CT(コンピューター断層撮影)による検査等をいうこと。
⑥ 「作業条件の調査」は、労働者の当該物質へのばく露状況の詳細について、当該労働者、衛生管理者、作業主任者等の関係者から聴取することにより調査するものであること。
⑦ 「血清サーファクタントプロテインD(血清SP―D)の検査等の血液化学検査」は、肺の間質性変化及び気腫性変化を把握するための検査をいうこと。
⑧ 「肺機能検査」は、スパイロメトリー及びフローボリューム曲線による肺換気機能検査、動脈血ガスを分析する検査並びに一酸化炭素による拡散能力検査等をいうこと。
(イ) エチルベンゼン等に係る特殊健康診断の項目について
エチルベンゼンについては、ヒトに対する発がん性のおそれや中枢神経の抑制、肝機能障害、腎機能障害、眼や上気道の刺激症状を引き起こす可能性が指摘されたことを踏まえ、エチルベンゼン等を製造し、又は取り扱う業務に常時従事する労働者等に対する特殊健康診断の項目の趣旨等については、次のとおりとすること。
① 「作業条件の簡易な調査」及び「作業条件の調査」については、インジウム化合物等に係る特殊健康診断の項目と同様であること。
② 「眼の痛み、発赤、せき、咽頭痛、鼻腔刺激症状、頭痛、倦怠感等の他覚症状又は自覚症状の有無の検査」は、エチルベンゼンにより生じる症状の検査をいうこと。
③ エチルベンゼン有機溶剤混合物を製造し、又は取り扱う業務に常時従事する労働者に対し、特化則第41条の2において準用する有機則第29条の特殊健康診断と特化則第39条の特殊健康診断とを併せて行う場合には、共通の項目については重ねて実施する必要はないこと。
ただし、当該項目についての結果の記録については、それぞれの規則に基づき作成し、保存しなければならないこと。
(ウ) コバルト等に係る特殊健康診断の項目について
コバルトについては、ヒトに対する発がん性のおそれや呼吸器障害、皮膚症状等を引き起こす可能性が指摘されたことを踏まえ、コバルト等を製造し、又は取り扱う業務に常時従事する労働者等に対する特殊健康診断の項目の趣旨等については、次のとおりとすること。
① 「作業条件の簡易な調査」、「作業条件の調査」、「胸部のエツクス線直接撮影若しくは特殊なエツクス線撮影による検査」及び「肺機能検査」については、インジウム化合物等に係る特殊健康診断の項目と同様であること。
② 「せき、息苦しさ、息切れ、喘鳴、皮膚炎等の他覚症状又は自覚症状の有無の検査」は、コバルトにより生じる症状の検査をいうこと。
ツ 法第66条第2項後段の特殊健康診断の対象物に係る裾切値(特化則別表第5関係)
改正政令による施行令第22条第2項の改正により、法第66条第2項後段の特殊健康診断の対象業務として、インジウム化合物、エチルベンゼン若しくはコバルト及びその無機化合物又はこれらを含有する製剤その他の物で、厚生労働省令で定めるものを製造し、又は取り扱う業務が規定されたことに伴い、これらの物に係る裾切値を1%としたこと。
テ インジウム化合物等、エチルベンゼン等又はコバルト等を製造し、又は取り扱う業務を特殊健康診断の対象業務として規定したことに伴い、特化則様式第3号について所要の改正を行ったこと。(特化則様式第3号(裏面)関係)
(3) 作環則の一部改正(改正省令第3条関係)
ア インジウム化合物等又はコバルト等を製造し、又は取り扱う屋内作業場を作環則別表第4号に規定したこと。(作環則別表関係)
イ エチルベンゼン等を製造し、又は取り扱う屋内作業場は、作環則別表第3号に規定されることとなったが、エチルベンゼン有機溶剤混合物を製造し、又は取り扱う屋内作業場に係る作業環境測定のうち、有機溶剤の分析(解析を含む。また、簡易測定機器以外の機器を用いて行うものに限る。)については、作環則別表第5号に掲げる作業場の種類について登録を受けた者に行わせる必要があること。
(4) 女性則の一部改正(改正省令第4条関係)
