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通達:平成23年度ばく露実態調査対象物質に係るリスク評価結果に基づく労働者の健康障害防止対策の徹底について

 

平成23年度ばく露実態調査対象物質に係るリスク評価結果に基づく労働者の健康障害防止対策の徹底について

平成24年8月1日基安発0801第1号

(都道府県労働局長あて厚生労働省労働基準局安全衛生部長通知)

 

今般、「化学物質のリスク評価検討会」において、アンチモン及びその化合物等9物質についてリスク評価を行い、その報告書が取りまとめられたところである。

本報告書を踏まえ、物質のリスクの程度に応じ下記のとおり労働者の健康障害防止対策について取りまとめたので、関係事業者等に対し指導されたい。

併せて、別添1により関係事業者団体等の長に対して傘下会員事業者への周知等を要請したので了知されたい。

なお、検討会報告書の概要を別添2として添付するが、報告書全文(本文及び別冊)は厚生労働省のホームページ(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002grzr.html)に掲載しているので了知されたい。

 

1 初期リスク評価を行った物質について

(1) 高いリスクが認められたため、さらに詳細なリスク評価が必要とされた物質について

三酸化二アンチモンについては、リスク評価の結果、一部の事業場の作業工程において労働者に健康障害を発生させるリスク(以下単に「リスク」という。)が高いことが確認されたため、平成24年度において、引き続き詳細なリスク評価のためのばく露実態調査を行い、その結果によりリスクの高い作業工程を明らかにするとともに、当該作業工程に係るリスク低減措置について検討することとしているが、この物質は、有害性の高い物質であり、かつ、事業場において高いばく露が生じる可能性があることから、今後実施する詳細なリスク評価の結果を待たず、速やかに労働安全衛生法(昭和47年法律第57号。以下「法」という。)第28条の2第1項の規定に基づき、当該物質に関し有害性等の調査を行い、その結果に基づいて労働安全衛生規則(昭和47年労働省令第32号。以下「安衛則」という。)第576条、第577条、第593条、第594条等の規定に基づく措置を講ずることにより、リスクの低減に取り組むよう、都道府県労働局及び各労働基準監督署(以下「労働局等」という。)は関係事業者等に対し指導の徹底を図ること。

(2) 引き続き適切な管理を行うべき物質について

次の4物質については、リスク評価の結果、事業場において高いリスクは確認されなかった。ただし、これらは有害性の高い物質であることから、必要に応じて安衛則第576条、第577条、第593条、第594条等に基づく措置を講ずるほか、事業者による自主的な管理を推進するよう、労働局等は関係事業者等に対し指導すること。

① 2―アミノエタノール

② キシリジン

③ ニトロベンゼン

④ アンチモン及びその化合物(三酸化二アンチモンを除く。)

(3) 予防的措置として呼吸用保護具の使用等を指導すべき物質について

メチレンビス(4,1―フェニレン)=ジイソシアネート(以下「MDI」という。)は、リスク評価の結果、事業場において高いリスクは確認されなかった。ただし、MDIは呼吸器感作性を有する物質であり、単回ばく露によっても労働者の健康障害が懸念されることから、リスク評価の過程において、予防的対策の必要性が指摘された。また、今回実施したばく露実態調査においては、リスク評価の評価値を上回るような労働者のばく露は見られなかったが、MDIを製造する事業場における廃液処理と分析の作業、及び製品に充填するポリウレタンの原料としてMDIを使用する事業場でMDIを製品に注入する作業において、比較的高い気中濃度が見られた。このため、これらの作業については、防じん機能付き有機ガス用防毒マスクの使用等適切な健康障害防止措置を実施するよう、労働局等は関係事業者等に対し指導すること。

2 詳細リスク評価を行った物質について

(1) 今回の報告で中間とりまとめとされた物質

酸化チタン(Ⅳ)については、当該物質のナノ粒子サイズのものについてリスク評価を予定していることから、今回の報告では中間とりまとめとし、ナノ粒子に関するリスク評価結果を待って、最終的な評価を行うこととされた。ただし、これは有害性の高い物質であり、かつ、粉体塗装を実施する事業場においては高いばく露が生じる可能性があることから、今後実施する最終的な評価の結果を待たず、速やかに法第28条の2第1項の規定に基づき、当該物質に関し有害性等の調査を行い、その結果に基づいて安衛則第576条、第577条、第593条、第594条等に基づく措置を講ずることにより、リスクの低減に取り組むよう、労働局等は関係事業者等に対し指導の徹底を図ること。

(2) 一部の事業場で高いリスクが認められたものの作業工程に共通とは認められず事業場での適切な管理が必要とされた物質について

次の3物質については、リスク評価の結果、一部の事業場の作業工程においてリスクが高いことが認められたものの、ばく露要因を解析したところ、当該物質を製造し又は取り扱う事業場の作業工程に共通のリスクとは認められなかった。しかしながら、これらの物質は有害性の高い物質であり、かつ、事業場において適切な管理がなされていない場合にはリスクが高くなる可能性があることから、法第28条の2第1項の規定に基づき、当該物質に関し有害性等の調査を行い、その結果に基づいて安衛則第576条、第577条、第593条、第594条等の規定に基づく措置を講ずることにより、自主的なリスクの低減に取り組むよう、労働局等は関係事業者等に対し指導すること。