ア エチレンオキシドに係る濃度測定業務等の女性就業禁止業務への追加(女性則第2条第1項第18号イ関係)
燻蒸した船倉又は当該燻蒸した船倉に隣接する居住室等における空気中のエチレンオキシドの濃度測定作業及びエチレンオキシドの排気を行うためこれらの場所に立ち入る作業を行う業務であって呼吸用保護具を使用する必要があるものについて、女性を就かせてはならないものとしたこと。
イ エチルベンゼン塗装業務の女性就業禁止業務への追加(女性則第2条第1項第18号イ及びハ関係)
特化則の対象物質にエチルベンゼンが追加されることとなったところ、当該物質は国によるGHS分類事業において、生殖毒性が区分1B(生殖毒性があるとみなされる物質)に分類されていることから、当該物質を有害物として追加し、次の業務について、女性を就かせてはならないものとしたこと。
(ア) エチルベンゼン塗装業務を行う作業場のうち、作業環境測定を行うべき作業場であって、同測定の評価の結果、第3管理区分に区分された屋内作業場における業務
(イ) エチルベンゼン塗装業務のうち、送気マスク又は有機ガス用防毒マスクの使用が義務付けられている業務
(5) 厚生労働省の所管する法令の規定に基づく民間事業者等が行う書面の保存等における情報通信の技術の利用に関する省令(平成17年厚生労働省令第44号)の一部改正(改正省令第6条関係)
エチルベンゼン塗装業務について、特化則第36条の5、第38条の8及び第41条の2において準用する有機則第21条、第28条第3項、第28条の2第2項及び第30条の規定により事業者に義務付けられる記録の作成及びその保存について、電磁的記録により行うことができることとしたこと。
(6) 施行期日(改正省令附則第1条関係)
改正省令は、平成25年1月1日から施行することとしたこと。
(7) 経過措置(改正省令附則第2条から第10条まで関係)
ア インジウム化合物の含有量が重量の0.1%以上、かつ、1%未満の製剤その他の物であって、イの物以外のものについては、平成25年3月31日までの間は、通知の規定は適用しないこととしたこと。(改正省令附則第2条関係)
イ インジウム化合物の含有量が重量の0.1%以上、かつ、1%未満の製剤その他の物であって、改正省令の施行の日(平成25年1月1日)において現に存するものについては、平成25年6月30日までの間は、通知の規定は適用しないこととしたこと。(改正省令附則第3条関係)
ウ 改正省令の施行の日(平成25年1月1日)において現に提出されている改正省令による改正前の安衛則の様式による申請書は、改正省令による改正後の相当様式による申請書とみなすこととしたこと。また、改正省令の施行の際、現に存する改正省令による改正前の様式による申請書等の用紙は、当分の間、必要な改訂をした上、使用することができることとしたこと。(改正省令附則第4条、第5条関係)
エ 特化則第5条の規定に基づきインジウム化合物等若しくはコバルト等の粉じん等が発散する屋内作業場に設ける発散抑制の設備又は特化則第38条の8において準用する有機則第5条若しくは第6条の規定に規定するエチルベンゼン等に係る局所排気装置等の設置若しくは移転又は主要構造部分の変更を平成25年4月1日前に行う場合には、安衛則第86条第1項及び法第88条第2項において準用する同条第1項の規定に基づく計画の届出を要しないこととしたこと。(改正省令附則第6条関係)
オ インジウム化合物等又はコバルト等を製造し、又は取り扱う設備で、改正省令の施行の日(平成25年1月1日)において現に存するものについては、平成25年12月31日までの間は、特化則第5条の規定は、適用しないこととしたこと。(改正省令附則第7条関係)
カ エチルベンゼン等を製造し、又は取り扱う設備で、改正省令の施行の日(平成25年1月1日)において現に存するものについては、平成25年12月31日までの間は、特化則第38条の8において準用する有機則第5条及び第6条の規定は、適用しないこととしたこと。(改正省令附則第8条関係)
キ インジウム化合物等又はコバルト等を製造し、又は取り扱う作業場であって、改正省令の施行の日(平成25年1月1日)において現に存するものについては、平成25年12月31日までの間は、特化則第21条、第38条の7(第1号に係る部分に限る。)及び第38条の12の規定は、適用しないこととしたこと。(改正省令附則第9条関係)
第3 関係通達の一部改正等
1 「インジウム・スズ酸化物等取扱い作業による健康障害防止対策の徹底について」(平成22年12月22日付け基安発1222第2号通達)について、インジウム化合物については、特化則の規定を適用するため同通知の対象から除外するが、金属インジウムについては従前のとおり、同通達の対象とすること。
2 「女性労働基準規則の一部を改正する省令の施行について」(平成24年4月10日付け基発0410第3号、雇児発0410第10号通達)の一部を次のように改正する。
記の第1中「25物質」を「26物質」に改める。
記の第2の1中「13物質」を「14物質」に改める。
記の第2の1(2)中「又は第22条の2第1項」を「、第22条の2第1項又は第38条の14第1項第11号ハ若しくは第12号ただし書」に改める。
記の第2の3表題中「業務」の下に「等」を加える。
記の第2の3(1)中「おけるもの」の下に「及びエチルベンゼン塗装業務」を加える。
記の第2の3(2)中「おける業務」の下に「及びエチルベンゼン塗装業務」を、「第7号まで」の下に「(特化則第38条の8においてこれらの規定を準用する場合を含む。)」を、「有機則第2条第1項」の下に「(特化則第38条の8において準用する場合を含む。)」を加える。
記の第2の3(3)中「場所における」の下に「業務及びエチルベンゼン塗装業務であって、」を、「第28条第1項」の下に「(特化則第36条の5において準用する場合を含む。)」を加える。
別紙1
エチルベンゼン等に係る特定化学物質障害予防規則の適用整理表
注:本表には有機溶剤中毒予防規則の準用は含まない。
条文 |
内容 |
エチルベンゼン等 (エチルベンゼンの含有量が1%超) |
エチルベンゼン等 (エチルベンゼンの含有量が1%以下) (注) |
|
第1章 総則 |
2 |
定義 |
「エチルベンゼン等」 |
|
2の2 |
適用除外業務 |
● (塗装業務以外の業務を除外) |
||
第2章 製造等に係る措置 |
3 |
第1類物質の取扱いに係る設備 |
× |
|
4 |
特定第2類物質、オーラミン等の製造等に係る設備 |
× |
||
5 |
特定第2類物質、管理第2類物質に係る設備 |
× |
||
6~6の3 |
第4条、第5条の措置の適用除外 |
× |
||
7 |
局所排気装置等の要件 |
× |
||
8 |
局所排気装置等の稼働時の要件 |
× |
||
第3章 用後処理 |
9 |
除じん装置 |
× |
|
10 |
排ガス処理装置 |
× |
||
11 |
廃液処理装置 |
× |
||
12 |
残さい物処理 |
× |
||
12の2 |
ぼろ等の処理 |
● |
× |
|
第4章 漏えいの防止 |
13~20 |
第3類物質等の漏えいの防止 |
× |
|
21 |
床の構造 |
× |
||
22・22の2 |
設備の改造等 |
● |
× |
|
23 |
第3類物質等が漏えいした場合の退避等 |
× |
||
24 |
立入禁止措置 |
● |
× |
|
25 |
容器等 |
● |
● (一部適用) |
|
26 |
第3類物質等が漏えいした場合の救護組織等 |
× |
||
第5章 管理 |
27・28 |
作業主任者の選任、職務 |