また、ばく露実態調査で高いリスクが認められた事業場については、当該物質の適切な管理を指導すること。

なお、1,3―ジクロロプロペンは、平成24年7月23日付基安発0723第1号において、指導対象としている「脂肪族塩素化合物」に該当する化学構造式を持つものであるが、1,3―ジクロロプロペンは、主に土壌くん蒸用の農薬として使用されるものであり、洗浄用有機溶剤として使用されることは一般的でないと考えられる。仮に洗浄の用途に使用される場合には、当該基安発0723第1号通達に基づき対策を講ずるよう注意喚起を図ること。

① 1,3―ジクロロプロペン

② パラ―ジクロロベンゼン

③ 4―ビニル―1―シクロヘキセン

 

別添1

○平成23年度ばく露実態調査対象物質に係るリスク評価結果に基づく労働者の健康障害防止対策の徹底について

平成24年8月1日基安発0801第2号

((別紙関係団体の長)あて厚生労働省労働基準局安全衛生部長通知)

労働安全衛生行政の推進につきましては、日頃から格別の御支援、御協力をいただき厚くお礼申しあげます。

さて、「化学物質のリスク評価検討会」において、アンチモン及びその化合物等9物質についてリスク評価を行い、今般その報告書が取りまとめられました。

本報告書を踏まえ、物質のリスクの程度に応じ下記のとおり労働者の健康障害防止対策について取りまとめましたので、貴団体の傘下事業場に対し、周知くださいますようお願い申し上げます。

また、検討会報告書の概要を別添として添付するとともに、報告書全文(本文及び別冊)を厚生労働省のホームページ(http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000002grzr.html)に掲載していますのでお知らせします。

<編注:本通達の記と同一内容ですので省略>

(別紙 省略)

 

別添2

化学物質のリスク評価検討会報告書の概要及び今後の対応

1 リスク評価物質

取扱いによっては、労働者にがんなどの重篤な健康障害を生じるおそれのある次の物質

(1) 初期リスク評価(5物質)

○アンチモン及びその化合物

○2―アミノエタノール

○キシリジン

○ニトロベンゼン

○メチレンビス(4,1―フェニレン)=ジイソシアネート(別名MDI)

(2) 詳細リスク評価(4物質)

○酸化チタン

○1,3―ジクロロプロペン

○パラ―ジクロロベンゼン

○4―ビニル―1―シクロヘキセン

2 リスク評価の手法

リスク評価は、有害性の評価とばく露の評価からなる。

(1) 有害性評価は、対象となる物質について主要文献から有害性の種類や程度などを把握し、得られた情報から有害性評価を行うとともに、評価値(※)を設定。

(2) ばく露評価は、「有害物ばく露作業報告」(労働安全衛生規則第95条の6の規定に基づく報告)が出された事業場に対して実態調査を行い、それにより得られた個人ばく露測定結果からばく露濃度を算出。

(3) 有害性評価から得られた評価値と、ばく露評価から得られたばく露濃度を比較することによりリスク評価を実施。

※評価値は、労働者が勤労生涯を通じて毎日当該物質にばく露した場合に健康に悪影響が生じるばく露限界値。

3 リスク評価の結果及び今後の対応

9物質についてリスク評価を行ったところ、下記のように判定された。また、この結果を踏まえて、下記に示すとおり今後の対応を行っていく。

物質名

評価結果の概要

今後の対応

○ アンチモン及びその化合物

ア 三酸化二アンチモンの製造・取扱いを行う一部の事業場において高いばく露が見られたことから、さらに詳細なリスク評価を行うべきであり、ばく露の高かった要因等を明らかにすべきである。

関係事業者等に対し、ばく露低減のため適切に管理が行われるよう行政指導を行うとともに、今後、詳細なリスク評価を実施する。

○ 2―アミノエタノール

○ キシリジン

○ ニトロベンゼン

○ メチレンビス(4,1―フェニレン)=ジイソシアネート(別名MDI)

イ ばく露の測定結果からリスクは高くないと考えられるが、有害性の高い物質であることから、国は、関係事業者に対し、自主的なリスク管理を行うよう指導すべきである。

関係事業者等に対し、引き続き適切な管理が行われるよう行政指導を行う。

○酸化チタン

ウ 当該物質のナノ粒子サイズのものについてリスク評価を予定していることから、今回の報告では中間とりまとめとし、ナノ粒子に関するリスク評価結果を待って、最終的な評価を行うこととする。

関係事業者等に対し、ばく露低減のため適切に管理が行われるよう行政指導を行うとともに、今後、ナノ粒子を含めたリスク評価を着実に実施する。

○1,3―ジクロロプロペン

○パラ―ジクロロベンゼン

○4―ビニル―1―シクロヘキセン

エ 製造・取扱いを行う事業場の一部の作業で高いばく露が見られたが、ばく露要因を解析したところ作業工程共通のリスクは認められなかった。国は関係事業者に対し自主的なリスク管理を行うよう指導すべきである。

関係事業者等に対し、適切な管理が行われるよう行政指導を行う。

<添付資料>

○別紙1 リスク評価物質(9物質)に関する情報

○別紙2 検討会参集者名簿及び開催経緯