● (有機溶剤作業主任者技能講習を修了した者から選任) |
|
29~35 |
定期自主検査、点検、補修等 |
× |
||
36~36の4 |
作業環境測定 |
● |
× |
|
37 |
休憩室 |
● |
× |
|
38 |
洗浄設備 |
● |
× |
|
38の2 |
喫煙、飲食等の禁止 |
● |
× |
|
38の3 |
掲示 |
● |
× |
|
38の4 |
作業記録 |
● |
× |
|
第6章 健康診断 |
39~41 |
健康診断 |
● |
× |
42 |
緊急診断 |
● |
● (一部適用) |
|
第7章 保護具 |
43~45 |
呼吸用保護具、保護衣等の備え付け等 |
● |
× |
第8章 製造許可等 |
46~50の2 |
製造許可等に係る手続き等 |
× |
|
第9章 技能講習 |
51 |
特定化学物質及び四アルキル鉛等作業主任者技能講習 |
× |
|
第10章 報告 |
53 |
記録の報告 |
● |
× |
(注) エチルベンゼン及び有機溶剤の含有量の合計が重量の5%を超えるものに限る。
別紙2
エチルベンゼン等に係る有機溶剤中毒予防規則の準用整理表
条文 |
内容 |
エチルベンゼン等 (エチルベンゼンの含有量が1%超) |
エチルベンゼン等 (エチルベンゼンの含有量が1%以下) (注) |
|
第1章 総則 |
1 |
定義 |
● |
|
2 |
適用除外(許容消費量) |
●(※1) |
●(※3) |
|
3・4 |
適用除外(署長認定) |
●(※2) |
●(※4) |
|
第2章 設備 |
5 |
第1種有機溶剤等、第2種有機溶剤等に係る設備 |
● |
|
6 |
第3種有機溶剤等に係る設備 |
● |
||
7~13の3 |
第5条、第6条の措置の適用除外 |
● |
||
第3章 換気装置の性能等 |
14~17 |
局所排気装置等の要件 |
● |
|
18 |
局所排気装置等の稼働時の要件 |
● |
||
18の2・18の3 |
局所排気装置等の稼働の特例許可 |
● |
||
第4章 管理 |
19・19の2 |
作業主任者の選任、職務 |
× |
|
20~23 |
定期自主検査、点検、補修 |
● |
||
24 |
掲示 |
● |
||
25 |
区分の表示 |
● |
||
26 |
タンク内作業 |
● |
||
27 |
事故時の退避等 |
● |
||
第5章 測定 |
28~28の4 |
作業環境測定 |
●(※5・6) |
●(※6) |
第6章 健康診断 |
29~30の3 |
健康診断 |
●(※5・7) |
●(※7) |
30の4 |
緊急診断 |
× |
||
31 |
健康診断の特例 |
●(※5) |
● |
|
第7章 保護具 |
32~34 |
送気マスク等の使用、保護具の備え付け等 |
● |
|
第8章 貯蔵と空容器の処理 |
35・36 |
貯蔵、空容器の処理 |
× |
|
第9章 技能講習 |
37 |
有機溶剤作業主任者技能講習 |
● (特化則第27条により適用) |
(注) エチルベンゼン及び有機溶剤の含有量の合計が重量の5%を超えるものに限る。
※1 第2章、第3章、第4章(第27条を除く。)、第7章について適用除外
※2 第2章、第3章、第4章(第27条を除く。)、第5章、第6章、第7章及び特化則第42条第2項について適用除外
※3 第2章、第3章、第4章(第27条を除く。)、第7章及び特化則第27条について適用除外
※4 第2章、第3章、第4章(第27条を除く。)、第5章、第6章、第7章及び特化則第27条、第42条第2項について適用除外
※5 エチルベンゼン及び有機溶剤の含有量が5%以下のものを除く。
※6・7 作業環境測定に係る保存義務は3年間、健康診断に係る保存義務は5年間。
別紙3 (エチルベンゼン等に係る規制内容 概念図)